初めて会社設立をする人が知っておくべき会社設立の基礎知識!

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「会社設立って何をすればいいの?」
「何から始めればいいのか分からない」
会社設立に向けて多くの不安・疑問を抱えている方も多いと思います。

個人事業主と比較すると法人化は、ハードルが高いと感じることもあるでしょう。
法人化という壁をスムーズに乗りこえていけるように、今回は会社設立前に知っておきたい基礎知識をまとめました。

会社の種類や法人化するメリット・デメリット、手続きの流れなど、会社設立に興味のある方は、ぜひ参考にしてください。

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目次

どれを選ぶ?設立する会社の種類

「会社」と聞くと、「株式会社」を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。
しかし2020年現在の日本では、株式会社に加えて合同会社・合資会社・合名会社と大きく4種類が存在しています。

まずは設立に向けて、思い描いている会社が「どれに当てはまるのか」を把握しておきましょう。

株式会社 合同会社 合資会社 合名会社
最低資本額 1円 1円 制限なし 制限なし
必要人数 1人以上 1人以上 2人以上 1人以上
出資者名称 株主 社員 社員 社員
出資者の責任 有限責任 有限責任 有限責任
無限責任
有限責任
設立費用 約25万円
(内訳:登録免許税15万円、定款認証費用5万2千円、定款印紙4万円)
約10万円
(内訳:登録免許税6万円、定款印紙4万円)
約10万円
(左記同様)
約10万円
(左記同様)
最高意思決定機関 株主総会 社員総会 社員総会 社員総会
経営の主体 取締役 業務執行社員 業務執行社員 業務執行社員

1.株式会社:日本法人の9割を占める

日本法人の9割を占めている「株式会社」は、最低資本金規制の撤廃により、2006年以降から資本金1円以上で設立できます。
資本金1,000万円以上が必要だった頃と比べると、株式会社へのハードルがグッと下がり、初めての方でも気軽に開業できるようになりました。

社会的信用が高く、株式会社や銀行融資など資金調達の面でもメリットがあります。
しかし、経営における柔軟性が高い一方で、設立費用や機関設計(株主総会・取締役会)など、株式会社ならではの負担もでてきます。

2.合同会社:2006年の会社法改正で新登場

会社法改正後に新しく誕生したのが「合同会社」です。
手続きや費用の負担が少なく、小規模の会社設立に向いています。

出資比率に関係なく、貢献度に合わせた利益配当をできるほか、全社員が対等の議決権を持っているのが特徴です。
株式会社に続いて設立者の多い法人形態でもあります。

3.合資会社:有限・無限責任者で構成

最低資本金規制が撤廃するまでは、最小資本で会社を設立できる法人形態として人気がありました。
現在では合同会社の誕生もあり、それほど大きなメリットもなく需要が低くなっています。

合資会社のメリットは、会社法に違反しない限りは自由に内部を規定・設計できることです。
また他の法人形態とは異なり、有限・無限と2種類の責任者で構成しています。

4.合名会社:無限責任者のみで構成

合名会社は、無限責任者のみで構成している法人形態を言います。
4種類ある法人形態のなかでは需要が少なく、2020年現在で実際に見かけるケースも少ないでしょう。

平等な議決権や自由な内部組織の設計など、合同・合資のそれぞれに似たメリットを持っています。

会社設立に期待できるメリット5つ

実際に会社を設立した場合、どのようなメリットが期待できるのかご紹介します。

1.取引先からの信用・信頼を得られやすい

個人事業主と比べて、法人の場合は取引先からの信用・信頼を受けやすい傾向があります。
「法人=国から法的に認められている」といった印象を与えられることが要因でしょう。

特に、上場企業の場合は直接的な取引相手を法人に絞り込んでいるケースがあります。
事業の拡大を求めているのであれば、個人よりも法人のほうがメリットが多いでしょう。

2.銀行融資を受けやすくなる

資金調達に欠かせないのが「銀行融資」の存在です。
融資を受ける場合も、上記同様に信頼・信用の問題が発生します。
そのため、法人の場合は個人よりもスムーズな融資を期待できます。

3.許認可業務の引継ぎがラクになる

許認可業務とは、ペットショップやマッサージ店など、警察署・保健所・都道府県といった行政機関による許可が必要な事業を言います。

個人事業が取得した許認可は「個人のもの」となり、経営者が変わる度に再取得しなければなりません。
ですが、法人として取得していれば「会社のもの」となるので、会社自体が変わっていなければ、経営者が誰になろうと許認可の有効を継続できるのです。

4.経費項目が増える

経費の計上は、節税の基本とも言える対策法です。
個人事業主の場合、経費として計上できるものには限界があります。

しかし、法人であれば「生命保険」「社宅」といったものまで、幅広く含められます。

5.万が一の負担が少なくなる(有限責任のみ)

万が一、取引先とトラブルが生じたとき、損害分をカバーするのは大変です。
多額の損害賠償請求があれば、個人だと破産せざるを得ない状況に陥ることもあります。

ですが、有限責任者を設けている株式会社・合同会社・合資会社なら、倒産という方法で負担を最小限に抑えることが可能です。

会社設立で注意したいデメリット4つ

会社を設立すると上記のようなメリットがありますが、注意しておきたいデメリットも存在します。

1.法人分の追加住民税

法人になると自分の住民税に加えて、会社(法の人=法人)の分まで支払い義務が発生します。

住民税には「均等割」というものが存在しており、収益を伴わない法人であっても資本金に準じて、最低でも年間7万円程度を支払わなければなりません。
ただし都内の住民税においては、収益事業を行わない特定の公益法人等は免除があるようです。

2.社会保険料の労使折半

個人事業主の場合、常時5人以上の従業員を雇う特定の事業(製造・土木建築・清掃・運送など)だと社会保険の加入義務が発生します。
しかし、法人の多くは「強制適用事業所」に分類できるため、「意思・規模・雇用人数・業種」に関係なく、社会保険に加入しなければなりません。

社会保険料は労使折半なので、従業員一人あたり半分の負担コスト(控除)が発生します。
該当する地区や従業員の年利によって異なりますが、おおよそ給与の15~16%と見ておく必要があるでしょう。

3.会社解散時のコスト

会社を解散(畳む)するときも法人だとコストが発生します。
会社を解散する際は、「勝手に畳んで終わり」という訳にはいかないのです。
「解散登記」「清算結了登記」といった有料手続きをする必要があります。

4.専門家への依頼コスト

法人になると経営に必要な事務処理を「司法書士」へ依頼することもあれば、従業員や取引先とのトラブルを防ぐために「社労士」「税理士」「弁護士」を雇うこともあります。
特に会社の規模が大きくなると、このような専門家の力はとても頼りになるでしょう。

このとき、専門家への依頼コストを避けることはできません。
会社の成長を考慮すると、十分な予算を立てておくことが大切です。

設立前に知っておく8つのこと

設立前は「準備しておきたい・決定しておきたい」ことが山ほどあります。
8つの項目をピックアップしましたので、ポイントをそれぞれ確認しましょう。

発起人の決定

発起人とは、会社設立時のみ活動する出資・手続き等の責任者を言います。
会社の意思決定に深く関わるので、十分に検討しましょう。

商号(会社名)の決定

商号を決める際には、いくつかルールがあります。

・会社の種類を入れること(株式会社や合同会社など)
・誤解を与えない会社名にする
・有名企業と同じ名前は避ける
・使用不可の文字・記号は使わない
・ドメインの取得が可能な名前にする
・長文や聞き取りにくい名前は避ける

上記すべての項目を満たす必要はありませんが、会社法に沿った名前を付けることが大切です。
特に誤認の可能性がある会社名は、会社法に基づき100万円以下の罰金が発生してしまうので注意してください。

印鑑・印鑑証明書の作成

即日で用意できるようなものではないので、事前に準備しておくのが賢明です。
登記手続きの代表印や銀行印など、必要となる印鑑をそろえておきましょう。

本店所在地の決定

会社の住所をあらかじめ決めておきましょう。
自宅や個人名義の賃貸オフィスでも問題はありません。

設立前の法人契約は基本的には不可能なので、大家さんの了承を得てから取り掛かりましょう。

事業目的の決定

設立した会社が行う事業について「目的」を定めましょう。
このとき、以下3つのポイントを意識することが大切です。

・営利性:利益を追求しているか
・適法性:法律に違反していないか
・具体性:登記簿を誰が見ても何をしている会社か伝わるか

資本金の決定

最低資本金規制が撤廃してからは、資本金1円からでも気軽に会社を設立できます。
しかし、銀行融資による資金調達を検討しているのなら、特別な事情がない限り1円で会社設立せず、資本金は最低でも100万円程度~用意しておくのがおすすめです。

事業年度の決定

国や地方自治体の動きに合わせて、3月を事業年度(決算期)としているケースが多いですが、会社の都合で自由に選べます。
しかし、闇雲に選んでは業績に影響する恐れがあるため、以下のポイントを意識しておくのがおすすめです。

・売上が上昇する月は選ばない
・現金が不足しやすい月は選ばない
・事業が忙しい時期は選ばない

設立費用の準備

記事の前半部分で触れていますが、設立には資本金とは別で費用が発生します。
収入印紙代や認証手数料など、必要な設立費用を準備しておきましょう。

設立時に知っておく4つのこと

会社設立時は、以下の手続きを忘れずに実行しましょう。

定款の作成・認証

定款とは「会社の基盤となるルール」を示しています。
公証役場の認証を受けることで、公的な効力を発揮します。

まずは創業者がひと通りの流れを作成し、その後は適宜改善していくといった流れが一般的です。
必要な手続きを進めれば、創業者以外の人でも変更ができます。

資本金の振り込み

会社設立時・登記前は法人用の口座作成が困難であるため、資本金を発起人の個人口座へ振り込みます。
振込後は、明細書を作成し通帳のコピーと一緒に保管しておきましょう。

登記書類の作成

いよいよ登記書類の作成に入ります。
会社の種類や事業内容によって用意するものが異なるので、事前にしっかりと確認しておきましょう。

具体的な必要書類は主に
・登記簿申請書
・資本金の払い込み証明書&通帳のコピー
・役員の就任証明書
・代表者取締役および取締役の印鑑証明書
・監査役の本人確認書類
・印鑑届書

などがあります。

登記書類の申請

必要書類の準備を終えたあとは、「希望の会社設立日」に登記簿書類を郵送もしくは法務局の窓口まで届けます。
提出書類に不備がなければ約10日で受領完了します。

設立後に知っておく4つのこと

会社設立までに多くの手続きを踏んできましたが、設立後にもやるべきことがあります。
見落としがないように確認していきましょう。

税務署への届け出

青色申告の承認申請や法人設立届出書など、税務署宛ての書類を提出します。
原本はそのまま税務署での保管となるので、控え用として2部ずつ用意しておきましょう。

各地方自治体への開業届

地方税を納めるために、都道府県・市区町村に対して法人設立届出を渡します。
脱税とならないためにも、忘れずに必要書類を用意しておくことが大切です。

社会保険の加入

前述している通り、社長もしくは従業員が1人以上いる限り、一部の法人を除いて社会保険の加入義務があります。
誰もいない(0人)会社を設立する状況は基本的にないので、確実に手続きを済ませておきましょう。

法人用口座・クレジットカードの作成

登記を済ませ各種手続きを終えたら、法人用の口座とクレジットカードを作成しましょう。
特に法人口座は普段利用している個人口座と異なり、申し込めば誰もが必ず開設できるとは限りません。

会社としての信用・信頼をアピールするためにも、十分な資本金の確保や事業内容の明確化といった対策を練っておくのが得策です。

まとめ:初めて会社設立をする人が知っておくべき会社設立の基礎知識!

個人事業主とは異なり、会社設立時は「法」に関わる複雑で分かりにくい手続きが増えてきます。
社会的信用を受けるためにも、会社の基盤をしっかりと整えることが大切です。

分からないことがあれば無理せず、税理士や司法書士などの専門家に相談しましょう。
初めてのことは不安が多いですが、しっかりと手順を踏んでいけば会社を設立できます。
当記事を参考に、会社設立に向けたイメージを高めていってください。

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