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見込み残業とは?正しく理解して働き損を回避しよう!
先月、毎日のように深夜近くまで残業しても給料が増えてないんだけど、残業手当がもらえていないのかな?
そんなにたくさん残業しているのに、残業代が増えてないの?それは変だね。給与明細書は見た?
うん。給料明細書の中に見込み残業って記載されているけど何だろう?
それは、あらかじめ1カ月間先に想定している残業のことだよ。見込み残業を君の職場では取り入れているんだね。働き損にならないよう仕組みを紹介するね。
現在、見込み残業はさまざまな企業が取り入れていますが、正しく理解している人は少ないのではないでしょうか?
見込み残業についての正しい知識をつけましょう!
見込み残業とは?
見込み残業とは、みなし残業とも言われ、1カ月の残業時間を定めて固定した金額を上乗せしたものです。
残業代は労働基準法で定められている、下記で紹介する3つの場合は支払われます。
- 週40時間を超える時間外労働は割増賃金となる
- 夜10時~朝5時までは深夜割増賃金が支払われる
- 休日出勤に対する割増賃金
見込み残業の場合は、給与の中に一定額の残業代があらかじめ賃金に含まれるのでプラスして支給されません。
しかし、初めに定めた見込み残業の時間を超えた時間の残業代は、企業側は残業代を支払う必要があります。
例えば、1ヵ月に25時間と決まっているのに30時間残業した場合、5時間分多く働いたことになるため、その分の残業代が支給されなければなりません。
反対に、25時間で定められた残業時間が20時間しか勤務していない場合は、見込み残業手当はそのまま全額支給されます。
見込み残業の種類
見込み残業の種類は主に「事業場外労働制」「専門業務裁量労働制」「企画業務裁量労働制」の3種類があります。
事業場外労働制
労働時間が正確に把握できない営業職などの人に限り、労働時間の算定を取り計らうため、あらかじめ決められた時間を働いたとみなす対応策です。
就業規則で定められた所定労働時間の仕事をしたとみなすことから、実際の労働時間に近づけることが求められます。
例えば、外回りの営業職や、旅行会社の添乗員、新聞記者や在宅勤務者などに対して見込み残業を採用できます。
一時的な外出での仕事や出張でも、事業場外の見込み残業が使えるのが特徴です。
最近では携帯電話やスマートフォンの普及により、会社側が定期的な連絡を義務付けたり、仕事の支持をしたりなど、業務の状況が把握できる場合は適用されません。
専門業務裁量労働制
業務の性質から、与えられた仕事を最後までやり遂げるための手段や方法、時間配分などを労働者の裁量にゆだねる必要がある職業に適用される制度です。
対象になる業務は、厚生労働省令および、厚生労働大臣公示によって定められています。
例えば、新製品・新技術の研究開発や情報システムの分析・設計の業務、弁護士や建築士・税理士など専門職が対象です。
制度の導入に当たっては、労使協定により定めた上で所轄労働基準監督署長に届けなければなりません。
企画業務型裁量労働制
成果型の報酬の職種は労働時間の配分や仕事の進め方など労働者個人に任せた方が良い場合に適用されます。
対象業務は、事業の運営で重要な決定が行われる企業の本社など、企画・立案・調査および分析する労働者が対象です。
制度を導入するには、労使の話し合いが必要とされるなどの基本的なルールがありますが、
導入・運営についての要件や手続きは緩和されています。
労働者にとっての見込み残業のメリット
労働者にとって見込み残業とは「毎月の支給される給与の安定」「残業する必要がなくても支給される」というメリットがあります。以下で詳しく紹介しているので1つずつ見ていきましょう。
毎月の支給される給与の安定
基本給に、毎月の残業代が決まっていれば、残業が多くても少なくても安定した収入が約束されるので安心した生活が送れます。
例えば、見込み残業ではない場合、繁忙期により残業時間が多い月と仕事が少ない月で、もらえる給与が著しく変動することがあります。
しかし見込み残業が導入された場合、残業時間にかかわらず毎月一定の給与が支給されるので、経済的にも精神的にも安心でしょう。
残業する必要がなくても支給される
仕事が繁忙期でない場合や、効率よく業務を終わらせて残業する必要がなくても、見込み残業が導入されていれば残業代は必ず支給されます。
これは、労働者にとって見込み残業の大きなメリットです。
こんな場合は要注意!見込み残業のデメリット
見込み残業は、毎月の決まった金額を給与の基本給にプラスしているので、企業側が残業してあたりまえだと思っている場合があります。
見込み残業について正しく理解していない企業や労働者は多いのではないでしょうか?
こんな場合は要注意という5点について、見込み残業のデメリットを解説します。
- 基本給と残業代が区別されていない
- 基本給が最低賃金を下回っている
- 見込み残業が労働者にきちんと伝えられていない
- 長時間の残業時間を設定している
- 見込み残業を超過したのに残業代が未払い
基本給と残業代が区別されていない
給与明細書の中に基本給と見込み残業については、「固定残業代○○円に対して○○時間相当分を含む」と明確に書かれているか一度確認してみましょう。
記載がないということは、企業側も見込み残業について正しく理解していない可能性が高いです。
これから転職を考えている人は、求人表や募集要領に示されているか確認することをおすすめします。
基本給が最低賃金を下回っている
基本給に見込み残業代が含まれていると、1ヵ月でたくさん給与をもらっている感覚ですが、実際は基本給がいくらなのか見直してみます。
もしかしたら、基本給が各都道府県の最低賃金を下回っている可能性があるかもしれません。
各都道府県の最低賃金は法律で定められていますので、厚生労働省ホームページの地域別最低賃金の全国一覧で一度確認してみましょう。
今支給されている基本給を、時給換算して金額が最低賃金を下回っていれば違法ですのでチェックが必要です。
見込み残業代で大きく見積もりされて、基本給が最低賃金を下回っていることに気づかないといったデメリットがあります。
見込み残業が労働者にきちんと伝えられていない
見込み残業を取り入れる場合は、労働者に伝えてお互いに同意することが義務付けられています。
給料明細書を見るまで、見込み残業が採用されていることを知らなかったと、労働者に伝えられていない場合は注意が必要です。
知らない間に見込み残業が使われていると、残業代を正しく計算できていないデメリットがあります。
見込み残業を超過したのに残業代が未払い
見込み残業時間が超えていたら、超過した分の残業代が支給されなければなりません。
実態として基本給を安く抑えて、残業定額サービスとして利用している可能性が高く、従業員に対して都合のいいように扱っている企業もあるでしょう。
見込み残業時間内に仕事が終わらないことを、「能力がないからだ」と無理やり仕事をさせたり、人事評価でマイナスにされたりすることもあります。
企業側が、見込み残業を採用しているから、オーバーしても残業代を出さないと言っている場合は違法です。
長時間の残業時間を設定している
見込み残業の上限は定められていませんが、36協定における1カ月の法廷時間外労働時間は、45時間以内とされています。
36協定とは、1日8時間・週40時間を超える時間外労働を従業員に命じる時に必要な労使協定です。
特別条例を付けることで上限以上の労働が可能ですが、特別な業務の繁忙期などにしか適応されません。
見込み残業時間が、1カ月に45時間以上設定されていたら法律に反している可能性がありますので注意しましょう。
見込み残業超過分の残業代は請求できる?
もし残業時間が見込み残業を超えているのに、その差額の残業代が支払われていない場合には、未払い分を会社に請求できます。
例えば見込み残業が30時間で、実際の残業が40時間だったら、10時間分の残業代は支払わなければなりません。
しかし、会社側が正しい運用をしていない場合はもらえない可能性も出てくるでしょう。
もし、指定された時間を超えた未払い残業代がある場合は、残業代を計算するための証拠を証明する必要があります。
交渉して請求する可能性がありますので、証拠になる次のようなものを準備しておきましょう。
残業代請求に有効な証拠
- 会社の就業規則が記載された書類
- タイムカード・労働時間表など残業時間がわかるもの
- 給与明細書
会社の就業規則が記載された書類
会社の就業規則や雇用契約書など、見込み残業の金額や時間が記載されている書類が必要です。
見込み残業の時間と金額がわからなければ、余分に働いた時間の残業代を計算できません。
もし、会社側がこのような書類を配布していない場合は、労使協定で合意されていないとみなされ、未払いを請求できる可能性もあります。
タイムカード・労働時間表など残業時間がわかるもの
労働時間を記録したタイムカードや出勤簿などが必要です。
タイムカードや労働時間表があればよいのですが、ない場合は業務メールの送受信記録や交通カードの通過履歴も証拠になるので残しておきましょう。
また、自分で毎日の出勤と残業をした時間も記録しておくと良いでしょう。
給与明細書
給与明細書は、基本給から見込み残業代がいくら含まれていたのか確認するために必要です。
もし、見込み残業代が記載されていなければ、見込み残業が採用されていない可能性もあるでしょう。
そういった場合は、残業時間がすべて未払いの残業代として支払われるかもしれません。
残業代請求の相談先
残業代の請求をしたい場合、どこに相談したらいいのか悩むのではないでしょうか?
まずは勤務先と相談して交渉し、未払い残業代の証拠を提出し、残業代の超過分を請求します。
とは言っても、まだ自分が働いている会社に対して請求することは、言いづらいしなかなか難しい場合がありますよね。
未払いの残業代請求の相談先は、主に「労働基準監督署」「弁護士」「ユニオン」の3つです。
労働基準監督署に相談する
会社に直接未払いの残業代を請求しにくいのならば、全国にある公的機関の労働基準監督署に相談しましょう。
労働基準監督署は、労働基準法に関しての調査や指導の権限を持っており、無料で誰でも利用できます。
しかし、会社側に支払いを命じても会社側が何かと理由を並べて、十分に応じない可能性があります。
弁護士に相談する
残業代を請求について弁護士に相談すれば、見込み残業の未払い代について手厚くサポートしてもらえるでしょう。
しかし、弁護士費用は高額なため未払い金を回収したとしても、弁護士費用が高くなる場合があります。
また、未払い残業代を回収できなかった場合も、弁護士への相談費用や着手金を支払わなくてはなりません。
ユニオンに相談する
ユニオンとは、会社の中にある労働組合ではなく、会社とは独立した労働組合です。
会社に労働組合がない、あっても会社の中の労働組合には相談しにくい、そんなあなたにおすすめの団体です。
相談者さんの代わりに勤務先に交渉して未払い残業代の請求や現状の改善を要求します。
労働基準監督署に相談しても、公的機関なので手続きに時間がかかってしまい、思ったような対応が期待できない場合があります。
また弁護士への相談も費用の問題や、近隣に労働問題に強い弁護士がいない場合があります。
そんなあなたには相談しやすいユニオンがおすすめです。
ただし、全国にユニオンも多数の組織があるので、どのユニオンに相談するかが重要です!
見込み残業の超過請求の相談はねこの手ユニオンへ
労働組合やユニオンの中には、相談の際に組合への加入金や組合費が必要なのが一般的です。
また、残業代の回収ができなかった場合でも相談費用が別途かかる場合もあります。
ねこの手ユニオンは、加入費も組合費も相談も無料!問題解決の着手金も不要です!
きちんと未払金を企業側から回収できた時だけ、一部義援金として支払うだけでOK。
企業への交渉力が強みで、今まで多くの未払い残業代や未払い賃金などの労働問題を解決した実績があります。
長時間の残業をしているのに、残業代が少ない、未払い残業代があると心配になったらねこの手ユニオンにご相談ください。