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労災に時効はある?労災申請・相談は労働基準監督署
業務中のケガや業務が原因の病気が、労災になるのかどうかわからないとき。
労災の申請手続きの方法がわからないとき。
「いったい、誰に相談すればいいんだろう?」と悩んでしまいませんか?
結論からいうと、労災の相談窓口は労働基準監督署です。
勤めている会社に組合がなくても、相談する弁護士のアテがなくても、労働者本人が直接相談することができます。
労災の相談や手続きで悩んでいる人は、ぜひこの記事を参考にしてください。
労災の申請・相談先は労働基準監督署へ
労災の申請や相談は、住んでいる自治体の労働基準監督署で受け付けています。
労働基準監督署は、労働者が労災を申請したときに、申請内容が労災にあたるかどうかを審査する機関。
申請した内容が労災と認定されて初めて、労災給付金が支払われます。
労災の種類
- 療養補償…ケガや病気の治療費
- 休業補償…ケガや病気で就業できなかった分の収入
- 障害補償…治療後に一定の障害が残ったとき
- 介護補償…一定の条件に該当する介護を受けるとき
- 遺族補償…労働者本人が死亡してしまった場合の遺族への補償
- 葬祭費…労働者本人が死亡してしまったときの葬祭費用
- 傷病年金…療養開始後1年6カ月がたってもケガや病気が治らなかったとき
「自分の状況が労災になるかどうかわからない」というときは、申請の前に相談だけをすることも可能です。
ただし、労災認定されるまでに時間がかかることもあります!
今現在、業務上のケガや病気で休職している・治療しているという人は、できるだけ早く相談に行きましょう。
労働条件相談ほっとライン
0120-811-610
労災保険相談ダイヤル
0570-006031
労災保険の認定条件は?
労災給付金を受け取るには、労働基準監督署の労災認定を受ける必要があります。
以下では、認定条件をわかりやすくまとめました。
業務遂行性
1つめは、業務遂行性であること。簡単にいうと、業務中の災害や事故かどうかということです。
出社から退社までの時間帯はもちろんのこと、勤務中のトイレ休憩や職場内の移動中も含まれます。
認定される例
- 工場作業中に機械に指をはさまれた
- 社屋内を移動中に階段から落ちた
- 重い物を運んでいて転倒してしまった
認定されない例
- 休憩中に行った飲食店での食中毒
- 個人的なトラブルでのケガ
- 療養するほどではないケガや病気
事故が発生した状況や、ケガ・病気の症状によっても変わってくるので、まずは相談してみることが大事です。
業務起因性
業務起因性とは、その業務によって発生するもののことをいいます。
就業中ではないけれど、その業務がなければ発生しなかった事故や災害であると判断された場合は、労災給付金をもらうことができます。
認定される例
- 社員食堂での食中毒
- 出張先のホテルでケガをした
- パワハラによって重度のうつ病になった
認定されない例
- 会社の同僚と一緒に行ったゴルフ場でのケガ
- 出張先で観光していて事故に遭った
労災認定の例は、この限りではありません。
業務遂行性に比べ、業務起因性の労災認定が下りるケースはさまざまなので、あきらめずに相談してみましょう。
通勤中は労働時間に含まれる?
さらに、多くの人が気になっているのが「通勤中」の事故・災害ではないでしょうか?
通勤中に起きた事故・災害は「通勤災害」といわれ、主に通勤時に認められます。
認定される例
- 通常の経路での出勤・退勤中
- 交通事情による通勤経路の変更
- 借りている駐車場への移動間
- 職場から別の職場への移動間
認定されない例
- 通勤・退勤途中に買い物へ行った場合
- 退社後に友人宅に寄った場合
- 退社後に同僚と飲みに出かけた場合
上記の他、退社後に取引先企業の社員と打ち合わせをかねて食事に出かけて事故に遭った場合は、状況によっては労災認定が下りるかもしれません。
労災の申請に時効はある?
労災の申請には、2年と5年の時効があります。
以下では、時効が適用される労災の種類と起算日についてまとめました。
時効期限が2年の労災
時効期限が2年と決められている労災は、全部で4種です。
起算日と合わせて見ていきましょう。
労災の種類と起算日
- 療養補償…治療費を支払った翌日
- 休業補償…給与を受け取らなかった日の翌日
- 介護補償…介護を受けた月の翌月1日
- 葬祭費…労働者本人が死亡した日の翌日
起算日を1日として数え、2年が経過すると時効となり給付金はもらえません。
時効期限が5年の労災
時効の期限が長く、5年と設定されているのは次の2種の労災です。
- 障害補償…ケガや病気が治癒した日の翌日
- 遺族補償…労働者本人が死亡した日の翌日
遺族補償はもちろんのこと、障害補償も労働者本人以外の手助けが必要になるケースもあるので、起算日と時効期限はきちんと共有しておきたいですね。
時効期限がない労災
唯一時効期限がないのが、傷病補償年金です。
傷病補償年金は、労働基準監督署長の権限で支給される給付金なので、2年/5年の申請期限はありません。
労災の手続き方法
労災の手続き方法は、大きく分けて3つの手順になります。順番に説明します。
1.請求書を準備する
労災の手続きは、補償の種類に合わせて所定の請求書を手に入れるところから始まります。
もっとも簡単なのは、厚生労働省または住んでいる地域の労働基準監督署のホームページから請求書をダウンロードすること。
もちろん、申請の前に労働基準監督署に労災の相談に行き、その場で書類をもらうこともできます。
2.請求書の記載項目に指定事項を記入する
労災の請求書には、労働者の氏名や住所だけではなく、さまざまな項目があります。
記載項目の一例
- 勤務先の会社名や住所
- 事故・災害の発生状況
- 医師の診断
- 治療にかかった費用
- 事業主の署名
※療養補償の請求書の場合
もっともハードルが高いのが、請求書に記載された事故発生状況に間違いがないと証明する事業主の署名かもしれません。
企業側が、労働者に労災申請をさせない「労災隠し」も問題になっています!
3.請求書を提出する
請求書の記入が済んだら、内容を確認して労働基準監督署に提出するだけです。
労災の種類によって、請求書と同時に提出する添付書類が異なります。
この点は、事前に労働基準監督署に確認しましょう。
請求書を提出すると、労災に該当するかどうかの調査がおこなわれるため、労災の証拠になりそうなものはできるだけ残しておきましょう。
労災は労働者の権利!あきらめずに相談しよう
労災は、雇用されている労働者であれば、国籍や勤務時間にかかわらず受ける権利があります。
とはいえ、労災を申請するにはさまざまなハードルがありますよね。
- 勤めている会社で労災隠しが行われている
- 労災を申請するなら解雇だとほのめかされた
- 労災を申請したら上司や事業主との関係が悪くなってしまった
このようなことも、実際に起こっています。
もし、労災以外のことで会社とトラブルになってしまったら、ユニオンに相談してみましょう。
おすすめは「ねこの手ユニオン」。
ねこの手ユニオンは、パワハラや恫喝(どうかつ)・賃金未払い・不当解雇などの問題を一緒に解決してくれます。
1人で悩まず、思い切ってユニオンに相談してください。