定款に事業目的の記載が整っていないと許認可が取得できない事業とは

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一般的に事業はその目的に関わらず自由に始めることができます。

しかし業種によっては許認可を取得しなければなりません。

許認可を取得するにあたっては、その業種ごとに事業目的を整えて定款に記載しなければ、許認可が取得できない場合があります。

そもそも許認可という言葉自体を知らないという方も多いでしょう。

そこで当記事では許認可の概要や書く際のポイントを見ていきながら、定款に事業目的が整っていないと許認可を取得できない事業などを紹介します。

「これから事業をはじめようと思っている方」や「定款の作成が必要になった方」などは当記事を参考に、事業目的を整理した定款を作成するための正しいstepを理解していきましょう。

目次

許認可の種類について

ここでは許認可の概要と種類について紹介します。

許認可がどのようなものなのか全体像を掴んでいきましょう。

許認可とは何?

許認可とは事業をはじめる場合に、各都道府県の官公庁から事業開始の許可と認定を受けることをいいます。

前述のとおり、一般的に事業は自由にはじめることができます。

しかし、特定の業種では事業をはじめるにあたって許認可を受けなければなりません。

無許可で事業を行った場合、刑罰の対象になる可能性もあります。

事業をはじめる際は許認可が必要かどうか必ず確認するようにしましょう。

事業目的とは何?

事業目的とは設立する会社でどのような事業を行っていくかを設定するもので、定款(ていかん)に必ず記載が必要となる事項の1つです。

定款とは会社設立時に定めるべきもので、会社の憲法ともいえます。

定款は社内はもちろんのこと外部にも公開する場合があり、自分の会社がどのような事業を行い、活動していくのかを正確に記載しなければなりません。

許認可には5つの種類がある

許認可には大きく分けて5つの種類があります。

それぞれの種類について見ていきましょう。

1つ目が「届出」で、一定事項を記載した必要書類を行政に提出するだけですので5つの中では1番手間がかかりません。

2つ目は「登録」で、届出に加えて所定の名簿に登載しなければなりません。

3つ目が「許可」となり、こちらは行政から許可が下りることで営業ができます。

ただし、許可が下りるまでは営業ができないので注意しましょう。

4つ目が「認可」で、こちらは法令の一定条件を満たせば認可が下り次第営業が行えます。

5つ目が「免許」で、 こちらは該当の資格・免許を所持する方が申請し要件を満たすことで営業許可が下りるものになります。

どの許認可が必要なのかは業種によって異なります。

よって「自身の事業には許認可が必要なのか」「必要な場合は5種類のどれに当てはまるのか」などをしっかりと把握しておきましょう。

定款の事業目的の記載して許認可が必要な事業一覧

許認可が必要な事業は具体的にどのようなものがあるのでしょうか。

許認可が必要な事業は多岐にわたりますがここでは代表的なものを7つ紹介します。

インターネット関連事業

最初に紹介するのがインターネット関連事業です。

インターネット関連事業で許認可が必要な業種は次のとおりです。

  • インターネット関連のコンサルティング業
  • ホームページやウェブサイトの企画立案や制作、保守関連業
  • ホームページやウェブサイトの企画制作と運営管理業
  • インターネットコンテンツの企画や制作、運営業
  • デジタルコンテンツの企画や立案、制作、配信、販売業
  • インターネット利用関連の各種情報提供サービス業
  • インターネット等を活用した通信販売業
  • インターネット上でのショッピングモールの企画や開設、運用業
  • インターネットサーバの設置と保守管理業

インターネット関連事業は程度の専門知識と販売ノウハウがあれば業種によっては簡単に始めることができます。

インターネットの普及や新型コロナウイルスをきっかけに個人事業として開業する方も増えています。

そのため自身が行っている事業に許認可が必要かどうか今一度確認し該当するのであれば許認可を取得するようにしましょう。

不動産業

不動産業も許認可が必要な代表的な事業となります。

それぞれの業種について見ていきましょう。

1つ目は不動産売買や管理、斡旋、仲介などの業種です。

主な会社としては賃貸管理会社が挙げられます。

2つ目が不動産関連のコンサルティング業でこちらも許認可が必要な業種です。

この他にも建築現場管理業やビルのメンテナンス業、宅地建物(宅建)取引業、不動産鑑定行などが該当します。

電気・ガス・熱供給・水道業

電気・ガス・熱供給・水道業についてはライフラインであることと、危険を伴う事業のため許認可はもちろん特定の資格取得しておかなければならない事業です。

どのような業種に許認可が必要なのでしょうか。

太陽光発電を含むオール電化機器などの工事やメンテナンス業をはじめ半導体などの輸出や販売、リサイクル業などが該当します。

これ以外にも様々な業種で許認可が必要ですのでしっかりと確認してください。

各種教室・教育事業

次に各種教室や教育事業関連の業種を見ていきます。

  • 資格取得の講習会の主催
  • 通信教育事業
  • 介護関連の人材育成事業
  • パソコン教室の開設ノウハウ提供や経営
  • IT(主にコンピューター関連)の講演会やセミナー
  • ダンスや体操、アウトドアなど一般的な教室の経営

このように各種教室や教育事業ではセミナーや講演会の主催を行う事業も含まれているのが特徴です。

介護などに関する事業

介護などに関する事業の場合、業種は大きく分けて3つの法律に分けられます。

1つ目が「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」です。

こちらの法律に基づいて運営される介護関連事業は次の業種が挙げられます。

  • 地域生活支援業
  • 福祉ホーム経営
  • 移動支援業
  • 地域活動支援センター経営
  • 障害福祉サービス
  • 一般相談も含む特定相談支援業

2つ目が「介護保険法」に基づいた業種です。

介護保険法に基づいて運営されている介護関連事業は次の5つがあります。

  • 地域密着型のサービス業
  • 介護予防サービス
  • 居宅サービス
  • 指定居宅介護支援業
  • 地域密着型の介護予防サービス事業

3つ目が児童福祉法でこちらは障害児入所施設の経営や支援事業となります。介護用品販売なども該当するため介護関連の事業をはじめる場合はきちんと確認しておくとよいでしょう。

自動車整備、新車・中古車販売

6つ目が自動車整備、新車・中古車販売です。どの業種が該当するのか見ていきましょう。

  • 古物営業法の古物商
  • 自動車の整備事業
  • 新車や中古車の販売業

この他にも自動車やバイク、自転車の輸出入やレンタル、リースなども許認可が必要です。

食料品・飲料品の販売

食料品や飲料品の販売においては次の業種で許認可が必要です。

  • 食料品・飲料品などの販売と輸出入業
  • 野菜・果物の販売や卸業、輸出入業
  • インターネットを利用した美容や健康食品などの販売

定款の事業目的の記載が整っていないと許認可が取得できない事業は?

開業や起業をすればすぐにでも業務を開始できると認識している方も多いでしょう。

しかし、定款の事業目的が整っていないと、許認可が取得できない事業があることはあまり知られていません。

そのため、自身が始める事業の許認可と必要性と併せて、事業目的の記載が整えておく必要があるのかを申請する役所などで確認しましょう。

この部分を疎かにしてしまうと許認可が取得できないだけでなく、定款欄自体の変更作業が追加となる事態にもなりかねません。

代表的な事業としては「飲食業」「建設業」「運送業」「宅建業」「介護事業」「旅行業」「警備業」などが挙げられます。

定款の事業目的の書き方・ポイント

ここでは定款の事業目的の書き方やポイントについて紹介します。

定款の事業目的の書き方で悩んでいる方はぜひ参考にしてください。

事業目的の入れるべき3つの要素

事業目的を書くにあたって入れるべき要素は大きく分けて次の3つです。

  • 営利性
  • 適法性
  • 明確性

それぞれの特徴について見ていきましょう。

1つ目は適法性です。

適法性とは事業の目的に違法性がなく、正しい目的で行うことを指します。

2つ目が営利性です。営利性とは会社として利益をあげることを事業目的にしなければならないことを指します。

ボランティアや寄付などは非営利に該当するため事業目的にとして記載することはできないため、注意しましょう。

3つ目が明確性です。

誰が見ても事業目的が分かるように書くことをいい、事業目的を定款に記載する1番の目的は事業内容を明確して取引を安定させることにあります。

そのためには定款を見た時にどのような事業目的が一目で分かるように記載しなければなりません。

事業目的は具体的かつ分かりやすく記載する

事業目的は具体的かつ分かりやすく記載するようにしましょう。

明確性でも触れましたが定款を見たときにどのような事業内容なのか一目で分かるように記載しなければなりません。

分かりやすく記載しているか不安がある場合は、家族や知人など事業目的を知らない方に見てもらってアドバイスしてもらうとよいでしょう。

事業目的は3〜5個を記載

事業目的は3~5個を記載しておくとよいです。

複数記載する1番の理由は事業の発展や市場といった事業を取り巻く環境に併せて事業内容も変化させていく必要があるからです。

だからといって多くの事業目的を記載しても良いかといわれるとそうではありません。

事業目的は法人口座の開設時にも審査対象となるのですが法人口座利用による犯罪も増加していることから審査が厳しくなっています。

そのため事業目的が多いと審査に通らない可能性があるためここで紹介している通り、3~5個程度で記載しておくとよいでしょう。

同業他社を参考にする

同業他社を参考にして事業目的を書くという方法もあります。

一般的に事業目的は企業ホームページにも記載されていますので同業他社のホームページの会社概要を確認すると良いでしょう。

また法務局に依頼することで登記簿謄本や登記事項要約書を確認できます。

料金はかかりますがより詳しく中身を見たいという方にはおすすめです。

将来的に予定する事業も記載

事業目的を3~5個記載する際に将来的に予定している事業も併せて記載してください。

記載していないと定款を変更する必要がありますので手間です。

そのためあらかじめ予定している事業を記載することをおすすめします。

ただ全く違うジャンルの事業を記載することは適切ではありませんので注意しましょう。

最後に「前各号に付帯関連する一切の事業」を記載

事業目的を記載したら、その締めくくりとして「前各号に付帯関連する一切の事業」を記載しましょう。

「前各号に付帯関連する一切の事業」とは事業目的に記載していない行為だとしても関連性があれば事業目的の範囲内として事業を行うことを指します。

ある程度余裕をもって事業を行うためにも最後に「前各号に付帯関連する一切の事業」を忘れずに記載しておきましょう。

申請や手続きについて

ここでは許認可の申請や手続きについて紹介します。

許認可を受けるためには会社の設立登記が完了した後に行政庁に申請しなければなりません。

申請した後に許認可庁で審査が行われ営業許可か不許可が決定します。

ここでは運送業を例に申請内容を見ていきます。

運送業をはじめたいという場合には次の5つの申請を行わない許認可を取得しなければなりません。

  • 自動車運行代行業の認定
  • 貨物軽自動車運送事業の許可
  • 貨物自動車運送事業の許可
  • 旅客自動車運送事業の許可
  • 特殊車両通行の許可

運送業の場合は上記の許認可以外にも様々な指導などを受ける必要があります。

業種内容によって申請する機関や許認可の種類など様々です。

業種によってはより複雑な申請を行わないといけない場合もあります。

違法だと知らなかったでは許されませんので自分が行う業種の必要な許認可や手続き内容をしっかりと把握しておきましょう。

まとめ

許認可の概要や種類、許認可を書き方やポイントについて紹介しました。

事業を始めるにあたり、許認可が必要な業種であるかどうかの確認は非常に重要であることがご理解いただけたかと思います。

前述のとおり、業種によって申請先や取得すべき許可は異なります。

また事業目的を整えて定款に記載しておかないと取得が下りない可能性もあるので注意しましょう。

特に事業目的を整えて記載しておかないと許認可が下りないばかりか、今後の事業展開や取引に大きな影響を与えかねません。

そのためしっかりと書き方を理解してポイントを抑えながら作成する必要があります。

また許認可でお困り方は当社「ねこの手ユニオン」へぜひ相談ください。

ねこの手ユニオングループは「株式会社などの有名企業」「経営者」「弁護士」「社労士」「会計士」「司法書士」などが運営に携わっています。

その高い資金力・交渉力・経営力をフル活用し正義を貫く労働組合です。

許認可の取得についてぜひプロへの相談をご検討ください。

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