有給を取得すると各種手当てはカットされるの!?

本記事にはプロモーションが含まれている場合があります

有給休暇がたまっていたから、有給をたくさん消化したんだ

いいね!有給休暇は労働者が取得する義務があるからね。

でも、手当てのカットもあって給料が減っていたのだけど…

なるほど!それって実際に有り得ることなんだよ。
といっても、不当なケースでの手当カットも考えられるから1つずつ説明していくね!

あなたは有給を取得した月の給料が少なかった経験はありませんか?

筆者の以前の職場では、有給の繰り越しも買い取り制度も無かったので、定期的に有給休暇を取得するようにしていました。

やはりその時も給料自体は少しですが減ってたため、各種手当も一部カットになった事もあります。

有給休暇に関わる手当ての不当なカットや、賃金の不正な未払いは労働者側からすると、見逃してしまう部分です。

違和感を感じても、「給料も貰えて休めてるから」と思ってしまいがちな所ではないでしょうか。

そこで今回の記事では、以下の項目を解説いたします。

  • 有給を取得した場合、手当てのカットはされるのか
  • 有給取得に関する支給のルールを解説
  • 有給休暇の取得は労働者の権利
  • 手当てのカットなどのトラブルは、ねこの手ユニオンに相談!
目次

有給取得したら手当てはカットされるの?

労働基準法第39条において、労働者の有給休暇について、以下のような記述があります。

  • 労働者が有給取得を取得するのは、法律で制定された義務です。
    ※労働基準法39条

そのうえで、以下のように明記されています。

  • 有給を取得した労働者に対して、使用者は不利益な扱いをしてはいけないとされています。
    ※労働基準法附則136条

このように法律において定められているため、あなた(労働者)が有給を取得したことで会社があなたの給与や手当てを、不当にカットすることは違法行為です。

しかし有給を取得して、給料が少ないケースは十分にありえることです。

有給取得で給料や手当てがカットされるケース

社員として有給休暇を取得した際、給料がカットされてしまう理由として有力なのが、1つだけ明確に存在します。

それは有給休暇に関する会社側からの権利である「時季変更権」です。

もし取得を拒む行為や、意図して有給休暇をさせないようにしていた場合、それ自体が違法行為とみなされます。

しかし使用者(会社側)は労働者が有給休暇を取得したいという日程に、どうしても付与できない状態の際、時季変更権を行使可能です。

時期変更権とは、労働者の指定通りの取得を叶えるために善処・努力したうえで、使用者(会社側)が違う日程に有給休暇を変更するよう求めることができる権利。
※労働基準法第39条5項

時期変更権を使用者(会社側)が労働者に行使したうえで、労働者がこの権利に反して有給を取得した場合、欠勤扱いとして処理されてしまい賃金がカットされてしまっている場合があります。

給料や手当てのカットが違法となるケース

では給料や手当てが通常の賃金より減っている場合、違法なケースにはどのような事例があるのでしょうか。

2点、事例をご紹介いたします。

事例1:有給休暇中の職務手当が減った

年次有給休暇が多く溜まっており、1ヵ月程度出社をしない位に有給を使った。
その際、職務手当(営業手当など)が一切支給されなかった。

有給休暇の取得の際、諸手当を支給しないことは、労働基準法第136条の「有給休暇を取得した労働者に対して、賃金の減額やその他の労働者の不利益な取扱いをしないようにしなければならない」という項目に触れてしまい違法となる可能性が高くなります。

住宅手当や家族手当と同様に、その月は職務に就いていなかった場合であっても、毎月支給していたものをカットしてしまうことは違反行為となることがほとんどです。

通勤手当のような、出勤に関わる費用の場合は会社の定める就業規則によって、手当てが支払われないことは十分に考えられます。

事例2:有給を取得した際、皆勤手当がつかなかった

前述している通り「有給休暇を取得したことで、労働者に対して不利益な取扱いをしてはならない」と労働基準法第136条において明記されています。

そのため皆勤手当が制度としてある会社の場合、有給休暇を消化したことで皆勤手当が付かなくなるというのは、違反行為になる可能性が高いです。

このようなケースの場合、就業規則や賃金規定などで「有給休暇を取得した月は皆勤手当は支給しない」という記載をし、労働者が確認出来ていれば、違反行為にはならないとされています。

「労働基準法第136条の規定は努力義務を定めたもので、強制力のある定めではない」ということが理由となり、事前に把握している場合は違反行為にはあたりません。

休暇取得に関する支給のルール

まず改めて有給休暇取得に関する支給のルールについて解説した上で、「有給休暇取得時の賃金はどのように決まっているのか」をご紹介します。

年次有給休暇とは

年次有給休暇については労働基準法で下記のように定められています。

業種、業態にかかわらず、また、正社員、パートタイム労働者などの区分なく、一定の要件を満たしたすべての労働者に対して、年次有給休暇を与えなければなりません。
※労働基準法第39条

年次有給休暇の付与日数

有給休暇の付与日数は労働基準法で日数が決められており、記載されている日数を労働者に付与しなくてはなりません。

また会社によっては、社内規定などにより労働基準法第39条に定められている日数以上に付与している企業も存在します。

また自身の付与された有給休暇の日数も、給与明細に記載がある会社や自分自身で確認をしなくてはいけない場合があるため、後者の場合は定期的に確認をするのがおすすめです。

⑴通常の労働者の付与日数

継続勤務年数 0.5年 1.5年 2.5年 3.5年 4.5年 5.5年 6.5年以上
付与日数(日) 10 11 12 14 16 18 20

この場合、継続した勤続年数によって有給休暇の付与日数が上昇していく仕組みとなっています。

⑵週の所定労働日数が4日以上かつ週の所定労働時間が30時間未満の労働者の付与日数

週の所定労働日数 1年間の所定労働日数 0.5年 1.5年 2.5年 3.5年 4.5年 5.5年 6.5年以上
4日 169日~216日 7 8 9 10 12 13 15
3日 121日~168日 5 6 6 8 9 10 11
2日 73日~120日 3 4 4 5 6 6 7
1日 48日~72日 1 2 2 2 3 3 3

アルバイトやパートタイムの方に該当するのが、こちらの表です。

勤怠管理をしっかり行なえている会社の場合であれば、算出は容易でしょう。

もし、不安な場合は自分で計算をしておき、使用者(事業者や上司など)に確認をとることをおすすめします。

年次有給休暇が付与される要件

  • 年次有給休暇の発生要件=雇入れの日から6ヵ月継続勤務+全労働日の8割以上出勤

継続勤務とは

職場における在籍期間を指し、勤務の実態に即して実質的に判断されます。

特例として、定年退職者を嘱託社員として再雇用した場合は、契約上は違うのですが継続勤務として扱う必要があります。

出勤率算出の際の注意点

業務上の傷病で休んでいる期間、法律上の育児休業や介護休業を取得した期間などは、申請にミスが無い限りは出勤扱いとして処理されることがほとんどです。

また会社都合の休業期間などは、労働日として加算することを禁止しています。

有給休暇中の賃金はどのように決まっているのか

有給休暇とは文字通り「賃金が発生する休暇」を指します。

有給休暇に対し会社側が労働者に支払う賃金については、次の3種類で計算が可能です。

そのため、会社によっては有給休暇の賃金が減る可能性は十分にあります。

1つずつ、解説していきます。

所定労働時間の労働をした場合に支払われる通常の賃金

いつも通りに出勤し勤務した場合と同等の賃金のことを指します。

会社側としては細かい計算が不要なため、事務に長けていない役職者や職員でも問題なく処理ができる方法でしょう。

パートやアルバイトの場合、有給休暇取得日の勤務時間分の給料を賃金として支払う形となります。

平均賃金

有給取得日から過去3ヵ月間に対して支払われた給料の平均を支払う方法です。

上記、過去3ヵ月間の賃金総額を出勤総日数で割った金額のことをいいます。

計算にボーナスなどは含みませんが、家族手当や通勤手当、残業代は合わせて計算します。

平均賃金の注意点として、算定期間の欠勤日数が多いと、平均賃金が従来の給与より低額になることも。

もしそのような場合でも、最低保証額が設定されており、上記の計算で算出された金額の6割は支給されるよう定められています。

健康保険法の標準報酬日数に相当する金額

健康保険料の基準となる標準報酬月額を30で割った金額を指します。

こちらには上限額が設定されており、労働者によっては実際の収入が上限額を超える場合があるためです。

この方法を会社側が選択する場合、労使協定の締結が必要とされています。

有給休暇は労働者の権利

有給休暇の取得は労働者の正しい権利です。

その権利に対して会社や事業主が、労働者に対して不利益な取扱いをすることは違法とされています。

様々な理由から、有給休暇を消化した月の給料が少ないこともあるでしょう。

それが正当な理由であれば問題はありませんが、上記で解説した内容以上に手当てのカットをされている場合は、相談を検討しましょう。

労働問題に関する相談は、職場内で相談してもあまり良い結果にならないことがほとんどです。

上長や同僚に相談をして、職場環境が悪化してしまうことも考えられます。

そのような場合は、外部労働組合の「ねこの手ユニオン」がおすすめ!

ねこの手ユニオンはあらゆる労働問題に強い専門家が在籍しています。

また入会費や組合費も不要で、相談も無料です。

有給取得時の不当な賃金のカットの場合、ねこの手ユニオンを介して会社に費用を請求できます!

それ以外にも、有給休暇の取得を会社が拒否する場合や、退職前に貯まっている有給を消化させてくれない場合にもねこの手ユニオンは強い味方になるでしょう。

あらゆる労働問題のプロがあなたの強いパートナーとなってくれますよ。

不当な賃金や手当てのカットが発覚したら、まず相談!

有給休暇の消化によって、賃金が少なくなる場合は働く場所や形態により個人差があるものです。

そのため、就業規則や賃金規定により明記されているのが一般的です。

有給を取得する前にあなたの目で確認しておくことをおすすめいたします。

あなたが内容を把握しておくことで、それが抑止力として働くことも十分に考えられますし、何より知識として理解しておくことがあなたを守ることにも繋がります。

そのうえで、不利益な取扱いをされた場合にはねこの手ユニオンに相談してみましょう。

メールやLINEでも相談が可能で、何度利用しても無料となっています。

有給に関する問題以外にもあらゆる労働問題に対応可能なため、働くうえであなたが何かに困っていたら、まずはねこの手ユニオンに相談がおすすめです。

この記事は執筆された時点での情報を元に記載されております。文書・写真・イラスト・リンク等の情報については、慎重に管理しておりますが、閲覧時点で情報が異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。 記載内容や権利(写真・イラスト)に関するお問合せ等はこちら

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

過去の会社で弁護士を通じて未払いの残業代を請求し2年分の残業代の奪還に成功しました!この過程で、自身と同じような悩みを抱える人がまだまだ多く存在することに気づき、みんなの悩みや疑問を解決するために役立つ情報を発信します!

目次