その給料カットは違法かも?労働者ができる解決法とは?

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急に働いている会社で給料カットになってしまったんだ

えっ!会社からは同意を求める行為はなかったの?

うん。何も言われずに減給されたの……

会社が従業員の同意もなく給料カットすることは違法で認められないんだよ!違法行為である理由と、その解決方法も紹介していくね!

あなたは会社や職場から突然、給料カットをされた事はありませんか?

その行為、結論から言うと違法行為です。

給与をいきなりカットされると、本当に困ってしまいますよね。
カードの支払いの計画や、予定していたイベントなどを見直すなどということになりかねません!

一部の企業や事業主が、一方的に労働者の給料カットをする事例も昨今の社会情勢の影響なのか、珍しくない話です。
給料カットをする場合、労働者に同意を得られないと違法行為となり減額は認められません。

今回は、給料カットの違法性や、実際に賃金をカットされてしまった場合の解決方法までを紹介いたします。

目次

一方的な給料カットは違法の可能性が

新型コロナウイルスが蔓延し、生活が一変してしまい、十分に働けない人も多くいます。
どの企業でもリモートワークやテレワークを導入したり、様々な企業努力をしたり、会社としての収益や雇用の確保に勤しんでいます。

そんな中で、起業や事業主が一方的に労働者の給料カットをする行為は許されるのでしょうか?

ここでは、労働条件の一方的な労働者に対する不利益変更が違法である理由を紹介していきます。

労働者の不利益になる労働条件の変更

新型コロナウイルスに関する理由で、労働条件の変更を余儀なくされた事例が多くみられています。
昨今の社会情勢の中で多く見られるパターンは以下の3つです。

  • 労働時間やシフトを減らされる

所定労働時間を9時間から5時間に減らされる。
週休2日を週休3日に変更すると宣告される。

  • 賃金の減額をされる

コロナで売り上げが大幅に下がったから、しばらくは給料をカットします。

  • 雇用期間の短縮を迫られる

1年ごとの更新での契約社員だったのに、半年での更新に変更して欲しいと言われる。

「コロナだから、自分だけじゃないし…仕方がない」と考える人がほとんどではないでしょうか?

ですが、企業の担当者や事業主が一方的に「コロナだから、仕方がなく給料カットします」や「シフト減らします」等を決定する事自体が問題行為となります。
会社側が一方的に労働条件を、労働者の不利益にあたるように変更することを違反行為としています。

正式な呼称として「労働条件の不利益変更」と呼ばれており、賃金や労働時間、休暇や福利厚生などの労働条件を従業員に不利益な方法に変更することを指します。
※厚生労働省、労働契約法のポイントより(https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/roudoukeiyaku01/dl/08.pdf)

平成20年3月に施行された労働契約法。これにより、労働契約についての基本的なルールが分かりやすい形で明らかにされました。

この労働契約法によって、企業や事業主は労働者の賃金や労働時間などの労働条件を、不利益に変更することを法律違反と定めています。

労働者の合意があって労働契約が成り立っている

私たちが働くときに、特に構える事もなく結んでいる「労働契約」というものをまず説明いたします。

上記で説明した労働契約法の第6条に次のように記載されています。

労働者と使用者が、「労働すること」「賃金を支払うこと」について合意すると、労働契約が成立します。
※厚生労働省、労働契約法のポイントより(https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/roudoukeiyaku01/dl/08.pdf)

このように、労働者が会社の上司や事業主に従って働き、その対価として報酬(給料)を得るのが労働契約とされています。

1つポイントがあり、労働契約は労働者と使用者が対等な立場という条件で合意することによって成立するという点。
労働者か使用者のどちらかが同意しなければ、労働契約は成立しません。

労働契約を結ばずに会社が労働者を働かせてしまったら、強制労働と捉えられ違法行為となります。

不利益変更と思われる契約を提示されても合意してはいけない

労働契約法には労働者と使用者の合意が前提にあるため、給料カットやシフト時間の短縮などの労働条件の変更にも契約が必要となります。

労働契約法の第8条にこのように記載があります。

労働者と使用者が合意すれば、労働契約を変更できます。
※厚生労働省、労働契約法のポイントより(https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/roudoukeiyaku01/dl/08.pdf)

労働契約法の規定には、新型コロナウイルスの蔓延といった社会の状況や、それに伴う会社の経営不振などは関係がありません。

使用者(企業・事業主)の経営状況やそれら付随するものは、労働契約法には全く関係がありません。

なので、労働者に合意のない労働契約の変更は、違反行為となります。

こんな給料カットは合法?違反?

労働契約を結んだ労働者と使用者の間での合意があれば、給料カットやシフト時間の短縮などは認められます。

ですが、逆に使用者が一方的に労働者の給料や手当を引き下げたりする行為は労働契約法に違反する行為となります。

こちらではいくつかの事例をあげて、解説していきます。

会社が休業になり給料カットになった

飲食店やホテル業などをはじめとした、接客を介する店舗や施設の場合、新型コロナウイルスの感染拡大が原因で休業をせざるを得ない状況になった所も多いでしょう。
会社が休業に入った時の労働者の給料に関しての扱いは以下の通りとなります。

休業手当

  • 労働基準法第26条

使用者の責に帰すべき事由による休業の場合においては、使用者は、休業期間中当該労働者に、その平均賃金の百分の六十以上の手当を支払わなければならない。
※厚生労働省、労働基準法(https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=73022000&dataType=0&pageNo=1)

会社が休業状態になった際の、労働者に対しての手当の支払いが義務付けられています。
どのような理由があったとしても、使用者(会社・事業主)は労働者に対して「休業手当」を支払わなければならないのです。

この休業手当ですが、労働者がパートやアルバイトなど正社員でなくても対象となっています。

もし休業手当の支給をしない場合、違法行為とみなされ、30万以下の罰金刑に処される可能性があります。

使用者の責に帰すべき事由とは?

使用者の責に帰すべき事由とは一体、どういった内容のことを指すのでしょうか?
具体的な例として、以下のものが挙げられます。

使用者の責に帰すべき事由の例
  • 設備や機械の不備や欠陥、検査などによる休業
  • 使用者による不当解雇・出勤停止などによる休業
  • 監督官庁からの勧告等による休業
  • 人材不足のための休業
  • 資金難、商品や資材不足のための休業
  • 生産調整のための一時帰休

これら以外の自然災害(台風・地震)が原因の休業に関しては使用者にとっても不可抗力のため、休業手当の支払い義務は発生しないことがほとんどです。

新型コロナウイルスの影響による休業で、給料がカットされた

新型コロナウイルスの感染拡大の防止に伴う休業には、大きく分けて2つのパターンがあります。
「都道府県知事からの就業制限を受け、店舗や会社を休業した」という場合と「労働者が感染、もしくは感染の疑いがあるという理由で休業した」という場合です。

1つずつ、解説していきます。

新型コロナウイルスに感染したため休業した

各都道府県の知事は、「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」の第18条第1項及び第2項に基づいて、新型コロナウイルスに感染した労働者の就業を制限できます。

労働者が新型コロナウイルスに感染し、各都道府県の知事による就業制限に基づいて該当する労働者を休業させることは、一般的に考えても「使用者の責に帰すべき事由による休業」には該当しません。
もちろん、この場合では休業手当の支給対象にもなりません。

ただし、労働者が健康保険加入者の場合は別の制度として、傷病手当金が支給される可能性があります。

新型コロナウイルスに感染した疑いがあるために自主的に休業した

発熱症状のある労働者が、「新型コロナウイルスに感染しているかもしれないので出勤を控えたい」
と自主的に仕事の欠勤を申し出た場合は、休業手当の支給対象にはなりません。

ただし「37℃以上の発熱の場合は出勤してはいけない」や「激しい倦怠感がある場合は事前に会社に一報を入れ、指示を仰ぐ」という職務規定があり休業を要請している場合は、休業手当の支給対象となる可能性があります。

労働者の安全確保を前提とした休業

労働者が新型コロナウイルスに感染しておらず、感染の疑いもないため就業制限の対象にならない場合であっても、使用者(会社・事業主)は労働者の安全を最優先として休業を判断する場合があります。

このような場合の休業は、「使用者の責に帰すべき事由による休業」に該当し、休業手当の支給対象となります。

新型コロナウイルスを原因としてた営業停止による休業

外出自粛規制による売り上げの低下や取引先の閉店など、新型コロナウイルスの営業によって経営が悪化してしまい、会社自体の営業や操業が不可能となってやむを得ず休業する場合があります。

こういった場合の休業も「使用者の責に帰すべき事由による休業」に該当し、休業手当の対象となる場合があります。

ただしリモートワークやテレワークなどの他の代替手段の可能性や、休業を回避するために会社が行った施策や具体的な努力などを総合的に判断し、休業手当が支払われるべきかどうかが決定されます。

違法な賃金カットにあってしまったら?

一方的な給料カットはほとんどの場合、違法となります。
あなたが同意をしない限り、給料カットなどの労働契約の変更は認められません。

では、そのような違法である給料カットに遭遇してしまった場合、どうすればよいのでしょうか?

給料カットについて突然、同意を迫られた場合

給料カットは「労働条件の変更」に該当します。
労働契約法に記載がある通り、労働条件を変更する場合には、労働者と使用者(会社・事業主)との間で互いに同意をする必要があります。

そのため、使用者が労働者に対して、給料カットを強要してくる場合があります。

こういった場合、絶対にすぐには同意してはいけません!

  • 給料カットの理由
  • 減額される金額
  • 手当に関してはどうなるのか
  • 給料カットの期間

などの詳しい説明を使用者側に要求しましょう。
可能であれば、書面を作成してもらう事も検討してください。

口頭だけでの強要では、詳細な内容まで汲み取れないことがほとんどなので、しっかりと説明をしてもらうことが一番です。
また、合意を保留にすることで、今後のあなたの対応策を考える良いきっかけにもなるでしょう。

保留にしているタイミングで、外部労働組合などに相談しておくと、今後の展開がスムーズになるためおすすめです。

ねこの手ユニオンという外部労働組合では、加入費や組合費も不要で、何度でも相談が可能なサービスとなっています。

就業規則の変更が不当と思われる場合

上記で述べておりますが、使用者が就業規則を労働者の不利益に変更するためには、正当かつ合理的な理由が必要となります。
また、使用者が労働基準監督署に届出を行うなどの手続きも求められています。

就業規則の変更が合理的ではないと判断された場合、給料カットは不当な行為とみなされ違法となります。

もし既にあなたが、給料をカットされてしまっている場合は、使用者に請求が可能です。

カットされた給料を労働者のあなたが請求する場合、何をすれば良いのか分からないのではないでしょうか?

そのような時も、ねこの手ユニオンの利用を検討してみましょう。
相談が何回でも無料で、労働問題解決のプロがあなたの疑問の答えを教えてくれますよ。

ねこの手ユニオンとは

ねこの手ユニオンでは、あらゆる労働問題のエキスパート集団です。
未払い残業代の請求や退職代行サービスなど、ありとあらゆる労働問題の解決のお手伝い・代行をしてくれます。

今回の賃金カットに関する相談も請け負っており、相談費用もかかりません!

入会金や組合費も不要で、メールやLINEでも相談OK!
気軽に問い合わせしてみてください。

会社からの不当な要求に、正しく立ち向かおう!

給料カットやシフト時間の短縮など、当たり前に聞く今日。

「コロナだから仕方ない」とみんなが口々に言うのが理由で、「仕方ない」が当たり前になっていませんか?

「仕方ない」ではなく、それは使用者からの不当な行為だったのです。

もし労働契約の変更を強要された際は、ハッキリと詳細を聞くようにしましょう。

また、既にあなたが不利益変更を合意してしまっている場合、ねこの手ユニオンに相談してみることをオススメします。

その不利益変更が合理的ではない場合、違法行為となり使用者(会社・事業主)に請求が可能です。

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この記事を書いた人

過去の会社で弁護士を通じて未払いの残業代を請求し2年分の残業代の奪還に成功しました!この過程で、自身と同じような悩みを抱える人がまだまだ多く存在することに気づき、みんなの悩みや疑問を解決するために役立つ情報を発信します!

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