不当解雇の証拠を集めよう!重要証拠10選と収集方法、注意点を解説

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労働者が事業主の一方的な都合で、法律上の取り決めを無視して解雇される「不当解雇」。もし自分が不当解雇を受けた場合、どのような証拠を用意すべきでしょうか?

事前に知識を持っておくことで、万が一の状況に遭遇した際に交渉を有利に進められます。

本記事では、不当解雇を受けた際に役立つ証拠10選やその収集方法、注意点について詳しく解説していきます。

もし、この情報を知らなければ取り返しのつかないことになっていたかもしれません。

ぜひ参考にしてください。

目次

不当解雇があったときに証拠になるもの10選

早速ですが、不当解雇を受けたときに証拠になるのは下記です。

  • 解雇を受けたときの音声やメール
  • 解雇理由証明書
  • 人事評価資料
  • ハラスメントの証拠
  • 同僚や上司からの証言
  • 就業規則
  • 勤怠記録
  • 業務日報
  • 医療証明書
  • 会社の業績が分かる資料

それぞれ見ていきましょう。

解雇を受けたときの音声やメール

不当解雇を受けた際には、上司や人事との音声やメールの記録が重要な証拠となります。そのため、会社とのやり取りはしっかりと記録しておくことが重要です。

録音を行う際、事前に相手にわざわざ告知する必要はなく、こっそりレコーディングしても法的な問題はありません。

録音のことを伝えると相手によっては怒られる場合がありますし、相手が言葉を選んでしまう可能性があり、十分な証拠にならない恐れがあります。

常にICレコーダーを携帯しておけば、いざという時に備えられます。服やカバンに忍ばせておき、録音の品質を事前に確認するのがおすすめです。

最近ではスマートフォンでも録音が可能です。どちらの方法を選択しても、記録を適切に保存し、不当解雇の証拠として利用できるようにしましょう。

さらに、録音した音声の要点をまとめると、裁判の際にスムーズに進められます。実際の音声データとともに、反訳書という形式で提出するのが一般的です。

解雇理由証明書

解雇理由証明書とは、従業員を解雇する理由を記載した証明書のことです。公的な書面であり、会社が発行すれば解雇事実を公認したのと同義になります。

労働基準法第22条第1項には次のような記載がされています。

労働者が、退職の場合において、使用期間、業務の種類、その事業における地位、賃金又は退職の事由(退職の事由が解雇の場合にあつては、その理由を含む。)について証明書を請求した場合においては、使用者は、遅滞なくこれを交付しなければならない。

引用:https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=322AC0000000049

そのため、従業員からの請求があった場合、会社は解雇理由証明書を発行する義務があります。

請求されたにもかかわらず発行しない場合、会社側に30万円以下の罰金が課せられてしまうケースがあるため、注意してください。

解雇から2年以内であれば、正社員だけでなく契約社員やパートも対象です。

人事評価資料

人事評価資料は、成績不振を理由にされた不当解雇に対抗するための重要な証拠です。事実誤認や解雇理由証明書の内容に矛盾があれば、これを証拠として提出できます。

成績不振があっても、すぐに解雇されるわけではありません。会社は改善指導を行う必要があり、平均的な成績より劣る程度では、通常は解雇の理由として認められません。

また、始末書や反省文も労働者を守る証拠となるケースがあります。提出された枚数や内容によっては、労働者に有利な証拠として利用できます。

能力不足が原因での不当解雇に関する詳細な情報や対処法については、以下の記事も参考にしてください。

>>能力不足で会社クビになった! 正当な解雇理由や対処法を解説

ハラスメントの証拠

上司や同僚からハラスメントを受けている場合、その証拠を集めましょう。録音、メール、LINEやチャットのスクリーンショットなどが主な証拠となります。

しかし、ハラスメントの種類によっては証拠を残しにくい場合もあります。

そういった状況では、メモや日記をつけて記録しておくことが有効です。たとえば、仕事が与えられず無視されるような嫌がらせを受けた場合、日時やそのときの状況を詳細に記録しましょう。

ハラスメントに悩まされていると感じたら、早めに第三者機関に相談してください。

中でも労働組合「ねこの手ユニオン」では無料相談に対応しているので、気軽に相談したい方にはおすすめです。LINEから問い合わせしましょう。

⇒労働組合「ねこの手ユニオン」に無料相談する

同僚や上司からの証言

同僚や上司の証言が解雇の不当性を裏付ける場合、その証言は有効な証拠となります。

ただし、証言を得る際は、関係者の同意を得る必要があり、相手に迷惑をかけないよう配慮しなければなりません。

具体的には、匿名で証言してもらうことも一つの方法ですが、匿名の証言は証拠としての信憑性が低くなる場合があるため、状況に応じて判断が必要です。

証言者が特定できる形で証言してもらう場合は、モザイクや音声加工をするなどして証言者の個人情報保護やプライバシーに配慮する必要があります。

証言者の立場を理解し、どのような形で証言を得るか慎重に検討しましょう。

証言された方が今後も会社で名誉を守る形で働けるように、適切な方法で証言を取り扱うことが重要です。

就業規則

就業規則は、雇用主と従業員間で定められた雇用に関するルールです。10名以上の従業員が在籍している会社は、基本的に作成しなければなりません。

就業規則には「○○した場合に解雇とする」といった懲戒解雇に関する記載がある場合があります。懲戒解雇とは、一発でクビにされる解雇のことで、たとえばサッカーにおけるレッドカードのような厳しいペナルティに相当します。

解雇される際、その理由が就業規則に適合しているかどうかを確認しましょう。

もし適合していない場合や、就業規則の適用が不当であると感じた場合は、不当解雇を主張する根拠として利用できます。

勤怠記録

遅刻や欠席が多いことを理由に解雇される場合、勤怠記録は有効な証拠となります。これにより、会社が主張する遅刻や欠席の実態を客観的に裏付けることが可能です。

遅刻や欠席があったとしても、解雇が認められるほどの重大な理由ではないと立証できる場合もあります。

勤怠記録を自分で取得できない場合は、会社に申請しましょう。タイムカードであれば、スマホで写真を撮れば十分な証拠となります。

業務日報

業務日報は、成績不振を理由とした不当解雇に対抗できる証拠となります。人事評価書とは異なり、日報は日々の出勤や業務内容を記録するもので、勤怠記録としても機能します。

業務日報には行動記録や改善点が記載されていれば「改善の余地がない」と判断されることはほとんどありません。

たとえ成果が出ていなかったとしても、日報によって改善への取り組みや努力が明確になり、不当解雇への対抗手段として有効に働きます。

医療証明書

解雇が健康問題に関連している場合、医療証明書や通院記録が重要な証拠となります。たとえば、うつ病が解雇理由であれば、その診断書が証拠として役立ちます。

もらい方は簡単で、かかりつけの心療内科や精神科の担当医に依頼するだけです。「会社に提出したいので診断書を書いてくれませんか?」と聞いてみてください。

成績不振と同様に、健康問題をただちに解雇の理由にはできません。通常、会社は休職を勧めるのが一般的です。

傷病手当が支給されるため、休職中も生活に困らないでしょう。

会社の業績が分かる資料

整理解雇の際には、会社の業績に関する資料が重要な証拠となります。整理解雇は、会社の業績が悪化した場合に従業員をリストラすることです。

言い換えれば、整理解雇は会社の経営を守るために行われる措置であり、会社の業績が良好であるにも関わらず行ってはなりません。

整理解雇が適切かどうか判断するには、損益計算書や貸借対照表、キャッシュフロー計算書などを確認しましょう。

上場企業であれば、会社のホームページや会社四季報に掲載されています。非上場企業であっても、『会社四季報・未上場会社版』で業績を確認できる場合があります。

不当解雇を受けたときになぜ証拠が必要か?

従業員を解雇する際には、通常30日前に予告するか、30日分の解雇予告手当を支払う必要があります。

しかし、解雇が不当であると主張する場合には、証拠が重要になります。

会社と従業員がルールを共有していても、不当解雇の疑いがある場合があります。そのような場合、お互いの主張を正しく伝えるために、裁判で争うようになります。

裁判で争わなくても、お互いが納得するには証拠は必要ですよね。

証拠があれば自分の主張を裏付けられるため、不当解雇への対処が円滑に進むことが期待されます。だからこそ、不当解雇を受けたときに証拠が必要となるわけです。

不当解雇の証拠を集めるには?

不当解雇の証拠を集めるには、いくつかポイントがあります。下記を押さえておくだけで、より重要な証拠を収集できる可能性が高まります。

  • 常に録音機を携帯しておく
  • スクショのコマンドを確認する
  • 会社とのやり取りを詳細にメモする
  • 会社に資料開示を求める

各項目は以下の通りです。

常に録音機を携帯しておく

不当解雇の証拠はいつ収集できるか分からないため、常に服装やカバンにレコーダーやスマートフォン(録音機能付き)を持ち歩くことが望ましいです。

先ほど述べた通り、録音機を忍ばせておいた状態で雑音が入ることなく録音できるかは確認しましょう。

最近ではペン型ボイスレコーダーという製品もあります。より自然に贈音ボタンを押下できるため、レコーディングしやすくなります。

スクショのコマンドを確認する

パソコンやスマホでもすぐに画面のスクリーンショット(略してスクショ)ができるように操作方法を覚えておきましょう。

パソコンとスマホ別に操作方法を以下にまとめました。

〇Windows の場合

・[Print Screen] キーを押下⇒画面全体をスクショ

・[Alt] キーを押しながら [Print Screen] キーを押下⇒指定箇所をスクショ

・[Windows ロゴ] キー + [Shift]キー +[S]キーを押下⇒全体、指定箇所を選んでスクショ

〇Macの場合

・ [Shift]キー +[Command]キー+[3]キーを押下⇒画面全体をスクショ

・ [Shift]キー +[Command]キー+[4]キーを押下⇒指定箇所をスクショ

・ [Shift]キー +[Command]キー+[4]キー+[Space]キーを押下⇒指定ウィンドウをスクショ

〇Andoroidの場合

・電源キーと音量ダウンキーを同時に長押し押下

〇iPhoneの場合

・スリープ/スリープ解除ボタンと音量上ボタンを同時に押下

・ホームボタンとスリープ/スリープ解除ボタンを同時に押下

機種によってスクショの操作方法が異なるため、今利用しているパソコンやスマホを確認してください。もっと簡単にスクショできる機種もあります。

会社とのやり取りを詳細にメモする

不当解雇に関連する証拠となる情報は、詳細にメモしておきましょう。録音機を持ち歩いていても、すべての会話を録音することは難しいからです。

メモを取る際には、日時、発言者、内容を最低限記録しておくことが重要です。

メモであっても、記録されている情報量が多ければ、証拠能力があると判断されやすくなります。

会社に資料開示を求める

以下のような資料は会社に開示請求をしましょう。

  • 解雇理由証明書
  • 雇用契約書
  • 給与明細
  • 就業規則
  • 賃金規定

社内のポータルサイトで上記がアップロードされているケースがあるので、一度確認してみてください。

不当解雇の証拠を集めるときの注意点

不当解雇の証拠を集めるときは、以下の注意点に気をつける必要があります。

  • ブラックな方法で集めると証拠能力がない
  • 会社側も不当解雇の証拠を集めている

それぞれ確認しましょう。

ブラックな方法で集めると証拠能力がない

1つ目の注意点は、ブラックな方法で集めないことです。具体的には、社内で持ち出し禁止のデータを盗んだり、気密性の高い会議の内容を盗聴したりすることです。

違法な方法で集めた証拠は、裁判で認められない場合があります。社会的に許容される範囲で証拠を収集しましょう。判断に迷ったら、専門家に相談してください。

会社側も不当解雇の証拠を集めている

2つ目の注意点は、会社側も同じように証拠を集めていることです。会社側は従業員の解雇が適正であることを証明する必要があり、そのために証拠提出が求められます。

あなたが不当解雇の証拠を集める一方で、会社側も証拠収集に取り組んでいることを認識し、注意して行動しましょう。

始末書や反省文などの書類は、内容によってはあなたにとって不利な証拠となる可能性があるため、注意が必要です。

不当解雇の相談先は第三者機関がおすすめ

不当解雇について相談するなら、専門知識がある第三者機関を利用するのがおすすめです。

主に以下の4つの選択肢の中から選ぶのが一般的です。

相談先

特徴

労働基準監督署(労基署)

・全国各地にあり無料で相談できる

・労働基準法の違反があれば動いてもらえるが、不当解雇の判断はできない

弁護士

・適切なアドバイスをもらえやすい

・代理で会社と交渉してくれる

・コストが高い

法テラス

・経済的な余裕がない方に限定される

・無料相談は3回まで対応している

・コストが安く立て替えや分割もできる

労働組合

・会社と対等な立場で意見を言える

・従業員同士で結束できる

・組合費がかかる

各機関の特徴に応じて、相談先を選んでみてください。しかし、どれを選んだらいいか正直判断できない方もいるかもしれません。

そのようなときは、労働組合「ユニオン」がおすすめです。労働組合でありながら組合費などは一切かかりません。LINEで無料相談を実施しているため、気軽に相談できます。

完全成果報酬のため、会社に勝利するまで費用がかかることはありません。ユニオンの詳細は以下の記事を参考にしてください。

>>不当解雇を相談するなら労働組合(ユニオン)がおすすめの理由

不当解雇の証拠についてよくある質問

最後に、不当解雇の証拠についてよくある質問をまとめました。

不当解雇とはどのようなケースを指しますか?

不当解雇とは、労働者に対して合理的な理由や手続きがないまま解雇が行われた場合を指します。

これには、懲戒解雇、業績不振による解雇、リストラなどさまざまな形態がありますが、いずれも法的根拠が不十分であるために、不当解雇とされます。

あわせて、下記の記事も参考にしてください。

>>不当解雇の判断基準・和解金請求を成功させるには?

不当解雇の証拠はバイトでも集めた方がいいですか?

不当解雇は正社員だけでなく、契約社員やバイトも保護する対象です。バイトだからといって遠慮する必要はありません。

不当解雇が疑われる場合どれくらいの期間で証拠を集めるべきですか?

不当解雇が疑われる場合、できるだけ早く証拠を集めることが重要です。証拠が消失したり、証拠能力が低下する可能性があるためです。

また、不当解雇に対する労働審判請求には、解雇通知を受けてから2か月以内、もしくは解雇の事実を知った日から14日以内に行う必要があるため、その期間を考慮しながら証拠を収集してください。

まとめ:不当解雇は早めに第三者機関に相談しましょう

不当解雇に対処するためには、証拠収集が欠かせません。下記の証拠を集めることが解決への糸口となるため、自分の状況に合わせて適切なものを見つけてください。

  • 解雇を受けたときの音声やメール
  • 解雇理由証明書
  • 人事評価資料
  • ハラスメントの証拠
  • 同僚や上司からの証言
  • 就業規則
  • 勤怠記録
  • 業務日報
  • 医療証明書
  • 会社の業績が分かる資料

不当解雇が疑われる場合、早めに専門的な第三者機関に相談しましょう。専門家のアドバイスを受けることで、適切な証拠の収集や手続きを進められるからです。

第三者機関としておすすめなのが、労働組合「ねこの手ユニオン」です。完全成果報酬を採用しているため、安心して相談できます。

LINEやメールフォームから随時、無料相談を受け付けています。

会社よりも弱い立場にある労働者の強い味方になってくれます!不当解雇などの労働問題で悩んでいる方は、ぜひ相談してみてください。

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この記事を書いた人

大学卒業後、就職した会社で同僚が解雇に遭う現場を目の当たりにしました。この処遇が正しいのかと疑問に感じ労働基準監督署にも実際に足を運び相談もしながら同僚を援助しました。
その後も労働問題について勉強をし同じような境遇の方を一人でも救いたいと思い情報を発信してます!

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