本記事にはプロモーションが含まれている場合があります
転職先から内定取り消しの連絡がきたときの対処法
希望していた転職先から「内定の通知がきていた」「入社日が決まっていた」のに、突然の内定取り消しの連絡がきてしまった!
内定をもらえばこれで安泰だ!と思い、退職手続きもしてしまい、他の転職先も断わってしまったら、あなたはどうしたらいいのか混乱しますよね。
内定の取り消しの連絡がきて「法律的に可能なことなの?」「そのまま受け取らなくてはいけないの?」と、疑問が出た時にどうすることが正しいのでしょうか。
この記事では
- どのような理由で内定取り消しになるのか
- 不当な内定取り消しを無効にするにはどうしたいいのか
- 相談先はどこがいいのか
もう転職で失敗したくないあなたへ、転職先から内定取り消しの連絡がきたときの対処法について解説します。
突然、内定取り消しの連絡がきたときの悩みが改善されますように、ぜひ最後までご覧くださいね。
転職先から内定取消しの連絡がきたら?
「転職先から突然内定取り消しの連絡がきた」
「何もしていないのにどうして内定が取り消しされたのか理由がわからない」
「入社日も決まっていたのに…」
転職先から内定の取り消しの連絡がきたら、まずは転職先に「なぜ内定を取り消したのか?」話し合いの場を設けてもらい、その理由を確認しましょう。
内定とは、転職先と「始期付解約権留保付労働契約」という労働契約を結ぶことです。
「始期付」とはすぐに働くのではなく、働き始める期日があらかじめ設定されていることを意味します。
「解約権留保付」とは、場合によっては内定の解約をおこなうこともあるということです。
つまり、採用内定は、この2つの条件が付いた労働契約なのです。
入社前であっても社員の一員とみなされるので、内定取り消しは「解雇」と同じ意味になります。
解約権が保留されてるといっても、労働契約法では、正当な理由がなく労働者を解雇できません。転職先の内定取り消しには正当な理由が必要です。
もしあなたが何もしていないのに、突然内定の取り消しをされたら、不当な「内定取り消し」として企業側に対して「法的な手続き」をおこなっていくことになります。
泣き寝入りするのではなく、正当な理由を転職先から聞き出しましょう。正当な理由のない解雇は、違法の可能性が高いです。
違法性の高い内定取り消しの事例を下記にて紹介します。
決まっていた仕事の取り消しが認められる場合
転職による内定取り消しが認められる場合は、大きく分けて2つのケースかあります。
1つめは内定者が原因で取り消しされるケース、2つめは会社の事業悪化により内定が取り消しされるケースです。
それでは、くわしく説明していきますね。
内定者が原因で内定取り消しが認められる場合
ケース1つ目は、内定者が原因で内定取り消しが認められる場合を紹介します。
- 経歴詐称などのウソをついていた
- 健康上の問題
- 反社会的な行為をした
- 入社手続きに必要な書類の
- 転職先の入社日に対応できない
経歴詐称などのウソをついていた
どうしても転職先の内定をもらいたくて、履歴書や面接のときに自分の印象を良く見せようと、職歴や資格などのウソそをついていないでしょうか?
ウソがばれてしまうと内定の取り消しが認められます。職歴や資格などの情報は、転職先はしっかり調べるので、ウソが知られてしまっては、不採用や内定取り消しは免れません。
例えば、「休職中であることを黙っていた場合」や「年収などを誤魔化す場合」などが当てはまります。
転職先から源泉徴収票の提出を求められた場合は、年収などの報告にウソがないか確認している転職先もあります。
一度ウソがばれてしまうと、信用してもらえなくなり「この人とは一緒に仕事ができない」と判断されてしまうでしょう。
また労働契約違反になるため、内定取り消しだけでなく、悪質であれば損害賠償を請求される可能性もありますので、絶対にウソはつかないでくださいね。
健康上の問題
内定後に病気やけがをした場合や、持病があることを隠していた場合、内定取り消しになることがあります。
業務に支障が出る健康状態では、内定を取り消しされても仕方ないでしょう。
精神疾患の病歴があると、完治しているのかわかりにくく、再発の恐れがあると採用を見合わせる転職先もあります
労働安全衛生法43条では「事業者は、常時使用する労働者を雇い入れるときは、当該労働者に対し、医師による健康診断する必要がある」と定められています。
健康診断は法律で義務付けられていますので、持病がある人は素直に申告して転職活動をしましょう。
反社会的な行為をした
内定をもらってから転職するまでに、反社会的行為と見えることがあれば、内定は一発で取り消しされると考えていいでしょう。
反社会的勢力とかかわっていたり、犯罪歴を隠していたりする場合も、転職先はイメージダウンの可能性が高いので、すぐに内定は取り消しされます。
現代ではSNSをしている人も少なくありません。SNSなどで社会的に問題のある行為をし、炎上してしまうと転職先に知られる可能性があります。
また、面接を受けた時の情報を文字や画像を付けてネットに書き込むことで、「情報漏洩」「職務妨害」だとされる恐れがあります。大手の企業は、コンプライアンスには厳しいので、ネット上での言動にも注意しましょう。
入社手続きに必要な書類の未提出
入社手続きに必要な書類を、うっかり提出をするのを忘れてはいないでしょうか?
内定は労働契約の一種なので、手続きの期限はしっかりと守りましょう。
現在の職場の退職手続きや、引継ぎで忙しくても言い訳にはなりません。
やむを得ない事情があったとしても、提出期限を延期しているようでは信用にかかわります。内定を取り消しされても仕方がないでしょう。
転職先の入社日に対応できない
現在の職場の退職に手間取ることで、転職先の入社日に間に合わない場合があります。
通常、内定が出ると転職先と話し合って入社式を決めるので、ある程度の日数は補償してくれるでしょう。
引継ぎなどを考えると、1~2ヶ月くらいはかかります。
しかし入社日に間に合わない場合、スケジュール管理が甘いと判断され、内定を取り消しされることもあるので注意が必要です。
内定取り消しの理由が、実は自分では気が付かない原因の可能性も。
もう一度自分の行動を振り返ってみてはいかかでしょうか?
それでは次に、転職先の都合で内定取り消しが認められる場合について説明します。
転職先の都合で内定取り消しが認められる場合
転職先の都合で内定取り消しが認められる場合は、大きく2つあります。それは以下の通りです。
- 急な会社の業績悪化
- 予測できない自然災害
急な会社の業績悪化
会社の業績が急激に悪化し、内定の取り消しをしなくてはならない状況におちいることもあります。
現在では、コロナ禍の影響を受けている転職先はたくさんあるでしょう。
しかし、内定の取り消しは解雇と同じ扱いです。
整理解雇の4要件を満たさない限り、転職先の都合で内定を取り消すことはできません。
整理解雇の4要件とはなにか解説します。
- 人員整理の必要性
転職先が客観的に高度の経営危機下にある場合、人員の削減が必要性に基づいていることです。
- 解雇回避努力気味の不履行
現従業員の解雇を避けるために相当の経営努力をしたが、整理解雇をせざるをおえなかったと判断される必要性があります。
- 被解雇者選定の合理性
解雇対象を決める基準が客観的・合理的かつ公平でなければなりません。
- 解雇手続きの妥当性
整理解雇に当たって、説明・協議、納得を得るための手順を踏んで、手続きの妥当性が重視される必要性があります。
整理解雇の4要件は、満たしている場合は、転職先の都合で内定を取り消しができます。
予測できない自然災害
予想できない自然災害によって、事業の継続が難しいと判断された場合、労働基準法第19条及び20条により内定の取り消しが認められています。
近年は、大地震や大雨による水害、土砂崩れなど、人間の手には負えないような大きな自然災害が頻繁に起きることが予想できるでしょう。
そういう場合には、転職先からの内定取り消しが認められます。
不当な内定取り消しを無効にするには?
不当な内定取り消しを無効にするには、転職先に対して内定取り消しの撤回を求めましょう。
内定取り消しを認めないという意思を明確にして、転職先と話し合いをしていきます。
まずは、証拠を残すために、内容証明郵便を使用して伝えることをおすすめします。
今までおこなってきた会社とのメールのやり取りや書類も残しておきましょう。
転職先が話し合いに応じてくれない場合、また話し合いに応じて取り消しを撤回しない場合は、「法的手段」をとるしかありません。
内定者は法的な主張をすることで雇用の地位を確保し、内定取り消しにより生じた損害を賠償してもらうことが可能です。
当事者同士の話し合いで決着が付けばよいのですが、交渉が難航した場合は、裁判所で争うことになるでしょう。
まずは転職先の過失を追及する必要があります。
どうしてもこの企業に入りたい場合は、転職先に対して「労働契約上の地位」の確認を求める訴訟を起こしましょう。
訴訟を起こすことはできても、内定取り消しをおこなった企業で快く働けるでしょうか。
時間とお金をかけてまで戦う必要があるのか、よく考えてから行動することをおすすめします。
どこに相談したらよいの?
不当な内定取り消しがあった場合、1人で転職先と話し合いをするのは不安がありますよね。
そうした場合に、どこに相談したらよいのか、相談する機関を4つご紹介します。
- 労働基準監督署
- ハローワーク
- 弁護士
- ユニオン
労働基準監督署に相談する
労働基準監督所は、厚生労働省の機関で、労働に関するトラブルの相談、助言・指導あっせんをおこなっています。
相談は無料で相談しやすいというメリットがありますが、転職先に対しての指導や内定取り消しを求めることはできません。
ハローワークに相談する
ハローワークは内定を取り消しされた場合の対応をアドバイスしてくれ、求人情報の提供や職業紹介などハローワークによる支援内容を紹介してくれます。
相談は無料ですが、転職先に対してのアドバイスはできませんので、納得のいく解決にいたらない可能性があります。
弁護士に相談する
弁護士に相談すると内定を取り消しされた場合にどのような対策があるのか、転職先とどのように話し合ったらよいのか、証拠をどう集めたらいいのかについて的確なアドバイスをもらえるでしょう。
不当な内定取り消しを受けて「このような会社では働きたくない」という理由から、迷惑料としての損害賠償請求や、精神的苦痛に対して慰謝料の請求の訴訟をできます。
ただ、訴訟を起こすことは時間と労力、多額な費用がかかります。
ユニオンに相談する
ユニオンとは、1つの会社内の労働組合ではなく、地域の同業者や隣接業種などの労働者が集まって組織している労働組合のことです。
ユニオンは労働者であれば基本的に誰でも入ることができます。
ユニオンの主な活動は団体交渉です。
どこで相談したらよいのか悩んだら、正当な理由がない内定取り消しの場合、ユニオンへの相談をおすすめします。
組合員が解雇されたり残業代不払いにあうと、ユニオンはその勤務先に団体交渉を申し入れて、状況の改善を要求します。
内定を取り消されたときの損害賠償の相場は?
転職先から内定を取り消しが認められるには、内定が決まった後に、転職先から一方的に入社を拒まれることが必要です。
内定取り消しが違法なものであり、損害賠償が認められる場合の相場は、約50〜100万円と言われています。
まとめ
今回は、転職先から内定取り消しになる場合と対処法を紹介しました。
突然の内定取り消しの連絡がきてしまえば、びっくりして動揺してしまうことは、恥ずかしいことではありません。
時代の流れが早く、気候の変化の激しい時代に、今を生きているあなたにとっては、当たり前に起こることです。
その中でも、冷静さを取り戻して、泣き寝入りしないように前に進んでいきましょう。
この記事が少しでも悩みの改善や参考になれば幸いです。