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有給休暇のない会社は違法!そんな会社で働いているなら外部に相談を
フルタイムで働いてるのに、いまの会社には有給休暇がないの。前の会社にはあったのに。
それは会社に問題があるね。有給休暇を付与することは会社の義務だから、違法なんだ。
そうなの?「うちは有給休暇がないから」って言われてたんだけど。
そもそも、有給休暇のない会社は存在しないんだ。
有給休暇について詳しく説明していくね。どう対応したらいいかも学んでいこう!
「年次有給休暇」は、その名の通り、有給にて取得できる「休暇」です。
ただその存在は知っていても、どうしたら付与されるのか、仕組みを詳しく把握していない方も多いのではないでしょうか?
そうした労働者につけ込み、「有給休暇がない」などと、適切に休暇を付与しない会社も存在します。
そんな不当な扱いから身を守るためにも、有給休暇について詳しく学んでいきましょう。
有給休暇のない会社は法律違反
そもそも「有給休暇がない会社」というのは、一般的には存在しません。
なぜなら、有給休暇は会社が善意で設けているものではなく、労働基準法によって定められた休暇制度だからです。
そのため「有給休暇を与えない」と独自に会社が設定することは認められず、条件を満たした労働者に対し、付与することが義務付けられます。
さらに2019年4月からは、従業員に「取得させること」も義務付けられることになりました。
具体的には、「10日以上の有給休暇が付与される全ての労働者に対し、毎年5日間、時季を指定して有給休暇を取得させること」が企業には求められます。
この義務に違反すれば、罰則として30万円以下の罰金に処せられます。
一例として、5日間の有給休暇を取得させなかった対象者が100人いた場合、理論上、企業は3,000万円以下の罰金に科される可能性もあるのです。
それではなぜ、「有給休暇がない会社」というものが存在するのでしょう。
考えられるケースについて、紹介していきます。
有給休暇が付与されたことに気づいていない
会社には「有給休暇が付与されたこと」を積極的に告知する義務はありません。
そのため有給休暇についてなにも知らされておらず、実際には付与されているにもかかわらず、「有給休暇が付与されていない」「有給休暇の制度がない」と思い込んでいる可能性があります。
労働者に事実を通知せず、問い合わせがあれば対応したり、申請されれば承認したりといった会社が存在するのも実情です。
もちろんこれは、適切に有給休暇を付与していないため、違法と判断されます。
勝手に有給休暇が使われている
知らないうちに “有給休暇の扱いで休みを取得させている” ということも考えられます。
これはお盆や夏季・冬季休暇、プロジェクトの合間の休みなど、会社が独断で指定し、有給休暇扱いで休みを取らせているケースです。
基本的に有給休暇は、労働者が自分の都合に合わせて取得する権利があり、会社が勝手に割り当てることは違法です。
さらにいえば、取得に際して、雇用主の許可は必要なく、労働者はその目的を明確に伝える必要もありません。
もちろん事情に応じて、会社がある程度の取得時季を指定する権利はあります。ただし労働者との話し合いは不可欠であり、強制することはできません。
有給休暇の買取りはできない
また補足として、「会社は有給休暇を買い取れる」という噂にも言及しておきましょう。
結論として、過去には実例があったのですが、現在これは一部の例外を除いて認められていません。
一部の例外とは「退職時に日数が消化できない」「有効期限が過ぎてしまった(※)」など、非常に限定的なケースです。
(※)有給休暇の有効期限は付与された日から、2年間となります。
そのため一般的に会社が有給休暇を買い取ることはできず、付与しない理由にもなりません。
有給休暇は雇用形態に関係なく取得できる
有給休暇において多くの人が誤解しているのが、正社員のみの制度なのではないかということです。
有給休暇の付与条件として、雇用形態は関係ありません。
そのため正社員のみならず、派遣社員や契約社員、パート・アルバイトなども同様の権利があります。
つまり条件を満たせば、どんな雇用形態であっても会社は有給休暇を付与する義務があり、労働者は取得の権利があるのです。
有給休暇の付与条件
それではここから、有給休暇が付与される条件について説明していきましょう。
労働基準法では雇用主に対する付与義務として、「雇い入れ日から6カ月継続して勤務し、全労働日の出勤率が8割以上」である場合に、10日以上を付与しなければならないと定めています。
つまり「継続的に6カ月働き」「出勤率が8割以上」であれば、10日以上の有給休暇が付与され、取得する権利があるのです。
さらに有給休暇は毎年付与され、1年経過するごとに付与日数は加算されます。
たとえば入社から1年6カ月後には11日、2年6カ月後には12日…と増えていき、付与日数の最大は毎年20日。
1年で使いきれなかった分は、翌年に繰り越されます。
ただしここにも一部の例外が設けられています。
注意したいポイントは、以下で解説する2つです。
所定労働日数・時間によっては、付与日数が少なくなる
所定労働日数が4日以下であり、所定労働時間が週30時間未満の労働者については、所定労働日数に応じて付与日数が変動します。
たとえば継続勤続年数6ヶ月での付与日数で比べてみると、所定労働日数が週4日であれば7日間、週3日であれば5日間、週2日であれば3日間、週1日であれば1日間。
これまで説明した条件と同様に、1年経過するごとに付与日数は増えていきます。
所定労働日数が週1日を下回る(年間48日未満)場合は、有給休暇は付与されません。
仕事から仕事の間に、1ヶ月以上の空白ができる
とくに派遣として働く方が注意したいポイントが、仕事と仕事の間に1ヶ月以上の空白ができた場合、有給休暇の権利がリセットされることです。
つまり付与されていた有給休暇がなくなり、その後の権利取得もイチから計算されることになります。
ちなみに有給休暇は、派遣元からの付与となります。
有給休暇がもらえない場合の対処法・相談先は?
ここまで説明してきたように、一般的に6カ月間継続して働けば、有給休暇は付与されます。
そのため「有給休暇がない」とされている会社は、法律に違反しているといっていいでしょう。
さらにいえば、もし「なかなか有給休暇を取得させてくれない」「取得したら嫌味を言われる」「取得の理由を執拗に聞いてくる」などの悩みを抱えているとしたら、会社に大きな問題があります。
有給休暇は労働者が自由に取得する権利があり、会社はそれによる不利益(給与や賞与の査定など)を与えてはならないと法律で定められているためです。
こうした不当な扱いを受けている場合、労働者は当然、有給休暇の取得や環境の改善を求める権利があります。
さらに未取得となっている有給休暇分の賃金の請求も可能です。
その際、重要となるのが、会社が違法に「有給休暇を取得させていない」証拠を残しておくこと。
たとえば以下のようなものが証拠となり得ます。
- 勤務記録(タイムカード、パソコンの稼働履歴、メールの送信記録など)
- 会社とのやり取りの記録(有給休暇を求めるメール文面・音声録音など)
また会社と交渉しようと思っても、方法がわからなかったり、なかなかその勇気が出なかったり、一人では非常に難しいもの。
そこで力強い相談相手となるのが、ユニオンです。
労働問題の相談はユニオンへ
ユニオンは企業の枠組みを超えてつくられる、労働組合のこと。
企業単体の労働組合とは違い、多くの人に門戸が開かれています。
たとえば労働者1名から、組織によってはどんな人でも加入することが可能です。
ユニオンは労働者個人に代わって、会社と交渉を行います。
とくに企業はユニオンからの交渉の求めを、正当な理由なく拒否できません。
またその活動によって労働者が不利益をこうむることを法律で禁じられているため、対等な立場で交渉することが可能です。
そのため安心して頼れるパートナーとなってくれるといって良いでしょう。
ただユニオンと一口でいっても、数多くの組織が存在します。
そこでおすすめなのが「ねこの手ユニオン」です。
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