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傷病手当てを受給したい!申請方法や支給額は?
もし、ケガや病気で仕事ができなくなってしまったら、収入に不安を覚えますよね。
働けない間に給与が貰えなかったら、生活費や治療費を補う方法に困ってしまいます。
そんな時の為に、傷病手当金があります。
「どうせ申請方法が複雑で、時間がかかるんでしょ」
上記のように考える方も、いらっしゃいますよね。
しかし、決して複雑な申請方法ではないので、条件に当てはまる方はぜひ申請して下さい。
傷病手当金は、病気やケガで働けなく場合に、受給できる給付金です。
傷病手当の詳細や、申請方法まで、順に解説していきます。
傷病手当金とは
まずは、「傷病手当金とは何か」について解説していきます。
今まで、この制度自体知らなかった、という方もいらっしゃいますよね。
そんな方でも申請までできるように、丁寧に解説していきます。
「手続きすれば貰えたのに!」ということがないように、しっかり内容から学んでいきましょう。
傷病手当金の目的
傷病手当金は、病気やケガが原因で、労働が困難になった方の為につくられた制度です。
会社からの賃金の支払いがなければ、生活が困難になってしまいますよね。
- もし働けなくなったら貯金が無くなりそう
- 働けない時の生活費はどうすればいいの
もし、一時的に働けなくなってしまったら、お金の心配がつきものですよね。
雇用者の、そんな不安を払拭してくれる制度が、傷病手当金です。
働けなくなってしまった本人や、その家族を守る為の、公的な制度です。
万が一のときでも、安心ですね。
個人で保険に加入して、万が一の時への備えをしている方もいるでしょう。
しかし、病気やケガは突然やってくることもあります。
備えができていないのに、突然働けなくなってしまった、ということも起こりかねません。
予期せぬ事態が起きた時のための備えにもなりますので、傷病手当金がどんな制度なのか知っておくことに、損はありません。
傷病手当金の給付状況
どれだけの方が、この傷病手当金の給付を受けているのかを見ると、申請のハードルが下がります。
支給金額 | 支給件数 | |
---|---|---|
2015年 | 3,272億円 | 168万件 |
2016年 | 3,432億円 | 183万件 |
2017年 | 3,621億円 | 187万件 |
上記のように多くの方が、傷病手当金を受け取っていることがわかります。
さらに、2015年から2017年にかけて、年々金額と件数が増加傾向にあることがわかります。
若い世代の受給者も増えていることからも、幅広い年齢層が傷病手当金を受給できるということがわかりますね。
傷病手当を申請するための4つの条件
傷病手当金は、どんな場合にもらえるのでしょうか。
ケガをしたときに、誰でももらえる手当ではないので、注意してください。
傷病手当金を受け取るには、一定の条件が必要です。
実際の請求書作成方法を見ていく前に、傷病手当金の申請に必要な4つの条件を解説します。
業務外に発生した病気やケガによる療養
「業務外に発生した」という点が、大切なポイントです。
「仕事中に発生したケガに対する保険はないの?」
そんな疑問をお持ちの方も、いらっしゃいますよね。
業務の中で発生した病気やケガは、労災保険の対象になります。
業務内か業務外かで、貰える給付金の種類が異なるので、注意が必要です。
さらに、療養の場所に関しても、誤解が生まれやすいです。
「療養」と聞くと、入院をイメージしやすいですが、自宅療養も含まれます。
入院が絶対条件ではないので、自宅で長期療養している場合でも、給付を受けられる可能性は十分に考えられます。
仕事ができない状況である
病気やケガの影響で、働けない状態であることも、条件の1つです。
仕事に就けないかどうかは、個人で判断するのではなく、医師の意見も取り入れながら決定します。
仕事内容や会社の条件などを、総合的に判断して、給付対象かどうか判断されます。
自己申告で給付が決定するものではないという点も、あらかじめ認識しておきましょう。
4日以上仕事を休んでいる
傷病手当金の条件には、連続した3日間の待機期間が必要です。
2日以下の連続欠勤では、条件に当てはまりません。
つまり、連続して3日間休んだ後の、4日目から傷病手当の給付が始まるということです。
この連続した3日間には、土日や祝日も含まれます。
例えば、土曜日から月曜日まで療養していたとします。
そして、火曜日以降も療養した場合は、火曜日から支給が開始されます。
申請してすぐに貰えるわけではないので、いつから手当が発生するのか、タイミングを把握しておいてくださいね。
給与の支払いがない
この制度は、病気などで仕事を休んでいても、会社から賃金を支給されている場合は対象外になります。
あくまで、病気やケガによる療養している方に向けた手当です。
病気やケガがきっかけで仕事に就けなくても、会社から給与を貰っている場合は、傷病手当金の給付条件からは外れてしまいます。
支給額や支給期間について
傷病手当の支給額は、一定の金額が、加入している健康保険から支給される制度です。
一定の金額といっても、全員が同じ金額をもらえるわけではありません。
あなたがもらっている給与や、年齢をもとに計算されます。
傷病手当の支給額
傷病手当金は、およそ月給の3分の2程度の金額が支給されます。
1日あたりの支給額の計算方法は、下記の式の通りです。
「支給開始以前の連続した12ヶ月の平均月収」÷30×2/3
この計算の際、平均月収は、「標準報酬月収」が使用されます。
「標準報酬月収」とは、健康保険で使用される区分で、一定の期間で区分された平均給与が計算されます。
保険の加入時期によって、この標準報酬月収が変動する為、算出される傷病手当に差が出てしまいます。
しかし、おおよそ月収の3分の2程度の額になることが一般的です。
まずは、この基準を覚えておきましょう。
この式をもとに、等級が決定し、傷病手当金の金額が算出されます。
等級ごとの傷病手当金の金額は、下記の表の通りです。
実際にいくらもらえるのか、の参考にしてくださいね。
等級 | 標準報酬月額 | 傷病手当金日額 |
---|---|---|
13 | 160,000 | 3,553 |
14 | 170,000 | 3,780 |
15 | 180,000 | 3,553 |
16 | 170,000 | 4,000 |
中略 | ||
27 | 410,000 | 9,113 |
28 | 440,000 | 9,780 |
29 | 470,000 | 10,447 |
30 | 500,000 | 11,113 |
月収によって、細かく等級が別れているので、詳しくは健康保険協会のホームページをご覧ください。
傷病手当金の支給期間
傷病手当金の支給期間は、最大で1年6ヶ月です。
この最大期間を超えて、傷病手当金を貰うことはできません。
また、病気やケガの療養期間中、出勤した期間も支給対象期間に含まれることに注意が必要です。
例えば、傷病手当の受給中に、2ヶ月だけ出勤したとします。
その2ヶ月間は、最大支給期間である1年6ヶ月にカウントされるということです。
加えて、出勤した期間はカウントされますが、給与支払いが発生するので傷病手当の支給はされません。
あくまで、仕事ができない無給の期間に支払われる制度なので、支給額は減ってしまいます。
ただし、別の病気が理由で再度欠勤する場合は、最大期間がリセットされます。
傷病手当金の最大支給期間は、1つの病気に対しての期間です。
最大支給期間が終了しても、また別の病気が理由で欠勤する場合には、再支給される可能性は十分に考えられます。
傷病手当の申請方法
傷病手当金の申請自体は、複雑なものではありません。
申請の手順と、申請書類の記入漏れがなければ、手続きはできてしまいます。
必要な書類や申請方法を、見ていきましょう。
傷病手当金の必要書類
傷病手当金の申請の際に、必要な申請書類は下記の通りです。
まずは、傷病手当金支給申請書を取り寄せましょう。
実質、必要な書類はこの傷病手当金申請書だけなのです。
しかし、申請書の記入用紙が次の3つに分かれています。
- 被保険者記入用
- 療養担当者記入用
- 事業主記入用
この3種類の書類を、漏れなく用意する必要がありますので、注意して下さい。
- 被保険者記入用書類
「被保険者記入用書類」とは、手当を受ける方自身が、会社に提出する書類です。
まず前提として、仕事外で発生した病気などが原因で、出勤できない状態であることを会社に報告する必要があります。
会社から長期休暇の承諾を得たのち、傷病手当金支給申請書の被保険者記入用を記入しましょう。
- 療養担当者記入用書類
「療養担当者記入用書類」については、医師に記入してもらう書類です。
こちらは、病気やケガで働けない状態であることを、医師に証明して貰う為の書類です。
たとえご自身で働けない自覚があったとしても、医師の診断による書類がないと申請は認められません。
必ず、病院で医師の診断を受け、申請書の記入していただきましょう。
通常、約2週間ほどの期間が必要ですので、申請期間に余裕を持って依頼して下さい。
- 事業主記入用書類
3つ目の書類は、「事業主記入用書類」です。
傷病手当金の支給条件でも開設しましたが、給与を貰っていると、給付を受けることができません。
給与の支払いが無いことを証明する為には、会社の証明が必要です。
この事業主記入用は、休職している期間に、給与の支払いが無いことを会社に証明してもらう為の書類です。
書類の記入については、人事部や労務部に確認してみて下さいね。
これら3つの書類が揃ってはじめて、傷病手当金を申請する事ができます。
会社を通して申請するのが一般的ですが、個人で書類を郵送することも可能です。
郵送先は、協会けんぽや、各保険組合になります。
書類の記入漏れ等無いか、しっかり確認してから手続きしましょう。
書類に不備があると、諸病手当金をもらえる期間が遅れてしまうので、注意して下さいね。
審査に時間がかかることもあるので、早めの申請を心掛けましょう。
申請方法についての注意点
申請方法は、上記の通り、書類さえ気をつければ問題ありません。
しかし、申請手続きの際に注意しなければ、傷病手当金が貰えなくなってしまう注意点もあります。
注意点を事前に知っておけば、実際に傷病手当金を申請する際に、役立つことでしょう。
休職期間に、傷病手当金の支給を受ける予定の方は、下記の点に注意して手続きを行ってください。
傷病手当金の申請は事後申請
傷病手当金の手続きができるのは、休んだ期間が経過した後になります。
この理由は、傷病手当金の申請書に必要な、医師の証明や会社の証明は申請期間後でなければ貰えないからです。
傷病手当金は、給与が貰えない雇用者の生活を支援する為の、保険のようなもの。
受け取れなかった給与を補う為に、毎月申請する事がおすすめです。
国民健康保険は対象外
傷病手当金をもらう為には、雇用保険に加入している会社員である必要があります。
個人事業主で、国民健康保険に加入している方は、基本的に傷病手当金の支給対象外になってしまいます。
しかし、新型コロナウイルスの影響で、特例的に国民健康保険加入者への傷病手当金支給が認められました。
2020年1月1日からの休業分が対象で、各都道府県の健康保険組合が定める特例です。
期間は、2021年6月まで延長されており、その後の予定は今のところ未定です。
国民健康保険に加入している方でも、新型コロナウイルス感染の疑いがあり、会社を休む場合は傷病手当金支給の対象になります。
退職後の受給には条件がある
傷病手当金は、条件次第で、退職後でも受給できます。
退職手続きをする際に、事前に確認しておきましょう。
- 退職日時点で働けない状態であること
- 退職までの健康保険加入期間が1年以上であること
退職後の受給時に、特に注意が必要な条件は、上記の2つです。
傷病手当金の支給条件にもあった通り、仕事ができない状態であることは、絶対条件です。
退職日にいつも通り、出勤できていたなら、傷病手当金の条件には当てはまりません。
退職日に、働くことができる健康状態の方は、退職後の傷病手当金支給対象から外れます。
また、退職日までに健康保険加入期間が1年以上必要、ということも覚えておくと良いでしょう。
失業保険も同じで、退職までに1年間の健康保険加入期間が必要です。
新卒で就職したばかりの方や、転職で採用されてから1年経たない場合は、傷病手当金をもらう事はできません。
これらの条件を意識して、あなたが傷病手当金の対象かどうか、確認してみて下さいね。
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今回は、傷病手当金受給の為の条件や、申請方法を開設しました。
あなたは受給の対象だったでしょうか?
もし、これから傷病手当金の申請する予定の方は条件や申請方法を確認してみて下さいね!