失業保険の基礎知識・特定理由離職者とは?

本記事にはプロモーションが含まれている場合があります

体を壊してしまって、仕事を続けることができなくなってしまったんだ。

そうなんだね。今の体調でできそうな仕事は職場にはないのかな?

今の職場で働くのは難しいと思う。失業保険はもらえるの?

その場合「特定理由離職者」に該当する可能性があるね。詳しく説明するよ!

仕事を辞める時は自己都合なのか、会社都合なのか、さまざまな理由がありますよね。

自己都合なら、どのような理由なのか。仕事を続けたくてもできない状況におちいってしまうこともあります。

「仕事を辞めて収入がなくなると困る。」

「すぐに再就職できるか心配。」

そんな時に頼りになるのが失業保険です。

失業保険と一言で言っても、給付期間や手厚さが離職の理由によって変わってきます。

このページでは失業保険の基礎と「特定理由離職者」について解説していきます。

目次

失業保険とは

失業保険とは正式には「雇用保険」といいます。

公的な保健制度の一種で、加入者が離職した場合に「失業手当(正式名称は基本手当)」を受給することができる制度です。

会社の倒産、解雇など会社都合の急な退職でも失業手当は受け取れます。会社の都合で急に収入がなくなってしまったら困りますよね?

再就職までの安定した暮らしを確保する、経済的な支えとなるのが失業手当です。

会社都合の退職以外にも自己都合の退職でも失業手当は給付されます。

しかし、失業手当は誰でも受け取れるわけではありません。

どういったケースでもらえるの?

いくらくらいもらえるの?

いつまでもらえるの?

失業保険についてのいろいろな疑問や不安にお答えしていきます。

特定理由離職者・特定受給資格者とは?

退職する理由は、会社の都合によるものと自己都合によるものに分けられます。

さらに会社都合での退職は、「特定受給資格者」「特定理由離職者」の2つの区分に分けられます。

自己都合での退職は、「一般離職者」「特定理由離職者」に分けられます。

「特定理由離職者」は会社都合の場合でも、自己都合の場合でも当てはまるケースがあるのですね。

それではどのようなケースが「特定理由離職者」や「特定受給資格者」になるのか解説していきます。

特定理由離職者

特定理由離職者とはどういったケースが当てはまるのでしょうか?大きく2つの区分に分けられます。

雇用止めによって離職したケース

特定理由離職者の区分のひとつ目は、会社都合の雇用止めによる離職です。

契約社員で契約期間を満了したのち更新を望んだのに、その後の更新をしてもらえなかった場合です。

本人の意思で更新をしなかった場合は「一般離職者」扱いになるので、「特定理由離職者」には当てはまりません。

また、契約内容に「契約の更新」が明示されていたにもかかわらず更新されなかった場合は「特定受給資格者」となります。

契約の更新について、確定されていない場合で更新されない時に「特定理由離職者」に該当します。

ちょっとややこしいですが、要は「次回の契約を絶対更新しますよ!」という契約内容だったのに更新されなかった場合は「特定受給資格者」、「次回契約更新する場合もありますよ」としない可能性もあるという契約だった場合は「特定理由離職者」になります。

正当な理由のある自己都合での離職

特定理由離職者の区分の2つめは、正当な理由がある場合の自己都合での離職です。

いろいろなケースがあるのですが、主に以下の6つの場合が当てはまります。

  • 体力の不足、心身の障害、疾患、負傷、視力・聴力・触覚の減退
  • 妊娠・出産・育児での離職で受給期間延長措置を受けた
  • 父母の死亡、けが、病気により父母の扶養のため、または親族の看護のため、家庭の事情の急変
  • 配偶者や扶養すべき親族との別居が困難になった
  • 結婚での引っ越しや、子供の預け先がなくなるなどの理由で通勤が不可能、または困難となった
  • 人員整理などで希望退職者の募集に応じた

以上のようなやむを得ない自己都合での離職者は特定理由離職者になります。

特定受給資格者

特定受給者とは会社の都合によって突然離職することになった人のことです。

特定受給者は一般の離職者と比較して

  • 基本手当の受給要件の緩和
  • 所定給付日数の優遇
  • 給付制限なし

などの特徴があります。

では特定受給資格者に当てはまるのはどのような人なのでしょうか?

特定受給資格者にも大きく分けて2つのケースがあります。

「倒産」での離職

会社が倒産してしまい、職を失った場合は「特定受給資格者」となります。

事業所の廃止による離職、事業所の移転により通勤が困難になり離職した場合も「特定時給資格者」となります。

「解雇」での離職

職場からの解雇で離職した場合も特定受給資格者になります。解雇での離職と同等にみなされるものに以下の理由があります。

  • 解雇(自分の責任によるところが大きい場合の解雇は除外)
  • 労働条件の相違
  • 賃金の未払い
  • 賃金今までの85パーセント未満に低下する場合
  • 長時間の時間外労働を理由にした離職
  • 妊娠や出産、介護中の強制労働
  • 無配慮な職種転換
  • 勤続3年以上での労働契約の未更新
  • 契約時に更新が明示されていての、労働契約の未更新
  • 職場の人による嫌がらせ
  • 職場からの退職勧奨による離職
  • 3カ月以上職場都合の休業が継続された
  • 業務が法令違反だった場合

さまざまな理由がありますが、職場から不当な理由で離職に追いやられた場合は特定受給資格者になるということです。

失業保険の受給資格について

失業保険はどんな人がもらえるの?

失業保険はどういった人が対象になるのか気になるところですよね。

失業保険の受給資格について詳しくご説明します。

まず、失業保険の基本手当を受け取るためは、以下の3つに当てはまることが大前提です。

  • 就職しようとする意思がある
  • いつでも就職できる能力がある(妊娠中や病気療養中ではない)
  • 離職前の勤務先で雇用保険に入っていた

以上3つの条件が1つでも欠けると失業保険の受給資格はありません。

また離職した時の状況によっても失業保険の受給資格の条件が変わってきます。

以下でそれぞれを詳しく解説していきます。

一般の離職者の場合

一般の離職者とは主にやむを得ない理由もなく、自己都合による退職をした人を指します。

一般の離職者が失業保険を受け取るには、「離職の日以前2年間に、雇用保険の被保険者期間が通算12カ月以上あること」が条件となります。

雇用保険の被保険者期間が12ヵ月未満で退職すると、雇用保険は受け取れないので注意!

退職するときは雇用保険に入っていた期間も考えて時期を決めた方がよいですね。

特定理由離職者の場合

先ほどご紹介した「特定理由離職者」の場合は一般の離職者よりも条件が緩和されます。

「離職の日以前1年間に、雇用保険の被保険者期間が通算6ヵ月以上あること」で、失業保険を受け取ることができます。

一般の離職者に比べて被保険者期間が6カ月分短くても失業保険を受け取ることができます。

特定受給資格者の場合

会社都合での解雇や倒産での離職者となった人は「特定受給資格者」に当たります。

特定受給資格者が失業保険を受け取るには、「離職の日以前1年間に、雇用保険の被保険者期間が通算6ヵ月以上あること」とされています。

特定理由離職者と同じく、一般離職者と比べて被保険者期間が6ヵ月間短いのが特徴です。

失業保険の給付日数

失業中は収入がなく、生活が大変ですよね。失業保険がもらえればそのお金で再就職まで生活できます。

失業保険って何日間くらいもらえるの?

早く再就職しないとだめ?

そんな疑問にお答えします!

失業保険の給付日数は離職したケースと被保険者期間、年齢などによって変わってきます。

自己都合退職の場合

自己都合退職の場合の失業保険の給付日数は以下の通りです。

被保険者期間10年未満10年以上20年未満20年以上
給付日数90日120日150日

会社都合退職の場合

会社都合退職の場合の失業保険の給付日数は以下の通りです。

被保険者期間1年未満1〜4年5〜9年10〜19年20年以上
30歳未満90日90日120日180日該当なし
30〜34歳90日120日180日210日240日
35〜44歳90日150日180日240日270日
45〜59歳90日180日240日270日330日
60〜64歳90日150日180日210日240日

失業保険の受給期間内には再就職先を決めましょう。

受給開始はいつから?

失業保険は退職してすぐもらえるの?

と疑問に思う人もいるかもしれませんね。

失業保険は離職後にハローワークで手続きをしてから受け取ることができますが、7日間は待機期間といって全ての人が失業手当を受給することができません。

自己都合での退職の場合は7日間の待機期間ののち、さらに2〜3カ月の「給付制限」がありその期間は給付を受けることができません。

待機期間や給付制限の期間をすぎたのちに失業保険の給付を受けることができるようになります。

しかし、実際にお金が振り込まれるのは申請から1カ月ほど後になるので注意しましょう!

失業保険の申請方法

退職することになり、失業保険を受け取りたいけれどやり方がわからない

という方のために失業保険の申請方法について順をおってご説明します。

  1. 必要書類を準備する
  2. ハローワークで手続きを行う
  3. 雇用保険説明会へ参加する
  4. 失業認定日にハローワークへ行く
  5. 失業手当の受給

必要書類を準備する

失業手当の受給に必要な書類は以下のものです。

  • 雇用保険被保険者離職票
  • マイナンバーカード(マイナンバーカードがない場合は、身分証明証とマイナンバー通知カードマイナンバーが確認できる書類が必要です。)
  • 証明写真(縦3cm×横2.5cmのものを2枚)
  • 印鑑
  • 通帳かキャッシュカード

ハローワークで手続きをする

必要な書類がそろったら、ハローワークに行って手続きをしましょう!

  • 求職申し込み
  • 必要書類の提出
  • 雇用保険説明会の日時決定

失業手当は再就職の意思がないと受け取れませんので、求職申し込みは必須です。

雇用保険説明会へ参加する

ハローワークから指示のあった日時の「雇用保険説明会」へ参加します。ここで「失業認定日」が決まります。

失業認定日にハローワークへ行く

失業認定日にハローワークへ行きます。失業の認定を受けなければ失業手当はもらえません。

失業認定を受けるには、月2回以上の求職活動をする必要があります。

失業手当の受給

失業認定日から5日後ほどに失業手当が振り込まれます。その後は4週間に1回認定日があり、失業の認定を受けることが必要です。

まとめ

失業保険、失業手当は再就職までの経済的な支えとして大切なもの。
もらえるものはきちんと手続きをしてもらいましょう。

もし、会社からの解雇に納得がいかない、不当解雇に心当たりがある場合は、ねこの手ユニオンに相談を!
企業とは独立した外部の労働組合で、ねこの手ユニオンなら組合費も相談費も着手金も無料です。もちろん誰でも相談することができます。
会社への交渉力が強みで、解決実績もきちんとあるので労働問題でお悩みの場合はぜひ一度ねこの手ユニオンにご相談ください。

「解雇」と言われたらすぐご相談下さい。その解雇、不当解雇かもしれません。相談無料 着手金無料 24時間受付 任せるニャ! 不当解雇ノックアウト

この記事は執筆された時点での情報を元に記載されております。文書・写真・イラスト・リンク等の情報については、慎重に管理しておりますが、閲覧時点で情報が異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。 記載内容や権利(写真・イラスト)に関するお問合せ等はこちら

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

大学卒業後、就職した会社で同僚が解雇に遭う現場を目の当たりにしました。この処遇が正しいのかと疑問に感じ労働基準監督署にも実際に足を運び相談もしながら同僚を援助しました。
その後も労働問題について勉強をし同じような境遇の方を一人でも救いたいと思い情報を発信してます!

目次