紛争は身近にも

人類史における数多くの戦争や革命は、政治的・経済的な問題を原因とする事がほとんどですが、それと同様に、支配する者と支配される者との立場の強弱から生まれる軋轢が、根本的な原因である事が非常に多いです。
支配者と被支配者の歴史は、文明が初めて起こった遥か昔から存在し、地球上で数えきれないほどの大小様々な紛争を繰り返し、現在でもなお続いています。

もちろん現在では、奴隷制の様なまさに支配というイメージの形態は少なくなってきてはいますが、現在の日本でも、会社と従業員・事務所と所属者、などといった形で、まさにあなた自身の身近な問題として存在し、人類の紛争の歴史は今もなお続いているといっても過言ではありません。

憲法で保証される労働三権

皆様ご存知の通り現在は法治国家がほとんどで、日本も法治国家の多くが採用している立憲主義による統治がなされる法治国家です。
立憲主義とは政府の統治を憲法に基づき行う原理ですが、日本においては基本六法、つまり憲法・民法・刑法・会社法・民事訴訟法・刑事訴訟法、を主軸として、全ての法律・条例・政令などが制定されています。

基本六法の中で唯一憲法だけはその他の法律とその性質が違い、いくつかの条文を除いては基本的に日本国民を直接的に縛らず、憲法以外の全ての法律や国家を律するもので、それが故に最上位の法律であると言えます。

さて、条文の少ない憲法の中であえて、団結権・団体行動権・団体交渉権、いわゆる「労働三権」が保障されてるのは何故でしょう？
それは、前述した通り、支配者と被支配者との軋轢から生まれる紛争が、歴史的にみても非常に大きな論点であり、未だかつて完全に解決された事がない、全人類が立ち向かうべき最重要問題の一つであるからです。
ほとんど全ての日本国民は何かしらの会社や公的団体に所属していますが、立場が圧倒的に強い雇用主に対して、労働組合という対抗手段を持って、支配者と被支配者の立場の圧倒的な差を解消し、健全な労働環境の構築を目指す事を、憲法は望んでいるのです。

今までの労働組合は…

しかしこの様な背景があるのにもかかわらず、日本における労働組合のイメージは、正直あまり良いとは言えない様に思います。
それは、何に使われているのか全く分からない組合費・企業に対する嫌がらせのためだけに行われる過剰な抗議活動・労働者の本当の望みを無視した不当に長く不必要に争う交渉方法、こういった本来の趣旨からあまりにも大きく外れた活動をしている既存の労働組合が多いからではないでしょうか。

これでは、多くの方が労働組合に対して悪いイメージを持ってしまうのは簡単に想像できますし、それが故に、本当の労働組合の成立意図を知ろうともしなくなり、よって弱者の立場を脱する事ができずに、労働問題に巻き込まれ泣き寝入りするといった悲劇が、日本中で巻き起こっているのです。

今労働者の地位を向上させる活動

そんな中、革新的なアイディアと確固たる実績によって、世界中の様々な社会問題を抜本的に解決しようと活動するGlobal Unionというグローバル団体が、社会問題の中でも重要な問題の１つである労働問題を解決するために、本来の健全な労働組合を取り戻して労働者の地位を向上させようと、世界的に活動されている事実を知り、非常に感銘を受けました。

彼らは、まず組合費を一切無料にするという画期的な方法で労働組合を設立し、労働者の立場に寄り添って、労働者に精神的・肉体的・経済的な負担が最小限になる方法で、様々な労働問題の解決を行なっています。
もちろん支配者と被支配者の間の軋轢の世界的な完全解決は非常に難易度が高いですが、それを本気で目指して今まさに具体的に行動をしている方々が、世の中に実際にいるのです。

そこで私達は彼らの傘下に入り、彼らの掲げる理念に従いつつも、私達が労働者に対してできる事をやっていこうと決意し、「ねこの手ユニオン」を設立するに至りました。
私達は、労働者が抱える問題を、様々な角度から解決するサービスを作り、「ねこの手」として差し伸べる事で、全人類の抱える最重要問題の一つである労働問題に立ち向かいます。

また、直近まで労働者であったであろうこれから起業を目指す方や労働者を抱える企業などに対しても私達の「ねこの手」を差し伸べ、労働者の立場のみに固執して手を差し伸べるのではなく、あらゆる立場から柔軟に発想して活動を展開していきます。
企業側の労働問題に対するリテラシー向上による労働環境の改善が、抜本的な労働問題の解決に繋がると信じているからです。

ねこの手ユニオンの活動方針

活動方針としては基本的に、企業側との不必要かつ不毛な紛争は行わず労働者に負荷がかからず効率的に解決できる様な活動を行なっていきますが、中には未だに存在する俗に言うブラック企業と紛争になった場合は、友好団体と協力し労働問題に悩んでいる労働者が望む範囲内で徹底的に戦うことも厭いません。

以上の経緯によりここにねこの手ユニオンを設立し、私達1人1人が明るい未来に向けて歩み出せるよう、その第一歩のお手伝いをして参ります。

また私達ねこの手ユニオンは、労働組合の立場から世の中のあらゆる社会問題に対して出来る事を模索し、労働組合だからこそ出来る社会問題の解決方法に思考を巡らせ日々活動に励んでいます。
企業における労働問題にとどまらず社会問題化している、シングルマザーの不払い養育費の確保、女性に対するDV問題、障碍者や高齢者に対する扱い、外国人労働者に対する差別、具体的にあげればキリがありませんが、これら様々な社会問題に対して、労働組合の権利・コミュニティ・情報発信力・テクノロジーなどあらゆる手段を以て、社会のあらゆる場面において虐げられがちな労働者の利益の多角的な実現を目指しています。