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リストラで退職金はもらえる?労働者がおさえておきたい退職金について
突然リストラに遭ってしまうと、「今後どうしたら良いのか」「退職金は十分にもらえるのか」「もらえない場合、それが違法なのか」など、あらゆることが気になりますよね。
そこでこのページでは、リストラされた場合に退職金が支払われる条件や相場、支払われなかったときの相談先、退職金を勝ち取る方法をご紹介します。
正しい知識を身に着けておくと、リストラという予期せぬ事態が起きたときも自分が損しないように行動していけます。
まずはこのページで「退職金がもらえるかどうか」を確認し、必要であれば第三者機関に相談するようにしてください。
リストラでも退職金は払われる?
リストラ(整理解雇)された場合に退職金がもらえるかどうかは、会社の規定によって決まります。
ここでは、リストラ後に退職金がもらえるケースと、その確認方法について見ていきましょう。
リストラ後に退職金が支払われるケース
会社に「退職金規程」もしくは退職金を支給する慣習がある場合、会社側はリストラした従業員に対して退職金を支払う義務があります。
退職金規程とは、退職金に対する支給条件や基準を定めたもので、これを定めているかどうかは会社によって異なります。
というのも、労働基準法では退職金に関する規定がないため、退職金を支給することは会社の義務ではないのです。
そのため、退職金規程が設けられている会社や慣習がある会社からリストラされた場合にのみ、退職金が受け取れます。
退職金規定の有無を確認する方法
「リストラが決まったものの、退職金が受け取られるかわからない…」という場合、会社の規定を確認しましょう。
- 退職金支給規程
- 企業年金規約
- 企業年金基金規約
このように退職金規程の名称は企業によって異なりますが、社内イントラネットなどで確認できる会社が一般的だと言えます。
そのため、自分がリストラ後に退職金をもらえるかどうかわからない場合は、まず会社の規定を確認しましょう。
また、会社によって退職金や人事制度について書かれたガイドブックや相談窓口などが設けられているケースもあるため、担当部署に確認するのも一つの方法です。
整理解雇されたあと支払われる金額の相場はいくら?
リストラ(整理解雇)されてしまった後、支払われる退職金の金額は、やはり会社の規定によって異なります。
ここでは、退職金の相場や金額の算出方法、会社都合や自己都合による違いについて解説します。
リストラによる退職金の相場は退職金規程によって異なる
前提として、退職金の算出方法や金額については、法律で定められているわけではありません。
そのため、各企業が定めている退職金規程によって受け取れる金額は変動します。
とはいえ、算出方法については以下の4パターンであることが多く、退職金の額を大まかに計算することも可能です。
- 退職金算定基礎額×支給率
- 勤続年数に応じた一定額
- ポイント制(退職金ポイント×ポイント単価)
- 退職金算定基礎額×支給率+一定額
参照元:東京都産業労働局が発表している「中小企業の賃金・退職金事情(令和2年版)7.退職金制度 」
会社都合か自己都合によって金額が異なるケースも
また、退職事由が会社都合によるものか、自己都合によるものかによっても、退職金の金額が異なるケースがあります。
たとえば、大学卒の会社員で、勤続年数10年と20年だった場合のケースを見てみましょう。
勤続年数 | 年齢 | 自己都合退職支給金額 | 会社都合退職支給金額 |
---|---|---|---|
10年 | 32歳 | 985,000円 | 1,295,000円 |
20年 | 42歳 | 3,099,000円 | 3,698,000円 |
参照元:東京都産業労働局が発表している「中小企業の賃金・退職金事情(令和2年版)8.モデル退職金 」
会社都合の退職と、自己都合による退職では、金額に大きな違いがあることがわかりますね。
また、基本給に退職金支給率と退職事由係数をかけ合わせて金額を算出する「基本給連動型」の場合でも、会社都合に比べて自己都合の退職の方が支払われる額が少ないケースがあります。
リストラの場合は整理解雇であることが多く、会社都合になるケースが大半です。
しかし、中には自己都合による退職とするよう交渉してくる企業もあるため、退職にまつわる書類を書くときは注意しましょう。
リストラの場合、退職金が上乗せされるケースも
大企業における退職金の平均額は大学卒・総合職の60歳で約2358万円(経団連東京経協調査/2014年)だと言われています。
シャープや東芝、富士通、大正製薬、武田薬品、ルネサスエレクトロニクスといった大手では、大規模なリストラによって通常の退職金に割増退職金を上乗せし、退職者を募っていたことが話題となりましたよね。
ノーリツ、富士ゼロックス、マイクロソフト、ルネサス、パイオニア株式会社、NEC、MSDなど、外資系・内資系問わずリストラのリスクはあります。
そして、一般的に辞めてほしい年齢ほど割増額が上がると言われており、退職金を上乗せすることで円満にリストラしようとする企業も実在します。
コロナの影響もある2020~2021年では、パナソニックやホンダ、日産、コカコーラなど10社以上が早期退職者を募集しており、リストラの圧力が高まる恐れも…。
この波を受け、中小企業の場合もリストラ目的で希望退職者を募る流れが予想されます。
中小企業の退職金は1500万円程度が相場だと言われていますが、リストラ勧告された場合、退職金の上乗せを交渉するのも一つの方法だと言えるでしょう。
退職金はいつごろ支払われる?
リストラによる退職金の支払時期は企業によって異なりますが、平均的には退職事由が生じてから1~2か月程度で支払われるケースが多いと考えられます。
なお、退職金前払制度を採用している企業は、毎年の賞与や給与に退職金相当額を上乗せして支給しているケースがあり、この場合は税制上の優遇措置が受けられない点に注意しましょう。
退職金の時効は?
退職金の時効は5年であるため、退職事由が生じてから5年間まではリストラ後に請求することも可能です。
もしリストラされてからしばらく経っても支払われない場合、退職金の支払いを催告することで解決する可能性もあるため、覚えておきましょう。
支払われなかったときの対処法
退職金規程がある会社からリストラされた場合、退職金を受け取る権利があります。
しかし、中には退職金の請求を何らかの理由で拒否されたり、なかなか支払われなかったりするケースもあるでしょう。
以下では、退職金規程があるのに退職金が支払われなかったときの対処法を紹介します。
証拠を集める
未払い退職金の請求をするには、まず自身が支給条件を満たしていることがわかる証拠を集めましょう。
- 「退職金を支払う」という内容が書かれた書類(退職金規程や就業規則)
- 慣例的に支給されていることがわかる証拠(メールや録音など)
- 勤続年数がわかる書類(給与明細など)
- 雇用時の契約書や健康保険証
これらの証拠があれば、次で紹介する内容証明郵便の送付や少額訴訟といった手続きも可能です。
内容証明郵便で請求する
証拠が集まり、書面で請求するという場合、内容証明郵便を利用しましょう。
内容としては、以下の事項を記載することが望ましいと言えます。
- 会社に支払い義務があること
- 支給条件を満たしていること
- 支払されない場合は法的手段をとる予定であること
- 請求額や支払期日、振込先
さらに、書面を送付する際は会社が郵便を受け取ったことや受け取った日時を明らかにできる配達証明を付けることが望ましいでしょう。
これにより、「書面は受け取っていない」などと白を切られるリスクを避けることができます。
未払い退職金が60万円以下であれば少額訴訟を
払われていない退職金が60万円以下の金額であれば、少額訴訟を利用するのも一つの方法です。
少額訴訟とは、原則1回で審理が終了し、即日判決されるという特別な勝訴手続きです。
強制執行の申し立てや給料、預金などの金銭債権に対する強制執行(少額訴訟債権執行)も可能なため、短期間で解決が見込めます。
弁護士に相談する
未払いの退職金が60万円を超える場合や、法的なことは第三者機関に任せたいという場合、弁護士に相談するのも一つの方法です。
弁護士は法律のプロとして、証拠の確認や証拠がない場合の開示請求、会社への交渉など必要な工程をトータル的に担ってくれます。
ただし、弁護士に依頼する場合は相談料、着手金、成功報酬金などの費用がかかります。
- 相談料:30分5,000円程度
- 着手金:10~30万円程度
- 成功報酬金:20万円程度、もしくは獲得金額の10~15%
(参照元:「労働問題の解決にかかる弁護士費用の相場とできるだけ費用を抑える方法」)
弁護士に相談し、未払いの退職金が支払われたときにかかる弁護士費用の相場は、上記の通りです。
未払いなどの労働問題の場合、300万円以上3,000万円以下の場合はその金額の10%+18万円程度を報酬金としている事務所もあり、費用の高額さは否めません。
労働組合「ユニオン」への相談が有効
なるべく費用を抑えつつ、早期の解決を目指したいという人には、労働組合の利用をおすすめします。
労働組合とは、職場環境や待遇などの改善、同業種の人たちと協力する目的など、それぞれの役割を持つ連合のことを言います。
同じ会社の労働者が集まって結成されたもの、産業別労働組合が集まって結成されたものなど種類も多岐にわたるため、「自分には関係ない」とスルーしていた方も多いでしょう。
ここで注目してほしいのは、「ユニオン」という合同労組の存在です。
会社の労働組合とは異なり、完全に外部の組織になります。
ユニオンとは、労働者であれば誰でも入れることが特徴の組織で、正社員や契約社員、パートなど契約形態に左右されることなく加入できる組合が多いことも特徴です。
団体交渉を得意としているので、組合員が解雇されたり退職金が払われなかったりしたときに状況の改善を求めるよう働きかけてくれます。
ねこの手ユニオン」なら無料で労働問題の相談ができる!
ユニオンにもさまざまな種類があり、費用がかかる組合もあるのですが、「ねこの手ユニオン」なら加入費も組合費も一切不要で利用できます。
ねこの手ユニオンとは、起業家や経営者、弁護士、社労士、会計士など多くの仕業が携わっている団体です。
労働組合は企業に対して団体交渉権を行使できるため、一般的な弁護士が運営する法律事務所が提供できる法的サービスと問題解決力、その両方を無料で利用できるのです。
未払い退職金の請求はもちろん、未払い残業代の請求、ハラスメントの解決、退職代行、転職サポートなどあらゆる観点から労働者のサポートができます。
また、ねこの手ユニオンであれば、正社員や契約社員、パートなど契約形態問わず利用でき、無料で利用する代わりにユニオンの活動への参加を義務づけられるということもありません。
- ラインや専用フォームで24時間365日無料相談
- 企業への請求手続き
- 解決次第、解決金をお振り込み
このような流れでサポート可能なほか、不当解雇や未払い給与に関する問題の同時解決が目指せるため、心理的な負担も軽減されるでしょう。
退職金を勝ち取るには?
会社からリストラを打診された場合、退職金を勝ち取るためにも以下のことを意識しましょう。
条件交渉する
会社側が希望退職者を募っている場合や、リストラ勧告をしてきた場合、退職金上乗せのための条件交渉をすることが大切です。
中小企業に努めている場合、外資系企業や大企業ほどの額面には期待できませんが、以下のような交渉によって増額される可能性が高まります。
- 有給休暇の買い上げを求める
- 退職時期を早めるかわりに増額交渉する
- 別途未払いの賃金があれば請求する
会社側が整理解雇や希望退職によるリストラを求めるということは、できるだけ早くやめてほしいという風にも取れますので、交渉の余地は十分あります。
そのため、退職金規程がある企業に勤めているのであれば、堂々と退職金の上乗せ交渉を行いましょう。
面談の内容を記録する
会社が整理解雇や希望退職によるリストラを求めている場合、個別の面談が行われます。
この面談については、日時や内容、回数などを記録しておくことをおすすめします。
「退職金を支払う」と言われていたのに未払いとなってしまった場合や、何度もしつこい勧奨を受けた場合などの証拠にも活用できるため、可能な限り細かく記録しましょう。
会社都合の退職にする
先でも述べたとおり、会社都合による退職の方が受け取れる退職金の額も多くなる傾向があります。
また、会社都合退職か自己都合退職か、という点は、失業保険の受給日数や開始時期などにも影響を及ぼします。
自己都合退職の場合は受給期間も短く、失業開始時期は2か月遅れてしまいますので、離職票にきちんと会社都合である旨が書かれているか確認しましょう。
というのも、明らかに会社都合の場合でも、会社側が自己都合退職と記載した離職票を提示してくる可能性もゼロではないためです。
もし会社の記載した離職理由に納得がいかないのであれば、きちんと退職理由の変更について協議しましょう。
リストラされて困っているなら、ねこの手ユニオンへ相談しよう
リストラ(整理解雇)や退職勧奨などの勧告を受けた場合でも、会社に「退職金規程」もしくは退職金を支給する慣習があれば退職金がもらえます。
リストラによる退職金の相場は退職金規程によって異なりますが、上乗せ交渉ももちろん可能です。
しかし、「退職金を支払う」と言われたのにもかかわらず支払われないケースや、退職金の請求を無視される可能性も否めません。
このような場合、自分が退職金をもらえる権利があるという証拠集めを行い、第三者機関に相談することをおすすめします。
「ねこの手ユニオン」では、団体交渉権を行使して退職金の請求ができるほか、未払い残業代の請求、ハラスメントの解決、退職代行、転職サポートなどあらゆる観点から労働者をサポートしています。
正社員はもちろん、派遣社員やパートなど雇用形態を問わずサポート可能ですので、リストラや退職金の未払いでお困りの方はぜひご相談ください。