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源泉徴収票をなくした時は速やかに再発行申請を
源泉徴収票とは、会社に勤めている人の年間の給与、控除や所得税額が記された書類のこと。
普段は使わないように思えても、なくすと困るタイミングがけっこうあるんですよね。
この記事では、いったいどんなときに源泉徴収票が必要になるのかと、なくしたときの対処法を紹介していきます。
源泉徴収票はどんなときに必要?
源泉徴収票は、主にその人の年収を証明するときに必要です。
具体的には、以下のようなケースが考えられるでしょう。
- 確定申告を行うとき
- 転職・再就職するとき
- 住宅ローンを組むとき
- 子どもが保育園に入園するとき
- 配偶者の扶養に入るとき
- 保険会社に休業損害証明書を提出するとき
- 民事再生手続き・破産手続きを行うとき
以下より、それぞれどういった理由で源泉徴収票が必要になるのかを見ていきましょう。
確定申告を行うとき
確定申告は、個人事業主など、自分で事業を行っている人が所得税を正しく納めるため、前年の所得を税務署に申告する手続きのこと。
源泉徴収票は主に企業に勤めている人が受け取るものなので、個人事業主には関係がないようにも思えますが、必要になるパターンは意外に多いです。
たとえば事業を始めたばかりの人は、大体の場合、年度の途中で会社を辞めて開業しているでしょう。
その場合、前職の給与も合算して確定申告を行うため、源泉徴収票が必要となるのです。
このほか、自身の事業以外にアルバイトなどで給与をもらっている人も、勤め先の源泉徴収票が必要になります。
もっとも、2019年以降、確定申告書に源泉徴収票の添付はしなくてよいことになったため、あくまで記入の際の確認に必要という話です。
ただし、税務署で確定申告書を作成する場合は源泉徴収票の持参が求められているので、現物が必要です。
会社員でも確定申告が必要な場合がある
会社員は多くの場合、企業が年末調整を行ってくれるため、確定申告をすることはありません。
ただ、例外として年末調整では対応できず、従業員自身が確定申告をしなければいけないことがあります。
具体的には以下のようなケースにおいてです。
- 掛け持ちで仕事をしていて、2カ所以上の勤務先から給与をもらっている
- 年収が2,000万円を超えている
- 給与以外に副業で20万円以上の収入がある
- 住宅ローン、医療費、雑損などの控除を受けたい
- ふるさと納税の税金還付・控除を受けたい(ワンストップ特例制度適用外の場合)
- 年度の途中で退職してそのまま就職していない
このような状況にある場合、年末調整を受けていない状態の源泉徴収票を会社から受け取り、自身で確定申告を行うことになります。
会社に年末調整してもらうより、確定申告を行ったほうが得になるケースも意外と多いのですね。
転職・再就職するとき
転職・再就職に際しては、前に勤めていた企業の源泉徴収票を、新しい勤め先に提出する必要があります。
企業は従業員の前職の収入も合算して年末調整を行わなければならないからです。
前職の源泉徴収票は通常、退職時に渡されるはずですが、もらっていない場合は別途発行してもらう必要があります。これに関しては別の項で解説しますね。
住宅ローンを組むとき
銀行で住宅ローンを組むときにも、年収を証明するために源泉徴収票が必要となる場合が多いです。
その人にちゃんとローンを返済していく能力があるのか審査するため、収入がしっかりわかるものがいるのですね。
住宅ローンは額も大きくなるので、書類の確実性を保証するため、社印が必要となる場合もあります。
このほか、賃貸契約などでも、収入を証明する書類として源泉徴収票を求められることがあります。
子どもが保育園に入園するとき
子どもが保育園に入園する際にも、親の収入を証明するために源泉徴収票が必要となることがあります。
収入に応じて保育料が決定されるほか、失業時に保育料の減額を申請する場合に求められるケースもあります。
配偶者の扶養に入るとき
結婚して配偶者の扶養に入るときにも、被扶養者の認定を申請するために源泉徴収票が必要となる場合があります。
ただし、これは1年以内に退職していて、現在働いていない人に限る話で、雇用保険の有無を確認するためのものです。
現在働いている場合は、直近3カ月間の給与明細で収入を計算します。
保険会社に休業損害証明書を提出するとき
交通事故でケガをして休業していた期間がある場合、傷病手当金を受給するため、加害者側の保険会社に休業損害証明書を提出することになります。
その際、事故に遭った年の前年度分の源泉徴収票を添付する必要があります。
通常の年収と照らし合わせて、休業期間でどのぐらいの損害があったかを証明するためです。
民事再生手続き・破産手続きを行うとき
民事再生手続きというのは、借金などの返済ができなくなったときに、負債の一部を減額してもらうための手続き。破産手続きは、全額を免除してもらうための手続きです。
それぞれ、裁判所に申し立てを行う必要があり、その際に直近2~3年前までの源泉徴収票の提出を求められる場合があります。
とても払える状態ではないという収入状況を証明しなければいけないのですね。
このほか裁判関係でいうと、離婚裁判の際の養育費の取り決めなどにも源泉徴収票が使われます。
元妻と元夫の収入差を根拠に、養育費の額を決めるためです。
いずれもできれば避けたい状況ではありますが、そのぶん、源泉徴収票がいかに重要な意味をもっているかがよくわかりますね。
源泉徴収票をなくしてしまったときの再発行申請方法
ここまで見てきたように、源泉徴収票はひょんなタイミングで必要になるものです。
なくしてしまったら、もろもろの手続きができなくて困ることがあるかも…と、心配になりますよね。
しかし、源泉徴収票は基本的に何度でも再発行が可能なので安心してください。
以下より再発行の手順や費用、期間を解説していきます。
再発行申請ができる場所
源泉徴収票の再発行は多くの場合、勤めている会社の経理担当に依頼することになります。
すでに退職している場合は、もと居た会社の経理担当です。
源泉徴収票を発行できるのは給与を支払った事業者本人のみと法律で決められているため、税務署や市役所などで再発行の依頼はできません。
現在も勤めている場合は経理担当に直接問い合わせられますが、退職していれば電話かメールでの問い合わせとなるでしょう。
しかしこの場合、会社を辞めた理由によっては連絡しづらい…ということもありますよね。
こういった場合、税理士か新しい会社の経理担当に頼んで、再発行の依頼を代行してもらうやり方もあるようです。
ただ、これもかなり特殊なケースで、あまり気の進む方法ではありません。
その点おすすめなのは、ねこの手ユニオンに相談してみることです。
LINEでの相談も受け付けており、一般の税理士に相談するよりハードルが低いので、お困りの際はぜひ検討してみてください!
再発行にかかる費用・期間
源泉徴収票の再発行は、原則何度でも無料で行えます。ただし、会社によっては郵送料や手数料を請求してくる場合もあります。
とはいえ、かかっても数百円程度でしょう。
期間としては、最短3営業日ほど、遅くても2週間程度で発行できます。
もし再発行を拒否されたら?
源泉徴収票の発行者は所得税法にのっとり、再発行の依頼を拒否できません。
もし従わなかった場合は、1年以下の懲役、もしくは50万円以下の罰金が課せられることとなっています。
しかしそうとはわかっていても、円満退社ではなかったなど、もろもろの理由で再発行を断られるケースも考えられるでしょう。
そういった場合、源泉徴収票が再発行してもらえない事情を税務署に相談のうえ、「源泉徴収票不交付の届出書」を提出しましょう。
こうすることで発行元の会社宛てに税務署から行政指導が行われ、再発行に応じてもらえる可能性があります。
源泉徴収票不交付の届出書は国税庁のホームページからのダウンロードも可能です。
国税庁ホームページ
また、転職先に源泉徴収票を提出できずに困っている場合は、この届出書を提出のうえ、自身で確定申告を行う流れになることも多いようです。
その際は転職先の源泉徴収票と、前職の給与明細をもとに所得税の計算を行います。
会社が倒産している場合の申請先は?
源泉徴収票の再発行を依頼した際、発行元の会社がすでに倒産していて、再発行ができない場合もあるでしょう。
そういった場合には、破産管財人に依頼することで、再発行に応じてもらえます。
破産管財人というのは、会社が倒産する際に手続きを請け負う弁護士のことです。
破産管財人がわからない場合は、これもまた税務署に相談しましょう。
源泉徴収票紛失の場合は再発行可能
源泉徴収票は、いざ必要なときになってみないと、そこまで大事な書類とは実感しにくいもの。
なくしてしまうことは珍しくありません。
また、退職の際に会社ともめてしまったなどで発行者と連絡が取れず、再発行にこぎつけにくいことも往々にしてあります。
税務署でしかるべき手続きを行うことで対処は可能ですが、初めてだと不安なものですよね。
万が一会社とトラブルになってしまったらねこの手ユニオンに相談してみましょう。
ねこの手ユニオンは会社とのトラブルに悩む労働者の強い味方です!