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やりがい搾取をされている時の対処法や相談先は?
やりがいを感じ、楽しく仕事ができるのはよいことです。
しかし、やりがいだけでは生活ができません。やりがいがあっても賃金はきちんともらいたいですよね。
「やりがい搾取」という言葉があるように、やりがいを感じやすい仕事は賃金を安くされるといった問題が起こりがち。
「やりがい搾取にあってしまったらどうすればよいの?」
そんな方のためにこの記事ではやりがい搾取とその対策について紹介していきます。
やりがい搾取とは?
やりがい搾取とは、企業が払うべき賃金を払わずに「やりがい」を感じさせることで労働者を働かせる行為です。
「やりがい搾取」は、東京大学教授の本田由紀さんが出版した本の中で初めて使われた造語。
「やりがい搾取」とはよく言ったもので、やりがいを餌にし、実態は労働者から労働力や時間を搾取しているという状況です。
やりがいのある楽しい仕事、今後のステップアップにつながる勉強になる仕事、こういった仕事なら多少賃金が低くてもやってしまうという方も多いですよね。
賃金が低いだけならばまだよいですが、
「支払われるべき賃金が支払われない」
「勉強になることだから、給料は出ないよ」
というのでは労働基準法違反です。
やりがい搾取は搾取されている本人も気づきにくいという特徴があります。
つらい仕事をしているのに残業代がでないという場合は本人も不満に思いますが、やりがいのある仕事の場合は「それでもよいか」という気持ちになってしまいます。
しかし、企業は労働者に労働した分の賃金はきちんと支払うべきで、その仕事がやりがいのあるものかどうかは関係がありません。
もし、「やりがい搾取されているかも?」と思ったらきちんと手を打つべきなのです。
やりがい搾取が起こる原因
やりがい搾取はどう言った場合に起こりやすいのでしょうか?
- 好きな仕事をしている
- 自己犠牲の精神で働いている
- 賃金以外の順位や地位などを獲得することに固執してしまう
- 企業理念に共感しすぎてしまう
好きなことを仕事にできることはすてきなことですよね。好きなことをしていてお給料がもらえるのならこんな嬉しいことはありません。
好きなことだと、ふさわしい賃金の支払いがなくても楽しく働けてしまいます。好きなことを仕事にしている人はやりがい搾取をされやすいといえますよね。
自己犠牲精神で働いている人はやりがい搾取されやすいです。自分の仕事に自信がないために、安い賃金でも納得してしまう傾向があります。
営業成績などで順位が決まったり、仕事の対価に賃金以外のご褒美がもらえる場合、その順位やご褒美を獲得することに夢中になってしまうということもありますよね。
こういった場合、順位を上げるためにはサービス残業もいとわない働き方をしてしまうことも。本人が望んでのこととはいえ、ゲーム性で人を働かせるのもやりがい搾取の一種です。
企業理念に強い共感を集め、低い賃金で働くことに不満を抱かせないようなやり方もやりがい搾取です。「この企業を支えるんだ」と思うことは立派ですが、働きに見合った賃金はもらうべきですよね。
やりがい搾取されるかも?気をつけるべき企業の特徴
やりがい搾取の状態になりやすい企業には特徴があります。企業自体に問題があるため、労働者へ十分な賃金が払えず「やりがい搾取」をすることになるのです。
- 利益が出ていない
- 組織が一丸となりすぎている
- 憧れられるような企業
利益が出ていない会社は経営が厳しいので、労働者に十分な賃金を支払う私からがありません。業務が多く残業になっても、残業代が払えないといったこともおこります。
残業代が払えなくても業務をこなしてほしいので、団結力ややりがいを振りかざして搾取してくこともやりがい搾取の一種といえますよね。
組織が一丸となるのはよいことですが、団結力が強すぎると無言の圧力でサービス残業を強要
させられたり、会社のためと低い賃金で働くことになってしまいます。
憧れられるような企業はその企業で働けるだけでもステータスになるので、賃金が低くても続けてしまう人も。うちの企業に入れただけでよいだろうと、適切な賃金を支払わないという場合もあるので注意が必要です。
起こりやすい業種
やりがい搾取はどのような業種で起こりやすいのでしょうか?
- アパレル関係
- 美容師
- サービス・接客業
- アニメ・ゲーム制作
- 芸能関係
- 福祉・看護業界
- 保育士
- 教師
- 営業職
- フリーランス
どの業種も憧れを持って就職することが多いのではないでしょうか?
憧れてついた夢の仕事ですと、ついその仕事をできていること自体に満足し給料が適切かどうかまで気にしなくなってしまいます。
教師は生徒を育成することに情熱を傾けるあまり、自分の賃金が適切かどうかよりも生徒のためにと働きすぎる傾向があります。
夢をかなえて望んだ職業についた人、その仕事に熱心な人ほどやりがい搾取におちいっている可能性が高いといえますね。
やりがい搾取されやすい人
やりがい搾取されやすい人の特徴を6つ紹介します。
- 社会経験の少ない人
- 転職したばかりの人
- 復職したママさん
- 自己犠牲精神の強い人
- 真面目な人
- 人生の目標がない人
社会経験の少ない新卒の若者は、自分の賃金が労働力に見合っているのかまだよくわかりませんよね。
経験が少ないために、低賃金でも経験を積ませてもらっているのだと勘違いし、やりがい搾取されていることも。
新しい職種に転職したばかりの人は、わからないことも多く相場より低い賃金で搾取されてしまうことがあります。
先輩に話を聞くなど、対策をとりましょう。
子育てから復職したママもやりがい搾取されやすいです。子育てから解放され社会から必要とされているという喜びから、低賃金でも仕方ないと納得してしまうところがあります。
自己犠牲精神の強い人は、賃金が出ない作業も自らすすんで行います。親切で行っているのですが、いいように使われ、搾取されていることがあるのです。
真面目な人ほどやりがい搾取されやすいです。低い賃金でも真面目に働いてしまい、自分が頑張ればよいと思ってしまいます。
人生の目標がないと、やりがいを餌に搾取されやすいのです。会社からの評価に依存してしまうので、サービス残業をしてでもよい成績をとろうと頑張ってしまいます。
やりがい搾取の具体例
やりがい搾取にはどういったものがあるのか、具体例をご紹介します。
教師
部活動の顧問をしている教師に、やりがい搾取は起こりがちです。
部活の顧問を任されれば早朝の朝練・放課後の遅い時間までの練習に付き添うことになります。
また、土日の試合の引率なども引き受けている先生がほとんどです。
しかし、これらの労働に適切な賃金が支払われているかというとそうではありません。ほとんどボランティア状態で行っているのです。
生徒育成への使命感からのやりがいを利用された、やりがい搾取と言えるのではないでしょうか。
営業職
営業職にありがちなやりがい搾取は、営業成績をスコア化して競わせるなどゲーム性のあるものです。
「営業で成績1位!などの栄誉を目指して、残業代なしで働いてしまう」などがこれにあたります。
順位などで争わせ、上位をとることをやりがいにして適切な賃金なしに労働を強いるケースです。
接客業
接客業では、お客様のために頑張ろうというやりがいを搾取される場合があります。
例えば、勤務時間が終わる時にお店が混んでしまった場合、お客様が待っているのに放ってはおけないと勤務します。
この勤務に対して残業代が出ればよいのですが、「あなたが勝手に残ったのだから」と残業代を支払ってもらえない場合も。
お客様や、お店の仲間を助けようという気持ちを利用され、搾取されてしまうのですね。
フリーランス
フリーランスでウェブデザイナーなどをしている場合、クライアントから低価格での依頼を受けてしまうこともあります。
価格が見合わない場合お断りすればよいのですが、自分への自信のなさから低価格で引き受けてしまうということも少なくありません。
また、友達からタダ同然の依頼をされたり、「好きなことなんだから無料でやってくれるでしょう?」というような理屈で仕事をお願いされることも。
好きなことだとしても、時間をさいて仕事をする以上適切な料金をもらう権利があります。
自分に自信をもち、きちんと報酬をもらうようにしましょう。
やりがい搾取の判断基準
やりがい搾取はされている本人が気づきにくいのが特徴です。楽しく仕事ができているので本人が悩んでいない場合もあります。
しかし、やりがい搾取され続けることは阻止すべきです。
以下の判断基準に照らし合わせ、やりがい搾取されていないか確認してみましょう。
- 残業代が支払われない
- 賃金が労働に対して低すぎる
- 賃金の発生しない勉強会などがあり、自由参加だが参加しないと不利益が生じる
- 労働力の対価が賃金ではなく、順位やポイントなどにすり替わっている
上記に当てはまる場合はやりがい搾取にあっている可能性が高いです。
「仕事は楽しくやりがいがあって忙しいが、生活が楽にならない。」
という場合はやりがい搾取されているかも?
判断基準に照らし合わせて、きちんと賃金が支払われているかチェックしてみてください!
確かに仕事にやりがいは大事です。ですが、仕事は生活のためにしているのも事実です。
「安い賃金でもやりがいのある仕事がしたい!」という方もいるでしょう。
しかし、残業代の未払い、無給での作業など労働基準法に違反する行為に我慢する必要はありません。
きちんと専門家に相談し、適切な賃金の支払いを受けましょう。
防ぐ方法と相談先
やりがい搾取されてしまった場合、どう対処し防げばよいのでしょうか?
まず大事なのが、きちんと労働した分の賃金はもらうということ。
やりがいがあろうがなかろうが、働いた分の決められた賃金はもらうのが当然です。
残業したのなら、残業手当をもらう権利があります。
また、勉強会などで時間を拘束されるのならその分の賃金ももらうべきです。完全な自由参加ならまだしも、参加しないことで職場での立場が不利になってしまう場合は抗議すべき。
やりがい搾取に合わないためには、やりがいと賃金を切り離して考えましょう。
やりがいのある仕事を楽しくできたからと言って、無償で行う必要はありません。
労働の対価はきちんと賃金で支払ってもらうべきです。
自分で対処することが難しいという方は「ユニオン」に相談するのがおすすめ!
ユニオンとは、合同労働組合のことで労働問題の専門家が相談にのってくれます。
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「自分がやりがい搾取にあっているのかわからない」という方も安心して相談できますよね。
「もしかして、やりがい搾取かも?」
と思ったら、早めにねこの手ユニオンに相談することをおすすめします。