【役員は不当解雇されるの?】解任条件や対処法を法律の観点から解説

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「代表から一方的に役員をクビになったけど、これって合法? それとも違法?」

「そもそも役員は不当解雇に該当するの?」

「役員を外されたあとに対処できることはあるの?」

役員として勤めていた会社から突然、解任請求……。次のように悩んでしまう方が多いのではないでしょうか。

仕方ないと思う部分、納得できずに違法性はないのかと思う方も多いはずです。

そこで本記事では「役員は不当解雇されるのか」といった点をお伝えしたうえで、解任される条件や対処法を解説していきます。

おすすめの相談先もご紹介するので、ぜひ参考にしてください。

目次

役員は労働者でないため不当解雇が認められない?

早速、結論になりますが、役員は労働者でないため不当解雇に該当しません。

不当解雇とは、労働者が正当な理由なしに雇用契約を解除されることです。労働基準法や労働契約法などの法律を守らずに一方的な解雇を指します。

そのため、会社の経営方針や業務の運営を担当する「役員」は会社と雇用契約がないため、労働者とは別扱いです。

労働者は法令により守られている

労働者は会社と雇用契約を結びますが、会社側が一方的に契約を解除できません。

なぜなら、労働契約法第16条に「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。」と規定されているからです。

上記に該当しうる解雇はすべて無効です。

しかし、解釈があいまいだと感じないでしょうか。「客観的に合理的な理由」って具体的にどこまでの範囲ならOKなの?と考えるのは当然です。

不当解雇の判断基準は下記の記事で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。和解金の相場や成功させるためのポイントについても言及しています。

役員は労働関係法令で保護されていない

一般的に役員とは、経営に関わる重要な責任を担う人物で、社長や取締役、監査役などが含まれます。会社法第329条1項に記載されている通り、会社の株主総会で選ばれます。

会社法第330条には、「株式会社と役員及び会計監査人との関係は、委任に関する規定に従う」と規定されているため、会社との契約関係は委任契約です。

役員に就任するときは、取締役委任契約書を結びます。責任の範囲や報酬、任期などをお互いのために規定するのが一般的です。

簡単に言うと、業務委託に近いでしょう。契約が切れてしまったら、それで終了します。解雇と言うよりは「解任」の方が適切な表現です。

そのため、役員は労働者ではないため、仮にポジションをクビになっても労働関係法令で守れません。

ただし、会社法に違反があれば解任されても戦えます。

この点について次章より解説していきます。

会社の役員を解任する方法は2つ

ここで一旦、役員を解任する方法について整理します。

・任期満了を待つ

・解任する

上記2つを見ていきましょう。

任期満了を待つ

株式会社の役員には任期が設定されています。通常2年、監査役であれば4年が多いですが、会社によっては10年の場合もあります。

そのため、あなたの任期が終わっていない状況で解任されれば、不当解任となるでしょう。満期終了後、株主総会で再任されなければ退任する流れとなります。

解任する

任期満了を待たずして解任する方法もあります。株主総会を開く、もしくは解任請求をするかです。

株主総会

株主総会とは、株式会社において株主が集まって行う会議のことです。この会議では、会社の経営方針や経営結果などに関する重要な決定が行われます。

この会議の場で役員を解任できます。

会社法339条1項には「取締役、会計参与及び会計監査人は、いつでも、株主総会の普通決議によって解任することができます」。

普通決議とは、会社法309条1項には「普通決議とは、定款に定めがある場合を除き、 議決権を行使できる株主の議決権の過半数を有する株主が出席 し、かつ 出席した株主の議決権の過半数 をもって行う決議である」と記載されています。

つまり、株主が半分以上参加し、解任に同意する人数が過半数である必要があるわけです。

解任請求

一方解任請求は、少数派による訴えです。普通決議では過半数の同意を取らなければなりませんが、状況によっては実現できない場合があります。

会社法854条1項には、下記のような記載があります。

役員の職務の執行に関し不正の行為又は法令若しくは定款に違反する重大な事実があったにもかかわらず、当該役員を解任する旨の議案が株主総会において否決されたとき又は当該役員を解任する旨の株主総会の決議が第323条の規定によりその効力を生じないときは、次に掲げる株主は、当該株主総会の日から30日以内に、訴えをもって当該役員の解任を請求することができる。

一 総株主(次に掲げる株主を除く。)の議決権の100分の3(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を6箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する株主(次に掲げる株主を除く。)

 イ 当該役員を解任する旨の議案について議決権を行使することができない株主

 ロ 当該請求に係る役員である株主

二 発行済株式(次に掲げる株主の有する株式を除く。)の100分の3(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の数の株式を6箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する株主(次に掲げる株主を除く。)

 イ 当該株式会社である株主 

 ロ 当該請求に係る役員である株主

引用:https://ja.wikibooks.org/wiki/%E4%BC%9A%E7%A4%BE%E6%B3%95%E7%AC%AC854%E6%9D%A1

簡単にまとめると以下の条件であれば、該当の役員の解任が可能です。

・総株主の3%以上の議決権を6か月以上保有している、または発行済株式の3%以上の株式を6か月以上保有している

・解任を求められる取締役について職務の執行に関し不正の行為や違反の事実がある

ただし、訴訟して裁判で解任する旨が確定すればできます。不正行為や違反の事実があっても立証が難しいケースがあるため、利用されることは多くはありません。

それよりは、会社法第423条「取締役、会計参与、監査役、執行役又は会計監査人は、その任務を怠ったときは、株式会社に対し、これによって生じた損害を賠償する責任を負う」にもとづいて損害請求するケースの方が多いです。

解任が正当な理由だと判断される場合は?

次に解任理由が妥当だと判断されやすいケースについて確認します。

・法令違反

・能力の欠如

・会社への損失

・主観的な理由

上記4つについては注意しましょう。

法令違反

役員に職務執行上の法令違反行為があった場合には、正当な理由だと判断される可能性が高いです。

たとえば、会社の利益相反となる取引をした場合や会社の資産を自分の利益のために使う場合などです。

役員には善管注意義務・忠実義務があります。

善管注意義務とは会社の資産を適切に管理し、会社の利益を最大化することに努めなければならない義務、忠実義務とは、会社のために忠実に働かなければならない義務です。

任務を怠っていると、法令違反だと判断されやすくなります。体調不良が原因で十分に職務をまっとうできない場合でも、正当な理由が認められるケースが多いため、注意しましょう。

能力の欠如

前述した通り、役員には善管注意義務・忠実義務があるため、能力に欠如がある場合は解任の理由として認められやすくなります。

ただし、成果を出せなくてもすぐに解任されるわけでなく、猶予はある程度与えられるでしょう。

とは言え、役員である以上は結果を求められるのは当然です。満足できる成果が出ていなければ、覚悟する必要はあります。

会社への損失

あなたが原因で会社に損失が出ていると、正当な理由としてみなされる場合があります。損失を出したらすぐに解任されるわけではありませんが、継続的に結果が出ていないと対象となるでしょう。

主観的な理由

株主との相性が悪く、信用がないと判断されてしまうと解任の理由として認められる場合があります。

ただし主観的な要素が強いため、解任される可能性は低いです。

辞任を強要された場合の対処法について

最後に、辞任を強要されたときの対処法をお伝えします。

・理由を確認する

・退職慰労金を請求する

・解任されるまで辞めない

・労働者の地位がないか確認する

上記方法4つの詳細は、以下の通りです。

理由を確認する

解任を求められたときは、その理由を確認する必要があります。正確にチェックすれば反論しやすくなるからです。

「解任が正当な理由だと判断される場合は?」の章でお伝えしたどの内容に該当するか確認してください。

仮にミスがあって会社に損失が出た場合であっても、善管注意義務・忠実義務に反するとは限りません。経営判断の原則といって、経営判断が悪い結果に導いてしまったとしても、役員だけの責任にならない場合があります。

うしろめいた気持ちがあっても、責任を取らなくても良い場合があります。早計な判断をしないようにしましょう。

退職慰労金を請求する

役員を辞任する場合、退職慰労金を請求できます。

退職慰労金は、企業が従業員に支払う退職金のことです。退職慰労金は退職者に対する給付であり、長期にわたる勤続年数や従業員の職位などに応じて決まります。

しかし役員であっても、株主総会で決議を得られれば退職慰労金を受け取れます。解任を求められたら、応じる条件として退職慰労金を提示すれば認められる場合が多いです。

辞任した後では、受け取れないため事前交渉が必須です。

解任されるまで辞めない

解任を求められても、辞任するかどうかは個人の自由です。すぐに辞める必要はありませんし、辞めてもいけません。

強制的に辞めさせるには「株主総会」や「解任請求」が必要なため、時間や手間がどうしてもかかります。

少しでも有利な条件で辞められるように、時間をつくっておくことは大切です。役員として在籍している期間であれば、会社と交渉できます。すぐに辞めてしまうと、このような時間がつくれません。

会社法339条2項には「取締役の任期中の解任は、正当な理由がない限り、損害賠償請求できる」と規定されています。

このような知識がないと、請求できるものも受け取れないままになってしまいます。

労働者の地位がないか確認する

役員であっても、労働者の地位である場合もあります。

使用人兼務役員という言葉を聞いたことはないでしょうか?

役員もしながら、従業員の職務も兼務している人のことです。言ってしまえば、名ばかりの役員です。そのため役員を解任されたとしても、労働者の地位が残っているため従業員としてなら継続して働けます。

従業員としても解雇されるなら、退職金や未払いの残業代があれば請求可能です。

労働に関する相談は「ねこの手ユニオン」がおすすめ

役員は労働者でないものの、不当に解任された場合に損害賠償を請求できます。

しかし、以下のように悩む方が多いのではないでしょうか。

・どのように会社と交渉した方がいいのか? 

・いくらまで請求できるか?

・証拠集めなどはどうしたらいいの?

・解任理由はわかるけどどこまで戦えるの?

・損害賠償請求するのが気まずいけど大丈夫なの?

そのようなときに相談してほしいのが「ねこの手ユニオン」です。LINEやフォームからいつでも無料相談ができるため、まずは気軽にお問い合わせください。

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・企業は労働組合からの交渉を断れない

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企業は労働組合からの交渉を断れない

労働組合法で保障されているため、企業は労働組合からの団体交渉を断れません。

 労働者一人ひとりは弱いため、会社と対等に交渉するのが難しいです。しかし、労働組合が団体となって会社と交渉できる権利があります。

 仮に企業が正当な理由なしで団体交渉を無視してしまうと、労働組合法32条にあるように50万円以下の過料に処されます。

労働組合の力を使えば、対等な立場で会社と話し合いができるチャンスが生まれるわけです。

これまで泣き寝入りしていた方も救われるのではないでしょうか。

相談から裁判まで一括して代行してくれる

ねこの手ユニオンには、弁護士、社会保険労務士、行政書士といった法律のきちんとした専門家が運営に携わっているため、相談から裁判まで一括代行が可能です。

 不当解任について直接対応ができない場合であっても、弁護士も紹介しているのでご安心ください。

アルバイトやパート・契約社員・派遣でも相談できる

今回の件と直接関係ありませんが、正社員だけでなく、アルバイトや契約社員、派遣でも相談できます。

雇用形態に関係なく労働者であれば交渉権が憲法で保障されています。

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ねこの手ユニオンは、LINEやメールを使って相談が可能です。24時間365日いつでも問い合わせができるため、気軽に相談できます。

オンライン上で完結する場合もあるため、わざわざ足を運ぶ必要もありません。手軽さの観点から言うと、メリットがありますね。

着手金無料で完全成果報酬だから安心できる

ねこの手ユニオンは完全成果報酬を採用していて、着手金・相談料・組合加入費・組合費などは一切必要ありません。無事に解決できたときに、解決金の3割を支払う仕組みです。

たとえば、500万円勝ち取れたら、そのうちの150万円を謝礼としてお支払いいただきます。しかし万が一、 結果が出なかった場合に無駄な支払いが発生しないため、安心できるのではないでしょうか。

まとめ:不当解任を受けたらねこの手ユニオンに相談

役員は労働者でないため、不当解雇に該当しません。

ただし、不当解任に該当する場合があるため、解任請求を受けたらまずはその理由を確認するようにしましょう。

実際に解任されるまでに時間を稼いで、より条件が良い内容で辞めれるように交渉する必要があると考えてください。

急な解任で精神的に動揺している方や勝手が分からずどのように進めたらいいか迷ってしまう方が多いでしょう。

そのような方でも労働組合である「ねこの手ユニオン」で対応しているため、まずは気軽に相談してください!

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この記事を書いた人

大学卒業後、就職した会社で同僚が解雇に遭う現場を目の当たりにしました。この処遇が正しいのかと疑問に感じ労働基準監督署にも実際に足を運び相談もしながら同僚を援助しました。
その後も労働問題について勉強をし同じような境遇の方を一人でも救いたいと思い情報を発信してます!

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