残業代支払いの翌月繰り越しは違法!未払い残業代の相談先は?

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今月はなんとか落ち着いたんだけど、先月は職場の繁忙期だったんだよね

大変だったね。もちろん残業代は出してくれるんだよね?

残業代はしっかり出してくれるよ!ただ…

ただ…どうしたの?

本来残業代は今月の給料日に振り込まれるんだけど、手続きが間に合わなかったから来月に繰り越すことになったって言われたの

待って!残業代の翌月繰り越しは違法なんだ!残業代は払えばいいというわけではないから、詳しく話していくね

残業代の支払いは、法律で会社に義務付けられています。

しかし、ただ払えばOKというわけではないということをご存じでしょうか?

なかには今までに残業代が規定日に振り込まれず、翌月以降に振り込まれたという経験がある人もいるかもしれませんが、残業代の翌月繰り越しは違法です!

この記事では、残業代の翌月繰り越しをされた場合、どのように対処すればいいかを解説していきます。

目次

残業代支払いの繰り越しは違法

残業代の支払いが翌月以降になる場合、違法になるときとならないときがあります。

その差は、以下のような規定で分けられます。

就業規則で支払い時期が定められている場合違法にならない

おそらく多くの会社では、今月の残業代が翌月の給料日に繰り込まれるのは珍しいことではないでしょう。

例えば10月の残業代が11月の給料日に振り込まれ、「その支払い方は違法なのだろうか?」と疑問に感じた人もいるかもしれません。

この場合は違法ではなく、ポイントとなるのは”会社の就業規則に支払い時期が定められているか”ということです。

この例では、「今月の残業代を翌月の給料日に支払う」と規定されていれば、会社は正当な対応をしたということで問題はありません。

規定支払日以降の支払いとなる場合は違法

では、残業代支払いの翌月繰り越しとはどのような場合のことを言うのでしょうか?

上記の例だと、本来は11月の給料日に支払われるべき10月分の残業代が、12月以降に振り込まれたら違法になります。

もし会社が一方的に残業代支払いの遅延を起こした場合は、労働基準法第24条「賃金全額払の原則」の違反に該当します。

賃金全額払の原則は「賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない。」「賃金は、毎月1回以上、一定の期日を定めて支払わなければならない。」という内容。

つまり、期限を守ることに加え、支払うべき残業代は一部ではなく全額支払う必要があります

残業代の支払いが遅れた場合は遅延損害金が発生

会社が従業員に支払うべき賃金が遅延した場合、会社は遅延損害金を支払う義務があります。

もちろん、その支払うべき賃金のなかには残業代も含まれます。

遅延損害金とは、賃金の支払いが遅れている間に発生する遅延金のこと。

支払い額は遅延期間によって異なり、以下の計算方法で算出されます。

遅延損害金の計算方法

残業代の遅延損害金は、未払いの金額、利率、遅延日数を考慮し、日割りで計算されます。

例えば本日支払われるべき残業代が3万円分あったとします。

それが利率3%で30日後に払われた場合、遅延損害金は以下の通りです。

3万円(未払いの残業代)×3%(利率)×30日(遅延日数)÷365日(日割り)=74円

この場合の遅延損害金は74円となります。

会社は3万円の残業代に74円の遅延損害金を上乗せして支払わなければなりません。

遅延損害金における注意事項

遅延損害金が発生した場合、注意しなければならないことがあります。

遅延損害金はいつでも請求することができるのではなく、3年間という期限が決まっています。

そのため、規定の支払日の翌月以降も残業代が支払われない場合は、早急に対応する必要があるのです。

もしも従業員が退職していた場合は、余計に請求がしづらくなるため注意しましょう。

ちなみに、退職後も支払いが滞っているとすれば、会社は法律により遅延損害金の利率を最高14.6%まで繰り上げなければなりません。

残業代の遅延や未払いの対処法

現段階で残業代の未払いがある場合、どのように対応すればよいのでしょうか?

会社へ未払い残業代の支払いをする流れは以下の通りです。

残業代の遅延・未払いの証拠を集める

まずは残業代が未払いであることと、遅延していることに対する証拠を集めましょう。

給料明細勤務表など、残業が発生しているのに給料が支払われていないということがわかるようなものを集めることが大切です。

会社へ残業代の請求

会社へ残業代を請求するにも段階があります。

会社へ残業代を直接請求し、その時点で会社が未払い金と遅延損害金を支払えば示談となり、和解成立です。

しかし、会社が請求に応じない場合は、示談が成立せず、次の段階として労働基準監督署に訴えることになります。

この労働基準監督署からの請求にも会社が応じないとしたら、労働審判を利用する段階となるでしょう。

労働審判とは、労働審判官(裁判官)1人と専門知識を有する労働審判員2人からなる労働審判委員会に労働問題について申し立て、調停および審判を求める制度。

労働審判の判決は基本的には3日以内で進むため、低コストでスピーディーな解決を求めるのであれば、労働審判の利用をおすすめします。

しかし、会社がこの労働審判の命令に対し異議を申し立てた場合、自動的に最終手段である訴訟へと移行することになります。

労働審判までの段階では和解という形となりますが、訴訟の段階となると、会社は違法と認められれば強制執行で未払いの残業代と遅延損害金を支払わなければなりません。

残業代の繰り越しや未払いが改善されない場合の相談先

ここまで残業代の未払いや、規定日以降の支払いは違法であることを説明しました。

違法である以上、労働者は会社を訴える権利があります。

しかし、ひとりの労働者である立場で会社を訴えることはなかなか難しいかもしれません。

そもそも残業代を規定通りに支払わない会社は、労働者と和解が成立する可能性が低いブラックであると考えられます。

しかし、残業代の支払いが遅れていることを泣き寝入りする必要はありません。

自力で解決できない場合は、専門家などプロの力に頼りましょう。

代表的なのは弁護士です。

残業代未払いをはじめとする労働問題に強い弁護士は、ネットで検索するだけでも多々存在します。

相談料や着手金が無料の事務所もあるので、自分の予算や相談内容に沿った弁護士事務所を探してみてください。

弁護士以外の相談先として、『ねこの手ユニオン』がおすすめです。

『ねこの手ユニオン』は所属企業に関係なく相談できる外部労働組合(ユニオン)です。

相談料無料で気軽に利用できるという点で、弁護士への相談はハードルが高いと感じている人に特におすすめです。

残業代の未払いや遅延についても相談可能で、実際に未払い金が振り込まれるまでの交渉や手続きのすべてを『ねこの手ユニオン』に一任でき、手間やストレスなく解決に導くことが可能です。

さらに、残業代未払い問題だけでなく、ハラスメントや不当解雇などの問題も同時進行で相談することができるため、他にも悩みがある人は、ぜひ利用してみてください。

ねこの手ユニオンは、組合への加入費も組合費も相談も無料!もちろん問題への着手金も不要です!
きちんと問題が解決し、企業側から未払いや遅延分の残業代が支払われた時だけ、その一部を義援金として払えばOKです。

残業代支払いの翌月繰り越しは、つい「いつか支払いがあればいいか」と考え、違法と捉えにくいかもしれません。

しかし、残業代繰り越しは違法であるうえに、そのまま未払いとされてしまう可能性もゼロではありません。

そのような事態を防ぐためにも、一度自分の残業代未払いがないかを確認してみてください。

そして、未払いの残業を諦めないでアクションを起こせることを願っています。

この記事は執筆された時点での情報を元に記載されております。文書・写真・イラスト・リンク等の情報については、慎重に管理しておりますが、閲覧時点で情報が異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。 記載内容や権利(写真・イラスト)に関するお問合せ等はこちら

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この記事を書いた人

過去の会社で弁護士を通じて未払いの残業代を請求し2年分の残業代の奪還に成功しました!この過程で、自身と同じような悩みを抱える人がまだまだ多く存在することに気づき、みんなの悩みや疑問を解決するために役立つ情報を発信します!

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