突然の解雇はなぜ違法なのか?4つの理由や対処法、相談先を解説

本記事にはプロモーションが含まれている場合があります

目次

突然の解雇はなぜ違法なのか?4つの理由や対処法、相談先を解説

上司に呼び出されて「君には今日で会社を辞めてもらう」と言われてしまった。なんと突然のクビ宣告! 明日は我が身ではありませんが、不況が続いていると、次に解雇されるのはあなたかもしれません。

 

こんなときに次のように悩んでしまうのではないでしょうか?

 

・そもそも突然クビにするとか違法じゃないの?

・会社と争えば勝てるの?

・こういった状況のときはどこに相談したらいいの?

 

結論から言うと、会社からの突然の解雇は原則違法のため、従う必要はありません。なぜなら、会社には労働者を解雇するためにやらなければならない義務があるからです。

 

本記事では、突然の解雇が違法になる理由や不当解雇になる具体的なケース、不当解雇されたときにするべきことなどについて解説していきます。

 

不当解雇であっても適切な対処をしなければ権利の主張ができません。この記事を読めば、突如クビにされたときに次に進むべき一歩がしっかりと見えてきます。

ぜひ最後までご一読ください。

突然の解雇が違法になる4つの理由とは?

基本的に会社が従業員を突然解雇するのは、以下の理由から違法です。

 

・30日以上前に伝えなければならないから

・改善の機会を与える必要があるから

・回避するための措置を取る必要があるから

・弁明の機会を与える必要があるから

 

ひとつずつご説明いたします。

 

30日以上前に伝えなければならないから


会社は従業員を解雇する場合、30日以上前に本人に伝えなければなりません。労働基準法第20条(解雇の予告)にもしっかり記載されています。

 

〇労働基準法第20条(解雇の予告)

第二十条 使用者は、労働者を解雇しようとする場合においては、少くとも三十日前にその予告をしなければならない。三十日前に予告をしない使用者は、三十日分以上の平均賃金を支払わなければならない。

但し、天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となつた場合又は労働者の責に帰すべき事由に基いて解雇する場合においては、この限りでない。

引用:労働基準法 | e-Gov法令検索

 

そのため、会社が従業員を解雇するには解雇通知をして30日以上先になります。労働基準法で定めているため、正社員だけでなく、パートやアルバイトも対象です。

 

改善の機会を与える必要があるから


会社が従業員を解雇するには、改善の余地がなく雇用を継続するのが難しいことが条件です。それまでは、改善の機会を与えて様子を見なければなりません。

 

例えば、新入社員の営業マンがすぐに結果を出せなくても、いきなり解雇してしまうと違法となります。本人の努力不足があったとしても、会社は結果を出せるように教育する必要があります。

 

そのため、解雇は最終手段と言えるでしょう。会社は解雇を回避し改善できるよう努めていくことが求められています。

 

回避するための措置を取る必要があるから


教育をしても改善が見込めなかったとしても、回避の措置を取る必要があるため、すぐに解雇はできません。従業員の配置転換をするなどして、できる仕事がないか模索しなければなりません。

 

例えば、事務処理が苦手な従業員にアドバイスしても一向にミスが減らない場合であっても、クビにはできません。

 

事務職から営業職や技術職に配置転換できないか検討する必要があります。同じ部署であっても上司やチームを変更するといった工夫も大切です。

 

何か適性がありそうな仕事を与えるのも会社の役割なのです。

 

弁明の機会を与える必要があるから


従業員の解雇は、一方的な会社の処分ではできません。弁明の機会といって、解雇の理由などについて従業員に意見を聞くことが必要です。

 

話しを聞かずに、明確な根拠のないまま処分を下してしまうと「懲戒権の乱用」として解雇は無効になるでしょう。

 

・労働組合との協議

・人事部面談による弁明の機会

・懲戒委員会の開催

など

といったように会社の就業規則に記載されています。このような場がしっかりと設けられたかは裁判において、とても重視されます。

予告なしの解雇が認められるケースはあるの?

しかし、例外的に以下のケースでは突然の解雇が合法になる場合があります。

 

・会社が事業の継続ができない場合

・従業員が重大な規律違反や背信行為をしている場合

・従業員が日雇いや試用期間の場合

・会社が解雇予告手当を支払う場合

 

順番に見ていきましょう。

 

会社が事業の継続ができない場合


会社が震災で倒壊、過失によらない火災で焼失してしまったなどの理由で、事業を続けられないときは、例外的に突然の解雇が認められています。会社自体、潰れてしまっているのでどうしようもないですよね。

 

〇労働基準法第20条(解雇の予告)

第二十条 使用者は、労働者を解雇しようとする場合においては、少くとも三十日前にその予告をしなければならない。三十日前に予告をしない使用者は、三十日分以上の平均賃金を支払わなければならない。

「但し、天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となつた場合」又は労働者の責に帰すべき事由に基いて解雇する場合においては、この限りでない。

引用:労働基準法 | e-Gov法令検索

 

上記の天災事変その他やむを得ない事由に該当すると判断されます。

 

従業員が重大な規律違反や背信行為をしている場合


会社に損害を与えるような違反や犯罪があると、予告なしに解雇されても適法とされます。従業員に解雇される原因がある場合は別と記載されている部分です。

 

〇労働基準法第20条(解雇の予告)

第二十条 使用者は、労働者を解雇しようとする場合においては、少くとも三十日前にその予告をしなければならない。三十日前に予告をしない使用者は、三十日分以上の平均賃金を支払わなければならない。

但し、天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となつた場合又は「労働者の責に帰すべき事由に基いて解雇する場合」においては、この限りでない。

引用:労働基準法 | e-Gov法令検索

 

従業員が日雇いや試用期間の場合


従業員の属性が以下に該当していると、解雇予告が不要です。

 

・1か月以内の日雇い労働者

・2か月以内と期間が定まっている労働者

・季節限定業務で4か月と決まっている労働者

・14日以内の試用期間中の労働者

 

主に、短期労働者であれば突然の解雇も問題ありません。上記の期間を超えて働いている従業員であれば、30日以上前の解雇予告や手当が必要となります。

 

会社が解雇予告手当を支払う場合


会社が解雇予告手当を支払っていれば、解雇予告をする必要はありません。解雇予告手当とは、会社が従業員を突然クビにするときに支払う手当です。

 

解雇予告手当は次のように計算されます。

 

「平均賃金1日分(直前3か月の賃金の平均)」×「30日-解雇されるまでの期間」

 

例えば、平均賃金が15,000円で解雇日の15日目に解雇を告げられたときは以下の通り。

 

15,000円×(30日-15日)=225,000円となります。

解雇予告手当は、基本的に解雇を言い渡した日に支払うのがルールです。ただし、解雇日と解雇を言い渡した日が同じであれば、解雇日に支払わなければなりません。

解雇の種類は?

突然の解雇が有効なケースと無効なケースについてお伝えしました。本章ではそもそも解雇の定義や種類について詳しく解説していきたいと思います。

まず解雇とは、従業員の同意なく会社側の都合で雇用契約を終了することです。解雇の種類には、以下の3つがあります。

・普通解雇

・整理解雇

・懲戒解雇

それぞれの違いについて確認しましょう。

普通解雇


普通解雇とは、従業員の勤務成績や適性の欠如などが原因でされる解雇です。普通解雇を成立させるには、理由が正当であることや30日以上前に予告しているかといった条件を満たす必要があります。退職金の支給対象です。

整理解雇


整理解雇とは、会社の経営不振を打開するために行う解雇です。会社の経営の立て直しが目的のために人員整理を行います。整理解雇は会社側に原因があり、30日前の解雇予告をしなければなりません。普通解雇と同様に、30日前の解雇予告が難しければ解雇予告手当の支払いが必要です。

もちろん、退職金も支給されます。

懲戒解雇


懲戒解雇とは、懲戒処分の意味合いを持つ解雇です。減給や出勤停止・降格などがある懲戒処分のなかでも、最も重い処分がこの懲戒解雇に該当します。解雇予告の義務はなく、退職金も基本的にはもらえません。

 

不当解雇に該当するケースとは?

このように解雇はいずれも簡単にはできません。具体的にどのようなケースが不当解雇と見なされるかチェックしていきましょう。

・仕事で簡単なミスをしてしまったが、そのまま指導されないまま解雇されてしまった。

・相性の悪い上司の下につけられて、協調性がないと言われ解雇になった。

・整理解雇が必要な状況だと会社から言い渡されたが、詳細について何もない。

・就業規則には書かれていない内容で懲戒解雇と言われた。

・営業成績が伸びないでいたが、会社から何も教育を受けずに解雇を言い渡された。

などのケースは不当解雇と見なされる可能性が高いです。労働問題に強い弁護士や労働組合にまずは相談してみるのがおすすめです。

もし不当解雇に該当している場合、慰謝料請求をすることができます。金額面や成功させるためのポイントに関しては、以下の記事で詳しく解説しているのでぜひ参考にしてください。

 

解雇予告されたときにチェックするべき2点

万が一、会社から解雇予告を受けてしまった! そのようなときは以下の2点を確認してください。

 

・書面で解雇理由を交付してもらい不当解雇か判断する

・書面で解雇日や解雇予告手当を確認する

 

詳細は以下の通りです。

 

書面で解雇理由を交付してもらい不当解雇か判断する


解雇予告を受けた時点でまず「解雇通知書」や「解雇理由証明書」を交付してもらいましょう。

 

それぞれ解雇理由が記載された書類です。前者は会社が交付する法的義務はありませんが、後者は労働基準法で請求されたときに会社は遅滞なく交付しなければならないと定められています。

 

解雇通知書がもらえない場合や解雇通知書に解雇理由の記載がない場合には、会社に「解雇理由証明書」の交付を求めるのがおすすめです。

 

どちらかの交付依頼をするときに大切なのが、メールなど証拠が残る媒体を利用することです。

 

口頭で伝えてしまうと、後々聞いていないと言われてトラブルになるケースがあります。

 

また、就業規則のコピーも用意しましょう。なぜなら、解雇理由は基本的に就業規則に書かれているからです。解雇理由と就業規則を照らし合わせて、解雇の妥当性を確認します。

 

書面で解雇日や解雇予告手当を確認する


解雇理由の確認とともに、書面で解雇日や解雇予告手当もチェックしてください。解雇日は解雇予告手当を計算するときに必要です。

 

解雇予告手当が30日以上の計算になっているか要確認です。前もって計算しておけば、解雇を受け入れたときに、請求がスムーズに進みます。

 

ただし、解雇予告手当を受けるのは解雇を受け入れるのと同じです。不当解雇として会社と争う場合はマイナスポイントとなるため、あくまで確認するだけにしておきましょう。

不当解雇されたときに解決するには?

ここからは不当解雇されたときの解決方法です。不当解雇について会社と争う場合の流れとなります。

 

1.解雇理由証明書の交付を請求する

2.解雇の違法性を検討する

3.解雇の撤回を求め、会社と交渉する

4.労働審判、訴訟の手続きへ

 

上記ステップに沿って手続きを進めましょう。

 

1.解雇理由証明書の交付を請求する


不当解雇について裁判で会社と争う可能性があるため、解雇通知書や解雇理由証明書をもらうようにしてください。前章でお伝えした通り、これらは解雇理由が明記されている書面です。客観的な証拠として、用意しておく必要があります。

 

「解雇理由証明書」は労働基準法第22条で交付する義務があると記載されているため、会社は拒否できません。

 

まれに、口頭や書面で「解雇理由証明書」を請求しているにもかかわらず、訴訟を恐れて会社が交付しないケースがあります。

 

そのようなときは労働基準監督署に申し出をしてください。労働基準監督署から是正勧告をすることで、会社にあくまで任意となりますが解雇理由証明の発行を促せます。

 

2.解雇の違法性を検討する


解雇通知書や解雇理由証明書を入手できたら、次に解雇の違法性を確認します。「解雇の種類は?」の章で紹介したように、解雇には普通解雇・整理解雇・懲戒解雇の3種類があります。

 

以下の表は、それぞれの要件をまとめた表です。

 

解雇の種類

要件

普通解雇

・解雇の30日以上前までに解雇予告通知をしたか

・正当な解雇理由があるか

整理解雇

・人員削減の必要性があるか

・解雇回避の努力を実施したか

・解雇される人は妥当か

・解雇する前に説明や協議をしたか

懲戒解雇

・就業規則に懲戒解雇の理由が明記されているか

・就業規則は誰でも見れるように周知されているか

・解雇する合理性や社会的な相当性があるか

 

正直これだけ見ても、要件に該当するか判断しにくいのではないでしょうか。一人で悩まずに第3者機関に相談するのがおすすめです。

 

なかでも「ねこの手ユニオン」という労働組合(ユニオン)であれば、LINEやメールを使って相談できます。24時間365日いつでも問い合わせができる点、他の機関よりも利便性が高いでしょう。

 

完全成果報酬を採用しているため、着手金は無料です。

3.解雇の撤回を求め、会社と交渉する


解雇が違法の場合、会社に撤回を求めます。個人で申し出するよりは弁護士や労働組合などの第3者機関を立てて実施するのが一般的です。

 

交渉力や法的な知識などが豊富な機関に一任したほうが、安心できますね。

 

仮に交渉期間中に、従業員が会社で働けないときは解雇後の賃金を請求できます。民法第536条には次のように書かれているからです。

 

〇民法第536条(債務者の危険負担等)

当事者双方の責めに帰することができない事由によって債務を履行することができなくなったときは、債権者は、反対給付の履行を拒むことができる。

2 債権者の責めに帰すべき事由によって債務を履行することができなくなったときは、債権者は、反対給付の履行を拒むことができない。この場合において、債務者は、自己の債務を免れたことによって利益を得たときは、これを債権者に償還しなければならない。

引用:https://j-net21.smrj.go.jp/law/20210804.html

 

労働組合「ネコの手ユニオン」は、弁護士、社会保険労務士、行政書士といった法律のきちんとした専門家が運営に携わっています。相談から裁判まで一括代行できるのが強みです。

 

労基署の場合、各専門家の紹介まではしてくれますが、最終的には自分で問い合わせをする必要があります。

 

4.労働審判、訴訟の手続きへ


会社との交渉が上手くまとまらないときは、労働審判や訴訟などの法的手続きを行うことになります。

 

労働審判とは、従業員と経営者の間に起こったトラブルを解決するための法的手続きです。通常の訴訟よりも、早期解決・柔軟な解決・簡単な手続きといった特徴があります。

しかし、当事者が異議申し立てをすれば審判の効力が失われ、民事訴訟に移行する流れとなります。

突然解雇されて不当解雇では?と思ったら労働組合に相談しよう

不当解雇の相談先はいくつかありますが、なかでも「ねこの手ユニオン」という労働組合(ユニオン)がおすすめです。

 

・企業は労働組合からの交渉を断れない

・相談から裁判まで一括して代行してくれる

・アルバイトやパート・契約社員・派遣でも相談できる

・24時間いつでも受付している

・着手金無料で完全成果報酬だから安心できる

 

上記5点の理由をそれぞれお伝えしていきます。

 

企業は労働組合からの交渉を断れない


労働組合からの団体交渉は労働組合法で保障されているため、企業は断れません。従業員一人ひとりの立場は弱くても、労働組合には団結して会社と交渉できる権利があります。

 

企業はこの団体交渉を正当な理由なしで無視すると、50万円以下の過料に処されてしまうほど強い力なのです。

 

そのため、労働組合「ねこの手ユニオン」に相談すれば、対等な立場で会社と話し合いができるようになります。

相談から裁判まで一括して代行してくれる


ねこの手ユニオンには、弁護士、社会保険労務士、行政書士といった法律のきちんとした専門家が運営に携わっています。各分野のエキスパートが相談から各種手続きまでしっかり対応してくれるため、安心できますね。

 

アルバイトやパート・契約社員・派遣でも相談できる


労働基準法は正社員だけでなく、アルバイトや契約社員、派遣社員も対象とした法律です。就労期間や雇用形態、会社での役職有無などは一切関係ないので、まずは相談するところから始めてみてください。

 

24時間いつでも受付している


ねこの手ユニオンは、LINEやメールから24時間いつでも問い合わせできます。スマホやパソコンから気軽に相談できます。

 

着手金無料で完全成果報酬だから安心できる


ねこの手ユニオンは完全成果報酬を採用していて、着手金・相談料・組合加入費・組合費などは一切不要です。無事に解決できたときに解決金の3割を支払う仕組みです。

結果が出なかったときに支払いは発生しないため、安心できます。

まとめ

このように突然の解雇宣告は違法である可能性が高いです。普通解雇、整理解雇、懲戒解雇の例外に該当しないか確認した上で、不当解雇の撤回を求めて会社と交渉しましょう。

 

しかし、一人で交渉を進めるにはハードルが高いため、労働組合といった第3者機関に代行してもらうのがおすすめです。

なかでもねこの手ユニオンは、完全報酬のため無料で相談できます。裁判をする場合も一括でお任せできますよ。まずは気軽に相談してみてください!

「解雇」と言われたらすぐご相談下さい。その解雇、不当解雇かもしれません。相談無料 着手金無料 24時間受付 任せるニャ! 不当解雇ノックアウト

この記事は執筆された時点での情報を元に記載されております。文書・写真・イラスト・リンク等の情報については、慎重に管理しておりますが、閲覧時点で情報が異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。 記載内容や権利(写真・イラスト)に関するお問合せ等はこちら

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

大学卒業後、就職した会社で同僚が解雇に遭う現場を目の当たりにしました。この処遇が正しいのかと疑問に感じ労働基準監督署にも実際に足を運び相談もしながら同僚を援助しました。
その後も労働問題について勉強をし同じような境遇の方を一人でも救いたいと思い情報を発信してます!

目次