役員報酬の相場はどのくらい？相場の目安や決め方は？

「これから開業するにあたり役員報酬について知らない事が多い・・・」
「役員報酬の金額をどうすればいいのかわからない・・・」
このような方はいらっしゃいませんか？

役員報酬は業種や会社の規模によって決められることが一般的ですが、他社の経営者には聞きにくい話題でもあります。

本記事では、
・役員報酬を決める際のポイント
・役員報酬の相場
について詳しく解説していきたいと思います。

役員報酬を決める時のポイントは？

まずは、役員報酬を決定する際にポイントとなる要素について迫っていきましょう。

業種や会社の規模に沿ったものにする

役員報酬は、業種や会社の規模を基準にすることが一般的です。
というのも、同業種・同規模の会社と比べて報酬があまりにも高い場合は、税務署が損金として計上することを認めないケースがあるためです。

損金として算入できないということは、法人税と個人への所得税の2重課税で支出が増える可能性があることを意味します。

報酬変更のタイミングも注意する

役員報酬の損金算入は、期首から4ヶ月目以降に報酬金額を変えてしまうと変更された分の金額が損金として認められません。
やむを得ない事情があれば変更が認められることも例外的にありますが、稀です。

これは、期間中に役員報酬を変更することで利益操作をするのでは？と判断されてしまうためです。

付加価値分配比率を元に決める

中小企業の場合、付加価値分配比率を元に役員報酬を決めることがあります。
付加価値分配比率とは企業が生み出す利益のことで、算出方法は複数あります。

つまり、「会社が生み出した利益をどう分配するか」というもので、役員報酬を適切なバランスで算出するために役立つと考えられています。

役員報酬の相場について

役員報酬は業種や規模によって決めるべきとご紹介しましたが、相場が分からないと決められないですよね。
国税庁がまとめた「民間給与の実態調査結果（平成29年版）」の平均を見てみると、役員報酬の傾向が分かります。

資本金額	2,000万円未満	2,000万円以上	5,000万円以上	1億円以上
男性	649.2万円	1,001万円	1,157.6万円	1,555.9万円
女性	388.7万円	514.5万円	596.4万円	687.6万円

上記の集計結果から、資本金額の違いや性別により報酬金額が変化することが分かります。資本金額が大きい程、男性・女性の役員報酬は上がっていきます。

資本金額2000万円未満と1億円以上ですと、だいぶ金額に差があります。

女性は役員になっても報酬が男性の1/2程度に留まるケースが多いようで、今後の課題となっていくでしょう。

業種別の役員報酬と従業員規模別のデータ

中小規模の事業所の場合は「役員報酬・賞与・退職金」中小企業の支給相場【2019年版】より役員報酬の相場（月額）を掲載しましたので、報酬を決める際のご参考になれば幸いです。

業種別の役員報酬データ

業種別		製造業	建設業	卸・小売業	サービス業
役員報酬 （社長・月額）	平均額	131.9万円	85.9万円	120万円	114万円
	中位額	116.1万円	87.5万円	100万円	90万円
	最高額	400万円	166.7万円	360万円	330万円
	最低額	23万円	14万円	31万円	25万円

従業員規模別の役員報酬データ

従業員規模別		20名以下	21～50名	51～100名	101～300名
役員報酬 （社長・月額）	平均額	80.1万円	112.4万円	130.4万円	188.9万円
	中位額	70万円	89.4万円	113.5万円	154.2万円
	最高額	250万円	450万円	250万円	400万円
	最低額	14万円	30万円	31.4万円	62万円

上記からも分かるように、それぞれの最低額と最高額には大きな差がみられます。

しかし、平均額と中位額は近しい数字になっていますので、役員報酬を決める際にはこれらを基準にするとよいでしょう。
やはり、規模が大きくなればなるほど、役員報酬の額は上がっていく傾向にあることがわかります。

まとめ：役員報酬の相場はどのくらい？相場の目安や決め方は？

役員報酬は、複数の事情を考慮して決めることが大切です。
会社の規模に比べて高すぎても低すぎても、税制でのバランスがとりにくくなってしまいます。

従業員からの不満を招かないためにも記事中でご紹介したポイントや、報酬の相場を参考になさってみてくださいね。