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雇用保険の傷病手当を受けるには?支給条件や申請方法を確認
雇用保険の傷病手当とは、求職活動中の病気や怪我が起きた場合でも支給される制度です。
この記事では「雇用保険の傷病手当の受給方法や申請方法」を紹介しています。
病気や怪我はいつ起こるか予測ができないものです。
この記事はあなたの悩みを解決するキッカケとなることでしょう。ぜひ最後までご覧くださいね。
雇用保険の傷病手当とは?概要を簡単に説明
雇用保険の傷病手当は、失業中に怪我や病気で就職ができない状況が続いたときに支給される雇用保険の制度です。
傷病手当は働く人を守るための制度といえるでしょう。
傷病手当には、申請するための条件もあります。
後述して傷病手当の申請方法も合わせて紹介していきます。
会社を離職してからはハローワークに行き、失業給付金の手続きをします。
傷病手当はハローワークから受給されるはずの「基本手当」の代わりに支給されるもの。
似ている言葉で「傷病手当金」がありますが、全くの別物なので注意してください。
次章からは「傷病手当」と「傷病手当金」について詳しく紹介しています。
健康保険と雇用保険の傷病手当の違いは?
この章では「健康保険の傷病手当金」と「雇用保険の傷病手当」の違いを紹介してきます。
まずは簡単に傷病手当と傷病手当金の違いを紹介した後に、健康保険・雇用保険の違いを解説していきます。
傷病手当と傷病手当金の違いは下記の表に示す通りです。
傷病手当(雇用保険) | 傷病手当金(健康保険) | |
---|---|---|
条件 | 失業中(離職中) | 在職中 |
内容 | 病気や怪我による就職活動・求職活動ができない場合に支給される制動 | 病気や怪我によって働くことができない場合に支給される制度 |
上記の違いがあります。
また法律の規定で上記で紹介した、傷病手当・傷病手当金の2つを同時に利用することはできません。
一定の条件を満たすことにより、仕事を退職したあとの傷病手当金を申請できます。
次の章から健康保険と雇用保険の傷病手当の違いを紹介していきます。
健康保険(傷病手当金)について
健康保険の傷病手当金とは、在職中に病気や怪我により働けない時期の生活を守るための制度。
健康保険経由から、支給される手当金のことをいいます。
健康保険の傷病手当金は在職中の会社員であれば誰でも受給でき、一定の条件を満たせば、退職後でも継続して受給できます。
健康保険の傷病手当金が受給できる期間が設定されており、支給開始から1年6ヶ月が最長です。
上記で紹介した期間に、健康保険に加入している会社員であれば、誰でも受給できるという制度です。
ただし注意事項が2点あります。
- 再度病気や怪我をしてしまった場合
- 自営業やフリーランスの方などは支給対象外
2つの注意事項について説明していきます。
再度病気や怪我をしてしまった場合
健康保険の傷病手当金を支給し、仕事に復帰した場合には注意が必要です。
仮に再度病気や怪我により、仕事ができなくなった場合も傷病手当金を申請するこはできます。
しかし仕事に復帰した期間も、1年6ヶ月の内に含まれているのです。
例を出すと
2021年5月1日に病気による仕事ができなくなったAさん
傷病手当金を申請し、2021年11月に仕事に復帰
翌年2022年5月1日に怪我による休職状態となったケースだと
復帰している期間も支給期間に該当するので
2022年11月までの期間しか傷病手当金が支給されません。
1度傷病手当金を申請すると1年6ヶ月の期間を空けないと、リセットされずに継続されているとイメージしてもらえればいいでしょう。
自営業やフリーランスの方などは支給対象外
自営業やフリーランスなど「国民健康保険」に加入している方は、傷病手当金の対象から外れます。
傷病手当金が支給される対象は、「全国健康保険協会管掌健康保険・組合管掌健康保険」の加入者だけです。
傷病手当金が支給されない職業を下記にてまとめておきます。
- 自営業者
- 個人で仕事をしているフリーランスや個人事業主
- 農業や漁業に就いている人
- 社会労務士・税理士・弁護士などの個人事業主
- 後期高齢者医療制度を利用している人
上記で紹介したように、個人で仕事をしている人は健康保険の傷病手当金を利用が原則できません。
原則と伝えたのは、地域の自治体によっては傷病手当金に該当する制度が利用できるからです。
国民健康保険に加入している方で、傷病手当金の利用を検討している方は、地方の自治体に相談してみることを薦めています。
雇用保険(傷病手当)について
続いて雇用保険の「傷病手当」について説明していきます。
雇用保険加入者で離職をした場合、雇用保険の制度として失業給付金を受給できす。
条件としては離職日より2年前にさかのぼり、雇用保険加入期間が合計で12ヶ月以上です。
上記で紹介した条件をクリアしている方は、失業給付金を申請できます。
また雇用保険の傷病手当の支給条件は、ハローワークで就職・求職活動を申し込み、15日以上就職活動ができない状態にあることが必要です。
ハローワークの基本手当の支給条件の代わりに受け取れる制度と覚えておきましょう。
雇用保険の傷病手当に注意事項は1点。前述した健康保険の傷病手当金を同時に支給できないという点に気をつけてください。
最後に傷病手当金と傷病手当についてまとめたものを、下記にて紹介します。
- 傷病手当金:健康保険に加入している会社員が受け取れる手当金の制度
- 傷病手当:失業・求職活動中の人が雇用保険から手当て金を受け取れる制度
上記の内容を踏まえた上で、雇用保険の傷病手当の申請条件を次の章から紹介していきます。
申請するための条件とは?
この章では雇用保険の傷病手当の申請するための条件を紹介していきます。
雇用保険の傷病手当を申請するためには、3つの条件をクリアしていなければなりません。
3つの条件を下記にて紹介します。
- 退職・離職後にハローワークで求職の申し込みをしている
- 失業手当の資格者であること
- 病気・怪我で15日以上求職活動ができない状態であること
では次から順番に説明していきます。
退職・離職後にハローワークで求職の申し込みをしている
雇用保険の傷病手当を受け取るためには、ハローワークで求職の申し込みをしておく必要があります。
仕事を退職し求職活動ができない状態の人が、傷病手当の受給資格があります。
コロナやリストラなど自分ではどうしようもできず、退職した人は失業給付金を申請するために、ハローワークで求職活動を始めますよね。
まずはお近くにあるハローワークで求職の申し込みをしておきましょう。
失業手当の資格者であること
失業給付金の資格者である条件を、下記にてまとめておきます。
- 離職日からさかのぼり雇用保険の加入期間が12ヶ月以上あること
- 働く意志があるにも関わらず失業状態であること
上記の条件を満たしている方は、雇用保険による失業手当の受給資格を持っています。
雇用保険の傷病手当の申請は、失業手当である「基本手当」の代わりとなるものです。
失業手当の受給資格があるかどうかを詳しく知りたい方は、ハローワークの公式サイトをご覧ください。
なお※「特定受給資格者」※「特定理由退職者」に該当する方は、条件が変わります。
「特定受給資格者」「特定理由退職者」の2つに該当する方は、離職日よりさかのぼり1年間で雇用保険に加入しておいる期間が6ヶ月の方が対象です。
- 特定受給資格者とは:会社都合で退職した人
- 特定理由退職者とは:労働期間満了で離職した人
病気・怪我で15日以上求職活動ができない状態であること
雇用保険の傷病手当の受給条件3つ目は、15日以上連続で求職活動ができない状態であることです。
ハローワークで求職・就職活動をしている中での、病気や怪我が傷病手当の受給条件です。
仮にハローワークで求職の申し込みをする前に病気や怪我をした場合。
この場合は傷病手当の受給資格の対象外となります。
また15日以前に求職活動を再開できる場合は、失業給付金である「基本手当」を受給できるので安心してください。
基本手当を受給している状態で、病気や怪我により求職活動ができなくなった場合でも傷病手当の申請はできます。
その場合、傷病手当の受給もしくは基本手当の受給期間の延長を申請できます。
基本手当の受給をしている方は、傷病手当に切り替えて、残りの基本手当の支給を受けるようにすると良いでしょう。
雇用保険の傷病手当支給額・支給期間
この章では雇用保険の傷病手当支給金額と支給期間について解説していきます。
雇用保険の傷病手当受給額は年齢や、前職の収入により変動します。
雇用保険の傷病手当の支給額
傷病手当の額は失業保険の、基本手当と同じ額が支給されます。
計算方法は下記の通り
- 離職日するまでの直近6ヶ月の収入をもとに計算される
- 6ヶ月の賃金平均÷180(賃金の日額)の約50〜80%
- 賞与(ボーナス)の支給額を原則のぞく
上記で説明した額が傷病手当の支給額のベースとなる計算式です。
上記で記入した約50〜80%は、賃金が低い人ほど高い率で計算されるようになっていますい。
この計算方法で算出した金額には、年齢ごとの条件が設けられています。
傷病手当の上限(令和2年8月1日現在)
- 30歳未満:6,850円
- 30歳以上45歳未満:7,605円
- 45歳以上60歳未満:8,370円
- 60歳以上65歳未満:7,186円
年齢による上限額は上記を参考にしてください。
傷病手当の支給金額を説明してきました。次で紹介する傷病手当の支給期間を合わせると、よりイメージしやすくなるでしょう。
雇用保険の傷病手当の支給期間とは
雇用保険の傷病手当の支給期間は「基本手当の給付日数から基本手当が支給された日数」を引いた日数です。
基本手当の給付日数は年齢や退職理由、雇用保険の加入期間の3つに分類されています。
傷病手当の支給期間を説明する上で、基本手当の給付日数の把握が必要不可欠です。
次から基本手当の給付日数を詳しく解説していきます。
自己都合で退職した場合
自己都合で会社を退職した場合の基本手当の給付日数は下記の通り。
雇用保険加入期間(全年齢)
- 1年以上10年未満:90日
- 10年以上20年未満:120日
- 20年以上:150日
病気・怪我や会社都合で退職した場合
やむを得ない理由で会社を退職した場合の給付日数は下記の通りです。
雇用保険の年齢と保険加入期間による日数
30歳未満
- 1年未満:90日
- 1年以上5年未満:90日
- 5年以上10年未満:120日
- 10年以上20年未満:180日
30歳以上35歳未満
- 1年未満:90日
- 1年以上5年未満:120日
- 5年以上10年未満:180日
- 10年以上20年未満:210日
- 20年以上:240日
35歳以上45歳未満
- 1年未満:90日
- 1年以上5年未満:150日
- 5年以上10年未満:180日
- 10年以上20年未満:240日
- 20年以上:270日
45歳以上60歳未満
- 1年未満:90日
- 1年以上5年未満:180日
- 5年以上10年未満:240日
- 10年以上20年未満:270日
- 20年以上:330日
60歳以上65歳未満
- 1年未満:90日
- 1年以上5年未満:150日
- 5年以上10年未満:180日
- 10年以上20年未満:210日
- 20年以上:240日
上記で紹介した、傷病手当の金額と支給期間をかけることで、支給される金額の計算ができます。
雇用保険の傷病手当を受給したい人は、こちらを参考に計算してみてくださいね。
また就職が困難な状況の人は、支給期間が変更してきます。
就職が困難な場合
身体に障害ががある方や就職が難しいと医師などに判断された場合、給付日数が変わってきます。
雇用保険の年齢と保険加入期間による日数
45歳未満
- 1年未満:150日以上
- 1年以上〜:300日
45歳以上60歳未満
- 1年未満:150日
- 1年以上〜:360日
上記で紹介した通り、就職が困難であると判断された場合は、給付日数が長く設定されています。
雇用保険の傷病手当の手続きを紹介
雇用保険の傷病手当と支給期間について説明してきました。
実際に傷病手当を申請するために手続きが気になりますよね?
※傷病手当の申請をするためには、求職活動中であることが前提です。
病気・怪我をした場合、あなたの地域管轄にあるハローワークに「傷病手当支給申請書」を提出し、認定を受ける必要があります。
傷病手当支給申請書は、代理人による提出も可能です。
診断結果によっては代理をたてて提出してもらうと、スムーズに受給まで進むことができるでしょう。
正社員でなくても支給されるの?
傷病手当の金額と支給される期間について紹介してきました。
この章では傷病手当の対象者について紹介していきます。
結論から述べると、正社員じゃない方でも傷病手当は申請できます。
傷病手当は雇用保険の制度の1つで、派遣社員やパート・アルバイトであっても雇用保険に加入していた場合、利用ができます。
雇用保険に該当しない、国民健康保険加入者は傷病手当を受給できないということを覚えておきましょう。
会社の雇用保険に加入するには、以下のことに注意してください。
- 家族の扶養に入っていないか
- 国民健康保険に加入していないこと
家族の扶養に入っている場合や国民健康保険に加入している場合は、雇用保険に入ることができません。
これからのためにも、会社に所属した際には雇用保険に切り替えておくと「もしも」のための備えとなるでしょう。
まとめ
今回は「雇用保険の傷病手当の支給条件と申請方法」を紹介しました。
大切なところをもう一度紹介しておきます。
雇用保険の傷病手当の申請条件
- 退職・離職後にハローワークで求職の申し込みをしている
- 失業手当の資格者であること
- 病気・怪我で15日以上求職活動ができない状態であること
上記で紹介した内容に該当しないと、雇用保険の傷病手当の申請はできません。
傷病手当は求職する方を支援するための制度です。
求職活動中のおもわぬトラブルが起きた場合でも、雇用保険の傷病手当を利用すれば、基本手当と同額のお金が給付されます。
こういう場合はどうしたらいいのかなと悩む場合は、お近くのハローワークに行き相談するところから始めてみてはいかがでしょうか。