【保育士の残業の実態】平均残業時間は?残業代はちゃんと支払われるの?

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昨今、保育業界では、保育士不足や待機児童問題、保育士の業務過多や見合わない待遇など、様々な問題が表面化してきています。

最悪のケースですが、保育士による幼児の虐待事件も、その一つです。

では、なぜ保育業界で上記のような問題が起こっているのでしょうか?

上記のような問題が怒っている要因については、様々な要因が考えられますが、保育士の残業時間や残業代の問題もその一つです。

残業時間が多ければストレスが溜まりやすくなってしまうのは当然ですし、それに見合った賃金が支払われていないようなことがあれば、保育士の精神衛生上、非常に大きな問題に成り得てしまいます。

実際、ねこの手ユニオンにも、以下のような相談が寄せられています。

「毎日のように当たり前にサービス残業を強いられる」

「勤務時間外に自宅仕事をしなければならない」

「有給を使わせてもらえなかった」

「正当な賃金が支払われていない」

本来、保育士は大切な子供を預かる責任のある重要な仕事であるため、上記のような不要なストレスはあってはいけません。

健康的な精神状態で子どもたちと向き合える環境を整える必要があります。

とはいえ、健康的な精神状態で子どもたちと向き合える環境を整えられていない保育園も多いのが実情です。

したがって、保育士の方が働きやすい環境を整えるためには、保育士の所定労働時間や残業、サービス残業の強いられた際の対応などを理解しておく必要があります。

このため、本記事では、保育士の所定労働時間や残業(定義、条件、残業代)や、サービス残業を強いられたときの対処法、未払いの残業代請求について解説していくので、保育士の方で労働環境に悩んでいる方は本記事を参考にしてみてください。

目次

保育士の所定労働時間は?どこから残業になるの?

保育士は勤務時間の変動が多く、一般的な9時17時で働くといった形式ではありません。

そもそも開所時間が「7時台」、閉所時間が「19時台」という施設が多いためです。

また、一般的な保育園とも、勤務時間が異なるケースもあります。

病院内保育所などの一部の保育所では、24時間対応や深夜対応を行っている場合もあり、その場合は夜勤に割り振られることも珍しくありません。

いずれにしろ、保育園が開いている時間は「12時間」以上になるため、シフト制の勤務形態を採用している保育園が多いです。

では、保育園で働いている保育士の基本的な所定労働時間は、どうなっているのでしょうか?

始業時間や退勤時間は一般的な企業と異なりますが、基本的な勤務時間は8時間です。

ただし、保育園によっては、月あたりの週の平均労働時間が週法定労働時間の枠内であれば、1週または1日の法定労働時間を超えてもよいという「変動労働時間制」を採用しているケースもあります。

ここでは、保育士の所定労働時間や、変動労働時間制などの労働条件について解説するので、保育士の方は内容をよく確認して参考にしてみてください。

基本的な労働時間は1日8時間

保育士の方も他の一般職と同様に、基本的な1日労働時間は8時間と決まっています。

労働基準法第32条によって以下のように規定されているためです。

「使用者は、労働者に休憩時間を除き1週間について40時間を超えて労働させてはならない。使用者は、1週間の各日について労働者に休憩時間を除き1日8時間を超えて労働させてはならない。」

出典:e-Gov法令検索 労働基準法第32条

保育士も上記の労働基準法が適用されるため、保育士の所定労働時間は、労働基準法に定められた法定労働時間と同じになっているケースが多いです。

しかし、所定労働時間を超えて残業をしている保育士も数多く存在します。

休憩時間は1時間程度

保育士の方の休憩時間は、1時間程度のケースが多いです。

休憩時間に関しても、労働基準法34条で以下のように規定されているためです。

「使用者は、労働時間が6時間を超える場合においては少なくとも45分、8時間を超える場合においては少なくとも一時間の休憩時間を労働時間の途中に与えなければならない。」

出典:e-Gov法令検索 労働基準法第34条

保育士の勤務時間は8時間を超えることが多いため、基本的に1日1時間以上の休憩をとることになります。

しかし、実際の保育の現場では、休憩時間中に日誌や週案、連絡帳の記入など、保育以外の仕事をしているケースも多いです。

当然ですが、休憩時間中に仕事をしていては休憩とはならないため、このことは大きな問題だと言えます。

シフト制で働いている保育士が多い

前述したように、多くの保育園はシフト勤務制を採用しているため、保育士はシフト制で働くのが一般的になっています。

一般的な保育園の開園時間は、開園が「7時」で閉園が「19時」といった風に、到底8時間以内では収まらないためです。

当然、そういった保育園では、早番や中番、遅番の3交代制を採用しています。

例えば、以下のような形です。

早番:7:00~16:00

中番:9:00~16:00

遅番:10:00~20:00

このように、深夜や24時間対応をしていない一般的な保育園で働いている保育士でも、出勤時間と退勤時間がシフトによって変わるのが一般的になっています。

変動労働時間制を採用しているケースがある

変動労働時間制とは、月あたりの週の平均労働時間が週法定労働時間の枠内であれば、1週または1日の法定労働時間を超えることを認める制度で、繁忙期や閑散期といった風に、時期によって業務量に違いがある業種で採用されることが多い制度です。

保育園でも変動時間制が採用されているケースがあり、その場合は、法定労働時間である1日8時間を超える労働をしても、他の日の労働時間を調整すれば時間外労働には該当しません。

ただし、勘違いされがちですが、月の週あたりの平均労働時間が40時間を超えた時間は、時間外労働に該当します。

当然、残業代も発生しますし、深夜勤務がある場合は、深夜勤務手当を受け取ることも可能です。

このため、自身が勤めている保育園がどのような労働条件になっているのかを確認して、理解しておくようにしましょう。

保育士の残業の実態は?

保育士は、残業が多い職種というイメージを持たれています。

実際、東京都が平成30年に実施した「東京都保育士実態調査結果」を確認すると、就業前にもっていた保育士のイメージとして「90.2%」の方が「勤務時間が長い」と回答しています。

出典:平成30年度東京都保育士実態調査結果(報告書)

しかし、厚生労働省が公表している「賃金構造基本統計調査の結果」を確認すると、保育士の平均月残業時間は「4時間」でした。

出典:賃金構造基本統計調査令和元年以前職種DB第1表|統計表・グラフ表示(厚生労働省)

これは、他の職種と比較しても、異常に少ない結果になっています。

では、本当に保育士の仕事は残業が少ないのでしょうか?

結論から言うと、保育士の残業は少なくありません。

データに上がってこないサービス残業が行われているケースが多いためです。

実際、SNSやYahoo知恵袋などのインターネット上の書き込みを確認してみても、サービス残業に言及しているものは少なくありません。

もちろん保育園にも、定時に帰れる保育園やサービス残業がない保育園も存在しますが、多くの保育士は家に持ち帰り仕事をしており、これは公立の保育士でも同じです。

そのため、保育士業界全体の正確な月の平均残業時間をデータで出すのは難しいのが実情と言えます。

保育士の退職理由第3位は「労働時間が長い」

東京都が実施した平成30年に実施した「東京都保育士実態調査結果」の保育士の退職理由を確認すると、47.4%の方が「勤務時間が長い」という理由を挙げています。

出典:平成30年度東京都保育士実態調査結果(報告書)

これは、「給料が安い」と「仕事量が多い」という理由に次いで第3位の理由です。

このデータからも、保育士は労働時間が長く、残業が多い職種であることがわかります。

泊まり込みをしているケースもある

頻繁にあるケースではありませんが、保育士によっては、行事前などに泊まり込みをして働く方もいます。

その場合、当然残業時間は10時間を超えてしまいますが、残業代を全て支給されている方は少数派です。

仕事が残っている場合は残業も仕方ありませんが、残業代が支給されないのは違法だと知っておきましょう。

また、すべての保育士が長時間残業をしているわけではないことも知っておく必要があります。

残業時間は保育園によって異なるので、長時間残業している保育士の方は、ご自身が問題のある状態にあるという認識を持つようにしてください。

保育士の残業が多くなる理由は?

保育士の残業が多くなる理由には、以下の5つの理由があります。

  • 人手不足であ
  • 事務仕事が多い
  • 行事の準備のために時間がかかる
  • 保育時間外に研修や会議が多い
  • 残業が当たり前という風潮がある

上記の理由について詳しく解説するので、内容をよく確認するようにしてください。

人手不足である

保育士は慢性的な人手不足が続いており、園によってはぎりぎりの人数で保育園を回しているケースもあります。

少し前のデータにはなりますが、厚生労働省が2014年に公表した「保育人材確保のための魅力ある職場づくりに向けて」という資料によると、2013年時点で約9割超の都道府県で保育士が不足していると公表されました。

出典:保育人材確保のための『魅力ある職場づくり』に向けて:厚生労働省

この保育士不足の現状は現在でも続いており、保育士が足りていない保育園では、一人ひとりが負担する業務量が増えてしまっています。

勤務時間内に仕事を終えられず、残業が多くなり、家に持ち帰り仕事することが常態化してしまっている保育士も少なくありません。

ちなみに、残業などが多くなり勤務時間が長くなると、労働環境に不満を抱えるようになってしまい、退職してしまう可能性が高まります。

当然ですが、退職してしまうと、さらなる人手不足に陥り悪循環を起こしてしまうため、何らかの改善が必要です。

事務仕事が多い

保育士は子どもの面倒をみる保育業務だけをしているわけではありません。

以下のような事務仕事も行なっています。

  • シフト作成
  • 園だより
  • 日誌
  • 月案
  • 連絡帳の記入
  • 子ども成長記録

上記のように、多数の事務仕事があるため、保育業務以外にも時間が取られてしまいます。

しかも、子どもと過ごしている間は、安全面を考えて事務仕事をすることができないため、事務仕事をするためには保育業務が終わった後にするしかありません。

このため、必然的に残業や家への持ち帰り仕事が多くなってしまうというのが実情です。

したがって、保育士の労働環境を変えるためには、上記のような事務仕事を代わりに行ってもらえるような仕組み作りが必要になります。

行事の準備のために時間がかかる

保育園には、多数の行事があり、それらの準備のために時間が取られてしまいます。

特に、保育士の残業が増えるのは、3月〜4月の時期です。

卒園式の準備や卒園児を送り出す際に提出する書類の準備、入園式の準備、行政への書類提出、入園や進級のための書類作成など、事務作業が大幅に増えてしまいます。

加えて、卒園式や入園式のための飾りつけの作成など、事務作業以外の業務も増えるため、業務時間内で仕事をすべて終わらせるのが難しく、残業や家に持ち帰っての作業になることが多いです。

ちなみに、行事で使用する衣装や小道具、大道具の作成も保育士の仕事になるため、家に持ち帰って行事のための道具を作る保育士も少なくありません。

また、他の保育士との連携が必要にもなるケースも多く、普段遅番と早番ですれ違いになる保育士同士で作業しなければならないケースもあるため、保育園が閉園するまで待たないといけない時もあります。

このように、保育園はさまざまな行事を行うため、その準備に時間がかかり、労働時間が長くなってしまうことを知っておいてください。

時間外に研修や会議が多い

保育時間外に研修や会議が多いことも、保育士の労働時間が長くなる原因のひとつです。

保育園での会議や研修は、主に子どものいない時間に行なわれます。

そのため、午睡中や降園後の時間を使用して会議を行わなければなりません。

また、保育のための研修も、多くの保育園で勤務時間内ではなく、土日の休みに行なっているケースが多いです。

このように、本来では事務作業できる時間であっても、会議などの他の業務に使うことになってしまうため、残業が増えてしまう傾向があります。

残業が当たり前という風潮がある

保育士の労働時間が長い理由のひとつに、「残業が当たり前」という風潮もあります。

子どもを預かる責任ある仕事のため、勤務時間が増えるのは仕方ないという考えは根強く、仕事にやりがいを感じており、労働時間が長くなること自体に疑問を持たないという方も多いです。

中には、自分達が過去に多くの残業をしてきたため、「当然他の保育士も残業するべきだ」という考えのもと残業を強要してくるケースもあります。

このような風潮や考え方が蔓延していることも、私立や公立保育士の勤務時間が長くなっている原因です。

保育士の残業が少ない園の特徴や対策は?

保育士の残業が少ない園には、以下の特徴や対策をとっている傾向があります。

  • 行事を少なくしている
  • 保育士が辞めないように労働環境の改善に努めている
  • ITCシステムを導入している

上記について詳しく解説するので、残業が少ない保育園を見つける際の参考にしてください。

行事を少なくしている

行事やイベントが多いと、必然的に製作物や会議、簡単な打ち合わせなど、通常業務以外の業務が増えてしまい、残業が多くなってしまいます。

反対に、行事が少ない保育園は、他の保育園と比較して残業が少ない可能性が高いです。

例えば、毎月の誕生日会など、毎月ある行事がないだけでも、業務負担の削減ができます。

このように、求人募集で行事が少ないとうたっている保育園は、他の保育園と比較して勤務時間が長くない可能性が高いため、働く保育園を選ぶ際は参考にしてみてください。

ちなみに、定員数が限られている保育園も、行事があったとしても、定員数の多い保育園と比較すると、業務負担が少ないためおすすめです。

保育士が辞めないように労働環境の改善に努めている

保育士の残業時間が多くなる最大の理由は、人手不足にあります。

しかし、保育士が辞めないように労働環境の改善に努めている保育園は、子ども数に対して保育士の数が多く配置されている可能性が高いです。

当然、保育士の人数が多いと仕事の分担がしやすくなり、保育士1人の業務負担を軽減することができるので、残業も大幅に減ります。

このため、保育士とは別に事務員や経理、製作物を作成する職員を雇っている保育園であったり、他の保育園と比較して保育士の給料が良い保育園を探してみてください。

上記のような保育園の場合は、保育士が辞めることが少なく、仮に辞めたとしても新規の保育士が見つかりやすいため、過度な残業を課せられる可能性が非常に低いです。

過度な残業を避けるためにも、保育士の労働環境に問題を感じており、保育士からフィードバックを受けるなどして改善しようとしている保育園を探すようにしましょう。

ITCシステムを導入している

保育園のITCシステムとは、パソコンやタブレット、スマートフォンなどの機器を使用して保育園の業務をサポートするシステムのことです。

主に以下の機能があります。

  • 園児の年齢やアレルギーなど様々な個人情報の管理
  • 職員の勤怠、シフト管理
  • 指導計画や保育日誌の作成
  • 自治体への提出書類の作成
  • 保護者からの出欠・遅刻・早退・延長などの連絡
  • 保護者との共有できる連絡帳
  • 災害時の予定変更や緊急連絡に使用できるお便り配信

上記のような機能を得られるICTシステムを導入している保育園は、保育士の負担になっている事務作業の効率化ができるため、残業や持ち帰りの仕事を削減することが可能です。

保育士本人が残業なしを目指すためにできることは?

保育士本人が残業なしを目指すためにできる対策は、以下の3つです。

  • 残業問題について声をあげる
  • スケジュール・タスク管理を徹底する
  • 他の保育士とコミュニケーションをとり仕事を分担する

残業が多くて悩んでいる私立の保育士の方や公務員の保育士の方は、以下で解説する対策の内容をよく理解するようにしてください。

残業問題について声をあげる

残業は保育士1人の問題ではなく、保育園自体の問題です。

保育士本人の努力で改善できる残業の量であれば問題ないかもしれませんが、根本的に作業量が多すぎてどうしようも無い場合は、保育園に解決してもらう必要があります。

そのため、まずは正直に「声をあげる」ことが重要です。

実際、保育園によっては、残業が多いのが当たり前と考えており、現状を「そういうものだ」として自然と受け入れて問題意識を持っていない場合もあります。

そのような場合に、仮に声をあげずにいると、他の保育士も疲弊し辞めてしまいかねません。

他の保育士が辞めてしまうと、さらに保育士不足がおき、保育園側にとっても運営に支障がきたす事態に至ってしまいます。

こうなってしまっては、誰の特にもなりません。

当然、保育園に対して問題提起する行為は、言いづらく勇気がいる行為です。

しかし、誰かが声をあげなければ現状が改善されません。

現状を改善するためにも、周りの保育士とも協力しながら、保育園に対して訴えかけることが重要です。

スケジュール・タスク管理を徹底する

保育士に限った話ではありませんが、残業を減らすにはスケジュール・タスク管理をすることが重要です。

例えば、スケジュール帳に納期やイベント日を記入して、「タスクリスト」を作成します。

それにくわえて、1日の作業時間の目安を記入することで、作業を終えるまでにどの程度の時間が必要なのかを逆算でき、無駄な残業を防ぐことが可能です。

こうすることで、優先順位を決めて、重要度の高いものから作業を進められるため、作業の時間効率がよくなります。

ただし、そもそも仕事量自体が多く、スケジュール管理では改善できないケースも少なくありません。

そのような場合は、前述したように保育園に対して声を上げて改善してもらうようにしましょう。

他の保育士とコミュニケーションをとり仕事を分担する

仕事量が明らかに多く、自分だけでは間に合わない場合は、他の保育士に相談しましょう。

迷惑を掛けるかもと、1人で抱え込んでしまって仕事が遅れてしまえば、他の保育士により迷惑がかかってしまいます。

簡単な作業なら正社員でないパートや派遣の保育士に頼むこともできるので、まずは他の保育士に相談して仕事の分担ができないかを検討するようにしましょう。

サービス残業を強いられたらどう対処する?

保育士は、サービス残業が多い傾向があり、保育園からサービス残業を強いられるケースもあります。

では、保育園からサービス残業を強いられた場合は、どのような対処をすべきなのでしょうか?

基本的な対処方法は、サービス残業を断ることです。

まず、理解しておかなければならないのは、サービス残業は労働基準法違反に該当します。

このため、保育園側に労働基準法違反にあたると、強い意志を持って断るようにしてください。

とはいえ、どうしても断れない方もいらっしゃるかもしれません。

断れない場合は、以下の対策を行うことが重要です。

  • 出勤時間・退勤時間・残業時間と業務内容を毎回記録しておく
  • 継続してサービス残業を強いられている場合は保育園の運営元に相談する
  • 労働基準監督署に相談する

上記のような対策を行うことで、保育園に運営元や労働基準監督署から指導が入り、労働環境が改善される可能性があります。

仮に改善されれば、他の保育士も働きやすくなる可能性が高いです。

ただし、証拠もなく相談しても、運営元や労働基準監督署は動いてくれません。

そのため、以下の証拠を集めるようにしましょう。

  • 出勤時間・退勤時間・残業時間・業務内容の記録
  • 仕事に関係のあるメール・LINE
  • 日報
  • 通話記録
  • 会話の録音データ

これらの証拠を集めておくことで、運営元や労働基準監督署が迅速に動いてくれる可能性が高くなります。

保育士も未払いの残業代を請求できるの?

保育士の方でも残業手当が出ない状態は違法であるため、未払いの残業代を請求できます。

しかし、残業代の請求方法や請求する際のポイントを理解しておかないと、未払いの残業代の請求がうまくいかずに、本来よりも受け取れる残業代が少なくなる可能性があります。

ここでは、保育士の方が未払いの残業代を請求する方法やポイントについて解説していくので、未払いの残業代を請求する際の参考にしてください。

なお、残業時間に対して適正な賃金が支払われていない方は泣き寝入りせずに請求することをおすすめします。

その際は、残業代請求の相談先にお悩みの方はねこの手ユニオンまでご相談ください。

ご相談は記事下のバナーかお問い合わせボタンからLINEにて無料で承っています。

未払いの残業代を請求する方法

未払いの残業代を請求するときの手順は、以下になります。

  1. 未払いの残業代を計算する
  2. 証拠を集める
  3. 在職している場合は保育園と話し合いをする
  4. 運営元がある場合は運営元に相談する
  5. すでに保育園を辞めているなどの話し合いができない場合は内容証明郵便で請求する
  6. 労働基準監督署に申告する
  7. 交渉による解決が困難な場合は労働審判を行う
  8. 労働審判が適してない場合や労働審判でも解決できない場合は労働訴訟を行う

なお、個人で保育園と話し合っても解決できないと判断した場合は、労働組合や弁護士に相談することをおすすめします。

労働審判や訴訟は個人でも行うことができますが、手間と時間がかかるうえに、精神的な負担も半端ではありません。

その点、労働組合や弁護士は適切なアドバイスをしてくれるうえに、手続きを代理で行ってくれるため、手間や時間を削減でき、おすすめです。

保育士の方が未払いの残業代を請求する際のポイント

保育士の方が未払いの残業代を請求する際は、以下の2つのポイントを押さえておく必要があります。

  • 証拠を集める
  • 残業代請求には時効がある

以下で解説する内容を確認して未払いの残業代を請求する際の参考にしてください。

証拠を集める

保育士の方が未払いの残業代を請求するためには、証拠が必要になります。

例えば、以下の証拠が必要です。

  • タイムカード
  • 業務メールや業務に関するLINEのやり取り
  • 出勤簿
  • 日報
  • 手帳での勤務時間記録
  • 給料明細書
  • 雇用契約書
  • 就業規則の写し

証拠があればあるほど、スムーズに未払いの残業代請求を行うことができるため、可能な限り集めるようにしてください。

残業代請求には時効がある

残業代請求権には、「3年より前の残業代については、保育園側に請求に応じる義務がない」という時効が設定されています。

このため、未払いの残業が発生していると確認できたら、すぐに残業代請求をするようにしてください。

なお、労働基準法第115条が改正され、2022年4月以降から「2年」が「3年」に変更されています。

まとめ

保育士は、仕事量が多く長時間労働になるケースが多く、家に持ち帰り仕事のするケースも多いです。

しかも、中にはサービス残業を強いられるケースも少なくあり、未払いの残業代が発生するケースも少なくありません。

このような事態を解決するためには、基本的な労働時間や労働条件を把握しておくことや、未払いの残業代の請求方法など多くのポイントを理解しておくことが重要です。

そこで、本記事では、保育士の所定労働時間や残業(定義、条件、残業代)や、サービス業を強いられたときの対処法、未払いの残業代請求について解説してきました。

保育士の方で労働環境に悩んでいる方は本記事を参考にしてみてください。

また、今すぐ相談ご希望の方は下記の相談ボタンなどからお気軽にご相談ください。

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この記事を書いた人

過去の会社で弁護士を通じて未払いの残業代を請求し2年分の残業代の奪還に成功しました!この過程で、自身と同じような悩みを抱える人がまだまだ多く存在することに気づき、みんなの悩みや疑問を解決するために役立つ情報を発信します!

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