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給料の未払いを労基署に相談する方法・流れは?ちゃんと支払ってもらえるの?
給料未払いが発生してしまうと、家賃や光熱費などの毎月の支払いが支払えず困ってしまうことでしょう。
実際、ねこの手ユニオンにも給料の未払いでお悩みの方からの相談や憤りの声が多数寄せられています。
あなたの貴重な時間を費やした労働に対する対価である給料の未払いが許せないのは当然です。
では、給料の未払いはどのように解決すれば良いのでしょうか?
実は給料の未払いを請求する方法はいくつかあります。
弁護士に依頼して未払いの給料を請求する方法もその一つです。
しかし、弁護士に給料未払い問題の解決を依頼する方法は請求金額によっては逆ザヤになってしまったり、少ししか手元に残らないといった可能性もあるため、真っ先に選択する方は少ないでしょう。
まずは労働基準監督署への相談を考えられる方が最も多いです。
とはいえ、労働基準監督署に相談を検討している方の中には、「労基署への相談の仕方や流れがわからず、ちゃんと解決ができるのかどうか」などでお悩みの方もいます。
そこで本記事では労働基準監督署とはどのような機関なのか、労働基準監督署への相談の仕方や流れ、労働基準監督署に相談するメリット・デメリット、労働基準監督署以外の相談先などについて解説するので参考にしてみてください。
労働基準法・労働基準監督署とは
給料の未払いで労働基準監督署に相談しようと考えているなら、まずは労働基準法と労働基準監督署について理解しておく必要があります。
労働基準法を理解していないと、自身の状況が違法なのかを判断できないためです。
また、労働基準監督署がどのような機関なのかを理解しておかないと、「給料の未払いに対応してくれるのか」がわからず相談するのをためらってしまう方もいるでしょう。
そこで、ここでは労働基準法の基礎知識や労働基準監督署とはどのような機関なのかについてわかりやすく解説します。
給料の未払いで労働基準監督署に相談しようと考えている方は、内容をよく確認してください。
労働基準法とは
労働基準法とは、全労働者の適切な雇用を守るための法律です。
日本国憲法第27条第2項に基づいて制定されました。
なお、労働基準法には主に以下の項目が定められています。
- 労働契約
- 賃金
- 勤務時間と休暇
- 安全衛生
- 年少者や妊産婦の扱い
- 技能者養成
- 災害補償
- 就業規則
- 寄宿舎
- 監督機関
ここでは、上記の項目の中でも残業や給料の未払いに関係する内容を抜粋して解説します。
賃金
労働基準法で賃金は、「毎月1回以上、一定の期日を定めて支払わなければならない」と規定されています。
そのため、雇用者からの給料の未払いは労働基準法違反です。
また、「賃金は通貨で直接労働者に、その全額を支払わなければならない」とも規定されており、「円」による支払いが原則になります。
なお、賃金の未払いは労働基準法第120条1号の規定により、「30万円以下の罰金」が定められています。
勤務時間
労働基準法において労働時間は、「1週間40時間・1日8時間」と定められています。
この労働時間のことを「法定労働時間」と言い、仮に法定労働時間を超過して勤務する場合には、労働者と経営者が「36協定」を結ばなければなりません。
しかし、36協定を結んでいるからといって無制限に長時間勤務ができるわけではないので注意が必要です。
時間外労働にも上限が設けられており、「月45時間・年360時間」が上限とされています。
ただし、繁忙期など特別な事情がある場合のみ、特別条項を制定することで上限を超える勤務が可能です。
とはいえ、特別条項付き36協定を結んだとしても、以下の条件を超える勤務は違反になります。
- 残業時間が月100時間未満、年720時間以内であること
- 月45時間を超える残業は年に6回までであること
- 2〜6ヶ月のいずれの平均残業時間が80時間以内であること
このように、労働基準法では残業時間が明確に定められており、違反すると経営者が「30万円以下の罰金または半年以下の懲役」に処されます。
休日
労働基準法には、「労働者に毎週1回または4週間に4回以上の休日を与える必要がある」という法定休日が規定されています。
法定休日に休日労働をさせる予定のある経営者は、労働者と「36協定」を事前に締結させ、行政官庁に届け出なければいけません。
36協定の届出ができていない状態で労働者に対して経営者が法定外残業や休日労働を命じることはできないことを覚えておきましょう。
時間外・休日・深夜の割増賃金
経営者は労働者に対して「法定時間外労働・法定休日労働・深夜労働」を命じた場合は、割増賃金を支払わなければなりません。
ちなみに、「法定時間外労働・法定休日労働・深夜労働」によって割増賃金率は異なります。
それぞれの割増賃金率は以下のとおりです。
- 法定時間外労働:基礎賃金の「0.25倍」
- 法定休日労働:基礎賃金の「0.35倍」
- 深夜労働:基礎賃金の「0.25倍」
「法定時間外労働・法定休日労働・深夜労働」をした場合は、上記の割増賃金率で賃金を計算するようにしましょう。
労働基準監督署とは
労働基準監督署は「労基や労基署」とも呼ばれており、国や地方公共団体の事務を分掌するために地方に置かれている厚生労働省の「出先機関」です。
主に労働基準法などの労働者を保護する法令に関する事務を取り扱っており、管轄内の企業が労働関係法令を守って運用しているのか監督しています。
また、労働者が企業から労働基準法違反などの不当な扱いを受けた際は、労働基準監督署に申告することで何らかの対処を行ってくれる機関でもあります。
主な業務内容
労働基準監督署の主な業務内容は以下のとおりです。
- 勤務先の労働基準法違反や労働法令に関する相談など労働者からの相談受付
- 労働基準法に違反している疑いのある企業の臨検監督
- 労働基準法に違反している企業に対する行政指導
- 工場などの事業場の安全性や衛生の調査や確認などの労働者の「安全・衛生」に関する業務
- 労災保険の請求や給付に関する業務
上記の業務を行なっているので、労働基準監督署に相談を考えている方は参考にしてみてください。
対応できるトラブル
労働基準監督署は前述したように労働関係法令を守って運用しているのかを監督する機関です。
そのため、労働基準法に違反している場合は労働基準監督署に相談すると積極的に動いてくれます。
労働基準法に違反している労働トラブルは、以下のようなケースが多いです。
- 給料の未払い
- 残業代の未払い
- 36協定を締結せずに長時間労働を強いられている
- 性別や国籍など差別的な解雇が実施された
- 給料が現物支給されている
- 有給休暇が取得できない
- 退職したいのに強制労働させられている
上記のようなトラブルの場合は、労働基準監督署がサポートしてくれて解決につながる可能性があります。
一方で、以下のようなケースは労働基準法違反に該当しないため、労働基準監督署に相談しても対応が期待できない労働トラブルです。
- セクハラ
- パワハラ
- リストラ
- 懲戒処分
上記のトラブルは労働基準監督署に相談はできますが、対応をしてくれず解決できない可能性が高いです。
労働基準監督署への相談の仕方
労働基準監督署に相談をする方法には以下の3つの方法があります。
- 直接訪問して相談する
- 電話で相談する
- メール窓口を利用して情報提供する
それぞれの相談方法の特徴について解説するので、給料未払いで労働基準監督署の利用を検討している方は参考にしてみてください。
訪問して相談する
労働基準監督を訪問して相談する方法は、窓口で証拠書類を提示しながら相談できるメリットがあります。
直接、労働基準監督署の方と話ができるので、状況や深刻度なども伝わりやすく労働基準監督署に具体的な対応をとってもらいたい方におすすめの方法です。
ただし、労働基準監督署の窓口の受付は「平日の8時30分〜17時15分」であるため、平日に仕事をしている方は有給休暇をとるなどして仕事を休む必要があります。
また、勤務先の所在地ごとに管轄する労働基準監督署が異なるため、管轄する労働基準監督署を訪問しなければなりません。
なお、地域の労基署の所在地や連絡先が知りたい方は下記のリンクから確認することが可能です。
≪全国労働基準監督署の所在案内≫
電話で相談する
労働基準監督署の直通電話や全国の労働基準監督署に設置されている「総合労働相談コーナー」に電話をかけて相談することもできます。
総合労働相談コーナーは職場トラブルに関する相談に対応しており、労働基準監督署が動きにくい「パワハラ・セクハラ」なども含めたあらゆる分野の労働問題の相談をすることが可能です。
給料未払いの場合は労働基準法違反に該当するため、内容を確認した後に労働基準監督署等の行政指導等の権限を持つ担当部署に取りついてもらえます。
直接労働基準監督署に行く時間が取れない方や、労働基準監督署を訪問するのは緊張するという方は電話で相談してみましょう。
ちなみに、労働条件に関する問題や悩みなどに特化した「労働条件相談ほっとライン」が厚生労働省によって設置されています。
「労働条件相談ほっとライン」で相談できる代表的な内容は以下のとおりです。
- 違法な時間外労働1
- 過重労働による健康障害
- 項賃金不払残業
上記のように、労働基準関係法令に関する問題について専門知識を有する相談員が法令や過去の裁判例をふまえて今後の対応を教えてくれます。
さらに、関係機関の紹介も行なってくれるので、気軽に相談したい方に向いている相談先です。
ただし、「労働条件相談ほっとライン」は、労働基準監督署と違って企業に対する指導ができないため、あくまでもできるのは相談に限られていることを理解しておきましょう。
なお、「労働条件相談ほっとライン」の電話番号や相談時間は以下になります。
- 電話番号:フリーダイヤル「0120-811-610」
- 開設時間:月〜金:17時〜22時、土日祝:9時〜21時
労働基準監督署や総合労働相談コーナーと違って、労働者が相談しやすい時間が設定されています。
メール窓口を利用して情報提供する
「労働基準関係情報メール窓口」という厚生労働省が設置している窓口を利用して企業が労働基準法に違反していることを情報提供することも可能です。
24時間受付をしているため、忙しくて時間がとれない方に向いている方法になります。
ただし、あくまでも情報提供のためのメールであり、相談ではありません。
実際、メールフォームにも「受け付けた情報に関する照会や相談についてはお答えしかねます」との記載があります。
そのため、情報提供によって立ち入り調査が入る可能性はありますが、メールフォームの場合は具体的な対応を提示してもらうことはできません。
このような理由からメール窓口を利用する方法はおすすめできません。
とはいえ、一応「労働基準関係情報メール窓口」を下記に記載しておきます。
≪「労働基準関係情報メール窓口」送信フォーム≫
給料の未払いを労働基準監督署に相談する場合の流れ
労働基準監督署に給料の未払いを相談した場合の主な流れは以下のとおりです。
- 未払いの給料問題を労働基準監督署に相談する
- 未払いの給料や残業代などを計算する
- 給料未払いの証拠を集める
- 会社と給料未払い問題について話し合いを行う
- 再度相談する
- 弁護士や労働組合(ユニオン)に相談する
上記の流れについて詳しく説明するので、内容をよく理解するようにしてください。
未払いの給料問題を労働基準監督書に相談する
給料や残業代などの未払いが発生した段階で「労働基準監督署」に相談します。
相談することで、今後の対応や証拠など準備すべきことなどについてのアドバイスをもらうことが可能です。
ただし、証拠などが揃っていないと労働基準監督署は動いてくれないため、相談しただけで指導などが入るわけではないことを理解しておきましょう。
未払いの給料や残業代などを計算する
未払いの給料や残業代がいくらあるのかを計算しましょう。
そもそも具体的な請求金額がわからないと請求することはできません。
ちなみに、仮に間違って少ない金額を請求してしまって、解決してしまうとその後本来の金額よりも少ないということがわかっても再度請求することはできないため、間違いがないように計算することが重要です。
そのため、ここでは未払いの給料を正確に計算するために、「固定給のみのケース・固定残業代制が採用されているケース」の残業代の計算方法について解説します。
固定給のみのケースの計算方法
給料が固定給のみのケースでは、以下の方法で残業代を計算します。
基本給+各種手当(1ヶ月)÷所定労働時間(1ヶ月)=基礎賃金
基礎賃金×(1+0.25(割増賃金率))×法定時間外残業時間(1ヶ月)=時間外手当
基礎賃金×(1+0.35(割増賃金率))×法定休日労働時間(1ヶ月)=休日手当
基礎賃金×(0.25(割増賃金率))×深夜労働時間(1ヶ月)=深夜手当
各項目については、以下の表で解説しているので確認してください。
名称 | 内容 |
---|---|
基礎賃金 | 基本給に各種手当(家族手当・通勤手当・別居手当等の手当と1か月を超える期間ごとに支払われる賃金を除く)を加えた1時間あたりの賃金額のこと |
所定労働時間 | 労働者が働くこととなっている時間のこと。例えば、始業時間が9時、就業時間17時30分、休憩時間が1時間の場合は、「7時30分」が所定労働時間になる |
割増賃金率 | 会社が労働者に対して時間外労働や休日労働、深夜労働をさせた際に通常の賃金よりも割り増した賃金を支払う必要があり、その際の割増率のこと。 法定時間外労働は「1.25倍」 法定休日労働は「1.35倍」 深夜労働は「0.25倍」 |
残業時間 | 法定時間外や法定休日に働いた時間 |
では、実際に以下の2つのパターンで残業代を計算してみましょう。
①法定時間外残業だけ行ったケース
【前提条件】
法定時間外残業時間:60時間(1ヶ月)
所定労働時間:160時間(1ヶ月)
月給(基本給+各種手当):30万円
割増賃金率(法定時間外残業時):25%
※1円以下四捨五入
30万円(月給)÷160時間(所定労働時間)=1,875円(基礎賃金)
1,875円(基礎賃金)×(1+0.25(割増賃金率))×60時間(法定時間外残業時)=14万625円(残業代)
上記の場合は、1ヶ月に「14万625円」の残業代が発生します。
②時間外労働も行い、法定休日も働いたケース
【前提条件】
法定時間外残業時間:60時間(1ヶ月)
法定休日労働時間:8時間(1ヶ月)
所定労働時間:160時間(1ヶ月)
月給(基本給+各種手当):30万円
割増賃金率:25%(法定時間外残業時)・35%(法定休日労働)
※1円以下四捨五入
30万円(月給)÷160時間(所定労働時間)=1,875円(基礎賃金)
1,875円(基礎賃金)×(1+0.25(割増賃金率))×60時間(法定時間外残業時)=14万625円(時間外手当)
1,875円(基礎賃金)×(1+0.35(割増賃金率))×8時間(法定休日労働時間)=2万250円(休日労働手当)
14万625円(法定時間外残業の残業代)+2万250円(法定休日労働時間の残業代)=16万875円(残業代)
上記の場合は、1ヶ月に16万875円の残業代が発生します。
固定残業代制が採用されているケース
固定残業代制度は「みなし残業」とも呼ばれており、残業時間にかかわらず規定されている一定の残業代を支払う制度です。
では、以下の条件でシミュレーションをしていきましょう。
【前提条件】
法定時間外残業時間:60時間(1ヶ月)
所定労働時間:160時間(1ヶ月)
月給(基本給+各種手当):35万円
固定残業代:5万円
割増賃金率:25%(法定時間外残業時)
※1円以下四捨五入
(35万円(月給)−5万円(固定残業代))÷160時間(所定労働時間)=1,875円(基礎賃金)
1,875円(基礎賃金)×(1+0.25(割増賃金率))×60時間=14万625円(時間外手当)
14万625円(本来の残業代)–5万円(固定残業代)=9万625円(固定残業時間を超えた際に受け取れる残業代)
上記のシミュレーションでは、固定残業代の「5万円」に加えて「9万625円」を残業代として受け取ることができます。
給料未払いの証拠を集める
労働基準監督署は給料未払いの証拠がなければ動いてくれません。
そのため、労働基準監督署に納得してもらえる証拠を集める必要があります。
具体的には以下のような証拠です。
- 雇用契約書
- 就業規則
- PC使用時間等の客観的な記録
- タイムカード
- 業務指示書やメール
- 研修資料
- 日報
- 給与明細書
上記の証拠が必要なため、給料未払いが発生したらすぐに集めるようにしてください。
会社と給料未払い問題について話し合いを行う
会社と話し合いができる場合には、話し合いをして状況を確認しましょう。
「なぜ未払いが発生しているのか」や「いつ支払ってもらえるのか」など、譲歩できる情報が出てくる可能性があります。
とはいえ、個人と会社の話し合いは拒否されることも多いため、会社が話し合いに応じない場合には、未払い賃金の支払いを求める書面を内容証明で送付することを検討してください。
ちなみに、内容証明による支払請求を行うことで、請求権の消滅時効を6か月間阻止することが可能です。
再度相談する
証拠が揃っている状態で会社が話し合いにも応じない場合は、再度労働基準監督署に相談しましょう。
相談することで労働基準監督署が会社に対して指導勧告を行なってくれます。
指導勧告が行われることで状況が変わり、解決につながる可能性もあるでしょう。
ただし、労働基準監督署は支払いを強制することはできないため、解決できない可能性があることも理解しておくようにしてください。
弁護士に未払いの給料について相談する
労働基準監督署に相談しても解決できない場合は、弁護士に相談して労働審判や訴訟を行って解決する方法や、労働組合に相談して団体交渉などを行う方法もあります。
時間や費用はかかりますが、弁護士に依頼することで会社側が話し合いに応じてくれる可能性も高くなるなど、解決できる可能性は高いです。
ただし、弁護士に依頼する方法は請求金額によっては逆鞘になる可能性があることを理解しておきましょう。
費用面においては労働組合(ユニオン)に相談したほうが押さえられる可能性は高いです。
給料の未払いを労働基準監督署に相談するメリット・デメリット
給料未払い問題を労働基準監督署に相談するメリットは以下の3つです。
- 相談料が無料である
- 労働基準法に詳しい職員が対応してくれる
- 個人だけでなく会社全体の労務環境が改善される可能性がある
3つのメリットについて詳しく解説します。
相談料が無料である
労働基準監督署は公的機関であるため、弁護士と違って相談料がかかりません。
そのため、費用をかけずに相談できるので、気軽に相談することが可能です。
したがって、給料の未払いが発覚したら、まずは労働基準監督署に相談してみましょう。
労働基準法に詳しい職員が対応してくれる
労働基準監督署は管轄内の企業が労働関係法令を守って運用しているのか監督を行なっている公的機関です。
そのため、働いている職員も労働基準法などに詳しく適切なアドバイスをしてくれます。
ただし、労働基準監督署に相談したことで必ずしも給料の未払い問題を解決できるわけではありません。
解決しないケースもあるので、その時の対処法も考えておきましょう。
個人だけでなく会社全体が働きやすい環境に改善される可能性がある
労働基準監督署は企業が労働基準法に違反していると判断したら、企業に対して改善をするように指導勧告を行います。
指導勧告が行われることで、企業が態度を改めて給料未払いなどの労働基準法違反をしている現況を、会社全体で改善するケースも多いです。
このように、会社全体で労働環境が見直されて、会社で働く労働者にとって働きやすい環境ができるというメリットがあります。
給料未払いを労働基準監督署に相談する4つのデメリット
給料未払い問題を労働基準監督署に相談するデメリットは以下の4つです。
- 証拠がないと対応してもらえない可能性が高い
- 会社に対して命令はできない
- 悪質な事案が優先されるため解決までに時間がかかる可能性がある
- 会社との話し合いは自身で行う必要がある
上記のデメリットについて詳しく解説するので、労働基準監督署の利用を検討している方はメリット・デメリットをよく理解して利用するか判断するようにしてください。
証拠がないと対応してもらえない可能性が高い
労働基準監督署は労働基準法違反したことが明確でない限り、具体的な捜査などの対応をしてくれません。
あくまで管轄内の企業が労働関係法令を守って運用しているのか監督を行う機関であり、基本的に「労働者の味方」ではないためです。
そのため、相談に乗ってくれても証拠がない場合は対応してもらえず、給料の未払いが解決できる可能性は低いと言えます。
したがって、労働基準監督署に相談し問題を解決してもらうためには、証拠を集めて労働基準法に違反していると示すことが重要です。
会社に対して命令はできない
労働基準監督署は給料未払いをしている企業に対して改善をするように指導勧告を行うことはできますが、民事的な命令を下すことはできません。
そのため、「未払いの給料を支払うように」と伝えることはできても強制することはできず、給料が支払われないケースもあります。
とはいえ、指導勧告に背いた場合は悪質な事案として処理して罰則に処す可能性もあるので、給料が支払われないケースはそれほど多くはありません。
ただし、罰則を受けても支払わないと開き直りをされた場合は、労働基準監督署では解決できないので「労働組合」や「弁護士」に相談する必要があります。
悪質な事案が優先されるため解決までに時間がかかる可能性がある
労働基準監督署は労働基準法に違反している企業を調査する権限を持っていますが、人員の問題などで対応力に限りがあるため「悪質な事案」が優先されます。
そのため、給料の未払いの証拠も揃っており労働基準法違反をしているとわかっていても、状況によっては後回しにされて対応してくれるまで時間がかかるケースも多いです。
すぐに解決したいという方は労働基準監督署ではなく「労働組合」や「弁護士」に相談する方法が向いています。
会社との話し合いは自身で行う必要がある
労働基準監督署が行なってくれるのはあくまでも指導勧告であるため、会社との話し合いを仲介してくれるわけではありません。
そのため、会社との話し合いは自身で行う必要があります。
指導勧告がされている場合には会社も問題の解決のために歩み寄ってくれる可能性もありますが、三者の介入のない話し合いは精神的な負担が大きいです。
精神的な負担が気になる方は、「労働組合」や「弁護士」に相談することをおすすめします。
給料未払いの労働基準監督署以外の相談先は?
未払いの給料問題を解決する方法は労働基準監督署以外にも以下の3つの方法があります。
- 自分で会社に対して未払いの給料を請求する
- 弁護士に依頼する
- 労働組合(ユニオン)に依頼する
ここでは、上記の未払いの給料問題を解決する3つ方法を紹介するので、未払いの給料がある場合は参考にしてみてください。。
自分で会社に対して未払いの給料を請求する
自分で会社に対して未払いの給料を請求することで解決を目指す方法です。
他の方法と違って費用がかからないというメリットがありますが、自身で会社と交渉する必要があるため、精神的な負担が大きいという問題があります。
また、会社から給料の支払いを拒否される可能性も高く、解決できないケースもよくあるため、基本的におすすめしていません。
理想的な解決を目指すためにも、よほどの理由がない限りは専門家に依頼するようにしてください。
弁護士に依頼する
弁護士に依頼して未払いの給料を請求することもできます。
労働基準監督署に相談するなどの他の方法よりも費用がかかりますが、会社との交渉や訴訟の手続きなどを代理で行ってくれるのがメリットです。
依頼することで解決にかかる時間的な負担と精神的負担を大きく軽減することができます。
しかも、会社側も専門家である弁護士が出てくることで交渉に応じてくれる可能性が高く、迅速な解決につながるケースも多いです。
ただし、請求額が少額の場合には弁護士への依頼料が請求額よりも上回るケースもあるため、弁護士に依頼する場合には手元にいくら残るのかを計算して依頼するようにしましょう。
労働組合(ユニオン)に依頼する
労働組合(ユニオン)に依頼して未払いの給料を請求し、解決を目指すこともできます。
以下のメリットがあるため、最もおすすめの方法です。
- 弁護士に依頼するよりも費用がかからない
- 未払いの給料問題に関するノウハウや実績を豊富に持っている
- 団体交渉権を有しているため会社側は交渉を拒否できない
- 一緒に解決をしてくれるので心理的な負担が少ない
- 相談が無料のユニオンも多い
ユニオンは少額の費用がかかるものの、労働基準監督署や自分で請求する方法よりも未払いの給料問題を解決できる可能性が高いため、まずはユニオンに相談してみてください。
ただし、ユニオンにはさまざまな組合があり、組合によっては解決できる能力が乏しい組合もあります。
そのため、加入する団体は慎重に選ぶようにしましょう。
ねこの手ユニオンはLINEで無料相談可能
労働基準監督署への相談では解決までの時間のかかり方や強制力の無さが不安だけど、弁護士に相談するほど費用はかけられないなど、相談先に迷われたら「ねこの手ユニオン」へご相談ください。
LINEを利用していつでも無料で相談ができ、組合の加入費や活動費、実際に請求するにあたっての請求書面の作成費や郵送費などの諸経費も一切不要ですから、費用の心配もなくお気軽にご相談いただけます。
ねこの手ユニオンでも100%解決できるわけではありませんが、数多くの労働問題の解決実績があり、解決できなかった場合には諸経費含め費用は一切かかりません。
ただし、無事に解決して解決金が支払われた場合のみ、組合活動維持のための義援金として解決金の3割をいただいておりますのでご承知おきください。
ご相談は相談ボタンや記事下のバナーからできるので、未払い賃金や労働問題でお悩みの方はまずは一度ご相談ください。
まとめ
給料の未払い問題を労働基準監督署に相談することで会社に指導勧告が入り、給料の未払い問題を解決できる可能性があります。
しかし、労働基準監督署は証拠がないと動いてくれないことや、給料の未払いを支払うように命じる権限を有していないため、必ずしも解決につながるわけではありません。
そのため、給料の未払い問題を解決するためには、適切な相談先に相談して未払いの給料を請求することが重要です。
そこで、本記事では、労働基準監督署に給料未払い問題を相談するメリットデメリットや相談の流れ、労働基準監督署以外の相談先について解説してきました。
未払いの残業について悩んでいる方は本記事を参考にしてみてください。
なお、相談先に悩まれている方は、ねこの手ユニオンまでお気軽にご相談ください。
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