残業代が出ないなら帰るべき?サービス残業すべき?

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2019年から働き方改革が始まり、もう4年が経過しました。
来年2024年の4月1日からは運送・物流、建設業などにも制限が適用されます。

そんな中、ねこの手ユニオンには未だに

「残業代がもらえない…」
「サービス残業を強要される…」
「サービス残業が当たり前の環境で帰りづらい…」

などといった時代と逆行したご相談を数多くいただいております。

労働基準法では時間外労働が発生した場合、雇用主は時間外労働の種類に応じた割増賃金率をかけた割増賃金を支払うよう定められており、残業に対して適切な賃金が支払われていないのであれば、それは違法です。

ですからサービス残業ももちろん違法になりますし、本来は残業代が出ないのであれば定時でさっさと帰るべきなのです。

ですが、
「会社からの業務(残業)指示に従わずに帰ることで何か不利益があるのではないか・・・」
などのご不安をお持ちの方も少なくないでしょう。

前述したように、本来は残業代が出ないのであれば定時でさっさと帰るべきですが、中には労働者側の認識相違があり、会社の指示を無視して帰ってしまうことで不利益を被る可能性もあります。

そこで本記事では「残業代が出ないから帰る」ことが問題ない場合と問題になる可能性がある場合などを解説していきます。

また、現在不当なサービス残業の繰り返しにお悩みの方は、未払いの残業代を請求し、正当な対価を取り返せるかもしれません。
今すぐねこの手ユニオンにご相談ください。

目次

「残業代が出ないから帰る」は本当に問題ないの?

前述したように本来であれば残業代が出ないのであれば、定時で帰るべきです。

ですが、
「残業代が出ないから定時で帰ることによって、解雇や懲戒処分など何か不利益が生じてしまうのではないか・・・」
などとご不安に思われる方もいらっしゃるでしょう。

実際に残業代が出ないから帰ることでそのような不利益を被る可能性はあります。
不利益を被る可能性があるケースは次のケースです。

  • 労働者が残業代が出ないと思い込んでいるだけのケース
  • 残業代が支給されない正当な理由があるケース

それぞれ見ていきましょう。

労働者が残業代が出ないと思い込んでいるだけのケース

直属の上司などから「うちは残業代なんか無いから」などと刷り込まれているだけのケースがあります。

その場合、上司が勝手に部下にそう伝えているだけで、実際はきちんと支払われる会社ということもも少なくありません。

上司や同僚などからそのような話を耳にした場合は、雇用契約書を確認したり、社内の労務を担当している部署に確認をするなどして、思い込む前に正しい情報を得るようにしてください。

本来であれば残業代が支払われるものを、残業代が出ないと思い込んでしまい、それを理由に残業指示などを拒否して帰ってしまえば、それは会社からの印象は悪くなって当然ですから、不利益を被ることもあるでしょう。

まずはしっかりと確認をすることが大切です。

残業代が支給されない正当な理由があるケース

会社によっては残業代が支払われない正当な理由があるケースもあります。

固定残業(みなし残業)制などがそれにあたります。

固定残業制とは簡単に言うと、給与の中に一定時間分の残業代をあらかじめ含んでいるという制度です。

例えば雇用契約書の給与についての記載に「月に30時間の残業を含む」などと記載されている場合は、30時間までの残業代は毎月の給与に含まれているということになります。

この場合、残業時間が30時間を超えない限りは残業代は発生しません。
かといって、30時間残業をしなければいけないということでもありませんが、残業時間が30時間に満たない状態で会社から残業指示があった際にやむを得ない理由もなく「残業代が出ないから帰る」という対応をしてしまうと、やはり会社からの印象は良いものではありませんね。

前項でもお伝えしたように、まずは雇用契約書などご自身の労働契約を良く確認することが大切です。

また、固定残業制度をとっていたとしても、これが30時間と定められていた場合に30時間以上残業をしているのであれば、超過した分の残業代は支払われなくてはなりませんし、支払われていないのであれば違法になります。

固定残業代についてはこちらの記事でも詳しく解説しているので参考にしてみてください。

まずはしっかり確認しよう!

ここまででお伝えしたように、「残業代は出ない」と思い込んでしまっているだけの場合や、会社が固定残業制などを導入しているなど、残業代が支払われない正当な理由がある場合もあります。

そのため、まずは雇用契約書を確認したり、会社の労務担当に確認するなど、正しい情報を把握するようにしましょう。

もしも雇用契約上で固定残業制などの特別な記載もなく、実際に残業をしても残業代が支払われていないのであれば、それは違法であり、未払いの残業代については会社に対し請求することが可能です。

未払い残業の請求をご希望の方はねこの手ユニオンにご相談ください。
下記LINEから無料でご相談いただけます。

残業代が出ないのは基本的に違法

労働基準法では、第32条にて労働時間の上限を1週間で40時間、1日にして8時間と定められており、これを超える労働については、第37条にて25%以上の割増賃金を支払わなければならないと定められています。
また、同じく第37条で 法定時間外労働が60時間を超過した場合は50%以上の割増賃金を支払わなければならないとされています。

そのため、これに該当する労働が発生していて残業代が支払われていないのであれば、基本的には違法になります。

賃金と労働時間に関する決まりをもう少し詳しく見てみましょう。

賃金

労働基準法で賃金(給料)は、「毎月1回以上、一定の期日を定めて支払わなければならない」と規定されています。
そのため、残業代に限らず、雇用者からの給料の未払いは労働基準法違反です。

また、「賃金は通貨で直接労働者に、その全額を支払わなければならない」とも規定されており、「円」による支払いが原則になります。

なお、賃金の未払いは労働基準法第120条1号の規定により、「30万円以下の罰金」が定められています。

労働時間

労働基準法において労働時間は、前述したように「1週間40時間・1日8時間」と定められています。

この労働時間のことを「法定労働時間」と言い、仮に法定労働時間を超過して勤務する場合には、労働者と経営者が「36協定」を結ばなければなりません。

しかし、36協定を結んでいるからといって無制限に長時間勤務ができるわけではないので注意が必要です。

時間外労働にも上限が設けられており、「月45時間・年360時間」が上限とされています。
ただし、繁忙期など特別な事情がある場合のみ、特別条項を制定することで上限を超える勤務が可能です。

とはいえ、特別条項付き36協定を結んだとしても、以下の条件を超える勤務は違反になります。

  • 残業時間が月100時間未満、年720時間以内であること
  • 月45時間を超える残業は年に6回までであること
  • 2〜6ヶ月のいずれの平均残業時間が80時間以内であること

このように、労働基準法では残業時間が明確に定められており、違反すると経営者が「30万円以下の罰金または半年以下の懲役」に処されます。

休日

労働基準法には、「労働者に毎週1回または4週間に4回以上の休日を与える必要がある」という法定休日が規定されています。

法定休日に休日労働をさせる予定のある経営者は、労働者と「36協定」を事前に締結させ、行政官庁に届け出なければいけません。

36協定の届出ができていない状態で労働者に対して経営者が法定外残業や休日労働を命じることはできないことを覚えておきましょう。

時間外・休日・深夜の割増賃金

経営者は労働者に対して「法定時間外労働・法定休日労働・深夜労働」を命じた場合は、割増賃金を支払わなければなりません。

ちなみに、「法定時間外労働・法定休日労働・深夜労働」によって割増賃金率は異なります。

それぞれの割増賃金率は以下のとおりです。

  • 法定時間外労働:基礎賃金の「25%」
  • 法定休日労働:基礎賃金の「35%」
  • 深夜労働:基礎賃金の「25%」

「法定時間外労働・法定休日労働・・深夜労働」をした場合は、上記の割増賃金率で賃金を計算することができます。

下記の記事では、残業代が出ない可能性のある雇用形態などについても詳しく解説していますので参考にしてみてください。

未払いの残業代を請求したい場合

現実に残業代が正当な理由も無く支払われていないということであれば、会社に対し未払い残業代の請求を行うことが可能です。

残業代の請求にはそれなりの証拠が必要になりますので、請求を行う前に雇用契約書の控えが無ければ、会社に控えを貰っておくなど、証拠の準備から始めましょう。

請求する際のポイントから解説していきます。

未払いの残業代を請求する際のポイント

未払いの残業代を請求する際は、以下の2つのポイントを押さえておく必要があります。

  • 有効な証拠を集める
  • 残業代請求には時効がある

それぞれについて解説していくので、内容を確認をして未払いの残業代を請求する際の参考にしてください。

有効な証拠を集める

未払いの残業代を請求するためには、証拠が必要になります。

当然ですが、証拠は請求する側が集める物です。

例えば、以下のようなものが証拠になります。

  • タイムカード
  • パソコンのログインログオフ記録
  • 業務上の送信メール
  • 上司からの指示メール
  • 業務日報
  • 手帳での勤務時間記録
  • 給料明細書
  • 雇用契約書
  • 就業規則の写し

上記のようなものが証拠になりますが、会社に問い合わせないと集めることができないものもあるので、可能なものをできる限り集めるようにしましょう。

証拠はあればあるほど、スムーズに未払いの残業代請求を行うことができます。

弁護士や労働基準監督署、労働組合に相談する際も、証拠があるほうがスムーズに対応してくれるので、事前に集めておくのがおすすめです。

なお、雇用契約書は非常に重要なので、控えを持っていない場合は、控えをもらって手元に保存しておくようにしてください。

残業代請求には時効がある

残業代請求には、いくらでも過去にさかのぼって請求できるわけではありません。

残業代請求権には時効が設定されています。

具体的には、3年より前の残業代については、会社側に請求に応じる義務はありません。

このように、未払いの残業の請求には時効があるため、未払いの残業が発生していることに気づいたら、すぐに残業代請求をするようにしてください。

ちなみに、以前は「2年」でしたが、労働基準法第115条が改正され、2022年4月以降から「3年」に変更されています。

請求する際の手順

未払いの残業代を請求するときの手順は、以下のような流れで進めます。

  1. 未払いの残業代を計算する
  2. 証拠を集める
  3. 会社と話し合いをする
  4. すでに会社を退職している場合や話し合いができない場合は内容証明郵便で請求する
  5. 労働基準監督署に申告する
  6. 会社と交渉を行って解決が困難な場合は労働審判を実施する
  7. 労働審判が適してない場合や労働審判でも解決できない場合は労働訴訟を実施する

上記のように、会社と話し合いをして解決できない場合には、労働審判や訴訟になる可能性があり、解決まで時間がかかることを理解しておいてください。

自分で請求する

自分で会社に対して残業代を請求することもできます。

他の請求方法と違って費用がかからないというメリットがありますが、自分で会社と直接やりとりを行う必要があるため、時間と手間がかかるうえに精神的な負担も大きいです。

また、自身で交渉する場合は会社から残業代の支払いを拒否される可能性も高く、理想の解決に至らないことも少なくありません。

このため、自分で残業代を請求する方法は、避ける方が無難です。

労働基準監督署に相談する

労働基準監督署に相談して残業代を請求することもできます。

自分で請求する場合と同様に費用がかからないメリットがありますが、以下のデメリットがあるため、あまりおすすめできません。

  • 労働基準監督署は未払いの残業代の支払いを命令できないため解決繋がらない可能性がある
  • 相談してもすぐに動いてくれない可能性が高い
  • 弁護士を紹介されるだけのケースがある

上記のように、労働基準監督署に相談したからと言って根本的な解決に繋がる可能性は高くありません。

とはいえ、無料で相談できてアドバイスをもらうことはできるので、まずは労働基準監督署に相談するだけしてみても良いでしょう。

労働組合(ユニオン)に相談する

労働組合に相談して残業代の請求を行うこともできます。

会社に労働組合があり影響力を持っている場合は、会社の労働組合に相談することで解決できる可能性が高いです。

しかし、労働組合がない場合や労働組合が影響力を持っていないケースも多く、そういった場合は個人で加入できる労働組合である「ユニオン」に相談しましょう。

ユニオンに相談することは以下のメリットがあるため、おすすめの請求方法です。

  • 弁護士に相談するよりも費用を抑えられる
  • 未払いの残業代請求に関するノウハウを豊富に持っている
  • 団体交渉権を有しているため会社側は交渉を拒否できない
  • 一緒に解決を図ってくれるので安心感がある

一方で、以下のデメリットもあります。

  • どの組合に加入すれば良いのかがわかりにくい
  • 組合費がかかるケースがある

とはいえ、ユニオンは費用も少額で済むうえに精神的な負担を軽減されるため、一人で残業代を請求するのが不安な方や費用を抑えたい方で、残業代の支払いを受けられる可能性を高めたい方には最適解です。

なお、親身になってくれるユニオンであればどこに相談しても問題がありませんが、相談先に迷ったら「ねこの手ユニオン」までご相談ください。

ねこの手ユニオンには、以下のメリットがあります。

  • 組合費や活動費などが一切かからない
  • 請求にかかる諸経費が不要
  • 無事金銭解決した場合のみ3割の義援金で費用負担があるが負担は少ない

残業代請求にかかる費用負担を少なく済ませることができ、ご相談もLINEから無料でいただけます。
なるべく確実に、且つ請求費用は抑えたいという方はねこの手ユニオンにご相談ください。

弁護士に相談する

弁護士に相談して残業代を請求するケースも多いです。

他の方法よりも多額の費用がかかるものの、会社との交渉や労働審判、訴訟の手続きなどを代理で行ってくれるため、残業代請求にかかる時間と手間を大幅に短縮できます。

ただし、請求額が少額の場合には、せっかく請求した残業代を弁護士費用が上回るケースもあるため注意が必要です。

まとめ

残業代が出ないのであれば定時で帰るべきですが、まずは本当に残業代が出ないのか、なぜ残業代が出ないのかを雇用契約書を確認したり会社の労務担当に聞いてみるなど、しっかりと確認することが大切です。

そのうえで本当に残業代が出ないのであれば、残業をする必要は無いでしょうから、定時で帰るべきです。
サービス残業をする必要などありません。

ただし、そもそも残業した時間に対し正当な残業代が支払われないないというのは基本的に違法ですから、しかるべき対応を取る必要があります。

残業代の未払いがあるようでしたら未払い残業代の請求を。
その際は請求を行う前に証拠を集めておくことが重要です。

「残業代が出ない」ということが本当にまかり通ってしまっているような会社なのであれば、あなたの勇気ある行動が、会社の労働環境の改善につながり、同僚の方々も救われる結果となるかもしれません。

ねこの手ユニオンでは残業問題に限らず、給料の未払いや、パワハラやセクハラなどのハラスメント問題、不当解雇問題など、さまざまな労働問題のご相談を承っております。

労働問題でお悩みの方はお気軽にご相談ください。

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この記事を書いた人

過去の会社で弁護士を通じて未払いの残業代を請求し2年分の残業代の奪還に成功しました!この過程で、自身と同じような悩みを抱える人がまだまだ多く存在することに気づき、みんなの悩みや疑問を解決するために役立つ情報を発信します!

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