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自己都合退職と会社都合退職の違いで失業保険の受給が変わる!?
ひと言で退職といっても「自己都合退職」と「会社都合退職」と区別があることをご存じでしょうか。
退職をした後に受給される失業給付金(失業保険)の額に違いがあるのかは気になるところです。
保険適用期間や退職金の支給額といったものも差があるので、退職の際に損をしないよう、会社都合退職のケースと自己都合退職のケースとの違いを正しく理解しておきましょう。
最後に会社都合退職なのに自己都合退職にされそうになった場合の対処法も書いています。
自己都合と会社都合退職とので失業保険の受給が変わる!?
自己都合退職であっても会社都合退職であっても、1日あたりの失業保険の支給額は同じです。
ただし、受け取れるタイミングや期間が違うことで結果的に会社都合退職のほうが受給額が多くなります。
知らなかった!と後から後悔するのは悔しいですよね。
初めて会社を辞めるときはわからないことも多いかもしれませんが、退職後のことも考えて慎重に手続きを進めてください。
会社都合退職の定義
「自己都合退職」と「会社都合退職」の違いは、退職の理由によります。
「会社都合退職」は、会社側の倒産や経営不振、業績悪化に伴うリストラなどを理由に解雇や退職勧奨で一方的に労働者に退職を余儀なくさせることを指します。
早期退職者募集の呼びかけに労働者が申し出るなど辞めざるを得ないという判断に至った理由が会社側にあり退職した場合も基本的には会社都合退職です。
このコロナ禍で、世界的に大きな動きがあり、会社都合で辞めざるを得なくなってしまった人もいるのではないでしょうか。
一方「自己都合退職」は一般的に多くの退職が当てはまります。
労働者側本人が結婚、妊娠、そして出産、転居、介護、家庭の都合などを理由にして退職することを指します。
また、自身の望む仕事内容や待遇を求めて転職をする場合も自己都合退職となります。
会社都合退職と認められるケース
厚労省が挙げている会社都合退職が認められるケースを見ていきましょう。
大きく分けて2種類に分けられます。
倒産やそれに近い形で退職に追いやられてしまったケースと、解雇による退職です。
「倒産」等による離職する
- 倒産に伴う離職
倒産とは破産、民事再生、会社更生等の各倒産手続きの申し立てや手形取引の停止等を指します。
ただし、経営の傾きや倒産の危険性があると自身で判断し退職を決めた場合は会社都合退職とはなりません。
- 事業縮小による整理
1ヵ月に30人以上がその職場を離れる大量雇用変動で辞めざる得なくなる場合が当てはまります。
あるいは雇用者の3分の1を超える人が離れることとなり辞めた人を指します。
- 事業所の廃止
事業が活動を停止した後に再開する見込みがない場合や事業所が廃止したときに離職した場合を指します。
- 事業所の移転
事業所が移転し、自宅からの通勤が難しくなったため離職するケースを指します。
「解雇」等による離職
- 解雇
会社が処分として労働契約を切り、退職した場合です。
同じ解雇でも本人に責められる原因や大きな落ち度があるなど重大な理由による解雇は自己退職扱いになります。
- 労働条件の相違
労働契約の締結にで明示された勤務場所や勤務時間、賃金・職種などの労働条件が労働契約を結んだ際に明示されたものと大きな違いがあるために離職するケースを指します。
- 給与の未払い
給与の支払いが遅れた場合や、支払期日までに入金されなかったことにより離職するケースを指します。
この給料は退職手当を除いた額が該当し、全額はもちろんのこと給与額の3分の1を超える額が相当します。
- 給与の低下
給与が、支払われていた給与に比べて15%以上減額した、あるいは減額することになって離職する場合を指します。
ただし、下がった時点から1年前の時点で給与が下がることが予測できた場合は当てはまりません。
また、出来高払制など業績によって給与が変動する雇用契約の場合も当てはまりません。
加えて該当しないのは懲戒や疾病による欠勤によって給与が下がった場合や、60歳以上の定年退職に伴い同一の雇い主に再雇用された際に給与が下がったケースです。
- 長時間におよぶ労働時間
長時間の残業が原因で離職した場合が当てはまります。残業条件が以下のような場合です。
-
- 残業した月が連続で3ヵ月以上あった場合(残業がさす期間と時間数は離職をする直前の6ヵ月間で45時間以上)
- 離職から前6ヵ月間で100時間以上残業した月が1度でもあった場合
- 離職から前6ヵ月間で連続する2ヵ月以上の期間の残業時間の平均が1ヵ月あたり80時間を超えていた場合
このような残業が行われた場合、健康障害が生ずる危険性があると行政機関から雇い主に指導が入ります。
指導が入った以降も事業所においてリスクがあるもしくは健康障害を防止すると判断されても必要な措置がされずに離職した者が該当します。
労働時間の確認はタイムカード、賃金台帳、給与明細書などで行われます。
- 危険有害業務
職業生活を続けていく上で危険または健康障害の発生するおそれのある旨の法令違反についての行政機関による指摘後、だいたい1ヵ月程度が経過しても改善されないことを理由に離職した場合が該当します。
【該当する法律の例】:労働基準法/労働安全衛生法/育児・介護休業法
- 別職種への転換
採用された際に特定の職種を任せる約束にて採用されたにも関わらず、予定していた職種と別の職種が任された場合です。
職種によってはスペシャリストとしてのスキルを求められたから入社したのに、そのスキルが発揮できない配属などは不本意でしょう。
採用段階の契約で遂行職種が明らかになっていて、その当該する職種が変わる際に給与が下がり、職種の変更が通知され、変更の凡そ3ヵ月以内に離職した場合が該当します。
この場合の給与は残業手当など支給額が変動するものは除いた毎月の決まって固定的に支給される給与を指します。
採用内容の確認は採用時の労働契約書、職種や配置の転換に際した辞令書、帳簿(賃金台帳)などで行われます。
- 別職種転換における指導不足
採用した時の職種につくことが明らかにされていなかった者であっても該当するのがこの項目です。
10年以上に及ぶ長期間同一職種に従事していた者が職種を変更するに際し雇い主が十分な教育指導及び訓練を行わなかった場合、専門の知識や技能を十分に活かすことができなくなります。
それにより新たな職種に適応することが難しく離職するケースを指します。
【判断材料の例】労働契約書/配置転換の辞令
新たな職種に適用するために職種を遂行する上で必要な会社側による教育が実施され、職種転換をした者が新たな職種に順応している場合においてはこの基準に該当しません。
- 労働契約の更新
期間の定めのある1年以内の労働契約の締結に際し契約が更新されることが明示されていた場合において、労働契約の更新を労働者が希望していたにも関わらず契約更新がなされなかったことによる離職を指します。
【判断材料の例】労働契約書雇入通知書/就業規則契約更新の通知書
契約更新の上限が定められた定年退職後の再雇用時などはあらかじめ定められていた再雇用期限が来ての離職にあたるため該当しません。
- 故意に追い出す行為
上司、同僚等からの故意の著しくぞんざいに扱われたり嫌がらせをされたり、追い出す行為を繰り返し受けたことによって離職した場合を指します。管理者が部下の職務上の失態を注意叱責することは通常起こりうるとしてそれだけでは判断しません。
特定個人に対して給与体系等の変更、配置転換が行われた場合が該当します。
【判断材料の例】配置転換時の辞令/就業規則/労働契約書/賃金台帳
故意な親がらせは雇い主が職場内のセクシュアルハラスメントの事実を把握していながら、雇用管理上の措置を講じなかった場合による離職も含まれます。
また、男女雇用機会均等法及び育児・介護休業法が定めている、妊娠・出産、育児休業・介護休業等の申出や取得等を理由とする解雇や不利益扱いをしている事実を把握しながらも措置を講じない場合も該当します。
- 雇い主からの退職勧奨
雇い主から直接若しくは間接に「辞めてほしい」「辞めてくれないか」などと退職するよう声をかけられたことにより離職した者が該当します。
労働者の意思とは関係なく会社が一方的に契約の解除を通告する解雇予告とは異なります。
退職勧奨に応じるかは労働者の自由です。その場ですぐ答える必要もありません。
辞める意思がなければ応じないことも可能です。
- 会社命令における休職
会社側から休職を命じられ、3ヶ月以上休職が続いた際に離職した者が該当します。
賃金台帳や給与明細をもって判断します。
新型コロナウイルスの感染拡大で社員に対して休業要請している会社も多く出ています。
- 会社側の法令違反
事業所の業務が法令に違反し行政から指摘されたにも関わらず改善を怠っている法令違反があるために離職した者が該当します。
自己都合退職の定義
続いて会社都合による退職ではなく、自己都合退職となるケースをみていきましょう。
職場の人間関係が嫌になった場合や、キャリアアップを考えてなど自身の都合で転職をした場合や結婚によって退職する、親・家族の介護、転居によりやむを得ず退職する、病気により仕事を続けることが困難になるといったプライベートな事情での退職するといった場合が自己都合退職となります。
自己都合退職ではあるものの、退職せざるを得ない理由がある場合に関しては「特定理由離職者」となる場合があります。
- 体力不足、心身の障害、疾病、負傷、視力や聴力・触覚の減退が原因で離職した場合
- 妊娠、出産、育児などで引き続き仕事に就くことができず(30日以上)「受給期間延長措置」を受けた場合
- 配偶者や扶養すべき親族と離れた生活の継続が困難になり、同居することを目的に離職した場合
- 家庭の事情の急変により離職した場合
- 次の理由により、通勤が難しいもしくは不可能となったことで離職した場合
- 結婚に伴う住所の変更
- 育児に伴う保育所(その他これに準ずる施設)の利用又は親戚等へ保育を頼むため
- 事業所が通勤に難しい土地へ移転した場合
- 自身の意思に反して住所や居所の移転の必要に迫られた場合
- 鉄道やバスその他運輸機関の廃止があった場合、また運行時間に変更があった場合
- 事業主の命令による転勤に伴う別居を避けた場合(出向も含む)
- 配偶者の会社側の命令による転勤、もしくは出向および配偶者の再就職に伴い同居するため
- 企業整備による人員整理等で希望退職者に手を挙げて会社を離れた場合
自己都合の退職者であっても、上記のような特定理由離職者の場合は、会社都合退職者と同じく失業保険の給付制限がかからない特殊なケースもあります。
特定理由離職者に認定されるためには必要書類の提出が求められるので、ハローワークに相談しましょう。
このように仕事を辞めるということは同じでも、会社都合と自己都合があり、どちらになるのかで失業保険の取り扱いが変わります。
本当は会社都合退職なのに自己都合退職扱いになって不利益を被るといったトラブルが起こることもあるため、条件をしっかり理解しておくことが大切です。
自己都合退職のメリット・デメリット
自己都合退職と会社都合退職にはそれぞれ良いところもあれば悪いところもあります。
まずは自己都合退職についてみていきましょう。
自己都合退職のメリット
- 退職理由を深く追及されない
自己都合退職の場合、履歴書には退職の理由を「一身上の都合」と記載するだけで特に言及されることはないでしょう。
もし聞かれたとしても、自分の中でしっかりと考え、次の就職につながる説明ができれば問題ありません。
会社都合と記載して会社にとって不利益をおこしたのではないか等勘ぐられることなく転職活動がスムーズにいくのが自己都合退職の良い点といえるでしょう。
ただし、あまりに何度も自己都合で退職したり、短期間で自己都合が続いた場合は自己都合退職であっても退職理由を突っ込まれることもあります。
自己都合退職のデメリット
- 失業給付金の受け取り開始時期と受給期間
失業給付金において受給開始の時期が会社都合退職よりも遅く、一番早くて「2ヶ月と7日後」から支給となります。
給付期間も90日から150日で会社都合退職が最大330日であることと比べると短くなっています。
また、一日あたりの受給額がかわらないため、給付期間が違うことで受給額自体が118万円とこちらも会社都合退職の260万円より少ない額です。
このような失業給付金の給付制限があることが自己都合退職によるデメリットといえるでしょう。
ただし、前述した「特定理由離職者」として認められる場合は会社都合と同じように求職の申し込みをしてから七日経過後に給付制限期間なしで受給できるので、自分が当てはまるかどうかはハローワークで調べてみるとよいでしょう。
また、失業給付金の受給条件も保険被保険者として離職した日からさかのぼって二年の間に最低12ヶ月以上働いた期間があることと定められており、短い期間しか働いていない人は自己都合退職だと給付金対象になりません。
会社都合退職の場合は離職日からさかのぼって12ヵ月の間に被保険者の期間が通算6ヵ月以上ある場合でも構わないので半年の違いがあります。
例外
災害等があると特例で給付制限期間が変更されることがあります。
2020年においても新型コロナウイルス感染症の影響を受け、2020年2月25日より正当な理由における自己都合離職者は給付制限期間の免除がなされることとなりました。
- 同居家族の新型コロナウイルス感染症感染により看護もしくは介護が必要となり自己都合離職するケース
- 感染拡大防止および重症化防止の観点での自己都合離職を選んだ場合
職場で感染者が発生した場合、本人または同居家族に基礎疾患者がいる場合、妊娠中の場合、高齢である場合などの理由がそれにあたる。
- 新型コロナウイルス感染症の影響で子供の養育が必要で自己都合離職するケース
子供の所属は保育所、幼稚園、小学校、義務教育学校、放課後児童クラブ、特別支援学校、認定こども園が該当する
昨今、コロナウイルス感染症の影響で退職になった方も多くいますので、もし何か当てはまることがありそうであればしっかり調べてみるとよいでしょう。
会社都合退職のメリット・デメリット
続いて会社都合退職によるメリット・デメリットをみていきましょう。
特に退職する側にとってのメリットは金銭的なことになるので、しっかり把握しておきたいところです。
会社都合退職のメリット
- すぐに支給を受けられる
実際に会社都合で急に退職を迫られたら生活を考えると困る人が多いと思います。
そこを考慮して、給付金の支給をすぐに受けられるようになっています。
会社都合退職の場合は給付制限期間がありませんので、ハローワークに申請をすれば最低七日間の待機期間のみで失業給付金を取得できるのです。
自己都合退職の場合は失業給付金が支給されるまで待機期間の七日間に加えて二ヵ月、場合によっては三ヵ月を待つことを考えると、すぐ支給してもらえるのはありがたい制度です。
- 支給を長く受けられる
最大330日という長い給付期間も良い点です。
一日当たりの給付額は自己都合退職と変わらないので、長い分総額が約260万円と自己都合退職に比べて142万円ほど高くなることは大きなメリットといえるでしょう。
- 勤務期間が短くても対象となる
会社都合退職の場合は勤務期間が自己都合退職より短くても対象となります。
退職した日からさかのぼって一年間に、通算して六カ月以上被保険者期間があればよいとされています。
半年程度の短い期間しか働いていなかったとしても、会社都合退職であれば失業給付金の対象だと覚えておいてください。
- 退職金が多くもらえることがある
このメリットは会社によりますが、厚生労働省の調べによると会社都合退職の場合、自身で退職を決めた人よりも退職金が高い調査結果が出ています。
自己都合退職の平均が1,519万円なのに比べ、会社都合退職の平均額は2,156万円と637万もの差があるのです。
会社都合退職のデメリット
- 退職理由を追及され転職状況に差し支えることがある
自己都合退職のメリットで書いたように、会社側に理由があって退職したとしても、その内容によっては転職先で理由を追究され転職活動において不利になることがあります。
個人の業績不振や実力不足、就労態度の問題などで解雇された場合がそれにあたります。
同じ会社都合退職でも倒産や経営不振を理由とした解雇であれば、特に不利になることはありません。
転職で不利になる解雇理由の場合、転職先に理由を隠しておきたいと考え方もいるかもしれません。
しかし前歴照会をされた場合や退職理由が記載された離職票の提出を求められた場合には嘘がバレてしまいますので、会社都合の場合は自己都合と嘘をついて転職活動をするのはやめましょう。
自己都合・会社都合の違いは失業保険の受給条件
自己都合退職と会社都合退職のそれぞれのメリット・デメリットをみてきた中での大きな違いは失業保険の受給条件だとお判りいただけたと思います。
それぞれの受給条件をまとめてみていきましょう。
自己都合退職 | 会社都合退職 | |
---|---|---|
失業給付金 最短支給条件 |
離職日から遡って2年間に被保険者期間が通算して12か月以上あること | 離職日から遡って1年間に被保険者期間が通算して6か月以上あること |
失業給付金 最短支給開始日 |
3ヵ月7日後 | 7日後 |
失業給費金 支給日数 |
90日~150日 | 90日~330日 |
失業給付金 最大支給額 |
約118万円 | 約260万円 |
失業給付金 給付制限 |
あり | なし |
国民健康保険税 | 通常納付 | 最長2年間軽減 |
履歴書の記載内容 | 一身上の都合により退職 | 会社都合により退職 |
このように会社都合はメリットが多く感じるでしょう。
自身が望まない退職をした場合、それでも生計を立てていく必要があります。
そのため、会社都合退職が手厚くなっているのです。
企業側の会社都合退職のデメリットとは?
実際に自分が退職を考えるときに、会社都合があるならそのまま会社都合で進めるのがよいとは思いますが、それでは企業側からみて自己都合退職と会社都合退職では違いはあるのでしょうか。
自己都合退職は、戦力が減るというシンプルな点のみが企業としてのデメリットですが、会社都合退職の場合は企業側に何点かデメリットがあります。
会社都合退職による企業側のデメリット
- 助成金が受けられなくなる可能性
会社都合での退職で一番注意したい点は助成金がもらえなくなる可能性でしょう。
助成金とは企業の成長のために雇用、人材育成、環境設備などを国が支援する制度です。
その助成金をもらうための条件の一つに6ヶ月内に会社都合退職を行っていないことという項目があるのです。
雇用関係の助成金の例をあげていきましょう
- トライアル雇用助成金
- 労働移動支援助成金
- 中途採用等支援助成金
- 特定求職者雇用開発助成金
- 地域雇用開発助成金
- 障害者雇用安定助成金
このように様々な助成金があることで、企業側は助成金を活用したいと考えるために、会社都合の退職を出さないようにしたいのです。
- 退職の無効もしくは賠償金請求のリスク
雇用は生活安定の基盤であるため、労働者側を保護するためにきちんと整備されているのです。
そのため、会社都合での退職、特に「解雇」による退職は労働基準法第18条2項でも解雇が客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、解雇権を濫用したものとして無効とされるとしています。
さらには、退職者が不当な解雇を受けたと判断し、訴えを起こすと裁判に発展し費用がかかる可能性まであります。
そのため、会社側も解雇を考える場合は弁護士に相談しながら慎重に進めるのが良いでしょう。
以上のように、会社都合にすることは会社側にはリスクも生まれるのです。
会社都合退職なのに自己都合退職に追い込まれそうになったら?
個人としては会社都合退職によるメリットが多く、会社側としては会社都合によるデメリットが多いのがお判りいただけたと思います。
そのため本当は会社都合であるにも関わらず自己都合として退職届を求められるといったケースを聞くことがあります。
すでに挙げた自己都合退職によるメリットを選び、転職活動を有利に進めたいという方はそのまま自己都合退職で進めてもよいかもしれません。
ただし、失業給付金のことを考えると会社都合退職なのに自己都合退職に追い込まれそうになったらきちんと異議申し立てをすべきといえます。
特に解雇ではなく、倒産などによる会社都合の退職は転職活動におけるネガティブ要素もないので会社都合とするようきちんと伝えるべきです。
異議を申し立てる際には会社都合であることを裏付ける資料等が必要です。
ただ、個人で企業に対して異議を申し立てるというのはなかなか勇気もいりますし、対応に困ることもあるでしょう。
そんなときは、外部の労働組合(ユニオン)で労働問題の相談を行っており、弁護士・社労士・経営者などが運営に関わっている「ねこの手ユニオン」に相談するなど、プロの手を借りるという方法があります。
会社都合であることを証明してくれることでしょう。
さらには会社とのやりとりのうえで個人が不利になりそうな未払いの残業代の請求対応や転職のサポート対応なども全ておまかせ可能なので、退職にあたりプロを頼るのはトラブル解決にもってこいです。
まとめ
会社都合退職と自己都合退職の違いから、失業保険の受給条件までみてきました。
実際に退職するときには、自分に不利にならないようにきちんと会社都合なのか自己都合なのかを判断できるとよいでしょう。
さらには、自己都合退職であっても、特定理由離職者として認められれば、会社都合退職と近しい形での失業給付金の受給もできますので、諦めずに働きかけるとよいでしょう。
自分ではうまく交渉できない場合や、会社都合退職なのに自己都合退職にしてほしいと話をすすめられた場合などは、プロの手を使い、スムーズに希望の形での退職ができますので、覚えておいてください。