うつ病で不当解雇されたら慰謝料はもらえる?相場や対処方法を解説

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うつ病で不当解雇されたら慰謝料はもらえる?相場や対処方法を解説

「うつ病と伝えたら会社に解雇されたけど、ぶっちゃけ不当解雇に感じる」

 

「不当解雇の場合、慰謝料を請求できる? 請求する場合どうしたらいいか?」

 

「慰謝料の相場を知りたい」

 

と悩んでいる方はいないでしょうか。

 

会社に一方的に解雇されても、泣き寝入りしてはいけません。不当解雇であれば、会社から慰謝料を請求できるからです。

 

今回はうつ病という理由に特化して不当解雇されたときの慰謝料相場やその後の対処方法4つについて詳しく解説していきます。

 

うつ病の原因が会社である場合、労災認定も受けられます。労災認定させるために押さえて欲しいポイントもお伝えするので、ぜひ参考にしてください。

この記事を読めば、迷わずに会社との交渉を進めていけるでしょう。

うつ病が原因で不当解雇されたときの慰謝料は?

不当解雇の慰謝料は一般的に10万円~数十万くらいですが、セクハラやパワハラなどの不法行為の違法性が高いと高額になりやすい傾向にあります。

 

うつ病を理由にすぐにクビにするのは、違法行為です。うつ病の原因が会社側にあるとさらに高額になるでしょう。

 

実際に150万の慰謝料が認められたケースもあるほど。東京地判平14.7.9労判836号104頁「国際信販事件」、概要としては次のとおりになります。

 

・旅行会社に勤務していたAさん(女性)は、会社の旅行事業撤廃にともなう整理解雇の対象となった

・Aさんはこの整理解雇に不服とし訴える

・会社からのイジメ・嫌がらせを入社して1年にわたり受けていた

・それが原因でうつ病にかかってしまった

・具体的には、早朝から深夜まで働いても終わらないほどの業務量を命じられる、ホワイトボードのAさんの欄に「永久に欠勤」と記載されるなど

・会社の行為をイジメと判断し慰謝料150万円が認められた

※「https://www.no-harassment.mhlw.go.jp/foundation/judicail-precedent/archives/40」を参考に著者が要約

 

会社で行われているイジメや嫌がらせは、客観的に証明するのは簡単ではありません。

 

悪口や暴言が書かれているメッセージのスクリーンショット、口頭で言われた場合はそのときの状況をつぶさにメモするなどが必要です。スマホで録音ができるとさらに信憑性が高まります。

 

うつ病の原因が会社にあると判断されて、慰謝料150円も勝ち取れた事例となります。実際に会社からイジメや嫌がらせで苦しんでいる方には、勇気の出る判例ではないでしょうか。

 

うつ病を理由に解雇するのは不当解雇


前提として、会社がスタッフをうつ病を理由に解雇するのは不当解雇にあたります。その理由は、労働契約法第16条に違反するからです。

 

〇労働契約法第16条

第十六条 解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。

引用:平成十九年法律第百二十八号 労働契約法

 

この第16条では、権利濫用に該当する解雇の効力について書かれています。具体的な解釈については以下の記事を参考にしましょう。

 

>>不当解雇なんて絶対に許せない 慰謝料を請求するにはどうすればいい?

 

会社側はスタッフの復職後に配慮が必須


うつ病を患ったスタッフがいたとしても、会社はすぐにクビにできません。

 

労働契約法第16条で規定されている「社会通念上相当である」に該当しないと判断されるからです。簡単に言うと、うつ病になっただけで会社をクビにするのは酷すぎるということです。

 

まず、そのスタッフに休職期間を与える必要があります。休職期間が終了しても復職のための準備や配置転換なども考えなくてはなりません。

 

つまり、会社はスタッフを解雇しないように、業務負担の少ない部署に回したり、短時間勤務にしたりするといった配慮を最大限しなくてはならないのです。

 

ここまで実施してようやく解雇が認められる可能性があります。とはいっても必ず認められるわけではありません。

 

もし会社にこのような配慮を受けていないと思うのであれば、不当解雇の可能性は高いです。

 

うつ病を会社に伝えて解雇を言い渡されるまでの動向を、時系列で整理するといいでしょう。(具体的なアクションは後述します)

 

解雇が認められるのは休職期間後も回復してないとき


うつ病だからと言っていつまでも休めるわけではありません。会社の就業規則に規定されている期間内です。

 

会社によって変わってきますが、大企業の場合2年以内、中小企業の場合6か月~1年以内が一般的。勤務年数に応じて休職期間が変わるケースもあり、入社1年未満だと6か月間、1年以上だと1年間といったケースが多い印象です。

 

この期間を過ぎると、従業員は復職するか退職するか選ばなくてはいけません。

 

ただし、休業期間中に限度一杯に休んでも、うつ病の症状が回復しなければ、会社の解雇が認められる場合があります。

 

復職できるかどうか判断するのは医師です。症状や仕事内容を考えて復職の許可を出しますが、会社の休職期間内でOKが出ないときもあります。

そのときは残念ながら、解雇の対象になる可能性があります。就業規則で自動退職になると規定されていれば、従わなければなりません。

うつ病で不当解雇されたときの4つの対処方法

うつ病で不当解雇されてしまったら、以下の対処を行うようにしましょう。

 

・会社に不当解雇だと主張する

・1人で悩まずに相談する

・労災申請の協力を会社に求める

・障害年金や生活保護の申請を行う

 

上記4つの詳細は以下の通りです。

 

会社に不当解雇だと主張する


勇気を出して会社にうつ病の旨を話しても、クビにされたら怒りが沸いてしまうでしょう。

 

そのような非道な行為をされたときは、会社側に不当解雇だと認識させる必要があります。社長や人事に「うつ病を理由に従業員をクビにするのは不当解雇ですよね?」と聞くだけです。

 

そして、休みをもらう方向に調整しましょう。休業期間を経て仕事ができるくらいに回復していればクビにはなりません。

 

うつ病に理解のない社長だと、不要と判断してクビにする可能性もあります。悪質な会社だと、不当解雇だと知っておきながら自主退職に仕向ける場合もあるため、十分に気を付けなければなりません。

 

しっかりと正しい知識を身に付ける必要性を感じるでしょう。

 

正直知らないと、受け入れるしかないと思って辞めてしまう方がいるかもしれません。自己責任だから自分が悪いと割り切る必要はありませんよ。

 

仮に退職するにしても休職期間後でもいいわけです。休職中に傷病手当を受け取れるため、しっかり治療に専念できるのではないでしょうか。

 

傷病手当金は条件を満たしていれば、月給の3分の2が支給されます。最低限の生活はできるため、安心できますね。

 

傷病手当金の詳しい条件については、以下の記事を参考にしてください。

 

1人で悩まずに相談する


うつ病でただでさえ、気持ちが沈んでいるところに、会社から不当解雇を受けたらメンタルがさらに病んでしまいますよね。最悪の場合、自殺してしまう可能性もあるかもしれません。

 

そのようなときは最もやってはいけないのは「1人で抱え込むこと」です。家族や友人、同僚で話せそうな方がいれば、相談しましょう。

 

何かアドバイスがもらえなくても、ただ話しを聞いてくれる方がいれば問題ありません。誰かに自分の辛い状況を話すだけで、気持ちがスッキリするからです。

 

しかし、

 

・私には周囲に話せる人がいない……

・友達に話すとイジられる可能性があってすごく抵抗がある

・気持ちが緩んでいるからそうなるんだと言われて怒られそう

 

と思う方もいるでしょう。

 

信頼できる方がいなければ、労働組合「ねこの手ユニオン」に相談してみてください。24時間いつでも無料相談できますし、LINEやメールからいつでも問い合わせできます。

 

性格が真面目な方ほど、自分の問題をひとりで抱えてしまう傾向があるため、注意が必要です。

 

労災申請の協力を会社に求める


うつ病の原因が仕事のストレスにあれば労災申請が可能です。労災に認定されると労災保険が適用されるため、療養や休業の保障を受けられます。

 

大きなメリットは、療養期間中とその後30日間は解雇されない点です。労働基準法19条には次のような規定があります。

 

〇労働基準法19条

1.労働者が業務上負傷したり、病気になった場合に、その療養のために休業する期間及びその後30日間と、産前産後の女性が第65条の規定によって休業する期間及びその後30日間は解雇できません。ただし、使用者が第81条の規定によって打切補償を支払った場合や、天災事変など やむを得ない事由により事業の継続ができなくなった場合にはこの限りではありません。

2.天災事変その他やむを得ない事由による解雇については、その事由について所轄の労働基準監督署の認定を受けなければなりません。

引用:厚生労働省

 

解雇制限に関する内容で、労災に認定されればその期間、従業員は守られます。

 

うつ病の理由が仕事にあれば、会社に労災申請をしてもらうのがおすすめです。会社が事業主証明をすれば、労災が認められやすくなるからです。

 

会社が労災申請に協力しないときは、具体的な証拠を提示して交渉しましょう。労災認定を隠したがる会社もあるため「証拠をまとめているんですが、労災申請に協力していただくことは難しいでしょうか?」と伝えて相手の様子を見ます。

 

それでも無理であれば、自分で労災申請をするほかありません。

 

その具体的な手順については以下を参考にしてください。

 

>>仕事でうつ病になったら労災申請はできる!?

 

障害年金や生活保護の申請を行う


不当解雇が認められて、会社から慰謝料や未払い賃金が入るまでの生活費を用意する必要があります。

 

労働審判であれば、数か月~半年くらいかかります。労働審判で決着がつかなければ、訴訟に移行して民事の場合であれば1年~1年半は見たほうがいいでしょう。

 

家族がいなくても長期になってしまうと、生活費だけで数百万円はかかります。貯金を切り崩しながら生活するのは思いのほかストレスです。

 

収入を確保する方法としては、以下を検討しましょう。

 

・障害年金

・生活保護

 

障害年金


障害年金とは、ケガや病気になったときに受け取れる年金制度です。厚生年金・国民年金・共済年金のいずれかに加入している方であれば支給されます。

 

年金の種類によって、以下のように受け取れる障害年金が異なります。

 

・厚生年金⇒障害厚生年金

・国民年金⇒障害基礎年金

・共済年金⇒特別障害年金

 

会社員であれば障害基礎年金です。受け取れる金額は給与や厚生年金の加入期間によって変わるため、要件を確認しましょう。

 

生活保護


生活保護とは、分けあって働けない方や極端に収入が少ない方のための支援制度です。厚生労働省が規定する最低生活費に達していなければ対象となります。

 

たとえば、最低生活費が15万円で収入が5万の場合、差額の7万円が支給されます。

 

収入状況を定期的に調査員が確認して差額分を支給する仕組みです。

 

ただし、最低生活費は家賃や食費などといった項目8つをもとに計算されています。世帯人数や居住地によっても変わるため、計算が簡単ではありません。

 

具体的な金額や条件については、お住まいの地域にある福祉事務所に確認してください。

 

補足ですが、東京都では年収240万円の生活を生活保護で実現できる区があります。生活保護費はすべて非課税のため、年に190万円支給されると、年収240万円の手取り金額と同じになります。

月に20万稼ぐ場合と、生活保護の収入が同じなのは、なんともやるせないですね。しかし、生活保護になると、ローンは組めませんし、クレジットカードを作れなくなるなどのデメリットはあります。

うつ病の原因が会社であるときに押さえておきたいポイント

うつ病を理由に解雇されて会社と不当解雇かどうかで争うときに、焦点があたるのは「うつ病の原因が本当に会社にあるか」です。

 

上記を証明できないと高額慰謝料を勝ち取るのは難しいです。

 

以下の3つのポイントを押さえましょう。

 

・会社側に安全配慮義務違反があったか

・うつ病にいたるようになった証拠はあるか

・専門家に相談できるか

 

ひとつずつ見ていきましょう。

 

会社側に安全配慮義務違反があったか


会社は従業員に安全配慮義務を果たさなくてはなりません。安全配慮義務とは、従業員が健康で安全に働けるように配慮することです。

 

労働契約法の第5条には次のように書かれています。

 

〇労働契約法の第5条

使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする。

引用:労働契約法

 

生命や身体だけでなく、メンタル(心)も含まれます。正社員だけでなく派遣社員や自社で働く下請け会社の従業員も対象です。

 

会社が果たすべき義務は、主に以下の通りです。

 

・労働時間の管理

・ハラスメント対策と教育

・健康診断

・メンタルヘルス対策

 

実行しなくても罰則を科せられるわけではありませんが、従業員の損害賠償請求に応じる必要があります。

 

また、違反になるかどうかの争点は以下の2点です。

 

・予見可能性「問題や被害を事前に察知できたか」

・結果回避性「予想できた被害を回避できたか」

 

少しでも会社側に落ち度があると思えば、証拠を保管しましょう。タイムカードやLINE・チャットのスクリーンショット、音声データなどです。

 

物的証拠がなくてもメモや日記も証拠となりやすいため、日付やそのときの状況を詳細に記載しましょう。

うつ病にいたるようになった証拠はあるか


うつ病をはじめとしたこころの病気は、どの要因が原因で発症したか特定するのが難しいです。工場の仕事であれば、ケガの発生原因を特定するのは簡単です。

 

しかし、メンタルの問題となると目で見えるわけではないため、そうはいきません。

 

たとえば、プライベートで離婚問題や借金問題があると、そのストレスが原因になっている可能性があると主張されてしまうからです。

 

精神障害の労災認定では、原則として、過去6か月の業務状況を見て判断するのが一般的です。

 

安全配慮義務違反と同じように、証拠となりうるすべてを集めましょう。うつ病の診断書もしっかり保管する必要があります。

 

専門家に相談できるか


会社から不当解雇を受けたら迷わずに専門家に相談しましょう。自分ひとりで会社に立ち向かっても交渉を有利に進めるのは難しいからです。そして、うつ病で会社までクビになっている中、ひとりで会社と争うのはとても大変ですよね。

 

専門家に相談すると、これまでの経験や知見から会社に有利に交渉を進めてくれますし、何よりもあなたの心の負担が軽くなります。

 

相談先として、労働基準監督署を真っ先に思い浮かべるかもしれませんが、ほかにも労働組合、弁護士、労働局などでも対応可能です。

 

それぞれの特徴は以下の記事に書いてあるのでぜひ確認しましょう。

>>不当解雇は労基署に相談できる?労働者が取るべき対応を解説

不当解雇かもしれないと思ったら労働組合に相談しよう

不当解雇でクビになったときにいくつか相談先はありますが、なかでも「ねこの手ユニオン」という労働組合(ユニオン)がおすすめです。

 

・企業は労働組合からの交渉を断れない

・相談から裁判まで一括して代行してくれる

・アルバイトやパート・契約社員・派遣でも相談できる

・24時間いつでも受付している

・着手金無料で完全成果報酬だから安心できる

 

上記5点の理由をそれぞれお伝えしていきます。

 

企業は労働組合からの交渉を断れない


労働組合からの団体交渉は労働組合法で保障されているため、企業は断れません。従業員一人ひとりの立場は弱くても、労働組合には団結して会社と交渉できる権利があります。

 

企業はこの団体交渉を正当な理由なしで無視すると、50万円以下の過料に処されてしまうほど強い力なのです。

 

そのため、労働組合「ねこの手ユニオン」に相談すれば、対等な立場で会社と話し合いができるようになります。

 

相談から裁判まで一括して代行してくれる


ねこの手ユニオンには、弁護士、社会保険労務士、行政書士といった法律のきちんとした専門家が運営に携わっています。各分野のエキスパートが相談から各種手続きまでしっかり対応してくれるため、安心できますね。

 

アルバイトやパート・契約社員・派遣でも相談できる


労働基準法は正社員だけでなく、アルバイトや契約社員、派遣社員も対象とした法律です。就労期間や雇用形態、会社での役職有無などは一切関係ないので、まずは相談するところから始めてみてください。

 

24時間いつでも受付している


ねこの手ユニオンは、LINEやメールから24時間いつでも問い合わせできます。スマホやパソコンから気軽に相談できます。

 

着手金無料で完全成果報酬だから安心できる


ねこの手ユニオンは完全成果報酬を採用していて、着手金・相談料・組合加入費・組合費などは一切不要です。無事に解決できたときに解決金の3割を支払う仕組みです。

結果が出なかったときに支払いは発生しないため、安心できます。

まとめ

会社がうつ病を理由に従業員をクビにはできません。不当解雇となるため、休職させて治療に専念させる、復職後も負担の少ない仕事をさせるといった配慮が必要です。

 

そのような配慮もしないで辞めさせてしまうと、不当解雇の慰謝料の相場(10万円~数十万くらい)よりも100万円以上といった高い請求が認められる可能性があります。

 

特に重要なのが、仕事が原因でうつ病を発症したと裏付ける証拠です。うつ病の診断書だけでなく、タイムカードやメール・LINE・チャットのスクリーンショット、音声データなど証拠となりうるものはしっかり保管しましょう。

 

証拠がない・取れないときは、日記やメモをしておくだけで証拠能力が認められる場合があります。日付やそのときの状況をできるだけ細かくまとめてくださいね。

不当解雇の相談先として、おすすめなのが労働組合「ねこの手ユニオン」です。着手金・相談料・組合加入費・組合費などは一切不要で相談できるので、まずは気軽に話したいという方には向いています。

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この記事を書いた人

大学卒業後、就職した会社で同僚が解雇に遭う現場を目の当たりにしました。この処遇が正しいのかと疑問に感じ労働基準監督署にも実際に足を運び相談もしながら同僚を援助しました。
その後も労働問題について勉強をし同じような境遇の方を一人でも救いたいと思い情報を発信してます!

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