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出張や通勤の移動時間は労働時間に入る?
移動時間の中には、条件によって労働時間とみなされて、賃金が発生するものがあります。
移動時間の未払い賃金を適切に請求すれば、会社から移動時間分の給与が支払われるかも!
この記事では、労働時間の定義や移動時間で労働時間に含まれる時間はどのようなものなのか、ご説明していきます。
労働時間の定義
出張が増えると移動時間が増えるもの。
「今この移動時間も労働時間に入るのかな?」と疑問に思う方もいるのではないでしょうか?
移動時間についてご説明する前に、まずは労働時間とはどのようなものか、定義を確認していきましょう。
労働時間とは、労働者が雇用主の指揮や命令下に置かれている時間を指します。
例えば、客が来ない状態で「店番」をしている時なども、その間自由に飲み食いをしたり、スマホを触ったりすることはできませんよね。
一見業務を遂行していないように見えたとしても、雇用主の指示のもと、やることを決められている場合は労働時間にあたるのです。
そして、雇用者は労働時間に対し、賃金の支払い義務があります。
そのため、労働時間とみなされる移動時間にも関わらず賃金が支払われていない場合、未払い賃金の支払いを請求することができるのです!
移動時間の未払い賃金に対するおすすめの請求方法などは、後ほどお伝えしていきますね。
移動時間で労働時間に含まれるもの
「労働時間=雇用主の指揮命令のもと行動する時間」と定義される、とお伝えしてきましたが、移動時間には労働時間に含まれる場合と、含まれない場合があります。
以下に、労働時間に含まれる移動時間とはどのような性質を持つのか、ご説明していきますね。
就業時間内に移動をする場合
雇用者の命令によって所定労働時間(会社によって定められた勤務時間)内に移動をする場合、移動時間は労働時間に含まれます。
例えば、近距離出張や取引先への移動など、近い距離の移動が発生する場合、移動時間も労働時間としてカウントされるのです。
営業系の業務を行う職種の方は、このケースが多いかもしれませんね。
移動中に遂行する業務がある場合
移動をしている最中に、会社からの命令で遂行しなければならない業務がある場合も労働時間に含まれます。
具体例をあげると、以下のようなパターンです。
- 移動中に要人の護衛を行う場合
- 移動中に病人の看護を行う場合
- 機密書類や貴重品の運搬をする場合
- 他の社員を乗せた車を運転する場合
- 移動中にPCで作成する資料がある場合
このような移動をともなう業務をこなしている場合、雇用者は移動中も労働をしているとみなされるのです。
なお、「社員同士で車に乗り合わせて移動する」といった場合、運転手に雇用者から指示が出ている場合とそうでない場合によって、扱いが異なります。
雇用主から運転を頼まれて労働者が運転をする場合、運転している時間は労働時間となります。
一方、雇用主から指示がないものの、近所に住んでいる人同士で乗り合わせて現場に向かった場合は、運転している時間は労働時間となりません。
このように、労働時間は「雇用主からの指示に従う時間か否か」で、判断することができます。
会社から指示があれば従うよう言われている場合
移動中に会社から指示があった場合、それに従って業務を遂行しなければならないのであれば、移動時間は労働時間に含まれます。
この場合移動時間が「手待ち時間」とみなされ、雇用者の指揮命令下にあるとされるためです。
移動時間で労働時間に含まれないもの
ここまで、移動時間が労働時間に含まれる場合についてお伝えしてきました。
では反対に、移動時間が労働時間に含まれない場合とは、どのようなケースなのでしょうか?
以下にご説明していきますね!
移動時間を労働者が自由に使ってよい場合
以下のような過ごし方で、移動時間を労働者が自由に使ってよい場合があります。
- 睡眠
- 読書
- ゲーム など
移動時間に労働者が好きなことをできる場合は、雇用主の指揮命令下にあるとはみなされないため、労働時間に含まれません。
つまり、次のような時間は労働時間に含まれないということですね。
- 通勤時間
- 出張のための移動時間(勤務時間外に移動する場合)
- 翌日の出張に備えて現地入りする際の移動時間(終業時刻後に移動する場合)
会社からの指示に従わなくてよい場合
移動時間内に会社から指示があったとしても、移動時間内は指示に従う必要がない場合、移動時間は先述したような「手待ち時間」とはされず、労働時間にはなりません。
このような場合、指示があっても「業務に取り掛かるのは翌日でよい」などとされることが多いためです。
自宅から現場に直行する場合や現場から直帰する場合
普段使っているオフィスとは違うオフィスに出勤が命じられたり、現場に自宅から直接出勤することを命じられることがあります。
このような場合、移動にかかる時間は普段の通勤時間とやや異なるかもしれませんが、それでも移動時間は労働時間とはみなされません。
その理由は先述したように、移動時間を労働者が自由に使うことができるためです。
給与が正しく支給されていなかった時の対処法は
ここまで読んできて、「この前にあの移動時間、労働時間だったんだ…!」と気付いた方もいるのではないでしょうか?
続いては、給与が正しく支給されていなかった場合の対処法を、以下にご説明していきます。
会社に請求する
会社に勤務している労働者は、1日あたりの所定労働時間が定められています。
1日あたりの労働時間がこの所定労働時間を超えた場合、会社は労働者に対し時間外労働手当、つまり残業代を支払わなければなりません。
さらに、所定労働時間とは別に、労働基準法で法定労働時間(1日8時間、1週間で40時間)というものが定められています。
雇用主が労働者に法定労働時間以上の労働をさせた場合、通常賃金に25%割り増しした賃金を支払う必要があります。
ここまでご説明してきた労働時間の定義や性質を踏まえ、未払い賃金が発生すると分かった場合は未払い賃金の金額を計算して、会社に請求を行うようにしましょう。
ファーストアクションとしては直属の上司への相談をすることが好ましいですが、難しい場合は人事部に相談をする方法もあります。
タイムカードや業務報告書、同僚の証言など、労働を証明する証拠を持参して掛け合うようにしましょう。
請求しても払ってもらえない場合
先述したように移動時間が労働時間とみなされる場合、会社に対して未払い賃金の支払いを請求したいものですが…。
「個人vs会社」という構図だと、会社が話し合いそのものに応じてくれないこともありますよね…。
また、弁護士に力を借りて会社と交渉をする方法もありますが、弁護士は費用がかさみがち。
移動時間の未払い賃金請求に応じてもらえない場合は、ねこの手ユニオンに相談することをおすすめします!
ねこの手ユニオンは誰でも組合費無料で利用できる労働組合です。
会社と労働者の間に立って交渉を行い、未払い賃金の請求を行ってくれます。
相談料は無料で利用できるため、LINEやメールから気軽にご相談ください。
ねこの手ユニオンで、移動時間の未払い賃金を取り返しましょう!