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不当労働行為救済制度とは?申請方法や手続きの流れを解説
「労働環境の改善を交渉しても聞いてもらえない」
「労働組合の加入を巡って使用者と険悪になった」
あなたが直面しているその状況、不当労働行為にあたる可能性があります。
不当労働行為とは、事業者が労働者に対し、労働組合で活動する権利を阻害する行為のこと。
そんな不当労働行為に対しての救済命令というものが存在し、これを用いることで法の力をもって、事業者の対応改善を促せます。
今回は、どういったものが不当労働行為と判断されるのか、不当労働行為救済制度の内容や申請方法、手続きの方法などを解説していきます。
不当労働行為とは?
憲法では、使用者と労働者を対等な立場に保つため、以下の3つの権利が保障されています。
- 労働者が団結する権利
- 労働者が団体交渉を行う権利
- 労働者が団体行動を行う権利
これらを「労働三権」といい、この権利を阻害する行為を「不当労働行為」といいます。
要するに、労働者が労働組合で活動するときに、活動にとって不利益となる行為を、使用者が行うことです。
具体的にどのようなケースが当てはまるのかをみていきましょう。
労働組合員であることを理由に不当な扱いをする
労働組合の結成や加入、組合の正当な活動を理由に、使用者から不当な扱いを受けた場合、これは不当労働行為となります。
たとえば、労働組合で会社に交渉を行ったことを煙たがって解雇する、などです。
このほか、労働組合に入らないこと、脱退することを雇用条件にする(黄犬契約)のも禁じられています。
正当な理由なく労働組合の交渉を拒否する
労働組合が交渉を求めてきた際、原則として使用者はこれを拒否できず、拒否すれば多くの場合、不当労働行為となります。
このほか、交渉には応じたものの対応が適当だったなど、不誠実とみなされる場合も該当します。
ただ、例外として、使用者側に正当な理由があれば、交渉の拒否が認められるケースも。
例としては、「組合側が組合員の構成を明確に提示せず、交渉に臨んでいる」「あからさまな暴言があった」などですね。
労働組合の支配・援助を行う
使用者は労働組合を支配しようとしてはいけません。
具体的には、「組合の結成を非難する」「組合の幹部を買収する」などの行為を指し、影響があったかどうかに関わりなく、不当労働行為となります。
また、労働組合の運営に関し、使用者が経理上の援助を行うことも禁じられています。
利益、不利益に関係なく、使用者と労働組合は一定の距離を保たなければいけないのですね。
不当労働行為救済の申立てを理由に不当な扱いをする
使用者から不当労働行為を受けた場合、労働者は労働委員会への申立てを行えます。
その際のやり取りを理由に、使用者から不当な扱いを受けることがあれば、これもまた不当労働行為となります。
労働者は申立てに際し、行為の証拠を提出したり、証言を行ったりします。反感を覚えた使用者が、あとから仕返しをするケースもあるのですね。
不当労働行為救済制度について
前項でも触れたように、不当労働行為があった際、労働者は労働委員会に申立てを行うことができ、これを「不当労働行為救済制度」といいます。
申立てを行うと、労働委員会による審議が行われ、主張の正当性が認められれば、使用者に改善命令が下されます。
期限は行為があった日から1年以内。対象は直接雇用契約を結んでいる使用者のほか、業務委託や親会社の関係であっても、ほとんどは申立てが可能です。
救済の申請方法と流れ
不当労働行為救済の申請方法と、審査の流れをみていきましょう。必要となる書類なども順を追って説明します。
①申立て
申立ての際には、以下の項目を記した「不当労働行為救済申立書」を、各都道府県の労働委員会に提出します。
- 申立人の氏名及び住所(労働組合で申立てを行う場合、代表者の氏名や事務所の所在地)
- 被申立人の氏名及び住所(被申立人の会社の名前と代表者の名前、事務所の所在地)
- 請求する救済の内容
- 不当労働行為の具体的事実
- 申立ての日付
これらが記されていれば、書面の様式に決まりはありません。
東京都労働委員会のページでフォーマットをダウンロードできるので、こちらを使っても便利でしょう。
作成するのは正本1通と、副本1通、このほか都道府県によって、写しを複数求められる場合があるので、各自問い合わせが必要。
このタイミングで行為の証拠となる書類の提出を求められることもあります。
また、労働組合で申立てを行う場合は、労働組合の資格審査を受ける必要があり、別途、審査書類が必要です。
②調査
申立てに基づき、労働委員会から選出された公益委員によって、使用者、労働者双方の事情聴取が行われます。
ここで、行為の証拠となる書類の提出を求められるのが一般的です。具体的には「解雇通知書」や「行為を記録した議事録」などですね。
公益委員はこれらの証拠や双方の主張をもとに、審問の回数や期間、争点などをまとめた審査計画書を作成。続いて審問に移っていきます。
③審問
労働委員会事務局にて、申立ての当事者と公益委員、証人を集めた審問が開かれます。
④合議
審問の結果をもとに、労働委員会で合議が行われます。
ここで申立人の主張が認められれば、使用者に救済命令が下ります。
申立てが棄却となった場合は、再審査を申請することも可能です。
再審査申立ての期限は、棄却の決定書が届いてから15日以内。
再審査は中央労働委員会の管轄となりますが、受け付け自体は都道府県の労働委員会でも行っています。
また、救済命令となった場合に使用者側が再審査を申し立る、行政訴訟を起こすといったこともあります。
会社と労働トラブルになったら?
ここまで見てきたように、会社との労働トラブルは、不当労働行為救済制度で改善できることも多いです。
でも、正直なところ「思ったより手続きが複雑で、自分にできるか不安…」と感じた人もいるのではないでしょうか。
その場合、どう対処すればいいでしょう?
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