美容室の開業を支援!必要な資格・届出・設備を解説

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「美容室を開業したいけど何が必要なのかな?」

「美容室開業にはどれくらいの資金が必要なのかな?」

上記のような悩みをお持ちではありませんか?

この記事では「美容室開業までに必要な資格・届出・資金調達方法」を紹介しています。

この記事を読めば、あなたのお店をオープンさせる手続きをスムーズにできるでしょう。

ぜひ最後までご覧くださいね。

目次

念願の美容室オープン!独立の形態はどうする?

美容師の独立形態は、2種類あります。

1つは、個人で開業する場合

2つ目は、フランチャイズとして独立する場合

上記の2種類が独立する形としてあります。

「どんなところが違うのかな?」

「メリット・デメリットを知りたい!」

上記の悩みを解決すべく、2種類のメリット・デメリットを紹介していきます。

個人で開業する場合

個人で開業をしていくメリット・デメリットを紹介します。

メリット

  • 思い描いている店舗設計ができる
  • 利用する物や設備を好きに揃えられる
  • 利益が出た場合、全部あなたのものとなる

デメリット

  • 軌道に乗るまで赤字が続く恐れがある
  • 資金繰りが大変になる
  • 店舗探しなど、本来美容師とは関係のない経営者としての知識が必要となる

以上のメリット・デメリットがあります。

個人で開業する場合、美容師以外の経営にまつわる知識も必要になることが多いです。

ただし、一人で経営をしていくので、やりがいや達成感などはフランチャイズと比べると計り知れないものがあるでしょう。

フランチャイズとして独立する場合

フランチャイズとして独立する場合のメリット・デメリットを紹介します。

メリット

  • すでに成功している経営モデルの店長となるので成功するためのノウハウが確立されている
  • 所属している本部と相談できる(バックアップがある)
  • 利用するもの(シャンプー・カラーリング剤・その他備品)が決められているので美容師としての仕事に集中できる
  • 初めからお客様が来店することが多い(他のチェーン店等、店舗としてのブランド力があるため)

デメリット

  • ビジネスモデルが決まっているため、自由が効かない
  • 本部にロイヤリティを支払う必要がある

フランチャイズ独立の強みは、すでに成功されてビジネスモデルとしてのノウハウを受け取って経営できることでしょう。

開業から経営に関するマニュアルも揃っているので、経営に悩むことはありません。

独立して、1番心配になるのがお客様が来店するかどうかではないでしょうか。

フランチャイズの独立には、既存店舗のブランド力があります。

そのため、独立した当初からある程度の集客見込みが付いているでしょう。

経営が傾いてきた場合も、本部に相談できます。美容師としての腕を上げたい人にはぴったりの独立形態でしょう。

一方で、デメリットは『自由度の低さ』が目立ちます。

独立を考えている方は

「こんな店舗設計をしたい」

「将来はこの器具と備品を使用していきたい」

と考える方は、少なくないでしょう。

2種類をまとめたものを下記に記しておきます。

個人 フランチャイズ
メリット 自由度が高い 完成されたビジネスモデル
デメリット 経営が不安定 自由度は低い

あなたにあった独立形態の参考にしてくださいね。

美容室を開業する時に必要な資格

美容室を開業するにあたり、必要な資格は従業員を雇うか雇わないかで変わってきます。

従業員を雇わずに、1人で開業する場合に必要な資格は美容師免許のみです。

従業員を雇う可能性がある場合、美容師免許と「管理美容師免許」が必要になってきます。

管理美容師というのは、美容室内の衛生管理と環境整備の知識を技術を持つ美容師のことをいいます。

では、管理美容師免許の取得条件を説明していきます。

管理美容師免許の取得条件

管理美容師免許を取得するためには、2つの条件をクリアする必要があります。

1つは、美容師免許を取得後3年間の実務経験

2つ目は、都道府県知事が指定した講習会を受講

上記の2つが取得条件になります。

流れとしては、美容師免許取得後、店舗での3年間の実務を経験。

その後、都道府県ごとに開催される講習会に参加し、取得する。

という流れになります。

今は1人で開業を考えている人でも、事業が波に乗り「人手を増やしたい!」と思っても管理美容師免許がないと従業員を増やせません。

開業してから取ることも可能ですが、講習会は3日かけて行うのが一般的です。

3日間もお店を開けることは、難しいと考えます。

独立を考えた段階で、管理美容師免許の取得も合わせて行っていきたいところです。

開業に必須の届出は?

美容室開業に必要な届出と、届出先と提出する期限を紹介していきます。

従業員を雇うかどうかでも変わってくるので、雇う場合と雇わない場合で説明していきます。

必要な届出(従業員に関わらず必要な書類)

書類名 届出先 期限
開設届 保健所 開店(1週間前)
個人事業の開廃業等届出書(開業届) 税務署 事業開始から1ヶ月前
防火対象物工事等計画書 消防署 7日前
事業開始(廃止)等申告書 都道府県税事務所まあたは市区町村役場 都道府県により変動

上記の届出は、従業員を雇用するかどうか関係なく必要な書類となります。

注意したいところが、1つあります。保健所の開設届です。

保健所の開設届を出す手順を詳しく説明していきます。

開設届の提出の流れ

保健所に提出する開設届がなぜ必要になるのか。

保健所に登録し、営業許可をもらう必要があるからです。

この営業許可がないと、新しく事業を始めることはできません。

開設届提出から営業許可までの流れを紹介します。

  1. 保健所との事前面談
  2. 事前面談クリア後、開設届の提出
  3. 保健所による立ち入り検査
  4. 立入検査を合格、営業許可をもらえる

上記の事前面談がとても重要になります。

内容としては、保健所が定める細かい規定をクリアするためのヒヤリングだと認識していただくとわかりやすいでしょう。

設備の概要であったり、美容室の平面図(設計図)の確認が行われます。

フランチャイズで独立する場合は、引っかかることはないでしょう。

しかし、個人で開業する場合には注意が必要です。

一部を紹介すると

  • 1作業場における床面積は13平方メートル以上か
  • 床や腰板にはタイル・コンクリート又は板等不浸透性材料を使用しているか

という条件のクリアが必須となります。

心配な場合は、物件の設計図ができた段階で保健所にいき、事前相談で解決できるでしょう。

続いて、従業員を雇う場合に必要な届出を紹介します。

書類名 届出先 期限
給与支払事務所等の開設届出書
(個人事業主を開廃業届出書を提出した方は不要)
税務署 事務所設置から1ヶ月以内
新規適用届出 労働基準監督署 雇用した翌日から5日以内
被保険者資格取得届 労働基準監督署 雇用した翌日から5日以内
適用事業設置届出 年金事務所 雇用した翌日から10日以内
被保険者資格取得届 年金事務所 雇用した翌日から5日以内
保険関係成立届 ハローワーク 保険関係成立の翌日から10日以内
適用事業設置届出 ハローワーク 雇用した翌日から10日以内

従業員を雇う場合は以上の届出が必要となります。

なぜここまで提出先が多くなるのかは、「労災保険・健康保険・厚生年金・雇用保険」の加入が必要となるからです。

従業員を1人でも雇う場合、必要な手続きと多いので、忘れずに行っていきましょう。

開業資金の相場はどれくらい?

美容室を開業する場合、開業資金相場は約700〜1,500万円必要と言われています。

では、なぜここまでの金額がかかるのか。
その内訳と、資金調達の方法をこの章では説明していきます。

開業資金の内訳

まず開業するにあたり内訳となるものを紹介します。

  • 運転資金
  • 物件取得費(テナント費)
  • 内外装工事費
  • 機材費
  • その他消耗品
  • 広告費

それぞれいくら掛かるか、紐解きながら説明していきます。

①運転資金

運転資金とは、美容室経営に必要なお金のことをいいます。

ここでいう運転資金は、毎月掛かるであろう固定費(家賃、光熱費等、レンタル代など)を指しています。

目安として、運転資金は毎月かかる固定費の3ヶ月分は確保しておきたいところです。

なので、仮に毎月掛かる固定費が50万円の場合

150万円は確保しておきたい金額になります。

物件取得費(テナント費)

物件を取得するための費用です。

一般的な相場を元に説明していきます。

まず、「敷金(保証金)・礼金・手数料・家賃」が物件を取得する際に掛かる費用です。

どれくらいかかるのかというと

  • 敷金(10ヶ月分)
  • 礼金(1ヶ月分)
  • 手数料(1ヶ月分)
  • 家賃(2ヶ月分)

これを家賃20万円の物件を例にすると

敷金 礼金 手数料 家賃 合計
金額 200万円 20万円 20万円 40万円 280万円

最低でも280万円、物件取得費として掛かってきます。

この費用を抑えるには、小さな美容室にしたり自宅を改装し、サロン経営をすることを1つでしょう。

あくまで相場なので、礼金がない物件や、敷金安くなるケースもあります。

③内外装工事費

美容室開業で、半分以上の費用を占めるのが内外装工事費と言われています。

内外装工事費の目安は、坪単価30〜50万円が相場と言われています。

今回は15坪を例に出して説明していきます。

※15坪の大きさの目安は、セット面4台・シャンプー2台で余裕がある広さと言われています。

15坪で美容室を運営する場合、約450〜750万円掛かる計算です。

依頼する内外装業者により、上下することが考えられます。

内外装業者を頼むコツがあります。

それは、今までにも美容室の工事をしてきたことがあるかどうかです。

あまりに安い業者に頼み、後から追加で工事をすることになったということもあります。

経験がある業者を選定し、何社か見積もりお願いを出すのが、スムーズに工事が進むでしょう。

④機材費

機材費(什器)の総額の目安は、約200〜400万円と言われています。

機材費を安く抑えたい方は、中古の機材を取り扱う専門業社に依頼すると、半額くらいで購入できますよ。

⑤その他消耗品

その他消耗品の相場は、20〜50万円と言われています。

消耗品の中には、シャンプーやカラーリング剤・ゴム手袋やスタイリング剤などが含まれています。

⑥広告費

新規で美容室を開業するにあたり、広告は大切な役割を担います。

広告費を削ると集客ができず、大変な思いをしてしまうので、開業当初は特に重要です。

広告費の相場は、約50〜100万円と言われています。

内容としては

  • 広告掲載(ホットペッパービューティーなど)
  • チラシ・ホームページ作成
  • 名刺・ポイントカードの作成

上記が主に広告費として、上げられるものです。

紹介した6つを合わせると、約1,200万円になります。

働きながら1,200万円を貯めるのは、現実的でないです。

なので、ほとんどの人が融資を受けながら開業をしていきます。

次から、資金調達の方法を紹介していきます。

資金調達の方法

開業資金の相場は約700〜1,500万円必要と前章では紹介いたしました。

最低でも700万円が必要となりますが、働きながらこの金額を貯めるのは難しいですよね。

美容室を開業しているほとんどの人が日本政策金融公庫から『創業融資』を受けて、独立しています。

日本政策金融公庫とは、主に中小企業を支えるための金融機関です。

融資を借りる方の80%以上がこの金融機関を利用しています。

創業融資とは、日本政策金融公庫から創業時に受ける融資の名称です。

創業融資のメリットは大きく4つあり

  • 金利が安い
  • 融資金額が大きい
  • 融資スピードが早い
  • 初めての開業でも借りやすい

4つのメリットから、ほとんどの方が利用しています。

資金調達の方法に、創業融資を受けられることを紹介しました。

ただし、創業融資で受けられるのは「自己資金額の1〜2.5倍」と言われています。

仮に美容室の開業が700万円掛かる場合

自己資金額200万円としたとき

創業融資:200〜500万円(自己資金額の1〜2.5倍)

このことから、自己資金200万円でも、創業融資を受けて700万円の美容室開業は可能ということです。

創業融資は、どこまで受けられるかは人に(事業計画書の内容)よります。

なので、開業資金の3割を自己資金として集めておくと、希望額の融資が通りやすくなります。

美容室オープンまでに準備すること

この章からは、美容室開業までに準備しておくことを紹介していきます。

まず簡単な流れを紹介したのち、細かく解説していきます。

美容室をオープンするまでの流れ

  1. 資金計画・事業計画の作成
  2. コンセプト設計(内外装、狙うターゲットなどの設計)
  3. 物件探し
  4. 店舗内外装工事
  5. インフラ設備設置
  6. 書類手続き
  7. 集客
  8. 開業

美容室開業までの流れは上記の通りです。

各項目ごとに詳しく解説していきます。

①資金計画・事業計画作成

まずは、自己資金額と大まかな店舗に掛かる費用を算出し、金融機関から融資を受ける手続きを開始する。

融資を受けるために、事業内容を細かく記入した、『事業計画書』が必要。

事業計画書に書く内容としては

  • 事業内容・サービス内容
  • 収支計画
  • 事業の見通し人件費
  • 設備に掛かる費用などの明確な資金
  • 借り入れ状況

これらをもとに、金融機関がどれだけ融資をできるのかを判断します。

②コンセプト設計

美容室のコンセプトや、近隣の競合確認などを得て、コンセプトを決定します。

コンセプト設計が終わり、物件探しを始めるのが一般的です。

③物件探し

人によっては、ここで市場調査を行います。

市場調査の内容として、エリア調査や付近の住民の規模を調べます。

物件の探し方は2つあります。

1つは、居抜き物件を利用する

2つ目は、空いているテナントに1から作成する方法

この違いを紹介していきます。

「居抜き物件とは?」

居抜き物件とは、前の店舗やテナントが利用していた設備がそのままになっている物件のことをいいます。

居抜物件を選ぶメリットは、2つあります。

  • コストダウン
  • オープンまでの時間短縮

前の設備を引き継ぐので、什器等の備品代をカットできます。

その他にも、保健所に出す開設届も以前の方が通しているので、大幅な内装工事を行わない限り、スムーズに開業まで進むことでしょう。

物件を選ぶ際の注意点は、物件の形状と高さを見る必要があります。

美容室の場合、導線を意識した作りをしないと、作業がしずらくなったりしてしまします。

また、2階の物件を選ぶ場合は、水圧が弱くなる恐れもあるので注意して確認しましょう。

④店舗内外装工事

工事を頼む業者によっては、得意不得意があります。

そのため値段も業者により違いがあることでしょう。

実績ある業者を探し、工事依頼に進みましょう。

また、内装の設計図が出来上がり次第、保健所の事前相談を利用しましょう。

設計の段階で指摘がある場合は直すのが簡単ですが、仕上がってからでは遅いことがあります。

余計なお金が発生する原因の元ですので注意しましょう。

⑤インフラ設備

店舗の準備が進んできたら、お店に置くレジやWi-Fi、電気や水道を通すための準備をしていきましょう。

ここでは、お店の消耗品(ゴム手袋・ハンガーラック・傘立て・本棚等)の準備を合わせて行っていきましょう。

⑥書類手続き

前の章で説明した開業に必須の書類提出を行っていきましょう。

保健所・税務署・消防署・各都道府県事務所など、提出する期限も決められているので、前章を参考に提出しましょう。

⑦集客

美容室開業の当初は、集客がとても大切です。

今後の経営の波に乗れるかどうかが掛かっているので、しっかりと行いましょう。

内容としては、ネット広告・チラシ配り・SNS(お店用のアカウント)作成・ホームページ作成などがあります。

⑧開業

いよいよ開業です。ここからが、スタート。

あなたの理想とする美容室経営を行っていきましょう。

まとめ

今回は「美容室開業までに必要な資格・届出・資金調達方法」を解説していきました。

美容室開業には、たくさんの届出や手続きが必要となります。

また、従業員を雇うかどうかによって、提出先が増えたりします。

面倒だと感じた方は、所属しているオーナーに話を聞くか、美容室の開業をサポートしてくれる業者に依頼するとスムーズに独立できるでしょう。

この記事を参考に、美容室開業までをスムーズにできるキッカケとなれば幸いです。

飲食店・店舗の開業準備

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