あなたの会社は大丈夫?36協定のしくみ・上限残業時間について

本記事にはプロモーションが含まれている場合があります

2021年4月1日に働き方改革(36協定の変更)が施工されました。

しかしながら業種によっては、いまだに内容が浸透していなくサービス残業や長時間労働が問題となっています。

あなたが所属している会社がきちんと働き方改革を取り入れているかを把握するためには、あなた自身が36協定の内容を知っておく必要があります。

36協定の中身を知ることで、適正な法定時間外労働(残業時間)の把握にも繋がります。

そこで今回は、働き方改革の内容と新旧36協定の変更点、上限残業時間を徹底解説しています。

この記事を読むことで、あなたの適正な残業時間の把握や、労働時間を守る基準となるでしょう。
ぜひ最後までご覧ください。

目次

36(サブロク)協定とは?


36協定とは「1日8時間・1週間に40時間」を超えて働く場合に、従業員と会社が合意(労使間締結)し、労働基準局所に出す届出のことをいいます。

正式には、「時間外・休日労働に関する協定届」という名称です。

三六(サブロク)協定も一緒の意味があります。

では、36協定は全ての企業が出す必要があるの?

と気になりますよね。

36協定を出す条件として、会社が法定労働時間を超えて労働させる必要がある場合と法定休日労働をさせる場合に必要になります。

法定労働時間と法定休日については、後ほど紹介します。
今は、この言葉があるということを覚えておいてください。

ちなみに、「36協定届」を労働基準局に届けずに時間外労働をさせた場合は、労働基準法違反にあたります。

次からは、時間外労働・休日労働について紹介します。

時間外労働・休日労働の基礎知識

時間外労働を説明する上で、覚えておきたいことが2つあります。
「法定労働時間」と「所定労働時間」です。

法定労働時間とは、法律で定められている「1日8時間・1週間に40時間」のことをいいます。

所定労働時間とは、会社ごとに定めている労働時間のことをいいます。会社が自由に設定できる時間と認識してもらえば良いでしょう。

※労働時間は、後述します。

これだけだと、あまりイメージが湧かないですよね。
例として、ZOZOTOWNで有名な株式会社ZOZOを紹介します。(以下ZOZO社と略します)

ZOZO社は9:00始業開始の15:00終業の6時間労働制を取り入れています。
就業規則上は、8時間労働制です。

会社側が6時間で終了してもよいという規則を取り入れているので、可能ということです。
紹介したことをまとめると

  • 労働時間:勤務時間から休憩時間を除いたもの
  • 勤務時間:会社の就業規則に決められている、始業時間から終業時間
  • 法定労働時間:法律で決められている労働時間(1日8時間・1週40時間)
  • 所定労働時間:会社が定めた法定労働時間内での勤務時間(休憩時間を除く)

36協定で関係しているとことは、法定労働時間外を指しています。

次に法定休日を説明します。

法定休日とは、法律で定められている労働者に与えなければならない休日のことをいいます。

法律の内容を紐解くと、雇用者(会社側)は労働者に対して毎週1回の休日、あるいは4週間を通して4日以上の休日を付与することが決められています。

なので、この定められた日に働く場合も36協定の締結が必要です。

「36協定の仕組みはわかったけど、法定時間外労働はどれだけしてもいいの?」

36協定は、法定労働時間外の限度時間が設定されています。

時間外労働の限度時間

会社と労働者で36協定を締結したとしても、上限となる時間があります。
いくらでも労働時間を伸ばすことができたら、ブラックですよね。

下記に記したものが労働時間を延長できる限度です

一般の労働者 1年単位の変形労働時間制の対象者
1ヶ月 45時間 42時間
1年間 360時間 320時間

上記ででてくる変形労働時間制とは、労働時間をあらかじめ決めるのではなく、月・年単位で調整する制度のことです。

そうすることにより、繁忙期により勤務時間が増加しても時間外労働としての取り扱いを不要にするものです。

上記の表を見て、「あれ?1ヶ月で45時間以上残業していた時間があるぞ?」
と感じた方は少なくないでしょう。

筆者の前職でも、1ヶ月で70時間以上残業したときもありました。
これは、「36協定の特別条項」というものが関係しています。

この特別条項が曲者なので、後述して解説していきます。

また、36協定には「特例措置対象の事業所」があります。

特例措置対象の事業所

特例措置対象の事業所の36協定は時間が他とは異なります。
「1日8時間、1週間で44時間」まで労働できます。
では特例措置対象事業所とはどんなものがあるのか、下記にまとめておきます。

条件として、下記に該当する常時10名未満の労働者を使用する事業所が該当します。

  • 商業:卸売業・小売業・理美容業・倉庫業・その他の商業
  • 映画・演劇業:映画の映写・演劇・その他興業の事業
  • 保健衛生業:病院・診療所・社会福祉施設・浴場業・その他の保健衛生業
  • 接客娯楽業:旅館・飲食店・ゴルフ場・公園・遊園地・その他の接客娯楽業

労働者数は各事業所(店舗)ごとにカウントします。

例を出すと、

A社:従業員数100名 各事業所(店舗)ごと常時10名未満の労働者が勤務

上記の場合は特例措置対象事業所に該当します。

特例措置対象事業所を特殊な例ですが、覚えておいて損はないでしょう。

ここまで36協定の基礎知識を紹介してきました。

次の章からは、新36協定と旧36協定の変更点を紹介していきます。

新36協定と旧36協定の変更点

新36協定と旧36協定の変更点を紹介します。
新36協定には、「36協定の特別条項」に罰則付きの上限がつきました。

次から36協定の特別条項について解説していきます。

36協定の特別条項とは

36協定には、法定時間外労働の上限が定められています。
一般の労働者の場合、「1ヶ月45時間・1年間360時間」
1年単位の変動労働時間制の対象者「1ヶ月42時間・1年間320時間」

上記で記した、上限を超える場合もありますよね。
例えば急なトラブル対応や大規模工事など、上記の時間で納まらない場合、36協定届けに記載されている時間を超えることが可能でした。

これを36協定の特別条項といいます。

旧36協定だと、特別条項を申請すれば無制限に残業をさせることが可能だったのです。
よくニュースで長時間残業問題や、労働問題にはこのようなからくりがあったのです。

建設業やIT関連の仕事の人が残業のしすぎで体を壊す。
この悪しき日本の習慣をかえるために、新36協定ができたのです。

この新36協定では何が変わったのか?
大きく3つあります。

旧36協定と同じく、上限時間外の労働が必要な場合、限度時間の申請をすると上限時間以上に勤務させることができます。

無制限に残業できるわけではなく、上限制限がつくようになりました。
上限制限とともに、1ヶ月で45時間を超える勤務回数は、1年間で6回以内と定められるようになりました。

3つある制限内容を紹介

36協定の特別条項に3つの制限ができました。

  1. 1年間の上限時間の設定
  2. 1ヶ月の上限設定
  3. 2ヶ月〜6ヶ月の法定労働時間外・休日労働時間の設定

1つずつ解説していきます。

1年の上限時間の設定

1つ目は、36協定の特別条項で定めることができる1年間の時間が720時間(法定休日労働を除く)に設定されました。
これを超える時間を会社が設定することも、720時間以上勤務させることも禁止されます。
特別条項の設定を守らないと、法律違反になります。
会社により、特別条項の設定時間は変わります。

例をだすと
A社:特別条項設定時間 年600時間とします。仮に年650時間働いた場合

この場合、36協定の1年間の上限は720時間とされていますが、会社で定めている時間を50時間オーバーしています。
この場合も法律違反に当てはまります。

1ヶ月の上限設定

2つ目は、1ヶ月の上限時間の設定です。1ヶ月100時間未満と定めらました。
これは、法定時間外労働と法定休日労働を合わせた時間です。
単純に法定労働時間外の時間でカウントせずに、法定休日労働の時間をプラスする必要があります。

2ヶ月〜6ヶ月の法定労働時間外・休日労働時間の設定

3つ目は、2ヶ月〜6ヶ月の時間外労働・休日労働の平均時間の設定です。

2ヶ月〜6ヶ月の平均全てを80時間以内にすることが決められています。
例をだすと

1月 2月 3月 4月 5月
時間外労働
休日労働時間
70 70 90 70 90

上記の場合1月から3月の平均時間は77時間で80時間以内に収まります。
しかし3月から6月の平均時間が83時間となり、この場合は法律違反にあたります。

旧36協定では、特別条項を破ったとしても法的な強制力や違反による処罰はありませんでした。
新36協定からは、上記の3つのポイントを破った場合、罰則月の上限が設定されるようになりました。
この変化が大きな違いでしょう。

働き方改革前の36協定について


働き方改革前の法律では、前章で紹介した限度時間を超えた時間外労働が発生する可能性がある場合、36協定届の余白に理由を明記すればどれだけでも無制限に残業をさせることが可能だったのです。

つまりは青天井で残業ができるということ。

「残業が多い建設業やIT関連の仕事でよく200時間残業」という言葉を耳にした経験はありませんか?

旧36協定だからできたことと言えるでしょう。

筆者も建設業に従事していましたが、働き方改革前の現場のことを聞くと「残業があたりまえ、8時間労働を超えてからが仕事だ!」という恐ろしい声も。

この青天井の残業時間設定が日本の悪い週間として長らく浸透していました。

働き方改革前の残業上限時間を紹介します。

一般の労働者 1年単位の変形労働時間制の労働者
1週間 15時間 14時間
2週間 27時間 25時間
4週間 43時間 40時間
1ヶ月 45時間 42時間
2ヶ月 81時間 75時間
3ヶ月 120時間 110時間
1年間 360時間 320時間

上記を見ると、働き方改革の前後による違いはあまり感じませんよね。
大きな違いは、上記の残業時間を超える場合でも申請さえすれば罰則がなかったことです。

詳しく説明すると、36協定の特別条項を超えて勤務した場合、厚生労働大臣の告示で止まっていたということ。

簡単に説明すると、指導や助言はあったが違反による罰則や処分がなかった。

納期に追われている仕事だと、処分がない場合は無制限に残業をしてしまいますよね。

これが働き方改革前の36協定の内容です。

働き方改革後の36協定について

前章では、働き方改革前の36協定について紹介しました。

この章からは、2019年4月1日から改正された「働き方改革」の36協定について紹介していきます。

大きな違いは、時間外労働の上限が罰則付きで法的に定められたこと。

日本の労働環境問題である、長時間労働の改善を目的としています。

他にも働く人が、個人の事情に応じた多様で柔軟な働き方を自分で選択できるようにするための改革とも言われています。

時間外労働の上限規制によて、ワークライフバランスが改善し、女性や高齢者も仕事に就きやすくなる。つまり、労働参加率の向上に繋げることになります。

働き方改革の大きな特徴は、36協定の特別条項にあります。

働き方改革後の36協定の特別条項

働き方改革後の特徴を簡単にまとめると

  • 時間外労働の年間上限は法定休日を除いた720時間
  • 月45時間を超える時間外労働ができるのは、年間6回(6ヶ月)のみ
  • 1ヶ月の時間外労働時間は100時間未満(法定休日を含む)
  • 2ヶ月ないし6ヶ月の時間外・休日労働の平均時間は月に80時間以内
  • 特別条項であっても、上記を超えた場合は法律違反となる

36協定を違反した場合は罰則があります。

また、限度時間を超えて労働をさせることができるのは、「特別な事情」がある場合のみ適用されます。

例えば東京オリンピック開催のための納期の切迫、大規模なクレーム対応などがあります。

働き方改革にともない、厚生労働省から留意するべき事項として8つポイントがあります。

8つの指針ポイント

では、順番に紹介していきます。

  1. 時間外労働・休日労働は最小限にとどめるよう(指針第2条)
  2. 使用者は、36協定の範囲内であっても労働者に対する安全配慮義務を負います。また、労働時間が長くなるほど過労死との関連性が強まることに留意する必要があります。(指針第3条)
  3. 時間外労働・休日労働を行う業務の区分を細分化し、業務の範囲を明確にしてください。(指針第4条)
  4. 臨時的な特別の事情がなければ、限度時間(月45時間・年360時間)を超えることはできません。限度時間を超えて労働させる必要がある場合は、できる限り具体的に定めなければなりません。この場合にも、時間外労働は、限度時間にできる限り近づけるように努めてください。(指針第5条)
  5. 1か月未満の期間で労働する労働者の時間外労働は、目安時間(※)を超えないように努めてください。(指針第6条)(※)1週間:15時間、2週間:27時間、4週間:43時間
  6. 休日労働の日数及び時間数をできる限り少なくするように努めてください。(指針第7条)
  7. 限度時間を超えて労働させる労働者の健康・福祉を確保してください。(指針第8条)
  8. 限度時間が適用除外・猶予されている事業・業務についても、限度時間を勘案し、健康・福祉を確保するよう努めてください。(指針第9条、附則第3項)

上記が厚生労働省が推奨している指針ポイント8つです。
やはりこの背景にあるのは、昔の残業時間問題や過労死などが挙げられます。

8つのポイントも覚えておくことで、あなた自身の身を守ることに繋がるでしょう。

時間外労働条件が適用されない事業とは?

時間外労働が適用されない事業があります。

それは、建設事業・自動車運転の業務・医師。鹿児島県及び沖縄県における砂糖製造業あります。

正確に言うと、法定時間外労働の上限制限の適用が5年先に適用される、執行猶予がついているという形です。

なので、執行猶予扱いの説明と執行猶予後の取扱について発表されているものを紹介します。

上記で紹介した職業の規制は適用されていないのが現状です。

それでは順番に解説していきます。

建設業

  • 災害・復興事業を除き、法定労働上限がすべて適用される

災害・復興事業に関しては、法定時間外労働と休日労働の合計が月100時間未満と2〜6ヶ月平均80時間以内と言う制限が適用されません。

自動車運転の業務

  • 36協定の特別条項の年間時間上限が960時間になります
  • 月100時間未満、2〜6ヶ月平均80時間以内は適用されない

時間外労働月45時間を超えることができる回数である6回とする規制も適用外。

医師

具体的な上限時間は今後省令で定めるとされている。

砂糖製造業者

法定条件規制が全て適用とされる。

その他にも、新技術・新商品等開発業務に関わる人も関係してきます。
内容を紹介すると

1週間当たり40時間を超えて労働した時間が月100時間を超えた場合は医師の面接指導が罰則付きで義務付けとなっています。

職種ごとに細かく紹介していきます。これに該当する人は、働き方改革はまだ適用されていないことになります。注意してご覧ください。
それぞれの職種を細かく紹介していきます。

  • 建設事業:土木・建築・建設関連の仕事
  • 自動車運転の業務:タクシー運転手、トラックドライバー
  • 新技術・新商品等の研究開発業務:技術開発、IT業界・マーケティング広告業界や制作業務などの専門分野

上記の職種に該当している方はまだ執行猶予中ですので注意が必要です。
では、なぜ該当する業種だけ執行猶予がついているのか。

それは
過労死・長時間労働の問題を抱えている仕事(重点業種)として問題視されているから。
こう見ると、建設業・自動車運転従事者・医者は長時間労働が簡単にイメージできますよね。

業種・業務の特性上、どうしても長時間労働になりやすい職種です。

長時間労働の是正に他の職種より時間がかかってしまうため、執行猶予として適用場外とされています。

サブロク協定違反の会社への罰則は?残業・時間外労働に注意!

法定時間外労働を行わせるためには、36協定が必要だと説明してきました。
ではどんな場合が、36協定の違反に当たるのかを説明していきます。

  1. 36協定を締結せずに時間外労働をさせた場合
  2. 36協定で定められた時間を超えて労働をさせた場合

上記の内容があてはまた場合、労働基準法第32条違反となり、6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金が課せられます。

1つずつ例を出しながら説明していきます。

36協定を締結せずに時間外労働をさせた場合

これは、法定労働時間である1日8時間・1周間40時間の仕事を超える場合に適用されます。
36協定を結ばずに働かせることで、雇用している会社は罰則を受けます。

36協定で定められた時間を超えて労働をさせた場合

36協定で定められた時間を超えた労働をさせた場合の例を出すと

  • 法定労働時間外が月45時間を超えた回数が年間で7回以上となる場合
  • 月で時間外労働と休日労働の合計が100時間以上となった場合
  • 法定労働時間外と休日労働の合計時間が2〜6ヶ月平均のいずれかが80時間を超えた場合
  • その他、36協定で定めた時間を超えた場合

上記の4つに当てはまる場合は法律違反となります。

36協定違反は労働基準法第32条違反となり、6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金と伝えました。

なんだ罰が軽いような?

と感じる方がいるでしょう。

その他にも、法律違反を犯したことでどのようになるのかを紹介します。

懲役罰則について

労働基準監督署により毎年公表されている「労働基準法違反について送検事例」による、企業名公表により、36協定違反を犯した企業は社会的制裁を受ける可能性があります。

つまり、法律違反を犯すと企業は書類送検され、企業名を発表されることになります。

実際に法律違反によって書類送検された例を紹介します。

違反による書類送検例

違反による書類送検例を3つ紹介します。

36協定の上限を超える残業をさせていた例

靴の販売店「ABCマート」を運営する株式会社エービーシー・マートが36協定で定めた上限を超える残業をさせていたとして書類送検されたケースなどがあります。

この事例では、株式会社エービーシー・マートは残業代は支払っていました。

しかし、残業代の支払いの有無にかかわらず、36協定で定めた残業時間の上限を超えているケースは労働基準法違反として罰則の対象となることに注意が必要です。

36協定の特別条項をすでに年7回適用した事例

この事例は年に6回までしか適用が許されない特別条項を、7回適用してしまったことにより、書類送検されたケースです。

特別条項付きの36協定であれば、36協定で定めた上限を超える残業も許容されます。

しかし、「36協定と特別条項に関するポイント」として紹介した通り、特別条項付き36協定であっても、特別条項の適用は年6回(6ヶ月)までに限られますので注意が必要です。

36協定の特別条項で定めた上限を超える残業をさせていた事例

製本業を営む会社が、特別条項付きの36協定を締結していました。

特別条項においても残業時間の上限を「月100時間」としていたのに、従業員8名に対し「104時間~190時間」の残業をさせていたケースなどがありました。

特別条項付き36協定を締結する場合、特別条項を適用する場合の残業時間の上限を会社が決める必要があります。

今回のケースの場合、製本業者が「月100時間の上限」を定めていたことに対し、実際に労働時間は「104〜190時間」です。

そして、特別条項に明記した残業時間の上限を超えて残業をさせた場合は、労働基準法違反として罰則の対象となりますので注意が必要です。

次の章からは、法定時間外労働やサービス残業を主張する会社の実態を紹介します。

時間外労働やサービス残業を主張する会社の実態

職場で働く場合、36協定の存在や意義を説明されていないと仕事量と時間外労働が増え、36協定違反になってしまうことが数多くあります。

また、36協定違反を隠蔽しようとする悪質なケースもあります。

先ほど紹介した、36協定を違反すると書類送検になり、企業名を公にされます。

そうなると企業のイメージがダウンしますよね。

イメージダウンを恐れ、違反逃れを考える企業があります。

例を出すと

  • 労働形態を変える
  • サービス残業を主張する

上記の2つがあります。

労働形態を変えるとは、労働環境と労働形態が適切ではないと主張し、違反から逃れることができます。

特にフレックスタイム制・年俸制、裁量労働制などは本来の労働条件を合っているのか確認が必要ですよ。

サービス残業を主張する。これは経験がある人ならあるのではないでしょうか。
これは企業側の悪い行いの代表的なものです。

36協定違反ということは、法定時間外労働が超えている可能性が高いということです。

この働いた時間が計上されていない場合、法律違反になります。

合わせて、あなたが貰えるはずの残業代が支給されていないことにも繋がります。

ではなぜ隠蔽する企業がいるのか。
それは「労働基準監督署に報告の義務がないから」です。

管理ミスや報告ミスといった不注意から36協定違反になったしまった場合でも、企業から労働基準監督署への報告の義務がないのです。

そのため、隠蔽やごまかしといった会社が増えてしまっています。

もし、あなたが36協定違反の該当者となった場合でも、安心してください。
不当に隠蔽している企業に対しては、個人で通報することもできます。

例えば労働者から会社に報告をして何も取り扱ってくれない場合
従業員は労働基準局に通報し告発できます。

告発があった場合、労働基準監督署による調査が入り企業に是正勧告されるという流れで進みます。

ただし、そうなると会社に居にくくなりますよね。その後どうしたらいいかと悩みも増えるでしょう。

その場合のために、労働組合(ユニオン)の利用を検討してみてはいかがでしょうか。

労働組合とは、労働者の権利を守る団体です
次から労働組合について詳しく紹介していきます。

労働組合(ユニオン)とは?

労働組合とは、 労働条件の改善や維持を目的として法律にに基づき、労働者が主体となって結成する団体です。

会社や職種によって、労働組合の規模や活動内容は変わります。

しかし、根本は労働者の権利を守ることを主としています。

「どの様な活動をしているのか?」

「名前は聞いたことはあるけど実態のイメージが湧かない!」

こういった意見が多数でしょう。

例をあげると、社員を集め、労働環境の意見交換会を行う。

労働環境の他にも、賃金の交渉などの活動もしています。

「賃金や労働環境の意見交換ができるなんてすごい!」

と筆者も感じたことがあります。

つまり、労働組合は会社と対等に接することができる力ある組織のことです。

労働組合がここまでの力があるのは、3つの法律によって決められた組織であるからです。

3つの法律とは

  • 労働組合法(労働者が団結し、会社と対等な立場で関係を気づくことができる)
  • 労働基準法(労働時間や賃金、労働条件の基準が記されている法律)
  • 労働関係調整法(労働者と会社のトラブルの解決を助けるための法律)

上記の3つによって労働組合はなりたっているからです。

労働者の権利を守りつつ、会社と対等な力を持つ組織が労働組合と覚えておいてください。

もちろん、労働問題の相談に乗ってもらえます。

個人では交渉しずらいことも、労働組合を通じ行動することで、対等に話すことができます。

悩みを一人で抱えずに、まずは気軽に相談するところからはじめてみてはいかがでしょうか?

そこで気になるのは、労働組合の加入方法ではないでしょうか。

労働組合の加入方法を詳しく紹介していきます。

労働組合の入会の仕方

労働組合の入会には2つ種類があります。

  • 企業型組合への入会
  • ユニオン(合同労組)への入会

ユニオン(合同労組)」とは、同業種や関連する業種の労働者が組織をする団体のことであり、企業の枠を超えて作られる労働組合のことを指します。

では、1つずつ紹介していきます。

ユニオン(合同労組)への加入方法

ユニオンへの加入方法は主に、インターネットを通じて探します。

地域や業種によってさまざまなユニオンがあるので、自分に合ったものを選ぶことがメリットの1つです。

職種や雇用形態を問わずに加入できるため、気軽に相談できます。

社内に労働組合がない場合や雇用形態がアルバイトの場合、会社の労働組合には相談しづらい場合などに利用する人が多いです。

一般的な労働組合は加入する際に組合費が必要となりますが、中には組合費を無料としているユニオンもあります。

労働組合の加入方法も分かったところで、労働組合を利用するメリットを紹介します。

労働問題を相談するなら労働組合を利用しませんか?

労働問題と聞いて、相談するにあたりほとんどの人が弁護士の利用を検討します。

理由としては、「法律の専門家で間違いなく解決できるから」が1番の理由です。

たしかに弁護士に依頼することで、解決することはできるでしょう。

ただし、弁護士は成功報酬として、平均して2割ものお金を報酬として受けているのが現状です。
ここでいう成功報酬とは、労働問題の中に残業代があり、それを取り戻す請求をしていると仮定します。

下記に弁護士を利用する場合と、労働組合を利用する場合の金額の比較をまとめました。
こちらを見ると違いが明らかになることでしょう。

弁護士 労働組合
費用 平均80〜100万円 年会費+組合費4〜10万円

上記の用な違いがあります。

弁護士に依頼するのも良いですが、高額になる恐れがあることを頭に入れておきましょう。

一方、労働組合経由で労働問題を相談する場合、費用としてかかるのは組合費等の維持費のみです。

労働組合に相談をしてから、弁護士の利用を検討しても良いと考えます。

まずは気軽に相談できる労働組合の利用を検討してみてはいかがでしょうか。

ねこの手ユニオンは組合費0円で加入でき、あなたの労働問題解決をサポートいたします!

一人で悩まずにぜひ一度ご相談ください。

サブロク協定・上限残業のまとめ

今回は36協定と法定時間外労働について紹介しました。

あらためて、内容をまとめておきます。

働き方改革による新36協定

法定時間外労働 一般の労働者 変動制労働時間制の対象者
1ヶ月 45時間 42時間
1年間 360時間 320時間

36協定の特別条項

  • 月45時間を超える法定時間外労働は年間6回(6ヶ月)まで
  • 1年間の法定時間外労働の上限は、法定休日をのぞき720時間
  • 1ヶ月の上限は100時間未満
  • 2〜6ヶ月の法定時間外・休日労働時間の平均は月80時間以内

執行猶予付きの職種

  • 建設業(土木・建設関連の仕事)
  • 自動車運転の業務(タクシー運転手・トラックドライバー等)
  • 医者

上記の内容になります。
とくに、36協定の特別条項は、労働者を守るためにぜひ覚えておいて欲しい内容です。

会社によるサービス残業の強要や、労働関係に悩みがある方は労働組合の利用を検討してみてはいかがでしょうか。

悩みを抱えるまえに、まずはお気軽にねこの手ユニオンまでご相談ください!

この記事は執筆された時点での情報を元に記載されております。文書・写真・イラスト・リンク等の情報については、慎重に管理しておりますが、閲覧時点で情報が異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。 記載内容や権利(写真・イラスト)に関するお問合せ等はこちら

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

過去の会社で弁護士を通じて未払いの残業代を請求し2年分の残業代の奪還に成功しました!この過程で、自身と同じような悩みを抱える人がまだまだ多く存在することに気づき、みんなの悩みや疑問を解決するために役立つ情報を発信します!

目次