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労働者がおさえておきたい整理解雇についての知識
会社が経営を立て直すために行う、取り組みのひとつが整理解雇です。
整理解雇と聞いても「いまいちピンと来ない」という方も多いのではないでしょうか?
整理解雇は、他人ごとではなく私たちにとって身近なもの。
いざ、解雇予告通知が来た時に慌てないためにも、事前に知識を身に着けておく必要があります。
本記事では”労働者がおさえておきたい整理解雇”について解説!
整理解雇について何も知らないままだと、会社の都合に振り回されて損をしてしまう可能性も…
そうならないためにも、整理解雇のことをしっかり知っていきましょう!
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整理解雇とは?
整理解雇とは、会社の業績悪化に伴い人員整理するための解雇のことを指します。
リストラという言葉の方が、私たちに馴染みがあるかもしれません。
普通解雇と混同しがちですが、整理解雇は普通解雇と違って、労働者に非はなく会社が一方的に解雇することをいいます。
そのぶん、整理解雇が認められる基準は厳しくなっており、会社は4つの要素を満たす必要があります。
解雇には3種類ある
解雇には整理解雇だけでなく、普通解雇・懲戒解雇の3つがあります。
それぞれに違いがあり、解雇予告の義務や退職金支給の内容が変わってきます。
万が一、解雇された時に自分はどの解雇に当てはまるのか、違いを知っておきましょう。
整理解雇
会社の経営不振を打開するために行う解雇。
この解雇を通して会社は人員削減を行い、経営の立て直しを目指す。
整理解雇は会社側に原因があり、30日前の解雇予告を行う義務がある。
30日前の解雇予告が難しければ解雇予告手当の支払いが必要。
また、退職金も支給される。
普通解雇
労働者の債務不履行が理由の解雇。
解雇予告の義務については、整理解雇と同様に30日前の解雇予告を行う義務がある。
退職金の支給あり。
懲戒解雇
懲戒処分の意味合いを持つ解雇。
減給や出勤停止・降格などがある懲戒処分のなかでも、最も重い処分がこの懲戒解雇に値する。解雇予告の義務はなく、退職金の支給もされないケースが多い。
整理解雇は会社都合退職になる
整理解雇は会社側に原因があるとされており、会社都合退職の扱いになります。
また、会社から労働者に「会社の経営が厳しいから、自己都合退職ってことにしてくれない?」など、本来であれば会社都合退職の内容を自己都合退職になるように促すことは違法です。
会社都合退職か、自己都合退職なのかによって失業手当の受給日も大きく変わってきます。
整理解雇をされた場合は、会社都合退職になっているか?という部分もしっかりと確認しておくことが大切です。
失業保険は自己都合退職か会社都合退職かで変わってくる
自己都合退職の場合、退職してから7日間の待機期間+2か月が経過しないと、失業保険は受給できません。これを給付制限といいます。
「あれ?給付制限って3か月じゃなかったっけ?」という方に説明すると、令和2年10月1日以降に退職した退職者の給付制限期間が、3ヶ月から2ヶ月に変更されました。(ただし、5年間のうち2回まで)
会社都合退職の場合は、7日間の待機期間が過ぎれば失業保険を受給できます。
自己都合退職か会社都合退職かで、最短支給開始日が全然違いますよね?
整理解雇が正当かを判断するポイント
もし、会社から整理解雇の通知が来てしまった場合は?
「どうしよう…解雇される!」と慌ててしまう気持ちはわかりますが、一旦落ち着いてこの整理解雇が正当かどうかを確認しましょう。
”整理解雇が正当かを判断するポイント”について解説していきます。
ポイントその1.30日以上前に解雇予告通知がきているか
労働者を解雇する場合は、30日以上前に解雇予告をする義務が会社にはあります。
解雇予告が間に合わないなど、理由がある場合は解雇予告手当を支払うかのどちらかです。
この両方を会社から受けていなければ、整理解雇が正当ではない可能性があります。
ポイントその2.しっかりと事前説明されたか
30日以上前に解雇予告が来ていたとしても、会社は労働者に整理解雇について事前説明を行わなければいけません。
事前説明や協議の場を与えてもらえず、一方的に整理解雇の通知が届いた場合は、整理解雇を無効にできる可能性があります。
ポイントその3.会社は解雇回避の努力をしているか
業績が悪いから解雇するといいつつ、求人募集をしている状況はおかしいですよね?
ほかにも、以下のような事情に当てはまったら注意!
- 解雇回避のために希望退職者を募集していない。
- 経営者と折り合いの悪い社員ばかりを解雇している。
- 給与・ボーナスカットや出向など解雇回避の努力をしていない。
- 役員の報酬が今まで通り高い。
整理解雇が正当かを判断するために、会社は解雇回避の努力をしているかについても確認しておきましょう。
整理解雇で退職届を書いてはいけない
整理解雇は、あくまで会社が一方的に行うこと。
退職届は自ら「会社を退職します」という意思表示です。
このふたつは意味が全く異なります!
会社から、退職届の同意を求められてもサインする必要はありません。
このような事態を防ぐために、整理解雇なのに退職届にサインしてしまった例を見ていきましょう。
急に言われて不満があったので伝えると、「会社も大変で、身を引いて欲しい」とお願いされ「コロナ禍だし仕方ないのかな…」と思い、言われたとおりに退職届を書いて提出した。
このように労働者の情に訴えて、整理解雇にもかかわらず退職届を書かせようとするケースも…
退職届を書いてしまうと、あとから不当解雇だと気付いても書類として残ってしまいます。
整理解雇で退職届は書かないようにしましょう!
整理解雇された時の相談先
ここまでは、整理解雇の基礎知識について解説してきました。
おさらいするために一旦情報をまとめておきましょう。
整理解雇とは、会社の業績悪化に伴い人員整理するための解雇のことです。
労働者に非はなく会社が一方的に行う解雇のため、責任は会社側にあります!
また、整理解雇は会社都合退職の扱いになり、失業保険の受給も自己都合退職よりも早いです。
整理解雇されたら、その解雇が正当かを判断する必要があります。
判断するポイントは3つ!
- 30日以上前に解雇予告通知がきているか
- しっかりと事前説明がされたか
- 会社は解雇回避の努力をしているか
このポイントをしっかりと確認しておきましょう。
とはいえ、いきなり整理解雇と言われても不安ですよね…
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