有期契約労働者の無期雇用転換ルールとは?

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今の会社に勤めて5年になるんだけど、ずっと契約社員のままなのかな?
それならば、無期雇用転換ルール適用の資格があるね。
無期雇用転換ルールって何?

今回は、有期契約している君がどうしたら無期雇用の契約に変われるか、わかりやすく解説するよ。

働き方が目まぐるしく変化する今の時代、有期労働者が無期雇用転換するルールを、理解している人は少ないのではないでしょうか?

この記事では以下の内容を紹介しています。

  • 有期雇用と無期雇用について
  • 無期雇用が適用されるルールについて

労働者の雇用について知っておくと、いざというときの解決法がわかりますよ!

目次

有期雇用と無期雇用について

有期雇用とは、企業と労働者がお互いに了承を得て雇用契約の期間を定めたものです。

それに対して、無期雇用とは契約の期間がなくなり、原則として定年まで雇用されることです。

有期雇用と無期雇用とは、どういう仕組みなのか詳しく解説していきます。

有期雇用

一定期間の雇用を約束するものを有期雇用といいますが、「労働基準法14条1項」において期間契約の上限は原則3年とされています。

ただし、高度な専門的な知識や技術・経験を有するものや、満60歳以上の人と契約を締結する場合は、5年の契約期間が認められています。

参照:厚生労働省「改正労働基準法の概要」

期間が定められている有期雇用は下記の通りです。

  • パートタイム・アルバイト型契約社員
  • 準社員型契約社員
  • 高度専門型契約社員
  • 定年後の再雇用の契約社員

名称は契約社員だけでなく、臨時や非常勤・嘱託なども使われます。

給与に関しては、契約時に決められた給与のまま昇給しないことが多く、契約の更新月に打ち切られる可能性もあります。

また、正社員に比べて福利厚生が充実していないことがほとんどです。

無期雇用

有期雇用の場合、上記の通り契約月に打ち切られる可能性がありますが、無期雇用は雇用を打ち切られる心配がありません。

期限が決まっていない無期雇用は、労働者にとって契約の切れ目がなくなるため、収入が安定することがメリットです。

また、1つの職場に長く勤めるため、スキルアップや長期的なキャリア形成を図ることができます。

長期雇用となれば、給与の昇給の可能性もあり、企業によっては福利厚生も手厚くなるでしょう。

参照:全国労働組合総連合・総合労働局「有期雇用契約」Q&A

有期雇用の無期転換ルールを知っていますか?

無期転換ルールとは、「改正労働契約法」により対応が必要になった雇用に関するルールです。

同じ会社で5年以上の有期雇用者が契約更新されたら、労働者が自分で申し込むことで期間の制限がない、労働契約に変更されます。

厚生労働省の調べによると、有期雇用で働く人の約3割が、通算5年を超えて有期雇用契約を繰り返し更新しているという実態があります。

派遣社員の場合、派遣元の会社で5年を超える条件が整えば、無期転換ルールが適用されます。

しかし、企業側が無期転換ルールに賛同してない場合、有期雇用に対する雇止めの不安や、理不尽な労働条件が定められるという問題も出てきます。

企業から労働者が不当な扱いを受ける「無期転換阻止の雇止め」と「クーリング問題」について解説します。

無期転換阻止の雇止め

無期転換ルールを適用させないために、無期転換の申し込み権を発生させないように雇止めをする可能性があります。

例えば、無期転換を希望する労働者に無理な仕事を押し付けたり、給料を下げたりして労働条件を悪化させることがあります。

また有期労働の契約が満了する前に、更新させない手続きをしたり、更新する回数の上限を一方的に押し付けたりすることもあります。

雇止めは「労働契約法」に反する行為で、絶対に許されるものではありません。

クーリング期間

クーリングとは、契約されている5年間の契約されていない一定の期間があった場合に、契約期間の通算を白紙状態にすることです。

契約されていない期間が6カ月未満であれば、白紙状態にされず契約期間が計算されます。

(※上記の場合、契約のない空白期間は5年の中に含まれません。)

5年間同じ会社で契約更新すると無期雇用への転換が適用されますが、契約しない期間が6カ月以上になると通算契約期間がリセットしてしまいます。

このクーリング期間を悪用して、無期転換の権利を発生させないケースがあります。

契約を継続させないために、5年更新の途中で再契約した場合は無期転換の権利の阻止するのが目的でしょう。

もしこのようなことがあった場合、まずは都道府県労働局雇用環境・均等部に相談をおすすめします。

参照:厚生労働省「有期契約労働者の無期転換ポータルサイト」

無期雇用への転換が適用される条件

有期雇用から無期雇用への転換は、5年勤めたからといって誰にでも適用されるわけではありません。

いくつかの条件や、転換できるタイミング・どのようにして転換されるのかを詳しく解説していきます。

条件

上記にもありましたように、通算契約5年以上の有期雇用契約の労働者が対象ですが、その中でも無期雇用へ転換するためには、3つの条件が必要です

  • 2013年4月1日以降に契約した有期雇用が対象
  • 契約の更新回数が1回以上ある
  • 現時点で同一の使用者との間で契約している

2013年4月1日以降に契約した有期雇用が対象

有期雇用契約した労働者が2013年3月31日以前の場合は、残念ながら無期雇用の転換が適用されません。

2018年4月1日、法律が施行されて5年後に無期転換の申込みができます。

契約の更新回数が1回以上ある

有期雇用の契約期間が1年の場合、5回目の更新後に、無期転換の申込の権利が得られます。

また、契約期間が3年の場合、1回契約すると2回目が6年後になってしまうため、1回目更新後の2年後(通算契約5年)に無期転換の申込権が発生します。

現時点で同一の使用者との間で契約している

無期雇用への転換が適用できる場合に、同じ会社の間で有期雇用を契約しなければなりません。

部署の移動や、配属が変わっても、5年間同じ会社・使用者であれば無期転換の申し込みができます。

転換できるタイミング

有期雇用が無期雇用に転換できるタイミングは、「申し込む権利が発生したとき」「労働者本人が会社に対して申し出をした場合」に成立します。

無期転換の申込権が発生してから、契約期間内に申込みが可能です。

自動的に転換される?

労働者本人が申し込まなければ、自動的に転換されません。

申込みは口頭でも有効ですが、トラブルを防ぐためにできるだけ書面での申し込みをおすすめします。

申込の書面については、厚生労働省のホームページに掲載されていますので、ダウンロードしてお使いください。

参考:厚生労働省「無期労働契約転換申込書」

無期雇用への転換は正社員ではない!?

一般的に雇用期限がなく、労働契約を結ぶ人を正社員と呼ばれています。

無期雇用に転換されたら、正社員と同じ待遇と認識してしまうでしょう。

しかし、無期雇用されたからといって必ずしも正社員になることではありません。

労働契約法の改正によって定められたのは、今まで「有期だった契約を期限のない契約にする」だけです。

勤務時間や待遇、賃金や仕事内容などの労働契約内容はそのままで構わないことになっています。

例えば、有期雇用の際にボーナスが支払われていなければ、無期雇用となっても支給されません。

福利厚生の面も、正社員と同じになるわけでなないので、注意しましょう。

無期雇用転換ルールの特例

無期雇用転換ルールの特例は、有期雇用の労働者に対して、無期転換の申込権を取得させない制度です。

高齢者雇用安定法の改正施行に伴い、2021年4月1日より、70歳までの就業機会の確保措置が努力義務とされています。

しかし、無期雇用転換ルールを適用すれば、どうなるのかという疑問が発生しました。

そうなると労働者が辞めない限り、80歳でも90歳でも雇用し続けなければなりません。

その疑問を解決させるための無期雇用転換ルールの特例が成立されました。

有期雇用特別措置法により、適切な雇用管理に関する計画を製作し、都道府県労働局長の認定を受けた事業主のもとで

  • 5年を超える一定の期間内に完了することが予定されている業務に就く、高度専門的知識を有する有期雇用労働(年収1,075万円以上)
  • 定年後に有期労働契約で継続雇用される労働者

上記については無期転換の申込権を取得できません。

※ただし、定年後グループ会社ではない企業に再就職した場合は特例の対象にはなりません。

参照:厚生労働省「高度専門職・継続雇用の高齢者に関する無期転換ルールの特例について」

無期雇用転換ルールのまとめ

契約社員などの有期雇用であった場合でも無期雇用への転換ルールの適用で、労働者が希望するならば、今の職場で働き続けられる法律が制定されました。

期限のない労働契約に転換することで、契約更新の手間が省けて、長期的なキャリア形成がしやすくなります。

しかし、会社によっては労働者に対して意図的に、無期雇用の権利を発生させない場合もあるでしょう。

クーリング期間を利用されたり、雇止めにあったりしたら、どうしたらいいのかわからなくて悩むと思います。

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この記事を書いた人

大学卒業後、就職した会社で同僚が解雇に遭う現場を目の当たりにしました。この処遇が正しいのかと疑問に感じ労働基準監督署にも実際に足を運び相談もしながら同僚を援助しました。
その後も労働問題について勉強をし同じような境遇の方を一人でも救いたいと思い情報を発信してます!

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