能力不足で会社クビになった! 正当な解雇理由や対処法を解説

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能力不足で会社クビになった! 正当な解雇理由や対処法を解説

「今年から転職した会社で心機一転働き始めましたが、出だしから苦戦していて日々上司から怒られてばかり。

 

あまりにも成果を出せないからといって先日社長から直接呼び出されて『成果出せていないから来月から君をクビにするよ』と言われてしまった。

 

まさかの能力不足でのクビ。薄々感じてはいたものの、いざ言われると流石にショック。来月からどうしようか……」

 

ドラマのワンシーンにありそうですが、そもそも能力不足を理由に合法的にスタッフをクビにできるのでしょうか。

 

結論から言うと、基本的に会社は普通解雇に該当するため能力不足でスタッフをクビにできません。あとで裁判で争ったときに会社に勝てる可能性が高いです。

 

本記事では、そんな悩みに対して会社がスタッフを能力不足でクビできない理由と合法的に解雇できる場合を詳しく解説していきたいと思います。

万が一、能力不足で会社からクビにされたときの対処法もお伝えするのでぜひ参考にしてください。

会社は基本的に能力不足でクビにできない理由

会社がスタッフを能力不足を理由にクビにできないのは、労働契約法16条に以下のように明記されているからです。

 

(解雇)

第16条 解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。

 

単に能力不足でスタッフをクビにするのは、合理的な理由が欠けていると判断できるでしょう。飲み込みが良くないスタッフがいたとしても、一般的に上司の仕事の教え方が悪い、会社ができる仕事を回していないと判断されるのが一般的です。

 

仕事ドラマのワンシーンにあるような「お前使えないからクビ」というのは、労働契約法の観点からしても違法です。クビにした会社を相手に裁判を起こすと、高い確率で勝てます。

 

そもそも解雇とは?


では一体、解雇とはどのような定義なのでしょうか?解雇とは、雇い主による一方的な労働契約の解雇です。一方で辞職とは労働者から雇用主に対して労働契約の解除を求めること、合意解約とは、労働者と雇用主それぞれの話し合いによって契約を解消することです。

 

まずは、解雇と辞職、合意解約の意味の違いを整理しましょう。

 

そして、解雇には以下の3つに分類されます。

 

・普通解雇

・整理解雇

・懲戒解雇

 

普通解雇


普通解雇とは、従業員の勤務成績や適性の欠如などが原因でされる解雇です。普通解雇を成立させるには、理由が正当であることや30日以上前に予告しているかといった条件を満たす必要があります。退職金の支給対象です。

 

能力不足で解雇する場合は普通解雇に該当しますが、正当な理由が必要となります。

 

整理解雇


整理解雇とは、会社の経営不振を打開するために行う解雇です。会社の経営の立て直しが目的のために人員整理を行います。整理解雇は会社側に原因があり、30日前に解雇予告をする必要があります。

 

普通解雇と同様に、30日前の解雇予告が難しければ解雇予告手当の支払いが必要です。解雇予告手当とは、最大30日分の給料に相当する手当です。詳細な計算方法はここでは割愛しますが、例えば20日前に解雇されたときは20日分の手当はもらえるということです。

 

もちろん、退職金もあわせて支給されます。

 

懲戒解雇


懲戒解雇とは、懲戒処分の意味合いを持つ解雇です。減給や出勤停止・降格などがある懲戒処分のなかでも、最も重い処分がこの懲戒解雇に該当します。解雇予告の義務はなく、退職金も基本的にはもらえません。

 

誤解されやすいですが、能力不足でクビになるのは懲戒解雇ではありません。あくまで能力不足のため、仕事は頑張っている。会社に損害を与えていないのは前提にあります。

 

正当な理由もなくクビにしてしまうと……


万が一、正当な理由もなくクビになってしまうと以下のようなリスクがあります。

 

・バックペイを支払う必要がある

・残業代を支払う必要がある

 

バックペイを支払う必要がある


バックペイとは、不当解雇が無効になった場合に会社が本来労働者に払うべき給料を支払うことです。期間はクビにしてから判決に至るまでとなります。

 

不当解雇を裁判で争う場合、解決するまでにかなりの時間がかかると言われています。そのため、数百万円以上の請求が認められる場合もあるため、会社にとって大きなリスクとなるのではないでしょうか。

 

残業代を支払う必要がある


不当解雇を争う場合、労働者は解雇の無効だけでなく、未払いの残業代を請求するケースも多いです。

 

労働基準法が改正されて、2020年4月1日から残業代の時効は2年⇒3年となりました。一般的な勤務体系において、残業代は次のように計算されます。(すべて仕事に該当するわけではない点に注意が必要です。)

 

・週40時間、1日8時間の法定労働時間を超える分は残業

・1時間あたりの賃金の25%増で計算

・1時間あたりの賃金は、月給÷所定労働時間÷所定労働日数

・月給には家族手当や通勤手当、住宅手当は除く

 

例えば、月給30万円、所定労働時間8時間、所定労働日数20日の人が1時間の時間外労働を行った場合の残業代は以下のようになります。

 

1時間当たりの賃金=30万円÷(8時間×20日)=1,875円

残業代=1,875円×1.25×1時間=約2,343円

過去にさかのぼって残業代を3年分も請求できると、大きな金額になる方も多いのではないでしょうか。

能力不足を理由にクビにする行為が合法になる場合は?

能力不足を理由にクビにするのが合法と見なされるには、以下4つに該当する必要があります。

 

・著しく成績が悪い場合

・客観的にみた公平性がある場合

・改善の余地を見込めない場合

・会社への損失が大きい場合

 

順番に見ていきましょう。

 

著しく成績が悪い場合


スタッフのパフォーマンスが著しく悪い場合、能力不足として解雇できる可能性があります。なぜなら、会社側としてはスタッフの働きよりも多い給料を払う必要があるため、経営に影響が出てしまうからです。

 

もちろん、軽微な影響であれば認められません。会社には教育する、配置転換をするといった措置を求められます。そのため、単に営業成績が悪い・作業効率が悪いといった理由ではクビにはできないでしょう。

 

しかし、能力不足が著しいスタッフに支払う給料によって経営が脅かされているなら、給料の減額は認められる可能性は高いです。会社に重大な損害を与えているミスであれば、適用とされる場合があります。

 

明確にいくらの赤字が出たときに能力不足でクビにできる、給料を下げられるといった基準があるわけではありません。過去の事例を元に判断するのが一般的です。

 

しかし、知識がないと調べるのに時間がかかります。弁護士や労働組合などの第三者機関に相談しましょう。

 

客観的にみた公平性がある場合


前述した労働契約法16条の「客観的に合理的な理由」に該当する部分です。しかし、客観性や合理性は誰がどのように判断するのかと思うのではないでしょうか。

 

ポイントは、以下の2つです。

 

・労働者の能力が客観的な数値や指標によって評価されていること

・評価制度や目標設定に問題がないこと

 

第三者から見たときに平等だと判断される内容であるかどうかが大切です。当然ながら、会社の上層部や上司の感覚だけで下されたものであれば、認められません。

 

しかし、具体性がないのではと感じるのではないでしょうか。会社の人事評価制度は経営者や会社の上層部の人間たちがつくるため、エゴが入るのは当然です。

 

会社の評価制度や目標設定に不公正さを感じるのであれば、クビになる前に会社に確認してください。具体的にはどれくらいの成果を出したらどのように評価されるのかといった点です。

 

つまり、誰しも成果を出したら評価されるのかどうかです。自分の評価を上げるために、何をするべきなのかをしっかり把握することは重要となります。自分で聞くことで積極的な姿勢も会社にアピールできます。

 

それでも納得ができる回答をもらえないのであれば、今後人事評価でもめる可能性があるため転職を検討しましょう。

 

あなたに合った文化の会社は必ずあります。今の会社に固執する理由はどこにもないため、転職活動を進めることをおすすめします。

 

改善の余地を見込めない場合


能力不足が著しく、かつ改善の余地も見込めないときに解雇が適法となる可能性があります。具体的には他部署に配置転換したり、指導や研修を繰り返し実施したりしても改善されない状況です。

 

会社側は、スタッフの問題点を指摘したり改善できるための具体案を提示したりしなければなりません。繰り返し、フィードバックを実施して成長できるように手だてを尽くすのです。

 

基本的にこのようなやり取りは直属の上司が行います。使えない部下を見るのは感情的に嫌になるため、口調や態度はあなたにとって心地よいものではありません。俗にいう、パワハラに近い形式で指導を受けるでしょう。同時移行で「お前、使えないから辞めろ」といった風に自主退職を勧められるかもしれません。

 

そのようなときはぜひ以下の記事を読んでください。パワハラを受けたときの解決方法や慰謝料請求について詳しくまとめているため、かなり役立つはずです。

 

会社はスタッフとのやり取りを「業務改善指導書」といった形式で残す必要があります。なぜなら、どのような指導を実施したか客観的に分からないからです。指導記録がない状態でクビにしてしまうと違法になる可能性が高いです。

 

会社への損失が大きい場合


能力不足が原因で会社に損失が発生していると、クビに合法になる可能性が高いです。例えば、スタッフの仕事のスピードが遅くて納期に遅れてしまい、結果として取引先から損害賠償請求をされた場合などが当てはまります。

 

しかし、上司が仕事の進捗を確認しなかったり、スタッフから納期について相談があったにもかかわらず無視したりした場合は別です。会社にも落ち度があるため、クビが認められるケースにはならないでしょう。

 

会社側に落ち度はなく、能力不足のスタッフが原因で会社に大きな損失をもたらすかどうかという観点が大切です。

 

また、故意に会社に損害を与える行為は懲戒解雇に該当します。

 

例えば、次のようなケースです。

 

・気に食わない同僚の契約書を隠して部署に損害をもたらした

・上司の降格を狙って、大切なクライアントさんにウソの情報を教えて問題を起こした

・自分の営業成績のためにクライアントにウソを伝えて受注を取った

 

しかし、これらの行為で大きな損害が出たとしてもわざとやっていることを証明する必要があります。意図的にやっていないと弁明できれば、クビを免れる可能性はあります。

能力不足とは話が逸れますが、念のために押さえておきましょう。

雇用ケース別に確認|能力不足が理由で解雇できる?

能力不足を理由に会社をクビにするには、会社としてある程度責任を果たさないといけないことをお伝えしました。

 

しかし、以下のような雇用ケースの場合はどうなのでしょうか。能力不足でクビが認められやすいかチェックする必要があります。

 

・新卒の場合

・試用期間中の場合

・ヘッドハンティングの場合

 

詳細は以下の通りです。

 

新卒の場合


新卒で採用された場合、何かスキルが期待されているわけではありません。最初の数年は職場において何か重要な役割を担う場合も基本的にはありません。

 

会社としては採用後、教育して新卒を育てていくのが一般的です。そのため、成績不振があっても即座にクビが認められることはありません。

 

また、会社は新卒を採用するときに莫大なコストを投じています。就職みらい研究所の『就職白書2020』によると、2019年度の新卒採用における採用平均単価は1人あたり93.6万円と言われています。

 

仮に20人採用すると、93.6万円×20人=1,872万円かかるということです。約2,000万円ものコストが新卒採用だけにかかっているため、会社としては簡単にクビにはできないですよね。

 

試用期間中の場合


試用期間中は本採用にいたっていないため、能力不足があると上司に感じてしまうとクビにされてしまうのではと思う方が多いかもしれません。

 

しかし、会社が解雇できる裁量は制限があるため、能力不足を理由に簡単にクビにはできません。つまり、会社側は試用期間中のスタッフに対してもそれなりに義務を果たす必要があります。

 

以下の記事では、試用期間中のクビが妥当な場合とそうでない場合について解説しています。試用期間中はクビになっても仕方ないと思い込んでいる方はぜひ参考にしてください。

 

>>試用期間中の不当解雇に慰謝料等の金銭請求は可能?

 

ヘッドハンティングの場合


これまでの職務経験やスキルを評価されて入社した場合は、一般的なスタッフよりもクビになりやすいです。なぜなら、求められている成果が一般社員よりも大きいですし、待遇条件も良いからです。

 

例えば、営業職のマネージャーとして雇われた場合、給料は一般社員よりも高いですが、期待される結果を出せないとクビもしくは降格するリスクは高いです。

 

実際の裁判でも、このようなケースでクビにされても適法となる場合が多いため、覚悟を持って職務に当たる必要があります。

 

社会人として結果を出すのは当然です。それができないなら、クビもしくは降格するのは仕方ないと考える方が潔いかもしれません。

 

しかし、会社にぶら下がっているマインドがあると、現実を直面化するのは難しいでしょうね。日本では、よく無能な上司が降格せずにずっとそのポジションに居続けます。

 

会社の風潮なので正直変えられない部分が大きいため、そのような会社だと働きにくいと思うなら、さっさと転職するのがおすすめです。

実力主義で結果さえ出していれば、高い役職につける会社を探すといいでしょう。

能力不足で会社クビにされたときの対処法は?

では実際に能力不足で会社をクビにされたときは何をしたらいいのでしょうか。ここからは具体的にクビにされたときの対処法をお伝えします。

 

以下の手順どおりに行動してください。

 

1.解雇理由証明書の交付を請求する

2.解雇の違法性を検討する

3.解雇無効を会社に要求する

4.慰謝料請求を行う

 

順番に解説していきます。

 

1.解雇理由証明書の交付を請求する


会社に解雇された理由を明確にするために、解雇通知書や解雇理由証明書をもらうようにしてください。

 

〇解雇通知書

会社が労働者に解雇の意思表示をする書面です。原則として少なくとも30日前に解雇予告をする必要があります。

〇解雇理由証明書

会社が労働者を解雇する具体的な理由が書かれた書面です。労働基準法にて従業員から上記の交付を求められたら会社は断ることができないと定めています。今後、裁判をするうえで必要な客観的な証拠となります。

以下の2点が記載されているか確認しましょう。

・就業規則のどれに該当して解雇に至ったのか

・就業規則の解雇事由に該当するに至った事実関係などについて

 

まれに、口頭や書面で「解雇理由証明書」を請求しているにもかかわらず、訴訟を恐れて会社が交付しないケースがあります。

 

そのようなときは労働基準監督署に申し出をしてください。労働基準監督署から是正勧告をすることで、会社にあくまで任意となりますが解雇理由証明の発行を促せます。

 

ただし、退職後は解雇理由証明書を発行しなくてもよいと労働基準法22条2項ただし書きに記載されています。そのため、必ず退職する前に会社に交付するように申請しなければなりません。

 

また、就業規則や人事評価書、業務日報なども用意できるようであれば、集めておきましょう。上司との日々のやり取りも保管しておくのもおすすめです。些細なものでも後々証拠になる可能性はあります。

 

例えば、仕事中の相談メールに対して上司の返信内容もチェックするべき点です。まともなアドバイスをしていない、解決に向けて相談に乗っていない、そもそも返信すら遅くなっているなどがあると、会社として十分な指導をしているとは言えないでしょう。

 

このように会社の落ち度となる行為は日々集めておくのを忘れてはいけません。

 

2.解雇の違法性を検討する


解雇通知書や解雇理由証明書を入手できたら、能力不足でクビにされている事実を確認しましょう。前述した通り、能力不足で解雇をするのは普通解雇に該当します。

 

そのため、以下の要件を満たさなければなりません。

 

・解雇の30日以上前までに解雇予告通知をしたか

・正当な解雇理由があるか

 

特に正当な解雇理由があるかについては、自分ひとりでは判断ができないでしょう。

 

一人で悩まずに第3者機関に相談するのがおすすめです。なかでも「ねこの手ユニオン」という労働組合(ユニオン)であれば、LINEやメールを使って相談できます。

 

24時間365日いつでも問い合わせができる点、他の機関よりも利便性が高いでしょう。完全成果報酬を採用しているため、着手金は無料です。

3.解雇無効を会社に要求する


能力不足による解雇に妥当性がない場合、会社に撤回を求めます。

 

個人で申し出するよりは弁護士や労働組合などの第3者機関を立てるのが一般的です。なぜなら、交渉力や法的な知識などが豊富な機関に一任したほうがスムーズに進められるからです。そして依頼する側はプロに任せた方が安心できます。

 

仮に交渉期間中に、従業員が会社で働けないときは解雇後の賃金を請求できます。民法第536条には次のように書かれているからです。

 

〇民法第536条(債務者の危険負担等)

当事者双方の責めに帰することができない事由によって債務を履行することができなくなったときは、債権者は、反対給付の履行を拒むことができる。

2 債権者の責めに帰すべき事由によって債務を履行することができなくなったときは、債権者は、反対給付の履行を拒むことができない。この場合において、債務者は、自己の債務を免れたことによって利益を得たときは、これを債権者に償還しなければならない。

引用:https://j-net21.smrj.go.jp/law/20210804.html

 

労働組合「ネコの手ユニオン」は、弁護士、社会保険労務士、行政書士といった法律のきちんとした専門家が運営に携わっています。相談から裁判まで一括代行できるのが強みです。

 

労基署の場合、各専門家の紹介まではしてくれますが、最終的には自分で問い合わせをする必要があります。

 

4.慰謝料請求を行う


会社との交渉が上手くいかないときは、労働審判や訴訟などの法的手続きを行うことになります。

 

労働審判とは、従業員と経営者の間に起こったトラブルを解決するための法的手続きです。通常の訴訟よりも、早期解決・柔軟な解決・簡単な手続きといった特徴があります。

 

しかし、当事者が異議申し立てをすれば審判の効力が失われ、民事訴訟に移行する流れとなります。

 

具体的に慰謝料請求をするときの流れを、以下の記事ではまとめています。実を言うと、慰謝料以外にも請求できる金銭があるので、ぜひとも押さえておきたい内容です。

>>不当解雇なんて絶対に許せない 慰謝料を請求するにはどうすればいい?

能力不足が理由でクビなのに自己都合退職を勧められたら…

能力不足を理由にクビにするとき、会社は普通解雇にしなければなりません。しかし、会社側の都合で手続き上は自己都合による退職とされてしまう場合があります。

 

なぜなら、会社都合退職にしてしまうと、労使間でトラブルになりやすいからです。普通解雇するには、労働基準法第20条で「30日前までの解雇予告が必要、もしくは30日分以上の平均賃金を払う必要がある」と明記されています。

 

もし、会社都合退職でスタッフを辞めさせてしまうと後から解雇が不当であると言われて訴えられるリスクがあります。また、国の助成金を受けるには、一定期間会社都合退職をしていないといった条件も必要です。

 

会社都合退職をするにはこういったデメリットがあるため、できるかぎり自己都合退職で処理したいのです。

 

そのため、実際は会社都合退職にもかかわらず、自己都合退職の形式でやめるように仕向ける動きがあれば気をつけましょう。とても悪質な行為となります。

 

自己都合退職にさせる具体例


会社都合なのに、いつしか自己都合に置き換わっているケースがあります。

 

例えば「能力不足で会社をクビになったとなると○○さんの経歴に傷が付きます。これからも仕事を続けるために転職のときに無理にならないように自己都合退職をした方がいいですよ。」などと言われて退職届を書くように言われる場合です。

 

確かに普通解雇された経歴があると、転職活動のときに不利になってしまいます。会社は戦力になる人材を採用するのが仕事のため、能力不足で会社をクビになった人を取るのはリスクが高いと判断します。

 

ほかにはこのような事例があります。「うちの会社では、自己都合・会社都合かかわらずとにかく退職届を書いてもらうルールになっているから、○○さんにも書いてほしいです。」といってスタッフを誤認識させる場合もあるようです。

 

法律に関する知識がないと、思わず退職届を書いてしまうに違いありません。上司や人事になかば脅しのような形で自己都合退職を迫られてしまうと、怖くなって認めてしまうのではないでしょうか。

 

このようなケースは実際に違法なのでしょうか。

 

退職届を一旦提出してしまうと、自分の意志で退職した証拠と判断されてしまうため気をつける必要があります。しかし、会社側に悪意ある対応があれば後から覆すことも可能です。

 

決してあきらめてはいけません。労働組合「ネコの手ユニオン」では無料で相談を受付けているので、まずは気軽にお話ください。

 

今後どうするかについてもご提案させていただきますので、話を聞いてから会社と争うかどうかも決めて問題ありません。

 

⇒ネコの手ユニオンに無料相談する

退職勧奨が違法となる4つのケース


退職勧奨が以下のような場合、違法となります。

 

・拒否しているにもかかわらずしつこい

・いじめや嫌がらせをしている

・降格や転勤といった人事上の措置を取っている

・不利益措置が禁止されている事由を理由にしている

 

あくまで一般論になるため、あらゆるケースが違法と判断されるわけではありません。それぞれ確認しましょう。

 

拒否しているにもかかわらずしつこい


労働者が退職を拒否していると言っているのに、1時間以上に及ぶ退職勧奨が何回も行われると違法となる可能性があります。

 

特にうつ病といった精神疾患がある場合、退職勧奨自体がストレスになるため、十分に配慮する必要があります。しつこい退職勧奨をしてしまうと、症状がさらに悪化してしまうからです。

 

私は以前の会社で、直属の上司のパワハラが原因でうつ病にかかったことがありました。朝、出勤するときに頭痛がひどくなり会社に行けない状況になってしまったのです。当時、営業を駆け出しでやっていたこともあり、睡眠時間もかなり削っていました。

 

月に数回、頭痛で欠勤していたら社長に呼び出されて「これ以上、欠勤が増えたらクビにする」と言われました。もちろん、しっかり休まずに出勤することは約束しましたが、会社に対する不信感は募るばかり。

 

風邪を引いて休んだときも同じように退職勧奨を受けてとても嫌な思いをしたのを今でも覚えています。

 

いじめや嫌がらせをしている


学校だけでなく職場でもいじめや嫌がらせはあります。例えば、暴力や暴言が日常的に行われていたり、仕事中に無視されたり、仕事を振られなかったりする場合は違法となる可能性があります。

 

よく営業会社で上司が部下を詰める場面がありますよね。「売れない営業はコストだから、お前みたいなのは辞めてしまえ」とか言って、オフィス中に怒鳴り声が鳴り響いているかもしれません。

 

そのような状況で退職勧奨をしてしまうと違法の可能性が高いです。

 

しかし、怒鳴っている上司は詰める環境で育ってきたため、教育の一環で詰めるのが当然だと思っています。周りのスタッフもそれが当たり前だと思っている手前、なかなか職場で改善ができません。会社の文化に原因があるため、会社の人事に伝えても改善されない場合が多いです。

 

そのため、このような会社で働いているなら、クビにされる前に辞める方が間違いなくいいでしょう。

 

降格や転勤といった人事上の措置を取っている


クビにしたいスタッフに対して、雑用をさせたり、勤務地を飛ばしたりするのは違法になる可能性があります。どう考えても会社の嫌がらせですよね。

 

また、会社が退職勧奨後に自宅待機を1か月命じることがあります。それ自体は違法ではありませんが、孤立させることが目的で長時間の待機になってしまうとNGです。人事上の措置を取っていると判断されるため、違法になるでしょう。

 

不利益措置が禁止されている事由を理由にしている


不利益措置が禁止されている事由とは、簡単にいうとパワハラについて相談したことや妊娠・出産・育児などが挙げられます。上記を原因に会社が退職勧奨をするのは違法になるでしょう。

 

自己都合退職でやめてしまうデメリット


仮に自己都合都合で退職してしまうと次のようなデメリットがあります。

 

・失業手当をもらうのが遅くなる

・裁判のときに不利になる

 

それぞれ確認しましょう。

 

失業手当をもらうのが遅くなる


失業手当の受給開始時期が会社都合退職よりも遅く、一番早くて「2か月と7日後」からです。給付期間も90日から150日と、最大330日である会社都合退職と比較すると短くなってしまいます。

 

1日あたりの受給額は、自己都合と会社都合では変わりません。給付期間が異なるだけで受給額自体が118万円と会社都合退職の260万円より少なくなってしまうのは、見落とせない点でしょう。

 

ただし、特定理由離職者として認められる場合は、会社都合と同じように給付制限期間なしで受給できます。ただし、求職の申し込みをしてから7日経過している必要があります。

 

該当するかどうかハローワークで調べてみましょう。

 

また、失業手当の受給条件も離職した日からさかのぼった過去2年間に、最低12か月以上働いている必要があります。

 

短い期間しか働いていない人は自己都合退職だと給付金対象になりません。

 

会社都合退職の場合は、離職日からさかのぼって12か月の間に被保険者の期間が通算6か月以上としています。

 

失業手当をもらうタイミングの早さや期間は、間違いなく会社都合の方が良いです。

 

裁判のときに不利になる


自己都合退職にしてしまうと、自分の意識で退職したと判断されるのが通常です。そのため、後から解雇の撤回を求めたり、解決金を求めたりするときに手間がかかってしまいます。自己都合退職は会社に脅されてやったこと、だまされてやったことであり、自分の意志ではないということを証明する必要があります。

裁判で争うときにそもそも不利な状態からのスタートとなるのです。

会社から能力不足でクビにされたら労働組合に相談しよう

能力不足でクビになったときにいくつか相談先はありますが、なかでも「ねこの手ユニオン」という労働組合(ユニオン)がおすすめです。

 

・企業は労働組合からの交渉を断れない

・相談から裁判まで一括して代行してくれる

・アルバイトやパート・契約社員・派遣でも相談できる

・24時間いつでも受付している

・着手金無料で完全成果報酬だから安心できる

 

上記5点の理由をそれぞれお伝えしていきます。

 

企業は労働組合からの交渉を断れない


労働組合からの団体交渉は労働組合法で保障されているため、企業は断れません。従業員一人ひとりの立場は弱くても、労働組合には団結して会社と交渉できる権利があります。

 

企業はこの団体交渉を正当な理由なしで無視すると、50万円以下の過料に処されてしまうほど強い力なのです。

 

そのため、労働組合「ねこの手ユニオン」に相談すれば、対等な立場で会社と話し合いができるようになります。

 

相談から裁判まで一括して代行してくれる


ねこの手ユニオンには、弁護士、社会保険労務士、行政書士といった法律のきちんとした専門家が運営に携わっています。各分野のエキスパートが相談から各種手続きまでしっかり対応してくれるため、安心できますね。

 

アルバイトやパート・契約社員・派遣でも相談できる


労働基準法は正社員だけでなく、アルバイトや契約社員、派遣社員も対象とした法律です。就労期間や雇用形態、会社での役職有無などは一切関係ないので、まずは相談するところから始めてみてください。

 

24時間いつでも受付している


ねこの手ユニオンは、LINEやメールから24時間いつでも問い合わせできます。スマホやパソコンから気軽に相談できます。

 

着手金無料で完全成果報酬だから安心できる


ねこの手ユニオンは完全成果報酬を採用していて、着手金・相談料・組合加入費・組合費などは一切不要です。無事に解決できたときに解決金の3割を支払う仕組みです。

結果が出なかったときに支払いは発生しないため、安心できます。

まとめ

能力不足で労働者をクビにするには、会社として一定の努力が必要です。これらをしないで一方的にクビにしてしまうのは違法です。

 

会社から能力不足でクビを宣告されてしまったときは、自分で判断しないで第三者機関に相談することをおすすめします。会社都合退職でなく、自己都合退職で処理を進める会社もあり、後から争うときに無理になってしまうからです。

 

なかでも、労働組合「ねこの手ユニオン」は着手金無料で相談できます。LINEを使って問い合わせできるため、まずは気軽に相談してみてください。

自分ではうまく交渉できない方や、会社と争うときに何が必要なのか知りたい方にもおすすめします。

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この記事を書いた人

大学卒業後、就職した会社で同僚が解雇に遭う現場を目の当たりにしました。この処遇が正しいのかと疑問に感じ労働基準監督署にも実際に足を運び相談もしながら同僚を援助しました。
その後も労働問題について勉強をし同じような境遇の方を一人でも救いたいと思い情報を発信してます!

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