「明日から来なくていい」と言われたら不当解雇?チェックポイントや対処法を解説

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「明日から来なくていい」と言われたら不当解雇?チェックポイントや対処法を解説

会社で働いていると、使えない・結果を出せていないという理由で「明日から来なくていい」と言われる場合があります。

 

このようなことを言われると気持ちが落ち込んでしまいますよね。とはいえ、このような横暴は法律として許されるのでしょうか。

 

結論から言うと、明日から会社に来なくていいと発言して従業員を退職させるのは不当解雇です。空気を察して自ら会社を辞める必要はありません。

 

本記事では「明日から来なくていい」と言われたときのチェックポイントや対処法を詳しく解説していきます。

知識を習得して、会社や上司に正しい対処法を行えるようにしましょう。労働組合「ねこの手ユニオン」では、労働関連のトラブルについて無料で相談できます。LINEやメールから24時間いつでも問い合わせ可能です。

「明日から来なくていい」は基本的に不当解雇!

改めて見ると「明日から来なくていい」はキツイ言葉ですね。一緒に働くメンバーに尊敬や感謝の気持ちが何も感じられません。

「お前、使えないからクビ! 明日から会社に来なくていいよ」と言っているようです。心が傷ついてしまう方も多いはず。

仕事ができてもそのような発言をする方の気持ちは理解しかねますが、会社によってそれが許される雰囲気があるのも事実です。

個人的には断じて許しがたいと思うものの、法律の観点から言うとどのように判断されるのでしょうか。

法律的にはどのように解釈される?


「明日から来なくていい」は基本的に不当解雇と法律上で判断されます。その理由は、労働基準法20条1項で以下のように記載されているからです。

〇労働基準法20条1項

(解雇の予告)

使用者は、労働者を解雇しようとする場合においては、少なくとも三十日前にその予告をしなければならない。三十日前に予告をしない使用者は、三十日分以上の平均賃金を支払わなければならない。但し、天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となつた場合又は労働者の責に帰すべき事由に基いて解雇する場合においては、この限りでない。

引用:https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=322AC0000000049

ざっくり言うと、会社の事業が継続できない理由でない限り、従業員を解雇するには30日以上前に伝えるか、30日分以上の給料を支払うかする必要がある、ということです。

そのため、突然明日からクビにはできません。地震などで会社がつぶれた・倒産してしまった場合には有効ですが、そのような一大事に「明日から来なくていい」とは言われないはずです。

まっとうな経営者であれば、会社が事業を継続できなくなった、申し訳ないと従業員に伝えるにちがいありません。そうでなければ、会社の倒産を隠してしまうクソ経営者だと言えますね。

過去の事例や判例は?


2019年3月に津地裁伊勢支部が下した判例が興味深いです。内容はまとめると次のようになります。

・三重県伊勢市のテーマパークで働いていた女性従業員2名が解雇

・運営会社の人事部長から「明日から出勤しなくていい」と選択

・不当解雇だと運営会社を訴えることに

・判決の結果は、上記の発言はクビを言い渡す内容と認められず

・退職の合意も成立しないため、出勤していない期間の給料を全額支払うようにと判例

Twitterでも取り上げられて、衝撃を受ける方が多くいました。自宅待機を命じられて出勤してなかった状況と同一です。

別の判例になりますが、2ちゃんねるを創設された「ひろゆきさん」も「明日から来なくていい」はとても美味しい言葉だと言っています。それにしても1年半分の給料払いが裁判で認められるのはすごいですね。

事例や判例を見ていくと「明日から来なくていい」という言葉は会社にとって危険だと分かります。このような情報が発信されることで、モラルのない事象が少しでもなくなればいいのにと思うばかりです。

 

「明日から来なくていい」と言われたときのチェックポイント

あなたが実際に「明日から来なくていい」と言われたときに、以下の点を確認しましょう。

・人事上の権限がある人物の発言か確認する

・発言の意図を確認する

・発言の証拠を残す

・不当解雇である旨を伝え撤回を求める

・解雇予告手当を請求する

順番にお伝えします。

人事上の権限がある人物の発言か確認する


「明日から来なくていい」と発言した人物は確認する必要があります。

人事の権限があるかどうかで対処法が変わるからです。解雇や退職勧誘は、人事権がないとできません。たとえば、社長や人事部のトップから「会社に来るな」と言われたら解雇の意味になるでしょう。

当然ながら、人事権があっても30日以上前に解雇を伝えるか、30日分以上の給料を支払うといったルールは守る必要があります。

一方で、人事権のない人物が調子に乗って発言している場合もあります。そのようなときは、嫌がらせ・パワハラに該当するため、上司の上司や人事部に相談してください。

発言の意図を確認する


特に重要なのが「明日から来なくていい」の意図を確認することです。主に以下のいずれかで伝えている場合があります。

・解雇の意図

・業務指導の意図

・退職勧奨・退職強要の意図

・自宅待機命令の意図

・パワハラの意図

それぞれの意図の場合における対処法は後述しますが、直接「どういうことですか? クビってことですか?」と聞くだけです。

このときに最もやってはいけないのは「クビにされてしまった。明日から仕事がないんだ」と勝手に判断すること。上記の言葉は上司に投げかけるだけで問題ありません。その返事の内容に応じて次に取るべき手段が変わってきます。

発言の証拠を残す


後から「明日から来なくていい」と発言していないと言われないためにも、証拠はしっかりと残したほうがいいでしょう。

録音ができるのが理想ですが、メモでも十分に証拠能力があると判断されます。「いつ・どこで・誰」に言われたのか、前後のやり取りを含めて書いておきましょう。できれば、公正証書を作成しておくと主張が認められます。

公正証書とは、ある人が法的に意味のある行為をした事実を示す文章のことです。公証役場という公的機関で法律のプロである公証人が作成します。

各都道府県にあるので、お近くの公証役場を探してください。

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不当解雇である旨を伝え撤回を求める


発言の意図が解雇であれば、会社側に不当解雇である旨を伝える必要があります。自主退職に追い込むために、悪意を持って発言しているケースがあるからです。

会社を退職するつもりはないと意思表示を行い、発言の撤回を求めましょう。

会社が解雇通知を渡してきても、従業員側に問題がなければ解雇は無効と判断されます。

仮に大きな問題を起こしていれば、それを理由に解雇の手続きを踏んでいるはず。会社側にそのような動きがなければ、正当な解雇理由はないでしょう。

また、「明日から来なくていい」という発言はパラハラだと判断される場合があります。精神的苦痛を受けたという理由で、不法行為による損害賠償で慰謝料請求ができるのです。

〇民法709条

故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。

引用:https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=129AC0000000089

「明日から来なくていい」と言ってしまうのは、明らかに故意の過失です。社員や部下に心無い言葉を言っていいわけがありません。

職場によっては不当解雇やパワハラと判断される言葉が飛び交っているのではないでしょうか。自分の会社のモラルを客観的に判断してください。

解雇予告手当を請求する


残念なことに「明日から来なくていい」と言われたときに解雇が認められる場合があります。

たとえば、いくら教育しても従業員側に改善の余地がないときです。会社はすぐに従業員をクビにできないため、ある程度の努力が求められます。解雇に対して客観的な合理性が認められれば、問題になりません。

その点については、以下の記事で詳しく解説しているので、参考にしてください。

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しかし、そのようなときも、30日前に予告するか不足する日数分の解雇予告手当を支払う必要があります。

解雇予告手当の計算方法は以下の通りです。

「直前3か月に支払われた賃金総額÷3か月の総日数」×「解雇日までの期間が、30日に足りなかった日数」

(例)解雇日の15日前にクビに宣告された場合

・直前3か月に支払われた賃金総額:90万円(30万円×3か月)

・3か月の総日数:90日

「90万円÷90日×15日=150,000円」

解雇日の15日前にクビにされたら15万円の解雇予告手当がもらえます。仮に即日解雇されてしまうと上記のケースだと30万円もらえるわけです。

 

【意図別対処法】「明日から来なくていい」と言われたときは?

ここからは「明日から来なくていい」と言われたときの対処法をまとめていきます。以下の意図別に行動していきましょう。

・解雇の意図

・業務指導の意図

・退職勧奨・退職強要の意図

・自宅待機命令の意図

・パワハラの意図

明確な回答がもらえない場合や複数の意図が混在する場合がありますが、基本的には第三者機関に相談しながら次のアクションを決めていくのがおすすめです。

ひとつずつ見ていきましょう。

解雇の意図


繰り返しお伝えした通り、普通解雇するには下記の条件のいずれかを満たさなければなりません。

・遅くても30日前に解雇を予告する

・30日分以上の平均賃金を支払う

この条件を満たしていなければ、不当解雇となるため会社と争えます。上記の条件を満たしていても、解雇に客観的な合理性や社会通念上相当である必要があると言えない場合も多いです。

そのようなときは、外部機関に相談して、不当解雇に該当するか判断してもらうのがおすすめです。会社に解雇通知書や解雇理由証明書を請求して、クビだと言われたときの証拠集めをしましょう。

業務指導の意図


部下に喝を入れるために「明日から来なくていい」と言ってるケースがあります。「どのような意図ですか?」と聞いたときに「○○が仕事に対して危機感を持てていない」と思ったからと回答するでしょう。

それに対してあなたがどのように感じるかによります。自分が悪かったと反省できれば、仕事への取り組み方が変わってくるかもしません。

しかし、上司との関係性が良くないとプラスに取れない場合があります。そのようなときは人事部に部署移動を相談してください。

退職勧奨・退職強要の意図


会社は原則として「仕事ができない」「勤務態度がよくない」といった理由でクビにできないため、従う必要はありません。

間違っても「分かりました」と返事をしないでください。納得できない旨はしっかりと伝えて、翌日以降も出勤しましょう。退職勧奨に合意したと判断されるため、自己都合退職に扱われてしまいます。

自宅待機命令の意図


先ほど紹介した事例・判例の通り、自宅待機命令であれば給料はしっかりともらえます。「自宅待機命令という理解でよろしいでしょうか?」と確認してYESだと捉えられる反応であれば、出勤せずに自宅で過ごしましょう。

上司とのやり取りしたときの状況や言葉はしっかり言語化しておくのがおすすめです。そのうえで、ねこの手ユニオンなどの第三者機関に相談しましょう。

パワハラの意図


人事権のない人物から「明日から来なくていい」と言われた場合、法的拘束力はありません。そのため、その指示に従う必要はないのです。

パワハラとなるため、精神的苦痛を受けたという理由で、不法行為による損害賠償で慰謝料請求をしてもいいかもしれません。

 

明日から来なくていいと言われたら労働組合「ねこの手ユニオン」に相談

不当解雇でクビになったときにいくつか相談先はありますが、なかでも「ねこの手ユニオン」という労働組合(ユニオン)がおすすめです。

・企業は労働組合からの交渉を断れない

・相談から裁判まで一括して代行してくれる

・アルバイトやパート・契約社員・派遣でも相談できる

・24時間いつでも受付している

・着手金無料で完全成果報酬だから安心できる

上記5点の理由をそれぞれお伝えしていきます。

企業は労働組合からの交渉を断れない


労働組合からの団体交渉は労働組合法で保障されているため、企業は断れません。従業員一人ひとりの立場は弱くても、労働組合には団結して会社と交渉できる権利があります。

企業はこの団体交渉を正当な理由なしで無視すると、50万円以下の過料に処されてしまうほど強い力なのです。

そのため、労働組合「ねこの手ユニオン」に相談すれば、対等な立場で会社と話し合いができるようになります。

相談から裁判まで一括して代行してくれる


ねこの手ユニオンには、弁護士、社会保険労務士、行政書士といった法律のきちんとした専門家が運営に携わっています。各分野のエキスパートが相談から各種手続きまでしっかり対応してくれるため、安心できますね。

アルバイトやパート・契約社員・派遣でも相談できる


労働基準法は正社員だけでなく、アルバイトや契約社員、派遣社員も対象とした法律です。就労期間や雇用形態、会社での役職有無などは一切関係ないので、まずは相談するところから始めてみてください。

24時間いつでも受付している


ねこの手ユニオンは、LINEやメールから24時間いつでも問い合わせできます。スマホやパソコンから気軽に相談できます。

着手金無料で完全成果報酬だから安心できる


ねこの手ユニオンは完全成果報酬を採用していて、着手金・相談料・組合加入費・組合費などは一切不要です。無事に解決できたときに解決金の3割を支払う仕組みです。

結果が出なかったときに支払いは発生しないため、安心できます。

 

まとめ

会社に「明日から来なくていい」と言われた場合、いくつか注意点はあるものの、不当解雇に該当すると判断して問題ありません。まずは発言の意図を確認しつつ、対処していく必要があります。自宅待機命令であれば、明日から会社に出勤せずに給料はもらえるようになるため、おいしいかもしれませんね。

 

しかし、上司への意図確認や証拠集めは正直自分ひとりではできないと思っている方が多いのではないでしょうか。

 

そんな困ったときは労働組合「ねこの手ユニオン」に気軽に相談してください。

 

不当解雇を受けたときの相談だけでなく、証拠つくりについてもアドバイスしています。

LINEを使って無料で相談できるので、まずは気軽にご連絡ください!

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この記事を書いた人

大学卒業後、就職した会社で同僚が解雇に遭う現場を目の当たりにしました。この処遇が正しいのかと疑問に感じ労働基準監督署にも実際に足を運び相談もしながら同僚を援助しました。
その後も労働問題について勉強をし同じような境遇の方を一人でも救いたいと思い情報を発信してます!

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